JP2970700B2 - パルス光源を用いたフーリエ変換分光法 - Google Patents

パルス光源を用いたフーリエ変換分光法

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JP2970700B2 JP15833191A JP15833191A JP2970700B2 JP 2970700 B2 JP2970700 B2 JP 2970700B2 JP 15833191 A JP15833191 A JP 15833191A JP 15833191 A JP15833191 A JP 15833191A JP 2970700 B2 JP2970700 B2 JP 2970700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、干渉計を用いてインタ
フェログラムを取り出しフーリエ変換して試料の分析ス
ペクトルを得るフーリエ変換分光法に関し、特に、光源
としてパルス光源を用いたフーリエ変換分光法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7はフーリエ変換光分光法の従来例を
説明するための図、図8は図7に示す回路の信号波形を
示す図である。
【0003】マイケルソン干渉計で代表されるラピッド
スキャン方式のフーリエ変換光分光法では、図7に示す
ように半透鏡22、固定鏡23、移動鏡24からなる二
光束干渉計、光源21、及び検知器25が用いられる。
そして、二光束干渉計の半透鏡22で光源21からの光
を2光束に分け、一方を固定鏡23側に、他方を定速移
動する移動鏡24側に導き、検知器25でそれらの光路
差によるインタフェログラム(図8(b))を検出して
いる。このインタフェログラムは、AD変換器28で図
8(c)に示すような干渉計により作られる周期τ0
トリガ信号を用いて同図(d)に示すようにサンプリン
グされ、それがCPU29でフーリエ変換され分析スペ
クトルが得られる。なお、ここで試料は直接関係しない
ので省略する。
【0004】上記ラピッドスキャン方式のフーリエ変換
光分光法では、光源の強度が一定で時間的に連続な光を
条件としてきた。すなわち、光源21は、図8(a)に
示すように強度が一定の時間的に連続な光を放出するも
のであり、干渉計に入射した光は、移動鏡24が一定速
度で移動することで光の波数に比例した周波数に変調さ
れ、検知器に受光されるようになっている。
【0005】そのため、使用する光源が制約され、ま
た、光が連続照射されることから、試料としても対象が
連続照射に影響されないものに限られてしまうという問
題がある。
【0006】このような状況の下に、本出願人はすで
に、干渉計を用いてインタフェログラムを取り出しフー
リエ変換して試料の分析スペクトルを得るフーリエ変換
分光法において、光源としてパルス光源を用い、サンプ
リング周期より短い周期のパルス光を放射して検知器出
力から低周波成分のインタフェログラムを取り出しサン
プリングしてフーリエ変換することにより、試料の分析
スペクトルを得ることを特徴とするパルス光源を用いた
フーリエ変換分光法を提案した(特願平2−82126
号)。この方法は、光源にパルス光源を利用するので、
SOR光源やパルスレーザ励起ラマン試料等を光源とし
て利用することができ、しかも、測定対象に光を照射す
る時間を短くし照射する光量を少なくすることができる
ので、光照射により影響を受ける測定対象や連続照射等
が好ましくない測定対象に対してもフーリエ変換分光法
を適用することができ、応用対象が広がるものである。
【0007】また、本出願人は、上記のようなパルス光
源を用いたフーリエ変換分光法において、強いバックグ
ラウンド光やラマン分光における蛍光を除去したバック
グラウンド除去フーリエ変換分光法を提案した(特願平
3−95115号)。この方法は、パルス光源又はラマ
ン励起用パルスレーザが発光している間だけの信号を取
り出し、その信号の所定周波数範囲の成分を抽出し、サ
ンプリングしてフーリエ変換することにより、測定光の
スペクトルを得るので、強いバックグラウンド光やラマ
ン分光における蛍光を除去して、微弱なラマン光等を正
確に分光測定することができるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
本出願人による特願平2−82126号の提案は、パル
ス光源の発光周期がインタフェログラムのサンプリング
周期より短いこと、すなわち、サンプリング定理によ
り、パルス光源の発光周期がインタフェログラム信号の
持っている最大周波数fmax の2倍の逆数(これは、イ
ンタフェログラムのサンプリング周期に等しいかそれ以
上である。)より短いものを前提としていた。パルス光
源の発光周期をτとすると、上記はτ<1/2fmax
又は、fmax <1/2τを前提としていたことを意味し
ている。
【0009】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、上記した本出願人の提案に係
るパルス光源を用いたフーリエ変換分光法を、パルス光
源の発光周期がインタフェログラム信号の持っている最
大周波数fmax の2倍の逆数より長い場合、すなわち、
パルス光源の発光周期がより長くても、適用できるよう
にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明のパ
ルス光源を用いたフーリエ変換分光法は、ラピッドスキ
ャン干渉計を用いた検出器出力からインタフェログラム
を取得し、フーリエ変換して測定光のスペクトルを得る
フーリエ変換分光法であって、光源としてパルス光源を
用い、干渉計による変調周波数をf、パルス光源の周波
数を1/τとしたとき、m/2τ<f<(m+1)/2
τ(mは正の整数)にのみに検出器出力信号が存在する
場合に適用するフーリエ変換分光法において、検出器出
力信号にパルス光源の発光と同期した周波数1/τの正
弦波形信号を乗じた後、フーリエ変換することにより測
定光のスペクトルを得ることを特徴とする方法である。
【0011】
【作用】本発明のパルス光源を用いたフーリエ変換分光
法では、光源としてパルス光源を用い、干渉計による変
調周波数をf、パルス光源の周波数を1/τとしたと
き、m/2τ<f<(m+1)/2τ(mは正の整数)
にのみに検出器出力信号が存在する場合に適用できるの
で、発光周期がインタフェログラム信号の持っている最
大周波数fmax の2倍の逆数より長い周期パルス光源、
すなわち、発光周期がより長いパルス光源を用いて、ス
ペクトル分光測定ができるようになる。したがって、パ
ルス光源として利用できるものがより多くなる。
【0012】また、本発明の前提の方法と同様、光源に
パルス光源を利用するので、SOR光源やパルスレーザ
励起ラマン試料等を光源として利用することができ、し
かも、測定対象に光を照射する時間を短くし照射する光
量を少なくすることができるので、光照射により影響を
受ける測定対象や連続照射等が好ましくない測定対象に
対してもフーリエ変換分光法を適用することができ、応
用対象が広がるものである。
【0013】しかも、本発明の前提の方法に比べて、測
定装置の構成を大幅に変更することなく、本発明の方法
を簡単に実施することができる。
【0014】
【実施例】上記したように、本出願人が先に提案したパ
ルス光源を用いたフーリエ変換分光法においては、スペ
クトロメータの変調周波数fが、パルス光源の発光周波
数1/τ(τ:パルス発光周期)の半分より小さい範囲
にのみ存在する場合を取り扱ってきた。これに対し、本
発明は、m/2τ<f<(m+1)/2τ(mは正の整
数)の範囲のみに信号が存在する場合を取り扱う。
【0015】以下、図面を参照にして本発明の実施例に
ついて説明する。図1に本発明に係るパルス光源を用い
たフーリエ変換分光法の1実施例を実施するためのフー
リエ変換分光装置の基本構成を示す。図1において、1
はパルス光源、2は干渉計、3は試料(この場合の試料
3は透過試料であるが、反射試料、散乱試料等であって
もよい。)、4は検知器、5はプリアンプ、6はローパ
スフィルタ、7はロックインアンプ、8はタイマ、9は
光源電源、10はメインアンプ、11はAD変換器、1
2はコンピュータを示す。タイマ8は、AD変換器11
のトリガー信号(インタフェログラムをA/D変換して
コンピュータに取り込んでフーリエ変換するためのサン
プリング信号)と非同期で一定周期τの信号を光源電源
9に与えると共に、それと同期した余弦信号を同期信号
としてロックインアンプ7に与えるものである。パルス
光源1は、光源電源9による励起によりタイマ8から信
号がある度に強度の等しいパルス光を放射するパルスレ
ーザ等であるが、SOR(Synchrotron Orbital R
adiation) 光源やパルスレーザ励起ラマン試料等を用い
てもよい。また、光源の強度が変動する場合には、その
強度をモニタして検知器出力を規格化すればよい。ロー
パスフィルタ6は、プリアンプ5から得られるスペクト
ルの低周波数成分(後記するように、f<1/2τ)を
取り出して、アナルグ信号に変換するものである。ま
た、ロックインアンプ7は、ローパスフィルタ6により
取り出されたアナルグ信号とタイマ8からの周期τの余
弦信号との同期を取ることにより、アナログ信号の位相
成分をキャンセルすると共にその周波数をインタフェロ
グラムが本来有する周波数に変換して本来のアナログイ
ンタフェログラム信号を出力するものである。AD変換
器11は、周期τ0 のトリガー信号によってロックイン
アンプ7を通して得られたアナログインタフェログラム
をサンプリングするためのものである。
【0016】したがって、検知器4からの出力は、ロー
パスフィルタ6、ロックインアンプ7を経てメインアン
プ10に入力され、AD変換器11でフーリエ変換のた
めにサンプリングされる。ところで、測定光のスペクト
ルが干渉計2により変調された周波数(インタフェログ
ラムの周波数)の最小と最大をfmin、fmax とする
と、 τ>m/2fmin ・・・(a) τ<(m+1)/2fmax ・・・(b) の条件を満足する周期τでパルス光源1の発光が繰り返
される。ここで、mは正の整数である。すなわち、測定
光のスペクトルがm/2τ<f<(m+1)/2τの範
囲にのみ存在する場合である。図2(A)にm=1の場
合の様子を示す。この変調周波数fは、スペクトルの波
数をσ(波長をλとすると、1/λ)、干渉計2の移動
鏡の移動速度をvとすると、f=2vσで表されるの
で、上記条件を満足するように、光源1からの放射スペ
クトル領域(波長範囲)を光学フィルタで制限しておく
ようにしてもよいし、移動鏡の移動速度を調整して上記
条件を満足させるようにしてもよい。この分光測定法の
特長の1つは、上に述べた条件から分かるように、光源
1の繰り返し周波数1/τをこの移動鏡の移動と同期を
取る必要がない点にある。
【0017】さて、このような構成の装置を用いて分光
する場合の原理を以下に説明する。図3(A)に示すよ
うな光源1から周期的に発光される光をデラック関数δ
(t)が等間隔な時間τで並んだ繰り返し操作を示すコ
ム関数Шτ(t) で表し、試料3の透過スペクトルをT
(σ) とすると、検知器4からの出力信号F(x,t)は
(1)式のようになる。
【0018】 F(x,t)=Шτ(t) ∫T(σ) B(σ) cos2πx σ dσ ・・・(1) ここで、xは干渉計2の光路差、σはスペクトルの波
数、そしてB(σ)はFT−IR/スペクトロメータ部の
試料室から試料3を取り除いた場合のバックグラウンド
スペクトルを表す。図3(B)に実線で干渉計出力信号
のおよその様子を示す。なお、xは時間変数t'とはx=
2vt'の関係にあるが、光源1の発光が干渉計2の移動
鏡の動きとは同期がとられていないため、tとt'とは位
相の相関を持たない。すなわち、tとt'の間に有する位
相量Δt=t'−tは、移動鏡の走査の都度異なる値をと
る。このため、(1)式はインターフェログラムが移動
鏡の走査の度に異なる値を示すことを表している。
【0019】さて、(1)式の積分部分は測定対象スペ
クトルT(σ) B(σ) のインタフェログラム(アナログイ
ンタフェログラム)であって、(1)式全体は、このア
ナログ信号がШτ(t) でサンプリングされた形の離散型
データ(デジタルインタフェログラム)になっている。
そして、サンプリングは変数tとxが非同期であるた
め、移動鏡の走査の都度、インタフェログラムのサンプ
リングされる位置が異なることを示している。
【0020】この検出器4からの出力を詳しく知るため
に、(1)式のШτ(t) を移動鏡の移動と相関のある時
間t'でフーリエ変換して、信号の持つスペクトルを調べ
ることにする。
【0021】 ∫Шτ(t)exp(-i2πft')dt'= (1/τ)exp(-i2πΔtf) ×Ш1/τ(f) ・(2) =(1/τ ){δ(f)+ exp(-i2πΔt/τ) δ(f- 1/τ) +・・・・ + exp(i2πΔt/τ) δ(f+ 1/τ)+・・・} ・・・(2') (2)式は位相項を持ったコム関数である。(1)式の
積分部分を時間でフーリエ変換するとき得られるスペク
トルは、係数を除いて、変調周波数fを変数とした T
(f) B(f)である。したがって、検出器4からの出力信号
である(1)式全体は、(2')式のゼロ次項であるδ
(f) から得られる測定対象スペクトル T(f) B(f)以外
に、(2')式の+1次項である exp(-i2πΔt/τ) δ(f
- 1/τ) 、−1次項であるexp(i2πΔt/τ) δ(f+1/τ)
等から得られるスペクトルが、搬送周波数n/τ(n
は次数を示す整数)のサイドバンドのアナログ信号とし
て現れることを示す。ここで、m/2τ<f<(m+
1)/2τの条件から、各サイドバンド同士のスペクト
ルは重ならない。このことを図2(B)に示す。この図
の各スペクトルに書き込んだ番号は、同じ番号の搬送周
波数のサイドバンドであることを示している。
【0022】検出器4からの出力は、本発明の場合に
は、図4(A)に示す特性を持ったローパスフィルタ6
を通して、図4(B)に示すように、m=1の場合には
番号1と−1のスペクトルだけを取り出すようにする。
このとき、ローパスフィルタ6からは(2')式の+1次
項及び−1次項が寄与するスペクトル成分を有するアナ
ログ信号が出力される。そして、ロックインアンプ7に
おいて、この信号にcos2πt/τが乗じられるが、乗算後
の信号のスペクトルを調べるために、移動鏡の移動と相
関のある時間t'でcos2πt/τをフーリエ変換する。
【0023】 ∫cos2πt/τ exp(-i2πft')dt' =∫{ exp( i2πt/τ)/2+ exp(-i2πt/τ)/2 } exp(-i2πft')dt' = 1/2{ exp(-i2πΔt/τ) δ(f- 1/τ)+exp(i2πΔt/τ) δ(f+ 1/τ) } ・・・(3) コンボリューション定理に基づいて、ロックインアンプ
7の出力のスペクトルは、(2')式の+1次項及び−1
次項が寄与するスペクトル成分(図4(B))と(3)
式のコンボリューションとなるが、デラック関数δ
(t)は単に座標をシフトさせるだけの作用であるか
ら、スペクトルの正の領域には、(2')式の+1次項
( exp(-i2πΔt/τ) δ(f- 1/τ) )と−1次項(exp
(i2πΔt/τ) δ(f+ 1/τ) )が寄与するスペクトル成
分(図4(B))に(3)式の第1項の位相成分( exp
(-i2πΔt/τ) )を乗じて得た位相成分を有し周波数を
1/τだけ正側にシフトした図4(C)に示すようなス
ペクトルが得られる。乗算後の位相を見ると、+1次項
に基づく1/τより周波数が高い成分は、位相成分は e
xp(-i4πΔt/τ) となり、依然として位相成分が存在
し、干渉計2の移動鏡の走査の都度異なる値をとる。こ
れに対して、−1次項に基づく1/τより周波数が低い
成分は、位相成分がキャンセルされ、最早位相成分を持
たないので、移動鏡の走査とは無関係な一定の値にな
る。
【0024】この−1次項に基づく成分のスペクトル
は、次の(4)式のようになる。
【0025】 F(x)=(1/τ) ∫T(σ) B(σ) cos2πx σ dσ ・・(4) (4)式は、試料3を透過した測定光のスペクトルのア
ナログ形状のインタフェログラムであり、時間tとは独
立な式になっている。すなわち、光源1によりサンプリ
ングされた図3(B)のようなデジタル信号がローパス
フィルタ6、ロックインアンプ7を経て、図3(C)に
示したようなアナログ信号に復元される。これは、通常
のFT−IRスペクトロメータ測定で得られるインタフ
ェログラムと同じ形であるので、通常のFT−IRスペ
クトロメータでの処理と同様に、AD変換器11により
干渉計2が持つ周期τ0 の基準信号(図3(D))でサ
ンプリングを行い、コンピュータ12によりフーリエ変
換することにより、スペクトルT(σ) B(σ) が求められ
る。このとき、τ0 は、ロックインアンプ7から出力さ
れるインタフェログラム信号の持つ変調周波数の最小と
最大をfmin 、fmax とすると、 τ0 >m′/2fmin ,τ0 <(m′+1)/2fmax の条件を満足する必要がある。ここで、m′はゼロ又は
正の整数である。
【0026】以上により、m=1の場合、スペクトルT
(σ) B(σ) が得られるので、上記と同様にして求めた
バックグランドスペクトルB(σ) との比をとり、透過率
スペクトルT(σ) を得ることができる。
【0027】なお、以上において、図4(C)の+1次
項に基づく成分は、フーリエ変換のためのサンプリング
周波数を適当に選択することにより除くこともできる
し、図1のロックインアンプ7とメインアンプ10の間
にこの成分を除くローパスフィルタを挿入して除くよう
にしてもよい。
【0028】以上のようにして、本発明のパルス光源を
用いたフーリエ変換分光法によると、発光周期がインタ
フェログラム信号の持っている最大周波数fmax の2倍
の逆数より長い周期パルス光源、すなわち、発光周期が
より長いパルス光源を用いて、スペクトル分光測定がで
きるものである。
【0029】ところで、以上の方法においては、検知器
4から得られる図2(B)のようなスペクトル成分の
中、ローパスフィルタ6を用いて図4(B)のように制
限してロックインアンプ7に入力することにより、イン
タフェログラムを復元しているが、このローパスフィル
タ6を省いても、ロックインアンプ7で同期をとること
により、インタフェログラムを復元することができる。
この場合は、数学的な説明は省くが、ロックインアンプ
7で同期をとると、検知器4から得られる図2(B)の
ような分布のスペクトルが正側に1/τだけシフトした
ものと負側に1/τだけシフトしたものを加え合わせた
ものがロックインアンプ7から出力される。そして、1
/2τと1/τの間にシフトする成分は、−1次の低い
周波数側の成分(右側)と+1次の高い周波数側の成分
(右側)であり、何れも位相成分がキャンセルされて最
早位相成分を持たない元のインタフェログラムと同じ形
のものとなる。また、1/2τ以下及び1/τ以上にも
位相成分を有するスペクトルが現れるが、例えばロック
インアンプ7とメインアンプ10の間にこれらの成分を
除くバンドパスフィルタを挿入して除くようにする。
【0030】次に、本発明のフーリエ分光法をラマン分
光に適用する場合は、図5に構成の要部を示すように、
周期τで発光するパルスレーザ13により試料3を励起
し、試料3からのラマン光を干渉計2を介して検知器4
で検知し、その出力を、図1の場合と同様にして、プリ
アンプ5、ローパスフィルタ6、ロックインアンプ7を
経て、メインアンプ10に入力し、AD変換器11でフ
ーリエ変換のためにサンプリングする。この場合も、励
起パルスレーザ13の発光周期τは、試料3からのラマ
ン光のスペクトルが干渉計2により変調された周波数
(インタフェログラムの周波数)の最小と最大をfmin
、fmax とすると、 τ>m/2fmin ・・・(a) τ<(m+1)/2fmax ・・・(b) の条件を満足して発光が繰り返される。ここで、mは正
の整数でる。すなわち、測定ラマン光のスペクトルがm
/2τ<f<(m+1)/2τの範囲にのみ存在する場
合である。
【0031】ところで、以上の本発明の方法において
も、前記の本出願人による特願平3−95115号の提
案のバックグラウンド除去方法を適用することができ
る。その1例を図6に示す。すなわち、この例は図5の
ラマン分光装置において、プリアンプ5とローパスフィ
ルタ6の間にゲート回路14を設け、この回路14をラ
マン励起の時のみに開くようにして、ラマン励起に伴う
蛍光を除去するものである。なお、このバックグラウン
ド除去方法については、特願平3−95115号の場合
と同様に、その他種々の変形、適用が可能であり、その
明細書を参照されたい。
【0032】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、ロ
ーパスフィルタの代りに、図2(B)の周波数1/τ以
上の1次以上のスペクトル成分を抜き出す周波数応答特
性を有するバンドパスフィルタを用いて、高い周波数の
折り返しスペクトルだけを抜き出す方法も可能である。
その場合は、ロックインアンプで同期をとる信号の周波
数は1/τの整数倍にしなければならない。また、本発
明のパルス光源を用いたフーリエ変換分光法を時間分解
分光測定法に適用することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のパルス光源を用いたフーリエ変換分光法によれば、光
源としてパルス光源を用い、干渉計による変調周波数を
f、パルス光源の周波数を1/τとしたとき、m/2τ
<f<(m+1)/2τ(mは正の整数)にのみに検出
器出力信号が存在する場合に適用できるので、発光周期
がインタフェログラム信号の持っている最大周波数f
max の2倍の逆数より長い周期パルス光源、すなわち、
発光周期がより長いパルス光源を用いて、スペクトル分
光測定ができるようになる。したがって、パルス光源と
して利用できるものがより多くなる。
【0034】また、本発明の前提の方法と同様、光源に
パルス光源を利用するので、SOR光源やパルスレーザ
励起ラマン試料等を光源として利用することができ、し
かも、測定対象に光を照射する時間を短くし照射する光
量を少なくすることができるので、光照射により影響を
受ける測定対象や連続照射等が好ましくない測定対象に
対してもフーリエ変換分光法を適用することができ、応
用対象が広がるものである。
【0035】しかも、本発明の前提の方法に比べて、測
定装置の構成を大幅に変更することなく、本発明の方法
を簡単に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパルス光源を用いたフーリエ変換
分光法を実施するためのフーリエ変換分光装置の基本構
成を示す図である。
【図2】アナログ形態とデジタル形態のインタフェログ
ラムとそれらに含まれるスペクトルを説明するための図
である。
【図3】本発明に係るパルス光源を用いたフーリエ変換
分光法の動作を説明するための波形図である。
【図4】図1の装置に用いるローパスフィルタの周波数
応答特性、その出力スペクトル及びロックインアンプの
出力スペクトルを示す図である。
【図5】本発明のフーリエ変換分光法をラマン分光法に
適用した実施例の構成の要部を示す図である。
【図6】図5の装置にバックグラウンド除去方法を適用
した実施例の構成を示す図である。
【図7】従来のフーリエ変換分光装置の構成を説明する
ための図である。
【図8】図7の装置の動作を説明するための波形図であ
る。
【符号の説明】
1…周期パルス光源 2…干渉計 3…試料 4…検知器 5…プリアンプ 6…ローパスフィルタ 7…ロックインアンプ 8…タイマ 9…光源電源 10…メインアンプ 11…AD変換器 12…コンピュータ 13…ラマン励起用パルスレーザ 14…ゲート回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 3/00 - 3/52 G01N 21/65

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラピッドスキャン干渉計を用いた検出器
    出力からインタフェログラムを取得し、フーリエ変換し
    て測定光のスペクトルを得るフーリエ変換分光法であっ
    て、光源としてパルス光源を用い、干渉計による変調周
    波数をf、パルス光源の周波数を1/τとしたとき、m
    /2τ<f<(m+1)/2τ(mは正の整数)にのみ
    に検出器出力信号が存在する場合に適用するフーリエ変
    換分光法において、検出器出力信号にパルス光源の発光
    と同期した周波数1/τの正弦波形信号を乗じた後、フ
    ーリエ変換することにより測定光のスペクトルを得るこ
    とを特徴とするパルス光源を用いたフーリエ変換分光
    法。
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