JPH05107793A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05107793A
JPH05107793A JP3266234A JP26623491A JPH05107793A JP H05107793 A JPH05107793 A JP H05107793A JP 3266234 A JP3266234 A JP 3266234A JP 26623491 A JP26623491 A JP 26623491A JP H05107793 A JPH05107793 A JP H05107793A
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JP
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powder
ito
intermediate layer
solid solution
less
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JP3266234A
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English (en)
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Shinya Mayama
進也 間山
Kiyoshi Sakai
清志 酒井
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高温高湿環境から低温低湿環境にわたって良好
な電位特性、及び繰り返し安定性を有し、優れた保存安
定性を有する画像特性に優れた電子写真感光体を提供す
る。 【構成】導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体
において、基体と感光層の間に中間層を有し、中間層が
共沈法によって形成される酸化インジウム−酸化スズ固
溶体(ITO)粉末を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関する
ものであり、特に電気特性に優れかつ高温高湿下での黒
ぽちかぶり及び特には感光体の長期保存性に優れた、導
電性中間層を有する電子写真感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、基本的には基体と感
光層から構成されるものである。しかしながら、基体が
紙やプラスチックのような絶縁性の物である場合、電荷
を流すために導電性の被膜を基体上に設けなければなら
ない。また、基体がアルミニウム、銅、真ちゅう、ステ
ンレス等の金属である場合、導電性の被膜を基体上に形
成する必要はないが、感光層の塗工性向上、感光層の電
気的破壊に帯する保護、基体表面の欠陥の被覆等のため
に、導電性の塗布層を形成することが有効である。この
塗布層は、電気的に十分低い抵抗であることが要求され
るばかりではなく、高速の電子写真プロセスにおいて繰
り返し使用されるさいに電荷の蓄積を防ぎ、安定した電
位特性を提供するものでなければならない。
【0003】以上のような導電性の被膜は、従来単一の
樹脂のみでは得難いため、通常導電性の粉末を結着剤樹
脂に分散して形成される。かかる導電性粉末としては、
例えば特開昭61−163346号公報に記載されてい
るように従来ニッケル、銅、銀、アルミニウム、等の金
属粉体、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジ
ウム等、及びこれらの混合物と言った金属酸化物粉末や
カーボンブラック、繊維状カーボン等が用いられてい
る。
【0004】しかしながら上述の導電性粉体には次のよ
うな欠点があった。例えばニッケル、銅、銀、アルミニ
ウムと言った金属粉体は導電性と言った点では十分な特
性を有しているが、比較的酸化されやすいことから、高
温高湿下での連続使用によって電位特性が変化し易く、
かつポチかぶりと言った画像欠陥を生じやすい。また導
電性の酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン酸化チタン、あ
るいはそれらの混合物と言った導電性粉体は、比較的そ
の仕事関数が高く、低温低湿下における繰り返し使用に
よって残留電位が蓄積しないように抵抗を十分に低下す
ると電位特性的には十分満足される特性が得られるが逆
に高温高湿下でポチかぶりを生じるといった欠点を有し
ていた。
【0005】その点、酸化インジウムは仕事関数が低
く、かつ酸化雰囲気及び還元雰囲気中でも良好な安定性
を有することが知られており、この事は例えば特開平1
−233458号公報、特開平3−136064号公
報、特開平3−136063号公報、特開平3−136
062号公報等に記載されている。しかしながらこれら
の酸化インジウム粉末は、粉末自身の抵抗が高く、感光
体ドラムとして実用化するためには添加量を著しく高い
ものとしなければ感光体としての要求特性、即ち感度、
残留電位、各環境での繰り返し特性を満足することがで
きないと言った欠点を有していた。
【0006】その点ITO粉末を使用すればITO自身
の抵抗が低いために初期における電子写真特性は十分に
満足される。しかしながらインジウム自体のイオン化傾
向が貴金属であるために低くごく僅かなインジウムイオ
ンが存在することにより導電性の支持体が腐食、所謂電
蝕されることから画像欠陥が発生する場合があった。ま
た、それ以外にも製造段階で混入する種々の無機塩に由
来するイオン成分、具体的には例えば塩素イオン、硫酸
イオン、硝酸イオンが長期の保存期間中に導電性支持体
を腐蝕してしまい、画像欠陥を発生するといった欠点が
あった。
【0007】
【発明の解決すべき問題点】本発明は、従来の導電性中
間層が有していた問題点を解決し、高温高湿環境から低
温低湿環境にわたって良好な電位特性、及び繰り返し安
定性を有し、優れた保存安定性を有する画像特性に優れ
た電子写真感光体を提供することにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】即ち本発明は、導電性
基体上に感光層を有する電子写真感光体において、基体
と感光層の間に少なくとも中間層を有し、該中間層が酸
化インジウム−酸化錫固溶体(ITO)粉末を含有し、
前記の導電性中間層に含有される水溶性の溶出成分が
0.6重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である
ことを特徴とする電子写真感光体によって達成される。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】導電性ITO粉末は、酸化インジウムと酸
化スズの粉末を機械的に混合して形成されるが、導電性
ITO固溶体粉末はインジウム及びスズを例えば酸等に
溶解し、その後に上記の2成分を共沈させて焼成し酸化
インジウムと酸化錫を含有する固溶体を形成する方法で
製造される。
【0010】上述した2種類の製造方法から得られるI
TO粉末はインジウム及びスズの組成比を変化すること
によってその電気特性が制御できるが、機械的に混合し
て形成されたITO粉末では結着剤樹脂と分散している
間に両成分が分離して酸化スズ及び酸化インジウムに分
離してしまうことがあり、導電性中間層の抵抗制御が極
めて困難である。このため共沈法によって形成されるI
TOの固溶体を使用することが好ましい。即ちITO固
溶体はインジウムイオンとスズイオンが比較的にかよっ
たイオン半径を有していることから、インジウムイオン
が結晶格子中でスズイオンにより置換された状態にある
ものである。このため両成分の分離が起こらず、かつ電
荷キャリアーの発生が均一で良好な抵抗安定性を示すこ
ととなる。
【0011】かかる導電性ITO固溶体粉末の酸化イン
ジウムと酸化スズの組成比は所望の粉末の抵抗値、色調
等を考慮して決定されるが、酸化インジウムと酸化スズ
の組成比としては重量%で現せば酸化インジウムが9
9.5%から70%であることが好ましい。
【0012】本発明の導電性中間層を結着剤樹脂中に分
散して用いる場合には、成膜性の点から、組成物中での
ITO固溶体粉末の割合は重量%で現せば33重量%か
ら80重量%の範囲であることが好ましく、より好まし
くは50重量%から75重量%の範囲である。また導電
性の点から添加量は33重量%以上が好ましい。かかる
導電性中間層の抵抗値は電子写真感光体として使用され
る際に導電性中間層に印加される程度の電界強度105
V/mにおける比抵抗値が1010Ωcmから105Ωc
mの範囲に有することが好適である。
【0013】さらにまた、本発明で使用されるITO固
溶体粉末は、その水溶性の溶出成分含有量が0.6重量
%以下、好ましくは0.1重量%以下であることが好ま
しい。即ち本発明の導電性中間層に使用されるITO粉
末は十分に抵抗が低いために初期における電子写真特性
は十分に満足される。しかしながら電子写真感光体はご
く低温低湿環境から高温高湿環境にわたって長期にわた
り安定した電気特性、画像特性を維持することが好まし
い。
【0014】導電性中間層中に水溶性の塩類、例えばご
く僅かなインジウムイオンが存在すると、インジウム自
体のイオン化傾向が貴金属であるために低いことから長
期保存中に導電性の支持体が腐蝕、所謂電蝕され画像欠
陥が発生する場合がある。
【0015】そこで、上述したITO固溶体粉末におい
て、その水溶性の溶出成分含有量を0.6重量%以下好
ましくは0.1重量%以下とすることによって長期の保
存安定性、とくに支持体の腐蝕に起因する黒ぽちかぶり
を解決することができる。かかる溶出成分の主体となる
ものは前述したように種々の無機塩であると推定してい
るがこれらの含有量は種々の方法によって確認すること
ができ、具体的には例えばエックス線マイクロアナリシ
ス(XMA)による個々の成分の定量、抽出した水溶液
の導電率、あるいは水、あるいは温水に対する溶出成分
量の定量等を挙げることができる。
【0016】本発明では溶出成分の定量方法として具体
的には、溶出成分の主体が塩化物であると考えられるた
め、ITO固溶体粉末を蒸留水で抽出し溶出成分量をイ
オンクロマトグラムで定量する方法を用いた。その条件
は、ITO固溶体粉末1.0000gを蒸留水で正確に
100gとした後、超音波で20分間抽出し、その後に
該溶液を遠心分離して浮遊成分を分離しイオンクロマト
グラムで定量するものである。
【0017】また本発明の導電性中間層にはITO粉末
のほか、支持体の光学的隠蔽力を増加するために導電性
の他の粉体、例えば酸化チタンと言った白色の導電性粉
体あるいはレーザー光線のコヒーレントな散乱を抑止す
るためにポリジメチルシロキサンを主成分とする微小な
球体、もしくは粗面化剤を導入することもできる。
【0018】また本発明のITO固溶体粉末としては、
ITOが他の組成を有する粉体上にコーチングもしくは
堆積されたものであって表面層と芯物質が異なったもの
を使用することができる。かかる粉体を形成するさいに
芯物質として使用される粉体としては具体的には例え
ば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、
酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化
ケイ素、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化イットリウ
ム、等の金属酸化物、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、
窒化ケイ素等の金属窒化物、炭化ホウ素、炭化ケイ素等
の金属炭化物、ホウ化カルシウム、ホウ化ケイ素等の金
属ホウ化物、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン
と言った有機化合物から形成される粉体を挙げることが
できる。また前述した各種の粉体には各種の表面処理例
えばシロキサン処理と言った処理を加えてもよい。
【0019】本発明の導電性中間層に使用される結着剤
樹脂は熱可塑性の樹脂であっても硬化性の樹脂であって
も使用することが可能である。かかる熱可塑性の樹脂と
しては具体的には例えば、ポリメチルメタクリレート、
ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、等のアク
リル樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂メタクレゾールノボラック樹脂、低分子量ポ
リプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピ
ロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝
酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、等のセルロ
ース誘導体、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリアリレート樹脂等の芳香族ポリエステル樹
脂、6−ナイロン、11−ナイロン、6−1−ナイロ
ン、8−ナイロン、メトキシメチル化8−ナイロン、ナ
イロン−4、6等といったポリアミド樹脂、ポリエステ
ルアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポ
リエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリエーテルケトンなどを挙げることがで
きる。
【0020】硬化性の樹脂としては具体的にはたとえば
フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、例えば無
水マレイン酸−テレフタル酸−多価アルコールの重縮合
により得られる不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トル
エン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グ
リプタール樹脂、フラン樹脂、シリコール樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹
脂、等を挙げることができる。
【0021】かかる熱硬化性の樹脂のうちでもポリウレ
タン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂が硬度、耐薬
品性、耐摩耗性の点で好ましい。また上述の熱硬化樹脂
類はさらに有機燐酸エステル系接着促進剤、アミン系接
着促進剤、カルボン酸系接着促進剤を含有していても良
い。
【0022】前記した接着促進剤の中でも特に有機燐酸
エステル系接着促進剤が高温高湿から低温低湿の環境条
件にわたって感度劣化を生じず、かつ繰り返しサイクル
による残留電位の増加もなく良好な特性を有する。
【0023】このほかの硬化性樹脂としては具体的には
例えばポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、メラミンアクリレート、アルキドアクリレート、シ
リコンアクリレートなどを好適な光重合開始剤、及び適
宜多官能アクリレートと混合し、光重合させて得られる
硬化組成物であってもよい。
【0024】また本発明の導電性中間層には塗膜の平滑
性の向上、塗布性向上の目的でシリコーンオイル、シリ
コーンマクロマー共重合体、フッ素系界面活性剤等のレ
ベリング剤を添加することもできる。
【0025】かかる導電性中間層の膜厚としては電子写
真特性的に特に諸特性を低下させない範囲で使用できる
が通常3μm〜30μmの範囲が好ましく、特に支持体
のキズ等の不均一性を被覆しなければならない点及び、
感度、残留電位と言った観点から考慮すれば、該中間層
の好適な膜厚は5μm〜25μmの範囲である。
【0026】本発明の導電性中間層は電子写真感光体の
下引き層に使用されるものである。本発明に使用される
導電性支持体としては、支持体自体が導電性を備えたも
の、具体的には例えばアルミニウム、アルミニウム合
金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、
クロム、チタン、ニッケル、インジウム及び金、白金等
を用いることができる。その他、アルミニウム、アルミ
ニウム合金、酸化インジウム、酸化スズ、ITOなどを
真空蒸着して得られる導電層を有するプラスチック等、
表面を導電処理した支持体を使用することもできる。
【0027】本発明は、前述した導電性支持体と感光層
の間にの導電性の中間層を設けるものである。導電性中
間層は単一層であってもよく、さらには2層以上の構成
によって形成されていてもよい。導電性の中間層が単一
層として使用されるときには前述した導電性中間層がそ
のままで使用されるが、さらに抵抗を制御する目的か
ら、イオン導電性の樹脂化合物を含有する別の中間層と
の組み合わせて使用されてもよい。
【0028】かかる第二の中間層は、カゼイン、ポリビ
ニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂、ポリアミド樹脂類(ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナ
イロン等)、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウ
ム等によって形成できる。その膜厚は0.1μm〜10
μmが好ましく0.1μm〜5μmの範囲がさらに好ま
しい。
【0029】本発明の電荷発生層は電荷発生性の顔料を
種々のバインダー樹脂に分散することによって得られる
が、かかる電荷発生層に使用できる顔料としては具体的
には例えば、スーダンレッド、ダイアンブルー等のアゾ
顔料、ピレンキノン、アントアントロン等のキノン顔
料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ、チオ
インジゴ等のインジゴ顔料、アズレニウム塩顔料、各種
の結晶系を有する銅フタロシアニン顔料、チタニルフタ
ロシアニン顔料などを使用することができる。このほか
セレン−ヒ素、アモルファスシリコンと言った無機材料
からなる電荷発生層を使用してもよい。この様な電荷発
生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、0.
05μm〜2μmの範囲で使用されるのが最も好適であ
る。かかる電荷発生層は、電荷発生物質を結着剤樹脂及
び溶剤と共にホモジナイザー、超音波、ボールミル、振
動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミ
ル、ペイントシェーカー等の方法で良く分散し塗布・乾
燥する事によって形成される。この際、電荷発生物質と
結着剤樹脂との割合は1:5〜5:1が好ましく、1:
2〜3:1であることがより好ましい。
【0030】前述の電荷発生層の上に設けられる電荷輸
送層は、電荷輸送剤と結着剤樹脂によって形成される。
かかる電荷輸送性の物質としてはビフェニレン、アント
ラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合
物、インドール、カルバゾール、オキサジアゾール、ピ
ラゾリン等の含窒素環式化合物、ヒドラゾン化合物、ス
チリル化合物を挙げることができる。
【0031】電荷輸送層はこれらの電荷輸送性物質を結
着剤樹脂に分散もしくは溶解して形成されるが、かかる
樹脂としては具体的には例えば、ポリメチルメタクリレ
ート、スチレン−アクリル共重合体、等のアクリル樹
脂、ポリスチレン、低分子量ポリプロピレン、スチレン
−プタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル、酢酸ビニル、およびそれらの共重合体、石油
樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
ポリアリレート樹脂等の芳香族ポリエステル樹脂、ポリ
アセタール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
エーテルエーテルケトンなどを挙げることができる。か
かる電荷輸送物質及び結着剤樹脂は好適な溶媒に溶解あ
るいは分散された後、膜厚5μm〜40μm、好ましく
は10μm〜30μmの電荷輸送層として塗布形成され
る。
【0032】電荷輸送層は前記の電荷輸送物質と結着剤
樹脂溶剤に溶解し、塗布形成される。電荷輸送物質と結
着剤樹脂との混合割合は3:1〜1:3の範囲であるこ
とが好ましく、特には2:1〜1:2が好ましい。その
溶剤としてはトルエン、キシレン、あるいはモノクロロ
ベンゼン等の芳香族炭化水素及び環状エーテル類、具体
的には例えばテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、1、4−ジオキサン等の他、ハロゲン化炭化水素
類、ケトン化合物類を挙げることができる。この溶液を
塗布する方法としては具体的には例えば浸漬塗布方法、
スプレン塗布方法、ロールコーティング法、グラビアコ
ーティング法等が知られている。いずれの方法にせよ所
望の感光体を効率良く製造できるものが好適である。例
えばドラム状電子写真感光体を効率的にかつ精度良く大
量生産するには浸漬塗布方法が最良である。
【0033】この電荷輸送層を塗布・形成した後10℃
〜200℃、好ましくは20℃〜150℃の温度で5分
〜5時間、好ましくは10分〜2時間の範囲で通風乾燥
又は静止乾燥を行い、電荷輸送層を得る。
【0034】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、さらには電子写真技術を応用したディスプレー、
記録、軽印刷、製版ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0035】図1に本発明による感光体を用いた一般的
な転写式電子写真装置の概略構成を示した。
【0036】図1において、1は像担持体としてのドラ
ム型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速
度で回転駆動される。該感光体1はその回転過程で帯電
手段2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯
電を受け、次いで露光部3にて負図示の像露光手段によ
って光像露光L(スリット露光・レーザービーム走査露
光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対
応した静電潜像が順次形成されていく。
【0037】その静電潜像はついで現像手段4でトナー
現像され、そのトナー現像像が転写手段5により負図示
の給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の
回転と同期取りされて給送された転写材Pの面に順次転
写されていく。
【0038】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着をうけて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0039】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され
て、さらに、前露光手段7により除電処理されて繰り返
して像形成に使用される。
【0040】感光体1の均一帯電手段としてはコロナ帯
電装置が広く利用されているが帯電ローラー等を使用し
た接触帯電も使用できる。また転写装置5もコロナ転写
手段が一般に広く使用されている。電子写真装置とし
て、上述の感光体や現像手段、クリーニング手段等の構
成要素のうち複数のものを装置ユニットとして一体に結
合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自
在に構成してもよい。例えば、帯電手段、現像手段及び
クリーニング手段の少なくとも1つを感光体と共に一体
に支持してユニットを形成し、装置本体に着脱自在の単
一ユニットとし、装置本体のレールなどを案内手段とし
て用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき、上記
の装置ユニットのほうに帯電手段および/または現像手
段を伴って構成してもよい。
【0041】また光像露光Lは、電子写真装置を複写機
やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射
光や透過光、あるいは原稿を読取り信号化し、この信号
によりレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、ま
たは液晶シャッターアレイの駆動等により行われる。
【0042】また、ファクシミリのプリンターとして駆
動する場合には、光像露光Lは受信データをプリントす
るための露光になる。図2はこの場合の1例をブロック
図で示したものである。
【0043】コントローラー11は画像読取部10とプ
リンター19を制御する。コントローラー11の全体は
CPU17により制御されている。画像読取部からの読
取データは、送信回路13を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデータは受信回路12を通してプ
リンター19に送られる。画像メモリには所定の画像デ
ータが記憶される。プリンタコントローラ18はプリン
ター19を制御している。14は電話である。
【0044】回線15から受信された画像(回線を界し
て接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回
路12で復調された後、CPU17は画像情報の複合処
理を行い順次画像メモリ16に格納される。そして、少
なくとも1頁の画像がメモリ16に格納されると、その
ページの画像記録を行う。CPU17は、メモリ16よ
り1頁の画像情報を読みだしプリンタコントローラ18
に複合化された1頁の画像情報を送出する。プリンタコ
ントローラ18は、CPU17からの1頁の画像情報を
受け取るとその頁の画像情報記録を行うべくプリンタ1
9を制御する。
【0045】なお、CPU17は、プリンタ19による
記録中に、次のページの受信を行っている。
【0046】以上のように画像の受信と記録が行われ
る。
【0047】以下に本発明を実施例を挙げて詳細に説明
する。
【0048】なお、本発明の導電性中間層は、正もしく
は負と言った帯電の極性、あるいは単層構成もしくは機
能分離型と言った有機電子写真感光体の層構成に関わら
ず使用可能である。
【0049】
【実施例】
(実施例1)酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重
量%の組成比を有するITO粉末(比表面積20−40
2/g、吸油量20−40g/100g、比抵抗10
−5Ωcm、溶出成分量0.05%)50部(重量部、
以下同様)、下記の構造を有するポリエーテル及びトリ
レンジイソシアネートの混合物(OH価/イソシアネー
ト比=1/1)20部、
【0050】
【外1】 燐酸エチルエステル5部メチルセロソルブ20部、メタ
ノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキ
サンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量300
0)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いてペイ
ントシェカー中で15時間分散して導電性層用塗料を得
た。この塗料をダイアフラム(テフロン製)を有する定
量ポンプを装着した循環器で1週間循環した後にφ30
mmのアルミニウムドラム上に塗布し、140℃で30
分乾燥して膜厚10μmの導電層を形成した。次にN−
メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に
溶解し抵抗制御層を形成した。この際、ITO粒子の凝
集による塗膜の欠陥は発生しなかった。この塗料を前記
アルミニウムドラム上に塗布して100℃で20分間乾
燥して0.8μmの抵抗制御用下引層を形成した。
【0051】次に電荷発生物質として下記式
【0052】
【外2】 で示されるアゾ顔料3部、ポリビニルベンザール(ベン
ザール化率80%、重量平均分子量11000)2部及
びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用
いてサンドミルに依って12時間分散し、その後メチル
エチルケトン60部加えて希釈し、電荷発生層塗布液を
形成した。この分散液を前記の中間層上に塗布して80
℃で20分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を得
た。
【0053】次いで電荷輸送物質として下記式
【0054】
【外3】 で示されるスリチル化合物10部、ポリカーボネートZ
樹脂(粘度平均分子量2.0万)10部をモノクロロベ
ンゼン60部の混合溶媒中に溶解し、これを前述の電荷
発生層上に塗布を行い120℃で60分間乾燥して膜厚
20μmの電荷輸送層を得た。
【0055】このようにして製造した感光体について、
その電子写真特性、画像特性を市販のレーザープリンタ
ー(LBP−SX:キヤノン(株)社製)を用いて各環
境で評価した。その結果を表1及び表2に記載する。表
1には常温常湿での感度及び高温高湿環境下での保存安
定性を示す。また表2には各環境での耐久特性を示し
た。なおここで言う各環境とは低温低湿(15℃、10
%RH)、常温常湿(23℃、55%RH)、高温高湿
(33℃、85%RH)と定義するものである。
【0056】(実施例2−4)表3で示される溶出成分
含有量を有するITO粉末を使用したことを除き、その
外は実施例1と同様にして感光体を形成し、その特性を
評価した。その結果を表1に記載する。
【0057】(実施例5)実施例1で使用したポリオー
ル及びトリレンジイソシアネートの混合物を使用し、接
着性促進剤として燐酸ブチルエステルを使用したことを
除き、実施例1と同様に感光体を形成し特性を評価し
た。その結果を表1に記載する。
【0058】(実施例6)実施例5で使用したポリオー
ル及びトリレンジイソシアネートの混合物のかわりに、
フェノール樹脂を使用したことを除き、実施例1と同様
にして感光体を作成しその特性を評価した。その結果を
表1に記載する。
【0059】(実施例7)導電性中間層形成用塗布液作
成にあたって、ポリジメチルシロキサンを含有する小球
状体トスパールs−120を3重量部添加して同様に分
散し塗布液としたほかは実施例1と同様にして感光体を
作成しその特性を評価した。その結果を表1に記載す
る。
【0060】(実施例8)電荷発生物質として下記構造
【0061】
【外4】 のアゾ化合物、及び下記構造式
【0062】
【外5】 の電荷輸送剤を使用したことを除き、実施例1と同様に
して感光体を作成し、評価を行った。その結果を表1に
記載する。
【0063】(実施例9)電荷発生物質として、26.
3°にX線回折の主ピークを有するチタニルオキシフタ
ロシアニン顔料を使用したことを除き、実施例1と同様
にして感光体を作成しその特性を評価した。その結果を
表1に記載する。
【0064】(実施例10)電荷発生物質として、2
7.3°にX線回折の主ピークを有するチタニルオキシ
フタロシアニン顔料を使用したことを除き、実施例1と
同様にして感光体を作成しその特性を評価した。その結
果を表1に記載する。
【0065】(実施例11)実施例1の電荷発生剤を下
記式
【0066】
【外6】 の化合物とした事を除き実施例1と同様に感光体を作成
しその特性を市販の複写機(FC−3、キヤノン(株)
社製)を用いて評価した。その結果を表1に記載する。
【0067】(実施例12)電荷発生物質を下記式
【0068】
【外7】 の化合物とした事を除き実施例1と同様に感光体を作成
しその特性を市販の複写機(FC−3、キヤノン(株)
社製)を用いて評価した。その結果を表1に記載する。
【0069】(実施例13)電荷発生物質を下記式
【0070】
【外8】 の化合物とし、電荷輸送剤を下記式
【0071】
【外9】 の化合物として実施例1と同様に感光体を作成しその特
性を市販の複写機(FC−3、キヤノン(株)社製)を
用いて評価した。その結果を表1に記載する。
【0072】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は優れた電気特
性及び環境安定性を有している上に画像性にも優れてお
り、かつ本発明により長期にわたり安定した高品質の感
光体ドラムが提供できる事になった。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図2】電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に感光層を有する電子写真
    感光体において、基体と感光層の間に少なくとも中間層
    を有し、該中間層が酸化インジウム−酸化錫固溶体(I
    TO)粉末を含有し、該ITO固溶体粉末に含有される
    水溶性の溶出成分0.6重量%以下、好ましくは0.1
    重量%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 中間層が、燐酸誘導体を含有することを
    特徴とする請求項1の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 感光層中にチタニルフタロシアニンが含
    まれていることを特徴とする請求項1の電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 帯電手段、現像手段、及びクリーニング
    手段の少なくとも1つを感光体と共に一体二支持してユ
    ニットを形成し装置本体に着脱自在の単一装置ユニット
    において、感光体が基体と感光層の間に少なくとも中間
    層を有し、該中間層が酸化インジウム−酸化スズ固溶体
    (ITO)粉末を含有し、該ITO固溶体粉末に含有さ
    れる水溶性の溶出成分が0.6重量%以下、好ましくは
    0.1重量%以下であることを特徴とする電子写真装置
    ユニット。
  5. 【請求項5】 感光体、潜像形成手段、形成した潜像を
    現像する手段及び現像した像を転写剤に転写する手段を
    有する電子写真装置において、感光体が基体と感光層の
    間に少なくとも中間層を有し、該中間層が酸化インジウ
    ム−酸化スズ固溶体(ITO)を含有し、該ITO固溶
    体粉末に含有される水溶性の溶出成分が0.6重量%以
    下、好ましくは0.1重量%以下であることを特徴とす
    る電子写真装置。
  6. 【請求項6】 感光体、潜像形成手段、形成した潜像を
    現像する手段及び現像した像を転写剤に転写する手段を
    有する電子写真装置及びリモート端末からの画像情報を
    受信する受信手段を有するファクシミリにおいて、写真
    感光体が基体と感光層の間に少なくとも中間層を有し、
    該中間層が酸化インジウム−酸化スズ固溶体(ITO)
    を含有し、該ITO固溶体粉末に含有される水溶性の溶
    出成分が0.6重量%以下、好ましくは0.1重量%以
    下であることを特徴とするファクシミリ。
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