JPH05104724A - インクジエツト記録装置 - Google Patents

インクジエツト記録装置

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JPH05104724A
JPH05104724A JP26933791A JP26933791A JPH05104724A JP H05104724 A JPH05104724 A JP H05104724A JP 26933791 A JP26933791 A JP 26933791A JP 26933791 A JP26933791 A JP 26933791A JP H05104724 A JPH05104724 A JP H05104724A
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JP
Japan
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ink
electric field
field curtain
pigment
electrostatic field
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JP26933791A
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Hideo Yasutomi
英雄 保富
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録装置に関し、インクの目
詰まりや変色が発生し難く、また、印字ヘッドの破損が
防止されるようにしたインクジェット記録装置を提供す
ることを目的とする。 【構成】 顔料を分散媒中に分散させたインク2を保持
するインク保持手段3に、該インク2に電荷を注入する
電荷注入手段6と、電荷を注入されたインク2に記録媒
体P側にインク2を押し出す電界カーテン力を作用させ
る電界カーテン力発生手段7と、インク2を沸騰しない
程度に加熱して表面張力、界面張力、粘性抵抗等を低下
させる加熱手段12と、インク2をインク保持手段3か
ら記録媒体Pに向けて静電吸引させる静電界形成手段9
とを備える構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを記録媒体に向
けて飛翔させることにより、文字や画像の記録を行うイ
ンクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置として
は、静電界や交番電界を発生させ、荷電した水性インク
や油性インクを記録媒体に向けて飛翔させることによ
り、文字や画像の記録を行うようにしたものが知られて
いる。より詳しくは、例えば前者として、特開昭62−
225388号公報に開示されているように、荷電した
インクを静電界によって記録媒体の方向に吸引し、イン
クメニスカスを形成した状態で、サーマルヘッドにより
インクを加熱して粘度および表面張力を低下させること
により、インク滴を記録媒体に飛翔させるようにしたも
のがある。
【0003】また、後者としては、例えば特開昭62−
111754号公報に開示されているように、交番電界
によって生じる電界カーテン力(クーロン斥力)によ
り、荷電したインクを加速して、インク滴を記録媒体に
飛翔させるようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインクジェット記録装置では、インクを確実に飛翔
させるためには、相当高圧な電源を用いて静電界や交番
電界を発生させたり、消費電力の大きな発熱体によって
インクの粘度等を大幅に低下させる必要がある。それゆ
え、電源装置が比較的大掛かりなものとなり、装置全体
の小型化や消費電力の低減が困難であるという問題点を
有していた。
【0005】また、インクを高温に加熱すると、水性イ
ンクや油性インクが劣化したり、溶媒の蒸発に起因する
目詰まり等を起こしたりしがちになるという問題点をも
有していた。本発明は、上記の点に鑑み、装置の小型化
や消費電力の低減を図り得るとともに、インクの劣化や
目詰まり等を防止できるインクジェット記録装置の提供
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ット記録装置は、上記の目的を達成するため、顔料を分
散媒中に分散させたインクを保持するインク保持手段
と、インク保持手段内のインクに電荷を注入する電荷注
入手段と、電荷を注入されたインクに該インクを記録媒
体側に押し出す電界カーテン力を作用させる電界カーテ
ン力発生手段と、インク保持手段内に保持されたインク
を加熱する加熱手段と、インクをインク保持手段から記
録媒体に向けて静電吸引させる静電界を形成する静電界
形成手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
【作 用】上記の構成により、インク保持手段内に保持
されたインクは、加熱手段によって加熱されると粘度お
よび表面張力が低下し、電荷注入手段によって荷電され
るとともに電界カーテン力発生手段および静電界形成手
段による電界カーテン力および静電吸引力が作用する
と、記録媒体に向けて飛翔する。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例に係るインクジェット記録
装置を図1及び図2に基づき説明すれば、以下の通りで
ある。図1は本発明の一実施例の構成を示す断面図であ
り、図2は図1のA−A線断面図であり、このインクジ
ェット記録装置の印字ヘッド1内の前部(図上、上部)
には、顔料を分散媒に分散させたインク2を保持するイ
ンク室3が洞設されている。インク室3の前面(図上、
上面)は多数のノズル孔4を備えるノズルプレート5で
覆われ、このノズルプレート5内に各ノズル孔4に対応
して各対をなす静電界印加電極6aと、各ノズル孔4に
対応して各対をなす電界カーテン発生電極7aとが埋設
される。
【0009】また、ノズルプレート5前方には、これか
ら適当な距離を置いて記録紙8を案内するバイアスプラ
テンローラ9aが設けられる。各静電界印加電極6a
は、接地側がインク2に接し、他方側は個別に個別ドラ
イバ6bに接続され、これらの静電界印可電極6a、個
別ドライバ6b、直流を出力する静電界印加電源6c、
および印字データに対応して各個別ドライバ6bをオン
オフ制御する制御部6dとで、電荷注入手段6が構成さ
れている。
【0010】また、電界カーテン発生電極7aは、これ
に接続された電界カーテン発生電源7bとともに電界カ
ーテン力発生手段7を構成している。また、上記バイア
スプラテンローラ9aは、これをインク2に付与される
電荷と逆極性、あるいは、電位差のある所定の電荷に帯
電させる電源9bとともに静電界形成手段9を構成して
いる。
【0011】上記インク室3の後面及び左右両側面は耐
熱性を有する絶縁部材からなるベース11で覆われ、そ
の後面に沿って通電により発熱するサーマル素子12a
が設けられる。このサーマル素子12aは、酸化ルビジ
ウム(RuO2)、窒化タンタリウム(Ta2N)等で構成さ
れ、これに接続された駆動電源12bとともに加熱手段
12を構成している。
【0012】駆動電源12bが出力する電流は、サーマ
ル素子12aに通電することによりインク2を沸騰させ
ない程度のジュール熱を発生させればよく、例えばパル
ス波、正または負の直流等であればよい。なお、このサ
ーマル素子12aのインク2に対向する面は、サーマル
素子12aとインク2とが直接接触しないようにするた
め、酸化珪素(SiO2)、酸化タンタリウム(TaO)等か
らなる厚さ0.5〜15μm程度の保護膜13で覆われ
る。
【0013】上記インク2は、顔料分散インクと呼ば
れ、10〜70重量%の分散媒、3〜30重量%の顔
料、20重量%以下の分散剤、0.2〜30重量%の樹
脂、その他必要に応じてマスキング剤、香料、にじみ防
止剤、防錆剤、界面活性剤、潤滑剤等を配合し、攪拌混
合によって分散媒中に顔料その他の成分を分散や溶解さ
せたものである。
【0014】分散媒としては、水、1価または多価のア
ルコール類、ケトンまたはケトアルコール類、アルカノ
ールアミン類、アミド類、エーテル類、エステル類、ア
ルキレングリコールから誘導された低級アルキルモノエ
ーテルあるいは低級アルキルジエーテル類、含窒素環状
化合物等の有機溶媒が使用される。1価アルコール類と
しては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−
プチルアルコール、sec−プチルアルコール、ter
t−プチルアルコール、iso−ブチルアルコール、フ
ルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル等がその例として挙げられる。
【0015】多価アルコール類としては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコールナトラエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、グリセリン、1.2.6 −ヘキサ
ントリコール、チオジグリコール等がその例として挙げ
られる。ケトンまたはケトアルコール類としては、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等が
その例として挙げられ、アルカノールアミン類として
は、モノエタノールアミン、ジェタノールアミン、トリ
エタノールアミン等がその例として挙げられる。
【0016】アミド類としては、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等がその例として挙げられ、
エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等が代表的であり、エステル類としては、酢酸エチル、
安息香酸メチル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等
がその例として挙げられる。アルキレングリコールから
誘導された低級アルキルモノエーテル類としては、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーチル等がその例として挙
げられ、アルキレングリコールから誘導された低級アル
キルジエーテル類としては、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル
等がその例として挙げられる。
【0017】また、含窒素環状化合物としてはピロリド
ンが代表的である。これらの多くの分散媒の中では、イ
ンク2に要求される種々の特性を改良するために、多価
アルコール類、或いは多価アルコールのアルキルエーチ
ル類を使用することが推奨され、特に、ジエチレングリ
コール等の多価アルコール類を使用することが推奨され
る。
【0018】分散媒の含有量は、インク全重量に対し
て、重量パーセントで、一般には10〜90%とされ、
物性値の温度依存性を小さくするためには15〜70%
の範囲が好ましい。上記顔料としては、従来公知のもの
を含めて各種の有機或いは無機顔料が全てに適用でき
る。これら有機または無機の顔料は化学的に分類するこ
ともできるが、有機顔料は、不溶性色素とレーキとに分
類され、無機顔料は天然鉱物と人造無機化合物とに分類
される。
【0019】有機顔料を化学的に分類すれば、アゾ系、
フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン
系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ベ
リノン系、ベリレン系、イソインドレノン系等に分類さ
れる。不溶性色素としては、ハンザ・エロー、ベンジン
・エロー等の黄色顔料、インダスレン・オレンジ等のだ
いだい色顔料、パラ・レッド、チオインジゴ・レッド、
トルインジゴ・レッド等の赤色顔料、インダスタンボル
ドー、トルイジン・マルーン等の紫色顔料、インダスレ
ン・ブルーRS、フタロシアニン・ブルー等の青色顔
料、フタロシアニン・グリーン等の緑色顔料等が代表的
である。
【0020】レーキは水溶性染料をアルミナ、バライ
ト、クレー等の体質顔料に吸収させ、次いで、塩化バリ
ウム、酢酸鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸、リン酸
ナトリウム、リン・タングステン酸、リン・モリブデン
酸等の金属円を沈澱剤として加えて染料を不溶性に変え
たものであり、塩基性染料からのものが最も多く、次い
でアゾ染料からものが多い。
【0021】レーキとしては、オーラミン・レーキ、フ
ァスト・ライト・エロー3G等の黄色顔料、ベルシアオ
レンジ、ピグメントスカーレット3G等のだいだい色顔
料、リソール・レッド、レーキ・レッド、エオシン・レ
ーキ、ローダミン・レーキ等の赤色顔料、メチルバイオ
レット・レーキ等の紫色顔料、ビクトリア・ブルー・レ
ーキ、ピーコック・ブルー・レーキ等の青色顔料、アシ
ッド・グリーン・レーキ、マラカイト・グリーンレーキ
等の緑色顔料等が代表的である。
【0022】無機顔料を化学的に分類すれば、酸化チタ
ン、鉛系、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック
等の顔料を挙げることができる。しかしながら、無機顔
料は一般的には色別に白色顔料、黄色顔料、赤色顔料、
紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、黒色顔料等に分類され
る。白色顔料としては、亜鉛華(亜鉛白、ZnO )、リト
ポン(BaSO4 +ZnS)、チタン白(酸化チタン、TiO2)、
鉛白(2PbCO3・Pb(OH)2 )、バライト(BaSO4 )、白亜
(チョーク、石粉、CaCO3 )、胡粉(CaCO3 )、クレー
(カオリン、白土、Al2O3 ・2SiO2 ・2H2O )等が代表
的である。
【0023】黄色顔料としては、黄鉛(クロム黄、PbCr
O4)、亜鉛黄(ZnCrO4)、カドミウム黄(カドミウムエ
ロー、CdS )、アンチモン黄(ネープルス黄、Pb(SbO3)
2 )、黄土(Fe2O3 ・xAl2O3・ySiO2 )、黄色酸化鉄
(マース黄、フェリット黄、Fe 2O3 ・nH2O)等が代表的
である。赤色顔料としては、べんがら(Fe2O3 )、鉛丹
(光明丹、Pb3O4 )、朱(辰砂、HgS )、カドミウム赤
(セレン赤、CdS ・CdSe)等が代表的である。
【0024】紫色顔料としては、マース紫(Fe2O3 )、
マンガン紫(ニュルンベルク紫、(NH4)Mn(PO4)2 )、コ
バルト紫(Co3(PO4)2 、Co3(AsO4)2)等が代表的であ
る。青色顔料としては、群青(ウルトラマリーン、イオ
ウを含んだアルミノ・ケイ酸)、紺青(ベルリン青、ミ
ロリー青、Fe(NH4) 〔Fe(CN)6 〕、FeK 〔Fe(C
N)6 〕)、コバルト青(CaO ・xAl2O3)等が代表的であ
る。
【0025】緑色顔料としては、クロム緑(黄鉛と紺青
との混合物にバライトを混入したもの)、酸化クロム
(Cr2O3 )、エメラルド緑(Cu(CH3CO2)2 ・3Cu(As
O3)2)、コバルト緑(CoO ・10ZnO )、天然緑(CuCO3
・Cu(OH)2 )等が代表的である。黒色顔料は、一般にカ
ーボンブラックと呼ばれ、チャンネルブラック、ファー
ネスブラック、アセチレンブラック、アントラセンブラ
ック、油煙、松煙、黒鉛等が代表的である。
【0026】これ等の顔料はインク2中での粒径が略
々、0.01ミクロンから数ミクロン程度の微粒子状と
なり、分散されている。顔料のインク2中での配合量
は、その着色力及び記録液粘度への影響を考慮して、イ
ンク2全量に対して重量%で3〜30%の範囲とされ
る。分散剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオ
ン系あるいは両極性系の界面活性剤が使用される。
【0027】ノニオン系界面活性剤としては、ボリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合
体等がその例として挙げられる。アニオン系界面活性剤
としては、高級アルコール硫酸化エステル、ポリオキシ
エチレン付加物の硫酸化エステル、脂肪酸アルキルアミ
ドのアルキル硫酸化塩等がその例として挙げられる。
【0028】カチオン系界面活性剤としては、ハロゲン
化高級アルキルアンモニウムをその代表として挙げるこ
とができる。分散剤の配合量は、通常、インク2全量に
対して20重量%以下、好ましくは15重量%以下の範
囲とされる。分散媒に添加される樹脂は、顔料の分散性
を高めるとともに、記録紙8への密着性を高めるために
溶解配合される。
【0029】樹脂としては、分散媒に溶解する樹脂であ
れば特に限定されず、ビニル系樹脂、炭化水素樹脂、フ
ェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アルキド樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹
脂、セルロース系樹脂、ロジン系樹脂、ゼラチン、セラ
ック等の天然樹脂及び合成樹脂の1種または2種以上が
用いられる。
【0030】なお、代表的なビニル系樹脂としては、ポ
リメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル
樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体樹脂、
ポリビニルピロリドン、ポリピニルブチラール等を挙げ
ることができる。樹脂の配合量は、通常、インク2全量
に対して0.2〜30重量%とされる。樹脂の配合量が
この範囲よりも少ない場合にはインク2中での顔料の分
散安定性が低下するとともに、記録紙8への定着性も低
下するので好ましくない。樹脂の配合量をインク2全量
に対して0.3〜10重量%の範囲とすれば顔料の分散
性を高めるとともに、記録紙8への密着性を高める上で
より好ましい。
【0031】なお、このインク2の各成分を混合攪拌さ
せる方法としては、ホモミキサー、ボールミル、ホモジ
ナイザー、サンドミル、ロールミル等を使用する公知の
方法を採用すればよい。また、実際には表1に示すサン
プル1ないしサンプル4の組成のインク2が作られ、実
施例で用いられた。
【0032】
【表1】
【0033】これらのインク2は、常温における粘度が
3〜100cp、電気抵抗が103 〜1010Ω・cm、表
面張力が25〜55dyne/cmであり、沸騰しない程度、
例えば50〜170℃程度に加熱された状態では、粘度
が1〜30cp、電気抵抗が103 〜109 Ω・cm、表
面張力が15〜35dyne/cmとなる。そして、記録媒体
に付着させると、従来の染料溶解インクに比べて記録濃
度、耐光性、耐水性が高く、また定着速度も高いという
利点が得られる。
【0034】また、加熱手段12を作動させることによ
り、インク2の表面張力、界面張力、粘性抵抗等が低下
して、飛翔し易くなる。ここで、電界カーテン力発生手
段7を作動させて電界カーテン力を作用させると、電界
カーテン力によってインク2が記録紙8側に押し出さ
れ、インク2が記録紙8に向かって飛翔する。更に、静
電界形成手段9によりインク2を記録紙8及びバイアス
プラテンローラ9a側に静電吸引させることにより、イ
ンク2は正確に、かつ、高速で記録紙8の方向に制御さ
れて飛翔することになる。
【0035】すなわち、表面張力、界面張力、粘性抵抗
等を低下させて飛翔し易くしたインク2を飛翔させるの
で、インク2を飛翔させるための消費電力は少量で足り
ることになり、電力を節約することができる。また、イ
ンク2を飛翔させるためには、電界カーテン力発生手段
7が発生する電界カーテン力と静電界形成手段9が発生
する静電吸引力とが共動することになり、電界カーテン
力発生手段7及び静電界形成手段9のいずれか一方でイ
ンク2を飛翔させる場合に比べるとそれぞれの消費電力
を少なくすることかできる。
【0036】また、インク2は静電界形成手段9によっ
て形成される電界の静電吸引力によって記録紙8及びバ
イアスプラテンローラ9aに向かって飛翔するので、イ
ンク2の飛翔方向が正確に制御され、解像度を高めるこ
とができるとともに、ノズル孔4の間隔を狭くして印字
ヘッド1の小型化及びコンパクト化を図ることができる
ようになる。
【0037】この実施例において、静電界印加電極6a
は、ノズルプレート5内に埋設してるが、例えば図3に
示すように、電荷注入手段16の静電界印加電極16a
をノズルプレート15のノズル孔14の周面に形成し、
両電極16aに連続する各リード線16cをノズルプレ
ート15の前面にパターンとして形成するように構成し
てもよい。
【0038】本発明の他の実施例においては、例えば図
4に示すように、ノズルプレート5を省略するともに、
多数のノズル孔4に代わるスリット24が印字ヘッド2
1及びその前部内に形成されたインク室23の前面に形
成され、スリット24の前方に電界形成手段29のバイ
アスプラテンローラ29aが配置される。また、スリッ
ト24内に各対をなす静電界印加電極26aがスリット
24の長さ方向に適当な間隔、例えば125μm程度の
間隔を置いて平行に配置される。
【0039】図5に示すように、電荷注入手段26の各
静電界印加電極26aは直径30μm程度のポリウレタ
ンで被覆された銅線で構成され、スリット24の下面と
各静電界印加電極26aとの間には絶縁層31aを介在
させてある。電界カーテン力発生手段27の対をなす電
界カーテン発生電極27aは上下両側のベース31のス
リット24の内に互いに200μm程度の間隔をおい
て、スリット24の全長にわたって埋設される。また、
電界カーテン発生電極27aはベース31の前端面から
50〜200μm程度奥まった位置から幅1mm程度に
わたって形成される。加熱手段32の発熱体32aはベ
ース31内で両電界カーテン発生電極27a上下両外側
にスリット24の全長にわたって埋設される。
【0040】この実施例のその他の構成は上記の一実施
例と同様に構成され、その作用も上記の一実施例と同様
であり、上記の一実施例と同様の効果が得られる。この
実施例においては、静電界印加電極26aがポリウレタ
ンで被覆された銅線で構成されているが、印字ヘッド2
1をより小型に、かつ、コンパクトにする場合には、図
6に示すように、電荷注入手段46の静電界印加電極4
6aを例えばスパッタリング、蒸着、イオンプレーティ
ング等の薄膜形成法によって形成し、必要に応じて電界
カーテン力発生手段47の電界カーテン発生電極47a
を薄膜形成法によって形成すればよい。
【0041】すなわち、図6に示す400dpiの印字
ヘッドに適用される本発明のまた他の実施例において
は、ベース51がアルミナからなる基板51aと、薄肉
ガラスからなる絶縁層51bと、インク室43の左右両
側を覆うスペーサフィルム51cと、薄肉ガラスからな
る絶縁層51dと、絶縁膜コート51eと、薄肉ガラス
層51gとを順に積層した構造を備え、前面にスリット
44が開口されている。
【0042】基板51は厚さ3μm程度に形成され、そ
の上面には、スリット44の全長にわたって幅2mm程
度、厚さ5000Å程度のアルミニウムの電界カーテン
発生電極47a(アース側)が例えば真空蒸着によって
形成される。基板51及びこの電界カーテン発生電極4
7aの上側に積層される絶縁層51bは約0.15mm
程度の厚さを有し、その上面に間隔10μm程度で各対
をなして並ぶ幅10μm程度、厚さ3000Å程度のク
ロムの静電界印加電極46aが各対の間に30μm程度
の間隔を置いて、例えばスパッタリングによって形成さ
れる。
【0043】なお、この静電界印加電極46aは印字ヘ
ッド41の前端面から約0.2mm程度の範囲を除いて
絶縁膜コート51fで被覆するようにしている。スペー
サフィルム51cの厚さ、すなわち、スリット44の幅
(高さ)は20μm程度であり、これの上側に積層され
る絶縁層51dの上面に下側の電界カーテン発生電極4
7a(アース側)と対をなす電界カーテン発生電極47
a(AC印加側)が形成される。この電界カーテン発生
電極47aは下側の電界カーテン発生電極47aと同様
の手法で同様の形状及び寸法に形成され、これらを備え
る電荷注入手段47を構成している。
【0044】上側の絶縁層51d及び電界カーテン発生
電極47aの上側には厚さ約10μmの絶縁膜コート5
1eが形成され、更に、この絶縁膜コート51eの上側
には薄肉ガラス層51gが接着剤で接着される。この薄
肉ガラス層51gは厚さ1.2mm程度に形成されてい
る。なお、上記ベース51及び薄肉ガラス層51gの前
面は必要に応じて撥インク性膜54で被覆される。ま
た、スリット44の内部には、このスリット44に沿っ
て図示しない発熱体が設けられている。
【0045】この実施例のその他の構成は、上記の各実
施例と同様に構成される。また、この実施例は上記の各
実施例と同様に作用して、同様の効果が得られる。図7
に示す本発明のもう一つの実施例では、絶縁体からなる
ベース71及びその前部内に形成されたインク室62の
前面にノズルプレート65が設けられ、ノズルプレート
65の前面に各ノズル孔64に対応して加熱手段72の
各発熱素子72aが配置される。発熱素子72aは各ノ
ズル孔64の周囲を覆う円環状に形成され、その上方に
導出されたリード72bは共通にアースされ、その下方
に導出されたリード72cはそれぞれ図外の個別ドライ
バを介して駆動電源に接続され、発熱素子72aを含む
加熱手段72は、制御部で個別ドライバを印字データに
対応して個別的にオンオフすることにより、各発熱素子
72aを個別的にオンオフできるように構成される。
【0046】また、各ノズル孔64の中央には、インク
室62内で絶縁性プレート71aに支持された各対をな
す電荷注入電極66aの先端が導出される。各対をなす
電荷注入電極66aを含む電荷注入手段66は、個別的
にオンオフされるように構成しても、同時にオンオフさ
れるように構成してもよい。更に、電界カーテン力発生
手段67の電界カーテン発生電極67aはインク室62
の上下両側でベース71内に埋設される。この電界カー
テン発生電極67aはインク室62の長手方向の全長に
わたって設けられ、電界カーテン発生電極67aを含む
電界カーテン力発生手段67は電界カーテン力発生電極
67a全体をオンオフされるように構成してある。
【0047】この実施例のその他の構成は上記の各実施
例と同様であり、加熱手段72あるいはこれとともに静
電界形成手段66が個別的にオンになるノズル孔64か
らはインク2が飛翔し、その他のノズル孔64からはイ
ンク2が飛翔しないようになる。この実施例のその他に
作用は上記の各実施例と同様であり、同様の効果を得る
ことかできる。
【0048】なお、上記の各実施例において、共通側の
電界注入電極を共通側の電界カーテン力発生電極に兼用
させることが可能であり、この場合、構成が簡単にな
り、安価に、かつ、容易に実施できるようになる。イン
ク2を飛翔させる位置あるいはドットを決定するために
は、加熱手段、電界カーテン力形成手段、静電界形成手
段との何れか1つ以上を印字データに対応して選択的に
駆動できるように構成してあればよい。これらの中で
は、加熱手段を個別的に駆動する場合よりも、静電界形
成手段を個別的に駆動する方が応答性に優れており、印
字速度の高速化を図る上で有利になる。なお、選択的に
駆動しないものについては、電極を均一ベタ電極にして
構成を簡素化することができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、インク
の表面張力、界面張力、粘性抵抗等を加熱によって低下
させることにより電界カーテン力を弱くすることがで
き、電界カーテン力の形成に消費される電力も少なくて
済む。更に、インクを飛翔し易い状態で形成される静電
界の静電力によってインクを飛翔させるので、静電界を
形成するために消費される電力も少なくできる。その結
果、消費電力を大幅に節約して、エネルギーを節約でき
ることになる。
【0050】また、インクを電界カーテン力及び静電界
の静電力によって飛翔させるので、インクの加熱温度を
低くすることもでき、一層、消費電力を小さくすること
ができる。また、更に、静電界形成手段によって形成さ
れる電界の静電吸着力を利用してインクが飛ばされるの
で、インクの飛翔方向を正確に制御することができ、し
たがって、記録の解像度を高めることができるととも
に、印字ヘッドを小型に、かつ、コンパクトにすること
ができる。
【0051】そのうえ、顔料分散インクを用いるので、
インクの加熱温度を低くできることと相まって、印字濃
度、耐光性、耐水性、定着速度等を高めることができる
とともにインクの目詰まり等も防止されるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】静電界印加電極の変形例を示す平面及び断側面
の2面図である。
【図4】本発明の他の実施例の斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例の縦断側面及び縦断正面の
2面図である。
【図6】本発明のまた他の実施例の縦断側面及び正面の
2面図である。
【図7】本発明のもう一つの実施例の縦断側面及び正面
の2面図である。
【符合の説明】
2 インク 3 インク室 6 電荷注入手段 7 電界カーテン力発生手段 9 静電界形成手段 12 加熱手段 16 電荷注入手段 23 インク室 26 電荷注入手段 27 電界カーテン力発生手段 29 静電界形成手段 32 加熱手段 43 インク室 46 電荷注入手段 47 電界カーテン力発生手段 52 加熱手段 62 インク室 66 電荷注入手段 67 電界カーテン力発生手段 72 加熱手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料を分散媒中に分散させたインクを保
    持するインク保持手段と、インク保持手段内のインクに
    電荷を注入する電荷注入手段と、電荷を注入されたイン
    クに該インクを記録媒体側に押し出す電界カーテン力を
    作用させる電界カーテン力発生手段と、インク保持手段
    内に保持されたインクを加熱する加熱手段と、インクを
    インク保持手段から記録媒体に向けて静電吸引させる静
    電界を形成する静電界形成手段とを備えることを特徴と
    するインクジェット記録装置。
JP26933791A 1991-10-17 1991-10-17 インクジエツト記録装置 Pending JPH05104724A (ja)

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