JPH05105807A - ポリエステル組成物、この組成物からなるプリフオームおよび中空成形体 - Google Patents

ポリエステル組成物、この組成物からなるプリフオームおよび中空成形体

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JPH05105807A
JPH05105807A JP4677991A JP4677991A JPH05105807A JP H05105807 A JPH05105807 A JP H05105807A JP 4677991 A JP4677991 A JP 4677991A JP 4677991 A JP4677991 A JP 4677991A JP H05105807 A JPH05105807 A JP H05105807A
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JP
Japan
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polyester
preform
raw material
molding machine
present
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JP4677991A
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English (en)
Inventor
Osamu Ogata
方 治 緒
Susumu Hataho
歩 進 幡
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、原料ポリエステルに比べて昇温結
晶化温度が低下されたポリエステル組成物、この組成物
からなる透明性に優れ、耐熱性に優れたプリフォームお
よび中空成形体を提供する。 【構成】(1) 原料ポリエステルと、原料ポリエステル
を加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエステルとか
らなり、該加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエス
テルが、2〜20重量%の量で存在していることを特徴
とするポリエステル組成物。 (2) 上記組成物からなるプリフォーム。 (3) 上記組成物からなる中空成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリエステル組成物、こ
のポリエステル組成物からなるプリフォームおよび中空
成形体に関し、さらに詳しくは原料ポリエステルに比べ
て昇温結晶化温度が低下されたポリエステル組成物、こ
のポリエステル組成物からなる透明性に優れるとともに
耐熱性にも優れたプリフォームおよび中空成形体に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、ビール、ジュースなどの充
填用容器としては、ガラス製容器、金属製容器などに替
わって、プラスチック製容器が用いられるようになって
きている。プラスチック製容器は、ガラスのように割れ
ることがないので危険性が少なく、また、金属製容器に
比べて軽く、持ち運びに便利であるという特長を有して
いる。このようなプラスチック材料としては、ポリオレ
フィンやポリエステルが用いられているが、ポリオレフ
ィン製中空成形体は、ガスバリヤ性が充分ではなく、内
容液にオレフィン臭が付き、味が落ちるなどの問題があ
る。これに比べて、ポリエステル製中空成形体は、透明
性に優れており、人体に無害でかつ無臭であり、ガスバ
リヤ性に優れるなど充填用容器としての優れた特性を有
している。
【0003】上記のような透明性、強靱性および耐熱性
を有するポリエステル製中空成形体は、通常、ポリエス
テルを二軸延伸成形して分子を配向させることによって
得られる。
【0004】しかしながら、このような特性を有するポ
リエステル製中空成形体においても、その口栓部は、通
常、未延伸のまま成形されるので、軟化温度が低く、耐
熱性が不十分であり、ジュースなどの熱溶液を80〜9
0℃で充填する際、変形歪みを生じやすく、これによっ
て充填後に、口栓部から液(内容物)洩れを生じたりす
ることがある。さらに、耐薬品性にも劣り、充填物がア
ルコール、エステルなどの場合、アルコールなどが分子
間に浸透して分子間間隙を押し拡げたりするクレージン
グ現象を生じることがある。
【0005】このような口栓部の問題点を改良するもの
として、たとえば、特公昭59−33101号公報に
は、熱溶融後に硬化により白化させ(結晶化させ)た首
部(口栓部)を有するポリエステル樹脂製瓶が開示され
ている。口栓部ポリエステルを結晶化させることによっ
て、化学的に安定化され、機械的に強化され、かつ耐熱
性も向上された口栓部が得られている。
【0006】ところで、ポリエステルたとえばポリエチ
レンテレフタレートの結晶化温度は、通常、140〜2
00℃であり、上記のように結晶化させた口栓部を得る
には、150℃以上で熱処理する必要がある。このよう
な熱処理は、生産効率上、ボトルを延伸成形する際に同
時に行うことが好ましいが、口栓部ポリエステルを高温
で加熱溶融する際、熱処理条件によっては、ボトルの胴
部を白化(結晶化)させるおそれがあり、熱処理制御が
困難である。したがって、通常、二軸延伸成形する前
に、ピースまたはボトルの口栓部のみを単独で熱処理し
ている。
【0007】このため、ボトルなどの中空成形体を延伸
成形する際、同時に口栓部を熱処理しても、中空成形体
の胴部を白化(結晶化)させることがなく、しかも、口
栓部を効率よく結晶化させ得る結晶化速度の大きいポリ
エステルおよびこのような材料からなる中空成形体の出
現が望まれている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、通常のポリエステルに比べて
結晶化速度が増大されたポリエステル組成物、この組成
物からなり、透明性に優れるとともに耐熱性にも優れた
プリフォームおよび中空成形体を提供することを目的と
している。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリエステル組成物は、原
料ポリエステルと、原料ポリエステルを加熱溶融状態で
成形機を通過させたポリエステルとからなり、該加熱溶
融状態で成形機を通過させたポリエステルが、2〜20
重量%の量で存在していることを特徴としている。
【0010】また、本発明に係るプリフォームは、上記
のようなポリエステル組成物からなることを特徴として
いる。さらに、本発明に係る中空成形体は、上記のよう
なポリエステル組成物からなることを特徴としている。
【0011】上記のような本発明に係るポリエステル組
成物は、原料ポリエステルに比べて昇温結晶化温度[T
cc]が低い。このようなポリエステル組成物からなるプ
リフォームまたは中空成形体では、胴部は透明性を保持
したままで、口栓部は機械強度、耐熱性、耐薬品性に優
れている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下に、本発明に係る中空成形体
について具体的に説明する。先ず、本発明で用いられる
ポリエステル組成物を形成する原料ポリエステルについ
て説明する。
【0013】本明細書において、「原料ポリエステル」
とは、通常市販されている下記のようなペレット状のポ
リエステルを意味し、この原料ポリエステルには、該原
料ポリエステルを加熱溶融状態で成形機を通過させてボ
トルあるいはプリフォームなどに成形した履歴がない。
【0014】このような原料ポリエステルとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
などの飽和ポリエステルを挙げることができる。これら
についてより具体的に説明する。
【0015】ポリエチレンテレフタレート 本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、テ
レフタル酸またはそのエステル形成誘導体からなるジカ
ルボン酸と、エチレングリコールまたはそのエステル形
成誘導体からなるヒドロキシ化合物とから誘導される構
成単位からなるが、このポリエチレンテレフタレート
は、他のジカルボン酸および/または他のジヒドロキシ
化合物から誘導される構成単位を20モル%以下の量で
含有していてもよい。
【0016】テレフタル酸またはそのエステル形成誘導
体以外に含有されていてもよいジカルボン酸としては、
具体的に、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの
脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0017】エチレングリコールまたはそのエステル形
成誘導体以外に含有されていてもよいジヒドロキシ化合
物としては、具体的に、トリメチレングリコール、プロ
ピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカ
メチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘ
キサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェ
ノール類、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類
などが挙げられる。
【0018】このようなポリエチレンテレフタレート
は、実質上線状のポリエステルを形成している。そし
て、該ポリエチレンテレフタレートが実質上線状である
ことは、該ポリエチレンテレフタレートが、o-クロロフ
ェノールに溶解することによって確認される。
【0019】本発明で用いられるポリエチレンテレフタ
レートでは、o-クロロフェノール中で25℃で測定した
極限粘度[η]が、通常0.6〜1.5dl/g、好ましくは
0.7〜1.2dl/gであることが望ましい。なお、上記の
極限粘度は、以下のようにして求める。
【0020】ポリエチレンテレフタレートを、o-クロロ
フェノールに、1g/100mlの濃度で溶解し、25℃
でウベローデ型毛細管粘度計を用いて溶液粘度の測定を
行い、その後、o-クロロフェノールを徐々に添加して、
低濃度側の溶液粘度を測定し、0%濃度に外捜して極限
粘度[η]を求める。
【0021】また、ガラス転移温度は通常50〜120
℃、好ましくは60〜100℃であることが望ましい。
融点は、通常210℃〜265℃、好ましくは220〜
260℃であることが望ましい。
【0022】本発明で用いられるポリエチレンテレフタ
レートでは、昇温結晶化温度[Tcc]が、通常150℃
以上であり、好ましくは150〜180℃、より好まし
くは155〜175℃であることが望ましい。
【0023】なお、昇温結晶化温度[Tcc]は、次の方
法によって測定される。測定は、走差型熱量計(パーキ
ンエルマー社製DSC−2型)を用いて行われる。ポリ
エチレンナフタレートチップを、約140℃で約5mmH
gの圧力下、約5時間以上乾燥する。乾燥後のポリエチ
レンナフタレートチップ中央部から採取した約10mgの
薄片を測定試料として、液体用アルミニウムパン中に窒
素雰囲気下に封入する。この試料を、まず室温より急速
昇温して290℃で10分間溶融状態で保持し、次いで
室温まで急速冷却する。その後、10℃/分の昇温速度
で昇温する際に検出される発熱ピークの頂点温度を求め
る。この頂点温度を昇温結晶化温度[Tcc]とする。
【0024】ポリエチレンナフタレート 本発明で用いられるポリエチレンナフタレートは、2,6-
ナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコールとから
誘導されるエチレン-2,6-ナフタレート構成単位を60
モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好まし
くは90モル%以上の量で含有してことが望ましい。
【0025】エチレン-2,6-ナフタレート以外の構成単
位は、40モル%未満の量で含有されていてよく、この
ようなエチレン-2,6-ナフタレート以外の構成単位とし
ては、下記のようなジカルボン酸と、ジヒドロキシ化合
物とから誘導される構成単位が挙げられる。
【0026】ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニル-4,4'-ジカルボン酸、4,
4'-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'-ジフェニル
スルホンジカルボン酸、4,4'-ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸、ジブロムテレフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン
ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘ
キサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸、グ
リコール酸、p-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシエト
キシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸などを挙げる
ことができる。
【0027】ジヒドロキシ化合物としては、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール、ネオペンチレングリコール、p-キシレングリ
コール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノ
ールA、p,p-ジフェノキシスルホン、1,4-ビス(β-ヒ
ドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2-ビス(p-β-ヒドロ
キシエトキシフェノール)プロパン、ポリアルキレング
リコール、p-フェニレンビス(ジメチルシロキサン)、
グリセリンなどを挙げることができる。
【0028】また、本発明で用いられるポリエチレンナ
フタレートは、トリメシン酸、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペン
タエリスリトールなどの多官能化合物から誘導される構
成単位を少量、たとえば2モル%以下の量で含んでいて
もよい。
【0029】さらに本発明で用いられるポリエチレンナ
フタレートは、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルホ
ンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレ
ングリコール、フェノキシポリエチレングリコールなど
の単官能化合物から誘導される構成単位を、少量たとえ
ば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0030】このようなポリエチレンナフタレートは、
実質上線状であり、このことは該ポリエチレンナフタレ
ートが、o-クロロフェノールに溶解することによって確
認される。
【0031】本発明で用いられるポリエチレンナフタレ
ートでは、前述のようにして、o-クロロフェノール中で
25℃で測定した極限粘度[η]が、0.2〜1.1dl/
g、好ましくは0.3〜0.9dl/g、とくに好ましくは0.
4〜0.8dl/gであることが望ましい。
【0032】また、昇温結晶化温度[Tcc]は、通常1
50℃以上であり、好ましくは160〜230℃、より
好ましくは170〜220℃であることが望ましい。上
記のような原料ポリエステルは、従来公知の方法で製造
することができる。ポリエステル組成物 本発明で用いられるポリエステル組成物は、上記のよう
な原料ポリエステルと、原料ポリエステルを加熱溶融状
態で成形機を通過させたポリエステルとからなってい
る。本発明において、以後、原料ポリエステルを加熱溶
融状態で成形機を通過させたポリエステルを、「処理ポ
リエステル」という。また、原料ポリエステルと、処理
ポリエステルに用いられる原料ポリエステルとは、同一
ポリエステルであってもよいし、異なるポリエステルで
あってもよい。
【0033】本発明において、原料ポリエステルを「加
熱溶融状態で成形機を通過させる」処理は、通常の原料
ポリエステルを加熱溶融し、射出成形、押出成形あるい
はブロー成形して、プリフォームまたは中空成形体(た
とえばボトル)を成形することによって行われる。
【0034】原料ポリエステルがこのように成形機を通
過する際には、通常、該原料ポリエステルには剪断応力
がかかる。このような処理ポリエステルは、具体的に
は、プリフォームまたは中空成形体に成形されたポリエ
ステルであることが好ましい。このようなプリフォーム
または中空成形体は、製品適合品であってもよいし、ポ
リエステル製プリフォームまたは中空成形体を製造する
際に生じる生産規格適外品であってもよい。さらに、プ
リフォームまたは中空成形体を製造する際に生じるバリ
であってもよい。
【0035】本発明で用いられる処理ポリエステルは、
これらのプリフォーム、中空成形体またはバリを切断
(粉砕)して得られる切片状の処理ポリエステルである
ことが好ましい。切片状処理ポリエステルは、片状であ
っても紐状であってもよく、さらに粒状であってもよ
く、形状を問われない。その大きさも特に限定されない
が、通常、10mm〜0.1mm、好ましくは5mm〜
0.1mmである。
【0036】また、本発明で用いられる処理ポリエステ
ルは、上記のようにプリフォーム、中空成形体またはバ
リを、切断した際に生じる粉末状ポリエステルであって
もよい。
【0037】このような粉末状ポリエステルでは、平均
粒径が、通常、10〜1000μm、好ましくは10〜
500μm、さらに好ましくは50〜200μmであ
る。上記のような処理ポリエステルでは、昇温結晶化温
度[Tcc]が、原料ポリエステルよりも、5〜30℃、
好ましくは10〜20℃低下している。
【0038】このような処理ポリエステルのうち、粉末
状ポリエステルが、特に好ましく用いられる。本発明に
係るポリエステル組成物には、上記のように加熱溶融状
態で成形機を通過させた「処理ポリエステル」は、2〜
20重量%、好ましくは5〜15重量%の量で存在して
いる。
【0039】本発明に係るポリエステル組成物におい
て、処理ポリエステルの含有量が、30重量%以上にな
ると、昇温結晶化温度[Tcc]が低くなり過ぎて、中空
成形体成形時にボトル胴部まで白化してしまうおそれが
ある。
【0040】また、本発明に係るポリエステル組成物
は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐熱安定剤、耐
候安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、無機充填剤、顔
料分散剤、顔料あるいは染料などの各種配合剤を含有し
ていてもよい。
【0041】本発明に係るプリフォームは、上述したポ
リエステル組成物からなり、従来公知の方法、たとえば
射出成形によって製造することができる。また、本発明
に係る中空成形体は、上述したポリエステル組成物から
なり、上記プリフォームを加熱し、延伸ブロー成形する
ことによって製造される。この際には、従来のような金
型を用いずに、形を整えるだけの枠を用いてもよく、ま
た金型や枠を用いずに延伸ブロー成形することもでき
る。
【0042】口栓部を結晶化する方法としては、従来公
知の方法が挙げられ、延伸成形する前のプリフォームま
たは中空成形体の口栓部を加熱処理する方法、あるい
は、中空成形体を延伸成形した後に、口栓部を加熱処理
する方法などがあるが、工業生産上、前者の方法が好ま
しい。
【0043】このように製造された本発明に係る中空成
形体は、透明で、ガスバリヤ性に優れた胴部と、結晶化
によって耐薬品性に優れ、耐熱性に優れた口栓部とを有
している。
【0044】
【発明の効果】本発明に係るポリエステル組成物は、原
料ポリエステルよりも、昇温結晶化温度[Tcc]が低下
している。このようなポリエステル組成物からなるプリ
フォームおよび中空成形体では、その胴部は、従来どお
り透明で、ガスバリヤ性に優れたまま、口栓部も、耐薬
品性に優れ、耐熱性に優れており、熱溶液を注入する際
に、口栓部が熱変形するようなことがない。また、上記
のような昇温結晶化温度[Tcc]が低下されたポリエス
テル組成物からなる中空成形体は、工業生産上、生産効
率良く得られるという効果を有する。
【0045】以下、実施例により本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0046】
【実施例1】固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレ
フタレートを、減圧下150℃で約16時間乾燥した
後、名機M-100A-SJ型射出成形機を用いて射出ホッパー
下に乾燥窒素を15NM3/Hで流しながら、バレル設定温
度280℃で溶融し、10℃に冷却されたプリフォーム
金型に成形圧力700kg/cm2で射出成形し、口径が38
mmで胴径が28mmであり、かつ胴部の厚みが4.5mmの
重量64gであるプリフォームを成形サイクル60秒で
作製した。
【0047】次いで口栓部のみを165℃のオイルバス
中にて結晶化したプリフォームを作った。この口栓部結
晶化プリフォームを、二軸延伸吹込成形機〔コポプラス
ト(CORPOPLAST)社製 LBO10〕を用いて、吹込み圧力約2
0kg/cm2、プリフォーム加熱時間約60秒、延伸温度1
05℃の条件下で、縦約2.2倍および横約3.0倍に二
軸延伸し、さらに160℃の表面温度を有する金型内
で、5秒間保持した後、20秒間金型を水で冷却する方
法でヒートセットを行なって、内容積が1.5リットル
の胴部に6倍の減圧パネルを有し、底部が底上げの二軸
延伸ボトルを作製した。
【0048】上記のようにして得られたプリフォームお
よびボトルを、(株)朋来鉄工社製V型粉砕機で別々に
粉砕して、「処理ポリエステル」である粉砕物を得た。
これらのプリフォームとボトルとの粉砕物を、9:1で
混合した上でさらに、固有粘度0.80dl/g、チップか
ら採取した試料のTccが170℃である原料ポリエチレ
ンテレフタレートに、15重量%の割合でブレンドし、
上記と全く同じ方法により、プリフォームとボトルを得
た。プリフォームの口栓部より試料を採取し、Tccを測
定したところ150℃であった。また、プリフォームの
口栓部を165℃のオイルバス中で5分間結晶化した後
の口栓部天面の密度は1.373g/cm3で、結晶化度が充
分上がっていた。また得られたボトルも透明で、なおか
つ耐熱性に優れた良好なものであった。
【0049】
【実施例2】実施例1と同じ方法でボトル粉砕物を作成
し、実施例1と同様に、固有粘度が0.80dl/gである
原料ポリエチレンテレフタレートに10重量%の割合で
ブレンドし、プリフォームとボトルを得た。プリフォー
ムの口栓部より試料を採取し、Tccを測定したところ1
49℃であった。また、プリフォームの口栓部を165
℃のオイルバス中で5分間結晶化した後の口栓部天面の
密度は、1.374g/cm3で結晶化度が充分上がってい
た。また得られたボトルも透明で、なおかつ耐熱性に優
れた良好なものであった。
【0050】
【実施例3】実施例1と同じ方法でプリフォームおよび
ボトル粉砕物を作成し、これらを9:1で混合した上
で、2mmサイズのふるいで粉を分別した。
【0051】分別した粉を実施例1と同様に、固有粘度
が0.80dl/gである原料ポリエチレンテレフタレート
に5%の割合で混合し、プリフォームとボトルを得た。
プリフォームの口栓部より試料を採取し、Tccを測定し
たところ148℃であった。また、プリフォームの口栓
部より165℃のオイルバス中で5分間結晶化した後の
口栓部天面の密度は、1.374g/cm3で結晶化度が充分
上がっていた。また得られたボトルも透明で、なおかつ
耐熱性に優れた良好なものであった。
【0052】
【比較例1】実施例1と同じ方法で、固有粘度0.80d
l/gの原料ポリエチレンテレフタレートからプリフォー
ムおよびボトルを作成した。ただし、この場合には加熱
溶融状態で成形機を通過させたポリエステルは一切加え
なかった。
【0053】プリフォームの口栓部より試料を採取し、
Tccを測定したところ155℃であった。また、プリフ
ォームの口栓部を165℃のオイルバス中で5分間結晶
化した後の口栓部天面の密度は、1.363g/cm3であり
結晶化度の上昇が充分ではなかった。得られたボトルの
透明性は良好であったが、口栓部の耐熱性が充分ではな
く、耐熱ボトルとしては性能を充分に発揮できるもので
はなかった。
【0054】
【比較例2】実施例1と同じ方法で、固有粘度0.80d
l/gの原料ポリエチレンテレフタレートからプリフォー
ムおよびボトルを作成し、これらを9:1で混合した上
で、さらに固有粘度0.80dl/gの原料ポリエチレンテ
レフタレートを40%の割合でブレンドし、プリフォー
ムおよびボトルを得た。プリフォームの口栓部より試料
を採取し、Tccを測定したところ144℃であった。ま
た、プリフォームの口栓部を165℃のオイルバス中で
5分間結晶化した後の口栓部天面の密度は1.375g/c
m3であり、結晶化度が充分上がっていた。しかし、得ら
れたボトルは、耐熱性は良好であったものの、白化気味
であり外観上問題のあるものであった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料ポリエステルと、原料ポリエステルを
    加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエステルとから
    なり、該加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエステ
    ルが、2〜20重量%の量で存在していることを特徴と
    するポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】前記加熱溶融状態で成形機を通過させたポ
    リエステルが、原料ポリエステルを射出成形してなるプ
    リフォームまたは中空成形体を切断して得られるポリエ
    ステルであることを特徴とする請求項1に記載のポリエ
    ステル組成物。
  3. 【請求項3】前記加熱溶融状態で成形機を通過させたポ
    リエステルが、プリフォームまたは中空成形体を切断す
    る際に生じる粉末状ポリエステルであり、該粉末状ポリ
    エステルの平均粒径が10〜1000μmであることを
    特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】原料ポリエステルと、原料ポリエステルを
    加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエステルとから
    なり、該加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエステ
    ルが、2〜20重量%の量で存在しているポリエステル
    組成物からなるプリフォーム。
  5. 【請求項5】原料ポリエステルと、原料ポリエステルを
    加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエステルとから
    なり、かつ該加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエ
    ステルが、2〜20重量%の量で存在しているポリエス
    テル組成物からなる中空成形体。
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