JPH05112436A - パーマネントウエーブ前処理水性液 - Google Patents

パーマネントウエーブ前処理水性液

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JPH05112436A
JPH05112436A JP27132491A JP27132491A JPH05112436A JP H05112436 A JPH05112436 A JP H05112436A JP 27132491 A JP27132491 A JP 27132491A JP 27132491 A JP27132491 A JP 27132491A JP H05112436 A JPH05112436 A JP H05112436A
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JP
Japan
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hair
permanent wave
pretreatment
aqueous solution
wave
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Application number
JP27132491A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Koga
浩幸 古賀
Rika Higuchi
理香 樋口
Kenichi Morita
健一 森田
Naohisa Go
尚久 呉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジチオジグリコール酸又はその塩を0.5〜
30重量%含有するパーマネントウェーブ前処理水性液
で毛髪を処理した後、パーマネントウェーブ処理を行っ
て毛髪にパーマネントウェーブを付与する方法。 【効果】 パーマネントウェーブ処理に先立って、本発
明の前処理剤で処理した毛髪は先端が過度に損傷を受け
た毛髪でも、根元から先端まで均一なウェーブを形成
し、長期間にわたってそのウェーブの形状を維持でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明はパーマネントウェーブ前処
理剤に関し、さらに詳細には、パーマネントウェーブ処
理に先だって毛髪に塗布することにより、パーマネント
ウェーブ形成能の調整及び毛髪の損傷を防止するパーマ
ネントウェーブ処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】毛髪を所望の形状に長期的にセットする
最も一般的な方法としては、パーマネントウェーブ処理
が用いられている。通常、パーマネントウェーブ処理
は、チオグリコール酸塩やシステインなどの還元性物質
やアルカリ剤などを含有する第1液によって毛髪内のシ
スチン結合を開裂させ、毛髪を膨潤、軟化し、次いでこ
の毛髪をロッドなどに巻き付けるか、または櫛などによ
って伸ばし所望の形状にセットした後、臭素酸塩や過酸
化水素などの酸化剤を含有する第2液によってシスチン
結合を再形成させ所望の形状の固定を行う毛髪処理方法
である。ところで、毛髪は日々のコーミングやブロー、
さらにシャンプーやパーマネントウェーブ、ヘアダイ、
ブリーチなどの処理によって、キューティクルの欠落や
毛髪の構造の脆弱化などの物理的、化学的な損傷を受け
ており、一本の毛髪でも、それらの操作に曝された回数
の多い先端部分になるに従い、根元〜中間部分と比較し
て損傷の程度が高いのが普通である。損傷を受けた部分
は、健常な部分と比較してその構造が破壊されており、
例えば還元剤やアルカリ剤などの薬液が浸透しやすく、
その作用を非常に受けやすい。すなわち、このような毛
髪にパーマネントウェーブ処理を行いウェーブを形成す
ると、第1液の作用を過剰に受ける損傷部分では、過度
のシスチン結合の開裂、膨潤を起こし、必要以上のウェ
ーブ形成が行われ縮れてしまい、その結果として所望の
ウェーブを得ることができない。その上、毛髪の構造を
維持しているタンパク質や脂質の溶出によって著しい毛
髪弾性の低下を起こし、ウェーブが長期間保持されない
という不都合が生じる。
【0003】このようなパーマネントウェーブ処理に伴
って生じる毛髪の損傷を防止するためにパーマネントウ
ェーブ処理に先立ち、溶出によって失われる油分を補う
ものとして例えばメチルポリシロキサンやパラフィンな
どや、タンパク質成分(例えばタンパク質加水分解物)
などを補ったり、毛髪に吸着作用の高い化合物を塗布す
ることによって、損傷部分に対する第1剤の過度の還元
作用を和らげる方法が提案されている(特開昭55−1
11412号、特開昭56−103106号、特開昭5
8−39612号、特開昭60−116623号、特開
昭60−243010号、特公昭63−502104
号、特開昭64−2603号、特開平2−78607
号)。しかし、これらの前処理剤は軽度の損傷には効果
が認められるものの、数回にわたってパーマネントウェ
ーブやヘアカラーなどの処理を行った毛髪、特に数十セ
ンチメートルの長さに伸びた毛髪の先端部分などでは充
分な効果が得られていない。また、別の考え方として、
還元剤による毛髪還元が毛髪内のシスチン結合との平衡
反応で起こる事から、パーマネントウェーブ処理第1液
に、チオグリコール酸などのチオール化合物の酸化体で
あるジスルフィド化合物を含有させ、質量保存の法則に
よって還元平衡がシスチン結合の切断の方向へ進みすぎ
ない様にする方法も考案されている(特公昭45−15
397号、US3840656、特開昭63−2552
15号、EP0344653、DE3707415)。
しかしこの方法では、一般にジチオジグリコール酸又は
その塩の毛髪に対する浸透が、チオグリコール酸などの
還元剤の浸透に比べて不充分であり、特に毛髪の先端が
過剰に損傷を受けている場合には充分な還元抑制効果が
得られない。また、還元抑制効果を高めるためにジチオ
ジグリコール酸又はその塩の含有量を増加させると、還
元抑制効果が損傷部ばかりか健常部にも及ぶため得られ
るウェーブは非常に緩やかなものとなってしまう。この
考え方を一歩進めたものとして、エンドラップにジスル
フィド化合物を含浸させる方法が提案されている(US
4600028)。ここでエンドラップとは、毛髪をロ
ッドなどに巻き付けるときに毛束に分けた毛髪の先端を
挟み込むもので、紙やウレタンなどからできている。す
なわち、一般的に損傷の激しい毛髪の先端のみをジスル
フィド化合物を含浸させたエンドラップで包み込むこと
によって、パーマネントウェーブ処理第1液にジスルフ
ィド化合物を含有させた場合と同様に、還元作用を抑制
しようとするものである。しかし、この方法で還元作用
が抑制を受けるのはエンドラップに含まれている毛髪の
中でもそのエンドラップに接触している部分のみであり
効果が不充分であるだけではなく、逆にエンドラップに
含まれた部分でのウェーブのかかりむらなどを起こし、
はなはだ不都合である。また、ストレートパーマなどの
エンドラップを使用しない施術ではこの方法は使用でき
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、損傷を受けている毛髪にパーマネントウェーブ処理
を行う際に、簡便にその損傷の度合いや範囲によってウ
ェーブ形成能を調整し、根元から先端まで均一な所望の
ウェーブを得る方法、及びこれに用いる毛髪処理剤を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実状に鑑み本発明
者は種々検討した結果、パーマネントウェーブ処理に先
立ち、毛髪をジチオジグリコール酸又はその塩を含有す
る水性液で処理すれば、その後のパーマネントウェーブ
処理による毛髪の損傷が防止され、かつ、根元から先端
まで均一なウェーブ付与が可能となることを見出し、本
発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明はジチオジグリコール酸
又はその塩を0.5〜30重量%(以下、単に%で示
す)含有することを特徴とするパーマネントウェーブ前
処理水性液を提供するものである。さらに本発明は、こ
のパーマネントウェーブ前処理水性液(以下、単に前処
理剤ということもある。)で毛髪を処理した後、パーマ
ネントウェーブ処理を行うことを特徴とする毛髪にパー
マネントウェーブを付与する方法を提供するものであ
る。
【0007】本発明で用いるジチオジグリコール酸は、
下記式で表わされるものである。 HOOC−CH2−S−S−CH2−COOH ジチオジグリコール酸の塩としては、ジナトリウム、ジ
カリウム等のアルカリ金属塩、ジモノエタノールアミ
ン、ジジエタノールアミン、ジトリエタノールアミン塩
等のアルコールアミン塩及びジアンモニウム塩等が挙げ
られ、下記式で表わされるジアンモニウム塩が好まし
い。
【0008】
【化1】
【0009】また、ジチオジグリコール酸ジアンモニウ
ムは、具体的に例えばオリエンタルケミカル(株)製、
ジチオジグリコール酸ジアンモニウム液(40%)が容
易に入手することができるものとして挙げられる。ジチ
オジグリコール酸又はその塩の本発明における前処理水
性液への配合量は0.5〜30%であるが、2〜7%と
することが好ましい。この量が0.5%未満であるとそ
の後に行われるパーマネントウェーブ処理によるウェー
ブが均一にかからず、30%を超えるとウェーブのかか
りが抑制されすぎ、いずれも好ましくない。
【0010】本発明の前処理剤は、水性液の形態である
が、ここで水性液とは、ジチオジグリコール酸又はその
塩の溶媒として水が使用されている液状のものを称し、
液状であれば、水溶液、乳濁液、ペースト状のいずれの
ものも含まれる。
【0011】本発明の前処理液には、さらに各種界面活
性剤を配合し、毛髪内へのジチオジグリコール酸又はそ
の塩の浸透を促進させ、短時間かつ少量の前処理によっ
て簡便に均一な所望のウェーブを付与させることもでき
る。ここで使用される界面活性剤としては、陽イオン界
面活性剤、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及
び両性界面活性剤のいずれをも挙げることができる。
【0012】陽イオン界面活性剤としては、例えば次の
一般式(1)又は(2)で表わされる第4級アンモニウ
ム塩が挙げられる。
【0013】
【化2】
【0014】〔式中、R1、R2、R3及びR4のうち、少
なくとも1個は総炭素数8〜28の、アルコキシ、アル
ケニルオキシ、アルカノイルアミノ又はアルケノイルア
ミノ基で置換されていてもよいアルキル又はアルケニル
基を示し、残余はベンジル基、炭素数1〜5のアルキル
基又はヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数2〜
3のアルキレン基を示し、X-はハロゲンイオン又は有
機アニオンを示し、nは1〜20の整数を示す〕
【0015】斯かるカチオン界面活性剤の中でも一般式
(1)の第4級アンモニウム塩が好ましく、更に一般式
(1)の好ましいものとして、例えば次の一般式(3)
〜(5)で表わされる分岐第4級アンモニウム塩が挙げ
られる。
【0016】
【化3】
【0017】一般式(3)で表わされる分岐第4級アン
モニウム塩は、例えば通常炭素数8〜16のオキソアル
コールを原料として合成されるものであり、その例とし
ては、オキソアルコールから導かれるアルキル基を有す
るジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルキルメチ
ルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジアルキルメチル
ベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。本発明では、
(3)式中のR6の分岐率が、通常10〜100%のも
のが用いられるが、特に10〜50%のものが好まし
い。また、R6の合計炭素数が8〜16のものが用いら
れるが、一定の分布を持ったものが好ましく、特に以下
に示す分布を有するものが好ましい。 C8〜C11:5%以下 C12:10〜35% C13:15〜40% C14:20〜45% C15:5〜30% C16:5%以下 斯かる分岐第4級アンモニウム塩の具体例としては、炭
素数8〜16の分岐率10〜50%のアルキル基を有す
る、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドが挙げら
れる。
【0018】また、一般式(4)で表わされる分岐第4
級アンモニウム塩は通常、炭素数8〜28のゲルベアル
コール
【0019】
【化4】
【0020】を原料として合成されるものである。この
分岐第4級アンモニウム塩の好ましい例としては、ゲル
ベアルコールから導かれるアルキル基を有するアルキル
トリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジル
アンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、
ジアルキルメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジ
アルキルメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ
る。更にこれらのうちで特に好ましい具体例としては、
2−デシルテトラデシルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、2−ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロリド、ジ−2−ヘキシルデシルジメチルアンモニウ
ムクロリド、ジ−2−オクチルドデシルジメチルアンモ
ニウムクロリド等を挙げることができる。一般式(5)
で表わされるメチル分岐第4級アンモニウム塩はsとt
の和が15となるものが好適な例として挙げられる。ま
た、一般式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)
で表わされる第4級アンモニウム塩の対イオンであるX
-の具体例としては、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲン
イオン:メトサルフェート、エトサルフェート、メトフ
ォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンが
挙げられる。
【0021】非イオン界面活性剤としては、脂肪酸モノ
グリセライド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ラノリン誘導体、ポリオキシエチレンソルビトールエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタ
エリスリトール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レングリコールエーテル、脂肪酸ポリオキシアルキレン
ソルビタン、高級脂肪酸アルカノールアミド、高級アル
コールと糖のエーテル等が挙げられる。
【0022】陰イオン界面活性剤としては、例えば下記
の(1)〜(11)のものが挙げられる。 (1)平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖
又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩。 (2)平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜
8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイド、又はエチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比
で、あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキサイド
が0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアル
キル又はアルケニルエーテル硫酸塩。 (3)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニ
ル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸塩。 (4)平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオ
レフィンスルホン酸塩。 (5)平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するア
ルカンスルホン酸塩。 (6)平均10〜24の炭素原子を1分子中に有する飽
和又は不飽和脂肪酸塩。 (7)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニ
ル基を有し、1分子中に平均0.5〜8モルのエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが
0.1/9.9〜9.9/0.1の比で、あるいはエチ
レンオキサイドとブチレンオキサイドが0.1/9.9
〜9.9/0.1の比で付加したアルキル又はアルケニ
ルエーテルカルボン酸塩。 (8)平均10〜20の炭素原子から成るアルキル基又
はアルケニル基を有するα−スルホン脂肪酸塩又はエス
テル。 (9)炭素数8〜24のアシル基、及び遊離カルボン酸
残基を有するN−アシルアミノ酸型界面活性剤。 (10)炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基
を有するリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤。 (11)炭素数8〜22の高級アルコール若しくはその
エトキシレートなどのスルホコハク酸エステル又は高級
脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル。
【0023】両性界面活性剤としては、例えば下記(1
2)及び(13)のものが挙げられる。 (12)炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基若
しくはアシル基を有するα位付加型、2級アミド、若し
くは3級アミド型のイミダゾリン系両性界面活性剤。 (13)炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基若
しくはアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタ
イン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン
系、若しくはアミドスルホベタイン系両性界面活性剤。
【0024】これらの界面活性剤のアニオン性残基の対
イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属イオン、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類
金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2又は3のア
ルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例
えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)
を挙げることができる。またカチオン性残基の対イオン
としては、塩素、臭素、沃素等のハロゲンイオン及びメ
トサルフェート、サッカリネートイオンを挙げることが
できる。
【0025】本発明の前処理剤には、上記の界面活性剤
を単独で又は2種以上を混合して配合してもよく、これ
らの界面活性剤の配合量は0.05〜50%、特に0.
5〜10%が好ましい。
【0026】また本発明の前処理剤には、炭化水素、流
動パラフィン、ワックス、ラノリン誘導体、オリーブ
油、硬化ヒマシ油、エステル等の油脂;陽イオン性共重
合体、非イオン性共重合体、陰イオン性共重合体、非イ
オン性共重合体などの重合体;シリコーン誘導体;アル
キルポリアルキレングリコールエーテル;ケラチン加水
分解物、コラーゲン加水分解物、エラスチン加水分解
物、カゼインなどの動物性タンパク質加水分解物;グル
アジン、グルテンなどの小麦タンパク質加水分解物や大
豆タンパク質加水分解物などの植物性タンパク質加水分
解物なども含有できる。
【0027】また、本発明についてはその水性液のpHは
限定されないが、2〜11の間にあることが望ましい。
その際のpH調整剤としては酸性物質として、塩酸、リン
酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸などを、塩基
性物質として、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミ
ノヒドロキシメチルプロパンジオール、2−アミノ−2
−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル
−1,3−プロパンジオール、塩基性アミノ酸、アンモ
ニアなどを使用できる。さらに、エタノール、エチレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレン
グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ベ
ンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等の水以
外の溶媒;尿素、殺菌剤、防腐剤、パール化剤、色素、
香料、増粘剤、キレート剤などが配合できる。
【0028】本発明の前処理剤で毛髪を処理するには、
毛髪に本発明前処理剤を塗布し、一定時間、例えば2〜
10分間放置すればよい。なお、毛髪の先端部等の損傷
が激しい部分には多く、根元等のほとんど損傷のない部
分には少なく塗布すればよい。
【0029】かかる前処理後、その毛髪に通常のパーマ
ネントウェーブ処理をすれば、毛髪の根元から先端部ま
で均一なウェーブを付与することができる。ここで、パ
ーマネントウェーブ処理としては、通常の還元性物質を
主成分とするパーマネントウェーブ第1剤を用いて毛髪
中のジスルフィド(−S−S−)結合を還元、開鎖し、
次いでこの毛髪をカーラー等を用いて所望の形にセット
し、更に臭素酸(塩)、過ホウ酸(塩)、過酸化水素等
の酸化剤を主成分とするパーマネントウェーブ第2剤で
酸化、閉鎖してセットを固定する方法が使用される。な
お、ここで用いるパーマネントウェーブ第1剤はチオグ
リコール酸、又はその塩が主成分であるものが望ましい
が、他の還元剤、例えばシステインやN−アセチルシス
テイン、その誘導体などを主成分とするものでもよい。
さらに、その第1剤中にジチオジグリコール酸又はその
塩を含有していてもよい。
【0030】
【発明の効果】パーマネントウェーブ処理に先立って、
本発明の前処理剤で処理した毛髪は先端が過度に損傷を
受けた毛髪でも、根元から先端まで均一なウェーブを形
成し、長期間にわたってそのウェーブの形状を維持でき
る。また、毛髪を保護する効果もある。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0032】実施例1 健康な20代女性から入手した未処理毛20cmの先端約
7cmの部分に2回ブリーチ処理を行って人為的に損傷を
与え、その20gを毛束として用いた。この毛束を下記
処理フローに従ってパーマネントウェーブ処理し、ウェ
ーブの均一性、ウェーブのもち及び毛髪保護能力を評価
した。 (1)処理フロー a.前処理;パーマネントウェーブ処理に先だって毛髪
の損傷部分に本発明の前処理剤を塗布し、よくなじませ
5分間、または15分間放置する。 b.ワインディング;毛髪を直径1.5cmのロッドにエ
ンドペーパーで先端を挟み込み巻く。比較例3に関して
は、毛髪をロッドに巻きつける際、ジチオジグリコール
酸ジアンモニウムをエンドラップ1枚につき0.08g
しみこませたものを用いて巻く。 c.第1剤;第1剤を浴比1:3(毛髪:第1剤)で毛
髪に塗布し、10分間放置する。 d.第2剤;第2剤を浴比1:3(毛髪:第2剤)で毛
髪に塗布し、10分間放置する。毛髪をロッドからはず
して充分に流水ですすぎ、根元を上にして吊り下げ自然
乾燥させる。 (2)評価方法 A.ウェーブの均一性の評価
【0033】
【数1】
【0034】毛髪のカール径は、毛束の中から無作為に
30本選んだ毛髪の根元から5cm、毛先から5cmのそれ
ぞれについて形成されたカールの直径を測定し、その平
均を求めた。 ○:90以上 △:80以上90未満 ×:80未満 B.ウェーブのもちの評価
【0035】
【数2】
【0036】毛髪のカール径は、毛束の中から無作為に
30本選んだ毛髪の毛先から5cmについて施術直後とシ
ャンプー10回後のそれぞれについて形成されたカール
の直径を測定し、その平均を求めた。 ○:90以上 △:80以上90未満 ×:80未満 C.毛髪保護能力の評価
【0037】
【数3】
【0038】毛髪の破断強度は、同一の毛束の中から施
術前、施術後それぞれについて無作為に30本選んだ毛
髪の1本1本を引っ張り試験機によって破断させるに必
要な荷重を測定し、その平均を求めた。 ○:80以上 △:60以上80未満 ×:60未満 評価項目A.B.C.とも100に近いほど効果があ
る。 (3)結果 その結果、表1及び表2に示すように、本発明の前処理
剤を使用した場合には、毛髪に損傷を与えず、均一かつ
もちのよいパーマネントウェーブ効果が得られる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】実施例2 表1及び表2記載の前処理剤を用いて実施例1と同様に
して、毛髪を前処理し、次いで第1剤、第2剤で毛髪を
処理した。当該処理毛について実施例1と同様にウェー
ブの均一性、ウェーブのもち、毛髪保護能力を評価し
た。その結果、表3及び表4に示す如く、本発明の前処
理剤で処理した毛髪は、ケラチン加水分解物や油性成分
を含有する前処理剤で前処理した毛髪に比べ、ウェーブ
の均一性、ウェーブのもち、及び毛髪保護能のいずれに
おいても優れていた。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業の利用分野】本発明はパーマネントウェーブ前処
に関し、さらに詳細には、パーマネントウェーブ処
理に先だって毛髪に塗布することにより、パーマネント
ウェーブ形成能の調整及び毛髪の損傷を防止するパーマ
ネントウェーブ前処理液に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】このようなパーマネントウェーブ処理に伴
って生じる毛髪の損傷を防止するためにパーマネントウ
ェーブ処理に先立ち、溶出によって失われる油分を補う
ものとして例えばメチルポリシロキサンやパラフィンな
どや、タンパク質成分(例えばタンパク質加水分解物)
などを補ったり、毛髪に吸着作用の高い化合物を塗布す
ることによって、損傷部分に対する第1剤の過度の還元
作用を和らげる方法が提案されている(特開昭55−1
11412号、特開昭56−103106号、特開昭5
8−39612号、特開昭60−116623号、特開
昭60−243010号、特公昭63−502104
号、特開昭64−2603号、特開平2−78607
号)。しかし、これらの前処理剤は軽度の損傷には効果
が認められるものの、数回にわたってパーマネントウェ
ーブやヘアカラーなどの処理を行った毛髪、特に数十セ
ンチメートルの長さに伸びた毛髪の先端部分などでは充
分な効果が得られていない。また、別の考え方として、
還元剤による毛髪還元が毛髪内のシスチン結合との平衡
反応で起こる事から、パーマネントウェーブ処理第1液
に、チオグリコール酸などのチオール化合物の酸化体で
あるジスルフィド化合物を含有させ、質量保存の法則に
よって還元平衡がシスチン結合の切断の方向へ進みすぎ
ない様にする方法も考案されている(特公昭45−15
397号、US3840656、特開昭63−2552
15号、EP0344653、DE3707415)。
しかしこの方法では、一般にジチオジグリコール酸又は
その塩の毛髪に対する浸透が、チオグリコール酸などの
還元剤の浸透に比べて不充分であり、特に毛髪の先端が
過剰に損傷を受けている場合には充分な還元抑制効果が
得られない。また、還元抑制効果を高めるためにジチオ
ジグリコール酸又はその塩の含有量を増加させると、還
元抑制効果が損傷部ばかりか健常部にも及ぶため得られ
るウェーブは非常に緩やかなものとなってしまう。この
考え方を一歩進めたものとして、エンドラップにジスル
フィド化合物を含浸させる方法が提案されている(US
4600028)。ここでエンドラップとは、毛髪をロ
ッドなどに巻き付けるときに毛束に分けた毛髪の先端を
挟み込むもので、紙やウレタンなどからできている。す
なわち、一般的に損傷の激しい毛髪の先端のみをジスル
フィド化合物を含浸させたエンドラップで包み込むこと
によって、パーマネントウェーブ処理第1液にジスルフ
ィド化合物を含有させた場合と同様に、還元作用を抑制
しようとするものである。しかし、この方法で還元作用
が抑制を受けるのはエンドラップに包まれている毛髪の
中でもそのエンドラップに接触している部分のみであり
効果が不充分であるだけではなく、逆にエンドラップに
包まれている部分でのウェーブのかかりむらなどを起こ
し、はなはだ不都合である。また、ストレートパーマな
どのエンドラップを使用しない施術ではこの方法は使用
できない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明で用いるジチオジグリコール酸は、
下記式で表わされるものである。 HOOC−CH2−S−S−CH2−COOH ジチオジグリコール酸の塩としては、ジナトリウム、ジ
カリウム等のアルカリ金属塩、ジモノエタノールアミ
ン、ジジエタノールアミン、ジトリエタノールアミン塩
等のアルコールアミン塩及びジアンモニウム塩等が挙げ
られ、特に下記式で表わされるジアンモニウム塩が好ま
しい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本発明の前処理剤で毛髪を処理するには、
毛髪に本発明前処理剤を塗布し、一定時間、例えば
10分間放置すればよい。なお、毛髪の先端部等の損傷
が激しい部分には多く、根元等のほとんど損傷のない部
分には少なく塗布すればよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】実施例1 健康な20代女性から入手した未処理毛20cmの先端約
7cmの部分に2回ブリーチ処理を行って人為的に損傷を
与え、その20gを毛束として用いた。この毛束を下記
処理フローに従ってパーマネントウェーブ処理し、ウェ
ーブの均一性、ウェーブのもち及び毛髪保護能力を評価
した。 (1)処理フロー a.前処理;パーマネントウェーブ処理に先だって毛髪
の損傷部分に本発明の前処理剤を塗布し、よくなじませ
5分間、または15分間放置する。 b.ワインディング;毛髪を直径1.5cmのロッドにエ
ンドラップで先端を挟み込み巻く。比較例3に関して
は、毛髪をロッドに巻きつける際、ジチオジグリコール
酸ジアンモニウムをエンドラップ1枚につき0.08g
しみこませたものを用いて巻く。 c.第1剤;第1剤を浴比1:3(毛髪:第1剤)で毛
髪に塗布し、10分間放置する。 d.第2剤;第2剤を浴比1:3(毛髪:第2剤)で毛
髪に塗布し、10分間放置する。毛髪をロッドからはず
して充分に流水ですすぎ、根元を上にして吊り下げ自然
乾燥させる。 (2)評価方法 A.ウェーブの均一性の評価
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表2】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】実施例2 表及び表記載の前処理剤を用いて実施例1と同様に
して、毛髪を前処理し、次いで実施例1と同じ第1剤、
第2剤で毛髪を処理した。当該処理毛について実施例1
と同様にウェーブの均一性、ウェーブのもち、毛髪保護
能力を評価した。その結果、表3及び表4に示す如く、
本発明の前処理剤で処理した毛髪は、ケラチン加水分解
物や油性成分を含有する前処理剤で前処理した毛髪に比
べ、ウェーブの均一性、ウェーブのもち、及び毛髪保護
能のいずれにおいても優れていた。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】
【数2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジチオジグリコール酸又はその塩を0.
    5〜30重量%含有することを特徴とするパーマネント
    ウェーブ前処理水性液。
  2. 【請求項2】 さらに界面活性剤を含有する請求項1記
    載のパーマネントウェーブ前処理水性液。
  3. 【請求項3】 ジチオジグリコール酸又はその塩を0.
    5〜30重量%含有するパーマネントウェーブ前処理水
    性液で毛髪を処理した後パーマネントウェーブ処理を行
    うことを特徴とする毛髪にパーマネントウェーブを付与
    する方法。
JP27132491A 1991-10-18 1991-10-18 パーマネントウエーブ前処理水性液 Pending JPH05112436A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308742A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 L'oreal Sa アミノシリコーンによる毛髪パーマネント再整形方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308742A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 L'oreal Sa アミノシリコーンによる毛髪パーマネント再整形方法
US8163273B2 (en) 2001-04-06 2012-04-24 L'oreal S.A. Process for permanently reshaping the hair using aminosilicones

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