JPH0510870A - 光音響分光法とフーリエ分光法を用いた深さ分析法 - Google Patents

光音響分光法とフーリエ分光法を用いた深さ分析法

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JPH0510870A
JPH0510870A JP3165655A JP16565591A JPH0510870A JP H0510870 A JPH0510870 A JP H0510870A JP 3165655 A JP3165655 A JP 3165655A JP 16565591 A JP16565591 A JP 16565591A JP H0510870 A JPH0510870 A JP H0510870A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光音響分光法とフーリエ分光法の組み合わせ
により、試料の深さ方向の情報を正確に検出する。 【構成】 所定周期で発光するパルス光源1からの光を
ラピッドスキャン干渉計2によって変調して測定試料4
に照射し、その照射によって測定試料4中で発生した熱
は拡散して周囲の気体に伝達され、それに基づく気体の
密度変化をマイクロホン5で検出して電気信号に変換
し、その検出信号をパルス光源1発光より後の一定の遅
延時間においてゲート回路9によりサンプリングし、サ
ンプリングされた信号の低周波数成分をローパスフィル
タ10により取り出し、その信号をAD変換器12によ
りディジタル信号に変換し、コンピュータ13によりフ
ーリエ変換して、照射光波数に依存した測定試料の特定
深さの熱分布情報を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光音響分光法(PA
S)とフーリエ分光法を用いた試料の深さ分析法に関
し、特に、パルス光源とラピッドスキャン干渉計とを用
いて、試料の深さ方向の情報を正確に検出することが可
能なPASとフーリエ分光法を用いた深さ分析法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光音響分光法(PAS)は、次のような
ものである。すなわち、試料に光を照射し、その中に取
り込まれた光エネルギーの一部が熱を発生し、発生され
た熱エネルギーの一部は熱拡散により周囲の気体に伝達
される。いま、照射光が断続的に変調されており、その
変調周波数に比べて充分速い熱変換速度を有しているな
ら、熱エネルギーの周囲気体への伝達も断続的となり、
周囲の気体に粗密波(音波)が発生する。これを高感度
マイクロホンで検知して試料の分光情報を得ることがで
きる。上記の断続的に変調された照射光として、ラピッ
ドスキャン干渉計によって変調された光を用い、マイク
ロホンで検知された信号をFT−IR(フーリエ変換赤
外分光法)と同じ信号処理を用いて、干渉計の移動鏡速
度を変えることにより、試料の深さ方向の情報を得てい
る(田隅三生著「FT−IRの基礎と実際」(1986
年12月10日(株)東京化学同人発行)第114〜1
23頁参照)。
【0003】ところで、本出願人は、すでに、刺激発生
手段により周期的に刺激を発生して測定対象に繰り返し
与え、ラピッドスキャン干渉計を用いた検出器出力から
刺激より一定の遅延時間に対するインターフェログラム
を取得し、フーリエ変換によりスペクトルを得ることに
よって、刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測定対象
の反応状態を測定する時間分解分光方法に関して、特願
平1−230209号、特願平1−335748号、特
願平2−259355号、特願平2−259357号、
特願平3−2378号、特願平3−2379号、特願平
3−64623号、特願平3−64624号、特願平3
−158330号等により種々提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、上記FT−IR
を用いたPASにおいて、深さ方向の情報とは、試料の
ある深さから表面までの平均した吸収情報であり、ま
た、その深さも光の波数により異なるため、ある深さの
層だけの情報を取り出すことは困難である。
【0005】また、試料の表面のみの分析には、移動鏡
の速度を上げればよいが、実際にはAD変換器の変換速
度等の関係で、移動鏡の大幅な高速化は難しい。
【0006】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、試料の深さ方向の情報を正確
に検出することが可能な光音響分光法とフーリエ分光法
を用いた深さ分析法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の光音響分光法とフーリエ分光法を用いた深さ分析法
は、測定試料にラピッドスキャン干渉計によって変調さ
れた光を照射することによって測定試料中で発生した熱
が拡散して周囲の気体に伝達され、それに基づく気体の
密度変化を検出して電気信号に変換し、その信号をフー
リエ変換することにより測定試料の深さ方向の情報を取
得する光音響分光法とフーリエ分光法を用いた深さ分析
法において、光源として所定周期で発光するパルス光源
を用い、検出信号をパルス光源発光より後の一定の遅延
時間においてサンプリングし、サンプリングされた信号
の所定範囲の周波数成分を取り出し、それに所定の信号
処理を施すかそのままその信号をフーリエ変換して、照
射光波数に依存した測定試料の特定深さの熱分布情報を
得ることを特徴とする方法である。
【0008】
【作用】本発明においては、光源として所定周期で発光
するパルス光源を用い、検出信号をパルス光源発光より
後の一定の遅延時間においてサンプリングし、サンプリ
ングされた信号の所定範囲の周波数成分を取り出し、そ
れに所定の信号処理を施すかそのままその信号をフーリ
エ変換して、照射光波数に依存した測定試料の特定深さ
の熱分布情報を得るようにしているので、照射光の波数
に依存した測定試料の深さ方向の吸収特性の違いを利用
して、試料の深さ方向の情報を正確に検出することがで
きる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照にして、本発明の光音響分
光法とフーリエ分光法を用いた深さ分析法の実施例につ
いて説明する。図1に本発明に係る深さ分析法の1実施
例を実施するための装置の基本構成を示す。この実施例
においては、干渉計2の変調周波数fが、パルス光源1
の繰り返し周波数1/τ(τ:パルス発光繰り返し周
期)の半分より小さい範囲にのみ存在するとする。図1
において、1はパルス光源、2は干渉計、3はパルス光
源1を周期τでパルス発光させるためのタイマであり、
また、4は深さ方向の情報を得ようとする試料、5は試
料4からの熱による音波を検知するマイクロホンであ
り、試料4とマイクロホン5は従来のものと同様なPA
Sユニット6を構成している。さらに、7はプリアン
プ、8は遅延回路、9はゲート回路、10はローパスフ
ィルタ、11はメインアンプ、12はAD変換器、13
はコンピュータを示す。
【0010】このような構成において、試料4は、干渉
計2により変調されたパルス光源1からの光で一様に照
射され、各深さの層の成分に応じた光を吸収する。吸収
された光は熱に変換され、その吸収に応じた熱分布を示
す。熱は時間と共に拡散して試料4表面に達し、そこで
周りの空気を暖め、膨張させる。その圧力変化を音とし
てマイクロホン5がキャッチして電気信号に変換する。
タイマ3は、干渉計2の持つ基準信号(インタフェログ
ラムをA/D変換してコンピュータに取り込んでフーリ
エ変換するためのサンプリング信号)と非同期で一定周
期τでパルス光源1をパルス発光させるものであり、ま
た、遅延回路5は、タイマ3の発光信号から一定時間Δ
τ遅延したトリガーを生成してゲート回路9を制御する
ものである。ゲート回路9は、パルス発光から一定時間
Δτ遅延した時間にマイクロホン5からの出力を切り出
すものであるが、AD変換器12と同様に、周期τに対
して十分狭いゲート幅を持ったものであり、その間だけ
信号を通すことによって櫛状の信号を得るものである。
ローパスフィルタ10は、ゲート回路9の出力から得ら
れるスペクトルの低周波成分(f<1/2τ)を取り出
すものである。
【0011】さて、試料4に光の波数σの単位強度のパ
ルス光を照射したときにマイクロホン5から得られる信
号(PASのパルスレスポンス関数)をA(σ,t) とする
と、A(σ,t) は、試料4の波数σの光に対する深さ方向
の熱分布情報を表すことになる。したがって、このPA
Sのパルスレスポンス関数A(σ,t) を求めることによ
り、試料4の深さ方向の情報を正確に検出することがで
きる。
【0012】いま、単色光B(σ)dσのパルス連Шτ(t)
が干渉計2を通過したときの出力は、 B(σ)dσШτ(t) cos2πx σ で表され、これがPASユニット6に入射したとする
と、マイクロホン5から得られる信号は、 {B(σ)dσШτ(t) cos2πx σ}*A(σ,t) ={A(σ,t) *Шτ(t) }B(σ) cos2πx σd σ となる。ここで、Шτ(t) はデラック関数δ(t)が等
間隔な時間τで並んだ繰り返し操作を表すコム関数、*
はコンボリューション演算である。したがって、様々な
波数の光がパルス光源1から放射されるときは、マイク
ロホン5から得られる信号は次のようになる。
【0013】 ∫{A(σ,t) *Шτ(t) }B(σ)cos 2πx σ dσ この信号をゲート回路9を通して切り出だすと、 Шτ(t -Δτ) ∫{ A( σ,t) *Шτ(t) }B(σ)cos2 πx σ dσ となる。
【0014】この信号において、サンプリング処理を示
すШτ(t -Δτ) は、変数σとは独立な関数であるた
め、積分の中に組み込むことができる。ここで、時間変
数tに従属なШτ(t -Δτ) {A(σ,t) *Шτ(t) }だ
けを取り出して、その式の変形を行う。コム関数はデル
タ関数の和で表せるので、 Шτ(t) =Σδ(t-nτ) ・・・(A1) Шτ(t -Δτ) { A( σ,t) *Шτ(t) }をこの(A1)
式を用いて書き直す。ここで、nは整数である。
【0015】 Шτ(t -Δτ) {A(σ,t) *Шτ(t) } ={Σδ(t- Δτ-nτ) }[∫A(σ,t-t'){Σδ(t'- mτ) }dt' ] ={Σδ(t- Δτ-nτ) }{ΣA(σ,t-mτ) } ・・・(A2) mもまた整数である。パルス光源1周期τは試料4の熱
拡散時間より長くとられているので、t<0,t≧τの
ときは、A(σ,t) =0となる。したがって、(A2)式
はn=mのときのみ信号が得られる。よって、(A2)
式は次のように変形できる。
【0016】 {Σδ(t- Δτ-nτ) }{ΣA(σ,t-mτ) } =Σ{δ(t- Δτ-nτ) A(σ,t- n τ) } =Σ{δ(t- Δτ-nτ) A(σ, Δτ) } ・・・(A3) A(σ, Δτ) は定数のため、括りだせるので、 =A(σ, Δτ) Σδ(t- Δτ-nτ) =A(σ, Δτ) Шτ(t- Δτ) ・・・(A4) よって、 Шτ(t -Δτ) ∫{ A( σ,t) *Шτ(t) }B(σ)cos2 πx σ dσ =Шτ(t -Δτ) ∫A(σ,Δτ) B(σ)cos2 πx σ dσ ・・(A5) になる。
【0017】このゲート回路9を通して得られる信号
(A5)は、よく見ると、本出願人が特願平1−2302
09号、特願平1−335748号、特願平2−259
355号、特願平2−259357号、特願平3−23
78号、特願平3−2379号、特願平3−64623
号、特願平3−64624号、特願平3−158330
号等において提案した時間分解分光方法におけるゲート
回路からの出力と全く同じ形式のものである(この信号
(A5)は、例えば特願平3−2378号の式(4b)と同
じである。)。すなわち、干渉計2を通してパルス光源
1から試料4を照射する光は、上記の時間分解分光方法
における刺激発生手段からの測定対象に与える繰り返し
刺激に相当し、以後の信号の処理は、全く同様に処理す
ればよいことになる。
【0018】したがって、図1の場合は、干渉計2の各
時間分解信号の変調周波数fがパルス光源1の繰り返し
周波数1/τの半分より小さい範囲にのみ存在するの
で、特願平1−230209号の場合と同様、その信号
の低周波成分(f<1/2τ)をローパスフィルタ10
により取り出し、メインアンプ11で増幅後、AD変換
器12により干渉計2の持つ周期τ0 の基準信号でサン
プリングを行い、コンピュータ13によりフーリエ変換
することにより、A(σ,Δτ) B(σ) が求められ、例え
ば通常のFT−IR分光測定で求めたB(σ) を用いて、
求められたA(σ,Δτ) B(σ) との比をとることによ
り、試料4の波数σの光に対する深さ方向の熱分布情報
を表すPASのパルスレスポンス関数A(σ, Δτ) を求
めることができる。同様にして、ゲート回路9へのトリ
ガー信号の遅延時間Δτを変えることにより、一連の遅
延時間における時系列のPASのパルスレスポンス関数
A(σ,Δτ) を求めることができる(Δτが深さに対応
する。)。
【0019】以上は、干渉計2の変調周波数fが、パル
ス光源1の繰り返し周波数1/τ(τ:パルス発光繰り
返し周期)の半分より小さい範囲にのみ存在する場合で
あったが、m/2τ<f<(m+1)/2τ(mは正の
整数)の範囲のみにパルス光源1からのスペクトルが存
在する場合には、ゲート回路9から得られた信号は、特
願平3−2378号、特願平3−2379号及び特願平
3−158330号の場合と同様に処理する。すなわ
ち、特願平3−2379号による場合は、図1の構成に
装置において、ローパスフィルタ10によりゲート回路
9から得られた信号の高次成分(f<1/2τの範囲に
ある1次成分)を取り出し、その信号をAD変換器12
でサンプリングした後、コンピュータ13で位相補正と
波数変換を行ってPASのパルスレスポンス関数A(σ,
Δτ) を求める。
【0020】また、特願平3−2378号による場合
は、図2に示すように、ローパスフィルタの代わりに、
m/2τ<f<(m+1)/2τ(mは正の整数)の信
号を通すバンドパスフィルタ14を用いて、ゲート回路
9から得られた信号の中から本来のPASのレスポンス
関数に相当する部分(0次成分)のみを取り出し、これ
を図1の場合と同様にフーリエ変換してPASのパルス
レスポンス関数A(σ, Δτ) を求める。
【0021】さらに、特願平3−158330号による
場合は、特願平3−2379号による場合と同様、ロー
パスフィルタ10によりゲート回路9から得られた信号
の高次成分(f<1/2τの範囲にある1次成分)を取
り出すが、位相補正と波数変換を行う代わりに、図3に
示すように、ローパスフィルタ10からの信号をロック
インアンプ15に入力し、タイマ3からの周期τの信号
と同期をとることにより、本来のPASのレスポンス関
数と同じスペクトルを有し位相補正の必要のない信号に
変換して、AD変換器12でサンプリングした後、図1
の場合と同様にフーリエ変換してPASのパルスレスポ
ンス関数A(σ, Δτ) を求める。
【0022】また、図1、図3の場合に、パルス光源1
の発光周期をτ、ゲート回路9で信号を切り出す周期を
τ/2にして、1個おきの信号をパルス光入射のときの
PAS信号とし、もう1つの1個おきの信号をパルス光
入射なしのときのバックグラウンド信号とすることによ
り、装置の状態、測定環境の変化に影響されない測定を
可能にすることが可能である。すなわち、特願平1−3
35748号による場合は、干渉計2の各時間分解信号
の変調周波数fがパルス光源1の繰り返し周波数1/τ
の半分より小さい範囲にのみ存在する場合で、図4に示
すように、タイマ3からの周期τの信号はパルス光源1
をパルス発光させると共に、もう1つの信号は逓倍器1
6により周期τ/2の信号に変換され、その後遅延回路
5により一定時間Δτ遅延したトリガーを生成してゲー
ト回路9に加えられる。ゲート回路9は、パルス発光時
及びパルス発光間の中間時点から一定時間Δτ遅延した
時間にマイクロホン5からの出力を切り出す。このゲー
ト回路9からの信号の1/2τ<f<1/τの周波数成
分をバンドパスフィルタ14により取り出し、バンドパ
スフィルタ14からの信号をロックインアンプ15に入
力して、タイマ3からの周期τの信号と同期をとること
により位相補正の必要のない形にし、AD変換器12で
サンプリングした後、コンピュータ13によりフーリエ
変換することにより、バックグラウンドとの差の形でA
(σ,Δτ) B(σ) が求められ、別に求めたB(σ) を用
いて、試料4の波数σの光に対する深さ方向の熱分布情
報を表すPASのパルスレスポンス関数A(σ, Δτ) を
求めることができる。同様にして、ゲート回路9へのト
リガー信号の遅延時間Δτを変えることにより、一連の
遅延時間における時系列のPASのパルスレスポンス関
数A(σ, Δτ) を求めることができる(Δτが深さに対
応する。)。
【0023】また、特願平3−64623号による場合
は、干渉計2の各時間分解信号の変調周波数fがm/2
τ<f<(m+1)/2τ(mは正の整数)の範囲のみ
に存在する場合で、この場合は、図4のバンドパスフィ
ルタ14を用いる代わりに、図5に示すように、f<1
/2τの範囲にある成分を取り出すローパスフフィルタ
10を用いる。その他は図4の場合と同様である。
【0024】さらに、特願平3−64624号により、
図5のロックインアンプ15を省略して図6のように構
成し、ローパスフィルタ10からの信号をAD変換器1
2でサンプリングした後、コンピュータ13で位相補正
と波数変換を行ってバックグラウンドとの差をとったP
ASのパルスレスポンス関数A(σ, Δτ) を求めるよう
にすることもできる。
【0025】ところで、以上の図1から図6の何れのも
のも、ゲート回路9、ローパスフィルタ10、メインア
ンプ11等からなるチャンネルを複数設け、各チャンネ
ルにプリアンプ7からの信号を入力し、パルス光源1を
発光させてからの各ゲートを開くまでの遅延時間Δτを
チャンネル毎に異ならせることにより、異なる一連の遅
延時間Δτ1 、Δτ2 、Δτ3 ・・・におけるPASの
パルスレスポンス関数A(σ, Δτ) を同時に求めること
もできる。その例を図1の場合と図4の場合とについ
て、図7、図8に図示のみするが、図2、図3、図5、
図6の場合についても同様に構成できることは明らかで
あろう。なお、これらの詳細については、特願平2−2
59355号、特願平2−259357号、特願平3−
2378号、特願平3−2379号、特願平3−646
23号、特願平3−64624号、特願平3−1583
30号の明細書を参照されたい。
【0026】以上、本発明の光音響分光法とフーリエ分
光法を用いた深さ分析法について、その数学的原理が、
本出願人の特願平1−230209号、特願平1−33
5748号、特願平2−259355号、特願平2−2
59357号、特願平3−2378号、特願平3−23
79号、特願平3−64623号、特願平3−6462
4号、特願平3−158330号等で提案した時間分解
分光方法の数学的原理と同じであることを説明し、その
アナロジーから各種実施例を説明してきたが、それらの
作用、効果の詳細、その他の変形例等については、これ
ら出願の明細書及び図面を参照されたい。
【0027】ところで、以上の説明において、試料4が
照射された光を吸収して熱に変換し、その熱の周囲の空
気への拡散を検知するPASユニット6にマイクロホン
5を用いることを前提にしていたが、この熱拡散を検知
するのに、熱による空気の屈折率の変化を利用するよう
にすることもできる。すなわち、図9に別の実施例のP
ASユニット6′を模式的に示すように、試料4表面に
沿って近接してレーザ光20を通過させておき、その通
過光をCCD等の1次元又は2次元アレー検知器21に
入射させておく。試料4に干渉計2を介してパルス光源
1からのパルス光を照射して吸収により試料1を内部か
ら加熱すると、その表面にパルス光照射後の時間に応じ
て熱が拡散してきて空気が膨張し、屈折率が温度に応じ
て変化する。すると、試料4表面に沿って近接して通過
しているレーザ光20の光路は屈折率の高い方へ曲げら
れ、アレー検知器21上での受光位置が変化する。この
位置変化をアレー検知器21により信号に変え、図1〜
図8におけるプリアンプ7に入力するようにすることも
できる。この場合、屈折率の変化は極めて敏感に検知で
きるので、より検出感度が向上する。
【0028】以上、いくつかの実施例について説明して
きたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形
が可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光音響分
光法とフーリエ分光法を用いた深さ分析法によると、光
源として所定周期で発光するパルス光源を用い、検出信
号をパルス光源発光より後の一定の遅延時間においてサ
ンプリングし、サンプリングされた信号の所定範囲の周
波数成分を取り出し、それに所定の信号処理を施すかそ
のままその信号をフーリエ変換して、照射光波数に依存
した測定試料の特定深さの熱分布情報を得るようにして
いるので、照射光の波数に依存した測定試料の深さ方向
の吸収特性の違いを利用して、試料の深さ方向の情報を
正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る深さ分析法の1実施例を実施する
ための装置の基本構成を示す図である。
【図2】他の実施例の図1と同様な図である。
【図3】ロックインアンプを用いた実施例の図1と同様
な図である。
【図4】差測定法による実施例の図1と同様な図であ
る。
【図5】差測定法による別の実施例の図1と同様な図で
ある。
【図6】ロックインアンプを用いない差測定法の実施例
の図1と同様な図である。
【図7】図1の装置を多チャンネル化した実施例の図1
と同様な図である。
【図8】図4の装置を多チャンネル化した実施例の図1
と同様な図である。
【図9】PASユニットの別の実施例の構成を示す模式
的な図である。
【符号の説明】
1…パルス光源 2…干渉計 3…タイマ 4…測定試料 5…マイクロホン 6…PASユニット 7…プリアンプ 8…遅延回路 9…ゲート回路 10…ローパスフィルタ 11…メインアンプ 12…AD変換器 13…コンピュータ 14…バンドパスフィルタ 15…ロックインアンプ 16…逓倍器

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 測定試料にラピッドスキャン干渉計によ
    って変調された光を照射することによって測定試料中で
    発生した熱が拡散して周囲の気体に伝達され、それに基
    づく気体の密度変化を検出して電気信号に変換し、その
    信号をフーリエ変換することにより測定試料の深さ方向
    の情報を取得する光音響分光法とフーリエ分光法を用い
    た深さ分析法において、光源として所定周期で発光する
    パルス光源を用い、検出信号をパルス光源発光より後の
    一定の遅延時間においてサンプリングし、サンプリング
    された信号の所定範囲の周波数成分を取り出し、それに
    所定の信号処理を施すかそのままその信号をフーリエ変
    換して、照射光波数に依存した測定試料の特定深さの熱
    分布情報を得ることを特徴とする光音響分光法とフーリ
    エ分光法を用いた深さ分析法。
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CN109946384A (zh) * 2019-04-08 2019-06-28 山东大学 一种基于rapid层析成像技术的信号获取过程优化方法
CN113588595A (zh) * 2021-07-28 2021-11-02 清华大学 一种溶液吸收谱线测量方法

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