JPH0510696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両や航空機等乗物用腰掛の改良に
係る乗物用腰掛の足乗せに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より自動車や航空機又は船舶等の乗物用腰
掛において、着座者の足を載置する足乗せを前席
の腰掛の後部に構成したものが使用されていた
が、この種の足乗せは前席の腰掛を旋回して向か
い合わせにした場合、足乗せが使用できなくなる
欠点を有していた。したがつて、このような旋回
する腰掛では、足乗せを該腰掛側に設けるように
して、シートボトムの下部等に収納するような構
造のものが一般に使用されていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この種の足乗せは、腰掛の前側に足乗
せをセツトする際、着座姿勢の状態では操作が非
常に困難であり、その都度腰掛から降りて操作を
するか、又は他者に操作を依頼しなければならず
操作性に欠けるだけでなく、足乗せを直接手で持
つて操作をするため、衛生上の問題も有してい
た。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたもので
あり、腰掛のシートボトムの前側に構成した足乗
せの引出し又は収納操作をその足乗せに手を触れ
ることなく行うことができ、操作性が良好になる
と共に、その使用角度を容易に調節することがで
きる乗物用腰掛の足乗せを提供することを目的と
するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る乗物
用腰掛の足乗せは、ガススプリングシリンダの弾
発力によつて足乗せの突出又は収納を行い、該ガ
ススプリングシリンダの遠隔ロツク機能によつて
突出角度を選択するようにしたものであり、各種
乗物用腰掛のシートボトム前方に位置して、該腰
掛の前端部シートフレーム部に対して先端部を旋
回自在になるように足乗せを枢設し、上記シート
フレームの下部に上方へ傾斜させて固着したガス
スプリングシリンダの伸縮ロツド部分を上記足乗
せの底面に枢着すると共に、該足乗せの下端部に
該足乗せ上面から旋回起立自在になる足乗せバー
を枢設し、該ガススプリングシリンダの解錠機構
をレリーズワイヤを介して上記腰掛の手許近傍に
設けたことを要旨するものである。

〔作用〕

上記構成では、足乗せがその腰掛の前側に枢設
してあるため、腰掛を旋回させても足乗せが随伴
移動し、常時使用することができる。

また足乗せをガススプリングシリンダの弾発力
によつて使用状態又は収納状態に変位させると共
に、その変位を手許から遠隔操作することができ
るため、足乗せを直接手で持つて操作をすること
がなく、その操作性が優れるものである。

〔実施例〕

以下、本考案に係る乗物用腰掛の足乗せに関す
る一実施例を図面に従つて説明する。

第１図は、腰掛の脚部前端を示す断面図であ
り、腰掛のシートボトム１を載設するシートフレ
ーム２は、脚フレーム３によつて床上に支承設置
されており、該シートフレーム２の後端にシート
バツク４を構成するバツクフレームを傾倒自在に
又は角度を固定して枢設すると共に、該シートフ
レーム２の両側にアームレスト５を固設して成
る。本考案に係る乗物用腰掛の足乗せ６は、上記
シートフレーム２の前枠２ａに突設したヒンジブ
ラケツト７，７を介して腰掛と一体に構成するも
のであり、板金加工した足乗せ板８の背面に固設
してなる底板９の一端とヒンジピン１０を介して
矢印Ａ方向、揺動自在に枢設すると共に、上記シ
ートフレーム２の下部に固着した架設ブラケツト
１１の中腹に、ピン軸１２を介してガススプリン
グシリンダ１３のシリンダ基端を揺動自在に枢着
し、該ガススプリングシリンダ１３の伸縮ロツド
端部を上記底板９の中央部寄りにピン軸１４を介
して回動自在に枢着したリンク機構を構成して成
る。該ガススプリングシリンダ１３は、常時伸縮
ロツドが突出する方向に弾性付勢してあり、シリ
ンダの基端部に構成したロツク部材１５（位置の
変更によつてシリンダから突出する伸縮ロツドの
摺動を任意の位置で固定するようになる。）に連
繋したレリーズワイヤ１６の他端部をアームレス
ト５の一部に固設した操作釦１７の作動端と連繋
して手許操作機構を構成する。また１８は、上記
足乗せ板８の面に形成した凹溝８ａに没入収容可
能になる、足先を載置するための足乗せバーであ
り、該足乗せバー１８の両端に固設した支持アー
ム１９の基端を、上記底板９の先端部背面に突設
した支持ブラケツト２０とヒンジピン２１を介し
て枢着し、矢印Ｂ方向に揺動突出する構成に成る
と共に、上記揺動突出位置において支持アーム１
９の屈折した中腹部が底板９に架設したストツプ
パイプ２２と当接して所定角度を維持する構造に
なる。

上記構成の足乗せ６は、第２図に示すように着
座者が一人で使用するに適した幅を構成してあ
り、各腰掛のアームレスト５に設けた操作釦１７
と着座者の足によつて使用又は収納状態に変更す
るものである。

第３図及び第４図は二人掛け用の腰掛を示すも
のであり、右側の腰掛は格納状態、左側の腰掛は
使用状態の足乗せ６を示している。

格納状態から使用状態に変更する場合は、操作
釦１７を押すことによつて足乗せ６を右側姿勢か
ら左側姿勢に変えることができる。即ち、操作釦
１７を押圧操作すると、レリーズワイヤ１６を介
してガススプリングシリンダ１３のロツク部材１
５を解除方向に揺動させるため、該ガススプリン
グシリンダ１３はその弾性力によつて伸縮ロツド
を緩速度で突出せしめ、ヒンジピン１０を回転中
心として足乗せ６を前側に旋回せしめる。該足乗
せ６は、右側の腰掛に示す最大角度の範囲で旋回
するが、上記操作釦１７を旋回途中の所望位置で
放すと、ロツク部材１５が解除から停止位置に変
わり、ガススプリングシリンダ１３の伸縮ロツド
が固定されるため、着座者が所望する使用角度位
置で足乗せ６を固定することができる。また足先
を安定載置したい場合には、足乗せバー１８をヒ
ンジピン２１を中心にして矢印Ｂ方向に旋回突出
することにより足乗せ６をその足乗せバー１８の
突出量だけ長くすることができる。

次に足乗せ６を格納する場合には、先ず足乗せ
バー１８を足乗せ板８の凹溝８ａに収容した後、
操作釦１７を押し乍ら着座者が足で足乗せ６面を
押圧することによつて左側姿勢から右側姿勢に変
えることができる。一般の着座者では足乗せ６面
が第二脚部裏側に当接しているため、ガススプリ
ングシリンダ１３の弾性に抗して比較的軽く押し
込むことが可能である。

尚、前記実施例では足乗せを使用姿勢にする方
向にガススプリングシリンダを弾挿した伸長型の
ものを示したが、収縮型のガススプリングシリン
ダを使用して格納時に自動格納するように構成す
ることもできる。また、本実施例では緩作動させ
るためにガススプリングシリンダを使用したが、
一般のコイルスプリングによつても足乗せを突出
することができることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

本考案に係る乗物用腰掛の足乗せは、以上のよ
うに構成したから、前側腰掛の向きに拘わらず使
用することができると共に、足乗せをセツト又は
格納する際、着座姿勢のままで操作することがで
き、しかも該足乗せを直接手で持つて操作をする
ことがないという優れた操作性を有する特徴を有
するものである。

加えて足乗せの使用角度が自在に調節できるた
め、角度調節機能を有するシートバツクを持つ腰
掛では、その角度に対応して好ましい角度に足乗
せを変更支持することができる等の特徴を有する
ものであり、本考案実施後の実用的効果は極めて
大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る乗物用腰掛の足乗せの一
実施例を示す座席の脚部断面図、第２図は第１図
における足乗せの正面図、第３図は二人掛け用腰
掛の正面図、第４図は同側面図である。 ２……シートフレーム、３……脚フレーム、５
……アームレスト、６……足乗せ、８……足乗せ
板、１０，２１……ヒンジピン、１１……架設ブ
ラケツト、１３……ガススプリングシリンダ、１
５……ロツク部材、１６……レリーズワイヤ、１
７……操作釦、１８……足乗せバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 各種乗物用腰掛のシートボトム前方に位置し
   て、該腰掛の前端部シートフレーム部に対して先
   端部を旋回自在になるように足乗せを枢設し、 上記シートフレームの下部に上方へ傾斜させて
   固着したガススプリングシリンダの伸縮ロツド部
   分を上記足乗せの底面に枢着すると共に、 該足乗せの下端部に該足乗せ上面から旋回起立
   自在になる足乗せバーを枢設し、 該ガススプリングシリンダの解錠機構をレリー
   ズワイヤを介して上記腰掛の手許近傍に設けたこ
   とを特徴とする 乗物用腰掛の足乗せ。