JPH05104664A - シングルフエーサ - Google Patents

シングルフエーサ

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JPH05104664A
JPH05104664A JP29482391A JP29482391A JPH05104664A JP H05104664 A JPH05104664 A JP H05104664A JP 29482391 A JP29482391 A JP 29482391A JP 29482391 A JP29482391 A JP 29482391A JP H05104664 A JPH05104664 A JP H05104664A
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JP
Japan
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roll
melting point
low melting
cylindrical
point metal
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Withdrawn
Application number
JP29482391A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Takenaka
裕幸 竹中
Masahiro Yamaguchi
正博 山口
Akiyo Yoshihara
晃代 吉原
Tatsuhiko Shigemura
龍彦 繁村
Tadashi Hirakawa
正 平川
Hiroaki Sasashige
宏晃 笹重
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シングルフェーサのロールにシートが破断す
るような振動を発生させないようにして、シート品質を
向上させる。 【構成】 芯紙を段成形する鋼製の上段ロール1′と下
段ロール2、段成形された芯紙8′に糊付けロール4で
糊付けする糊付装置、前記下段ロール2に圧接する鋼製
の圧力ロール3′を備え、前記上段ロール1′と圧力ロ
ール3′にはロール加熱のための蒸気が導入されるシン
グルフェーサにおいて、前記上段ロール1′と圧力ロー
ル3′の一方又は両方のロールに形成した円筒状コア1
8U,18Pの外周面に、薄肉の円筒状スリーブ17
U,17Pを外装し、同円筒状スリーブ17U,17P
と前記円筒状コア18U,18Pの間隙部19U,19
Pに、蒸気導入運転時に溶融状態となる融点を持った低
融点金属20U,20Pを封入してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧力ロール及び上段ロー
ルを改良したシングルフェーサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のシングルフェーサは図10及び図
11に示すように、芯紙8が上段ロール1側に供給さ
れ、上段ロール1と下段ロール2の噛合部に噛込まれ
て、波形状に成形された芯紙8′となり、次いで同芯紙
8′は下段ロール2の回転と共に移送され、糊容器6内
の糊7が糊付ロール4で掬い上げられ、ドクタロール5
で糊膜の調整が行なわれた後、糊付ロール4によって芯
紙8′の段頂部に糊付けされる。一方圧力ロール3側に
供給されたライナ9と前記糊付けされた芯紙8′は、下
段ロール2と圧力ロール3の加圧部において接着されて
片面段ボールシート10となる。前述の如く従来のシン
グルフェーサでは、一般的に上段ロール1は下段ロール
2に、また圧力ロール3は下段ロール2に各々線圧約2
0〜60kg/cmで押付けられている。前者は芯紙8
に段繰りを行なうための加圧力であり、後者は芯紙8′
とライナ9の接着力を与えるための加圧力となる。
【0003】また上段ロール1、下段ロール2及び圧力
ロール3のロール中空部16U,16L,16Pには、
通常ロール加熱のための蒸気が蒸気圧力15kg/cm
2 前後で封入されている。この封入された蒸気熱は、ロ
ールの肉部(圧力ロールでは15)を伝導しロール表面
が高温に保持される。このときのロール表面温度は通常
120〜160℃程度である。従って高温保持されたロ
ール1,2,3が前記の如く各々加圧されることとな
る。また上段ロール1と下段ロール2の当接部では、芯
紙8′に熱と加圧力が加えられ、アイロン効果によって
波形の成形が行なわれ、下段ロール2と圧力ロール3の
当接部では、通常使用される液状澱粉糊を加熱してゲル
化し、接着力を与えるため波形芯紙8′とライナ9に対
し熱と加圧力が加えられる。
【0004】また下段ロール2には、上段ロール1と共
に歯形状の段がロール外表面に加工されており、一方圧
力ロール3は円滑な表面とされているので、運転状態に
おいては下段ロールの段山が圧力ロール3の表面を芯紙
8′及びライナ9を介して高サイクルで叩く構造となっ
ている。この構造では上段ロール1、下段ロール2及び
圧力ロール3は主に〔下段ロール2と圧力ロール3間の
加振変化〕×〔下段ロール2と圧力ロール3間の接触ば
ね定数〕に基づく励振力によって、主要構成部分が上下
段ロール1,2の歯数サイクルNZ(段ロール回転数N
×歯数Z)で振動し、ロール系の固有振動数に歯数サイ
クルNZが一致すると共振し、特に3本のロールが激し
く振動する。このような共振時には、圧力ロール3と下
段ロール2が激しく衝突するため、そのロール間に挟ま
れた芯紙8′とライナ9に大きな衝突荷重がかかり、同
シートが破断したり、振動の位相状態によっては、芯紙
8′とライナ9の貼合がなされない現象が現われたり、
大きな騒音が発生したりする。また上段ロール1と下段
ロール2も同様に激しく衝突するため、芯紙8′が割れ
たり、振動振幅の大きい場合には、芯紙8′の成形にお
いて皺が入ったりする不具合が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のシングルフ
ェーサのように、ロールの振動によるシート破断、貼合
不良及び大騒音の発生等は、シングルフェーサの解決を
要する重要課題であり、特に近年の機械の高速化、シー
ト品質の劣化傾向に伴い、更に問題化しつつある。本発
明は段ロールなどに発生する振動を低減し、製造過程で
のシートに大きな付加がかからない構造を実現すること
によって、製造品質を著しく向上させ、かつ騒音を減少
させるシングルフェーサを提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、芯紙
を段成形する鋼製の上段ロールと下段ロール、段成形さ
れた芯紙に糊付けする糊付装置、前記下段ロールに圧接
する鋼製の圧力ロールを備え、前記上段ロールと圧力ロ
ールにはロール加熱のための蒸気が導入されるシングル
フェーサにおいて、前記上段ロールと圧力ロールの一方
又は両方のロールに形成した円筒状コアの外周面に、薄
肉の円筒状スリーブを外装し、同円筒状スリーブと前記
円筒状コアの間隙部に、蒸気導入運転時に溶融状態とな
る融点を持った低融点金属を封入してなるものであり、
また同低融点金属を鉛(Pb)或いはビスマス(Bi)
又は錫(Sn)を主成分とし、これら及び/又はカドミ
ウム(Cd)、インジウム(In)他の添加物から構成
してなるもので、これを課題解決のための手段とするも
のである。また本発明は、円筒状スリーブと円筒状コア
の間隙部に、相互に軽荷重で接触するように鋼球等の摺
動部材を前記低融点金属と共に封入したり、円筒状スリ
ーブと円筒状コアの間隙部に、丸棒等の乱れ促進材を低
融点金属と共に封入、或いはこれらを円筒状コアの外周
面又は円筒状スリーブの内周面に固着してなるもので、
これを課題解決のための手段とするものである。また本
発明は、円筒状スリーブと円筒状コアの間隙部に封入さ
れた低融点金属を誘導する中空部を、ロール体端部を支
承する軸部、或いはロール体外部に設けられた容器に設
け、かつ前記中空部には、前記低融点金属の容積変化に
従って同中空部の容積を変化せしめる手段を設け、同中
空部の容積を加圧機構を用いて変化させることにより、
前記低融点金属の圧力調整を可能にした構成であり、こ
れを課題解決のための手段とするものである。
【0007】
【作用】本発明は先ず外筒を構成する薄肉構造の円筒状
スリーブからなる上段ロールと圧力ロールが下段ロール
に押圧されるので、ロールの回転に伴う衝撃力が加わる
とき、薄肉のため各ロール間の接触ばね定数は小さくな
ってロール間の接触圧力は小さくなり、衝撃力を緩和す
る効果が生じる。また内筒を構成する円筒状コアはロー
ルとしての曲げ剛性を維持している。更に前記内筒と外
筒の間の隙間に封入された低融点金属は良導性物質であ
るため、ロール中空部に導入された蒸気の熱は内筒から
低融点金属及び外筒を経由して伝熱し、ロール外筒外表
面を高温にする。また封入された低融点金属は、蒸気導
入運転時には液体化するため、流動による粘性抵抗によ
り衝撃に対する微小なシェル状弾性振動を減衰し、騒音
の低減作用をも生起する。
【0008】
【実施例】以下本発明を図面の実施例に基づいて説明す
ると、図1〜図7は本発明の実施例を示す。先ず図1〜
図3の第1実施例において、上段ロール1′と圧力ロー
ル3′は軸芯Cを中心に円筒状コア18U,18Pが形
成されており、同円筒状コア18U,18Pの外周に
は、前記軸芯Cを中心に5mm乃至15mm(上段ロー
ル1′の場合は歯底よりの肉厚)の肉厚をもつ比較的薄
肉の円筒状スリーブ17U,17Pが嵌装され、円筒状
コア18U,18Pと円筒状スリーブ17U,17Pと
の間には、それぞれ間隙部19U,19Pが形成されて
いる。なお、本実施例では、上段ロール1′と圧力ロー
ル3′に本発明による構造を採用したが、何れかのロー
ルのみに採用してもよい。また前記円筒状スリーブ17
U,17Pを比較的薄肉としてあるのは、各々押圧され
た3本のロール1′,2,3′の回転に伴って衝撃力が
加わるが、このとき薄肉であれば衝撃力を緩和する効果
が生じるからである。更に円筒状コア18U,18P
は、ロールとしての曲げ剛性を維持する役目を持たせる
必要から、前記円筒状スリーブ17U,17Pより肉厚
の大きい厚肉ロールとするのが好ましい。
【0009】次に円筒状コア18U,18Pと円筒状ス
リーブ17U,17Pとの間に形成された間隙部19
U,19Pには、常温時には固体化しているが、蒸気導
入運転時には溶融して液体状態となる低い融点を持つ熱
伝導性の良い低融点金属20U,20Pが封入されてい
る。この封入すべき低融点金属20U,20Pとして
は、熱伝導性と融点より決定する必要がある。通常のシ
ングルフェーサで使用される蒸気の圧力は15kg/c
2 前後であり、その温度は190℃前後である。また
圧力ロール3′と上段ロール1′は、その外表面を約1
50℃以上に保持する必要がある。そしてこの熱量は下
段ロール2と圧力ロール3′の係合部でライナ9と芯紙
8′を接着する際に、通常使用されている液状澱粉糊を
急速にゲル化して接着力を与えるためと、上段ロール
1′と下段ロール2との噛合部で芯紙8の波形成形にお
いて、塑性変形による永久変形を生ぜしめるために必要
なものである。
【0010】従って封入すべき低融点金属20U,20
Pとしては、この場合少なくとも150℃以下に融点を
持ち、かつ熱伝導性の良好なものでなければならない。
このような性質を満足する低融点金属としては、鉛(P
b)或いはビスマス(Bi)又は錫(Sn)を主成分と
して、これら及び/又はカドミウム(Cd)、インジウ
ム(In)その他の添加物から構成されるものである。
例えば、125℃に融点をもつBi(55.5wt%)
−Pb(44.5wt%)合金、85℃に融点をもつB
i(52.0wt%)−Pb(34.0wt%)−Cd
(7.0wt%)などであり、前記の主成分及び添加物
元素の含有率を変化させれば、常温から150℃、更に
必要のある場合には、300℃程度の間の融点温度のも
のを自在に得ることができる。
【0011】次にロール間隙部19U,19Pへの低融
点金属20U,20Pの封入を容易にするために、次の
ような構造とされる。図1のB〜B断面を表す図3に示
される通り、一方の軸部14′U,14′Pにはその軸
芯を中心に設けられた中空部23U(図示省略),23
Pに連通する孔24U(図示省略),24Pが設けられ
ている。また21Pは中空部23Pを一方で塞ぐ栓であ
る。さて前記の構造で液状にされた低融点金属20U,
20P、を間隙部19U,19Pに封入する場合には、
先ず軸部14′U,14′Pから導入する。そうすれば
低融点金属20U,20Pは孔24U,24Pを流れ、
次いで間隙部19U,19Pに導入されて充満する。ま
た22Pは中空部23Pを塞ぐ栓である。なお、上段ロ
ール1′、下段ロール2及び圧力ロール3′は、夫々そ
の軸部14′U,14L,14′Pを軸受11を介して
フレーム12に軸支されている。また各ロールへの蒸気
の導入は、ロータリジョイント13より行なわれる。
【0012】次に第2実施例を図4により説明すると、
本実施例は、前記図1の第1実施例によるロール構造に
おいて、前記円筒状コア18U,18Pと円筒状スリー
ブ17U,17Pとの間隙部19U,19Pに封入され
た低融点金属20U,20Pを、ロール体を端部におい
て支承する軸部14′U,14′Pの中空部23U,2
3P、或いはロール体外部に設けられた図示しない容器
の中空部に誘導し、同中空部には前記低融点金属の容積
変化に従って、同中空部の容積を変化せしめる手段を設
けた構造の1例を示したものである。本実施例では、一
方の軸部14′U,14′Pにはその軸芯を中心に設け
られた中空部23U(図示省略),23Pに連通する孔
24U(図示省略),24Pが設けられている。更に中
空部23U,23Pの内部には、軸部14′U,14′
Pの端部を閉塞する栓22′U,22′Pに固着された
ベローズ26U,26Pと、その端部に固着されたピス
トン25U(図示省略),25Pが封入されている。本
構造によって温度変化に伴う低融点金属20U,20P
の熱膨張、熱収縮による容積変化に対し、ベローズ26
U,26Pの伸縮で、中空部23U,23Pの容積を変
化させる。本実施例構造により、低融点金属20U,2
0Pの容積変化によって生じるロールの内圧に基づくロ
ール構造強度の問題を解決すると共に、運転中において
ロールの回転に伴う衝撃力に対し、薄肉円筒状スリーブ
17U,17Pで受けた負荷を、低融点金属20U,2
0Pを介してピストン25U,25Pからベローズ26
U,26Pによって、衝撃力を緩和する効果を更に期待
することができる。
【0013】次に図5は第3実施例を示し、軸部14′
U,14′Pの中空部23U,23Pの容積を変化せし
める手段を、加圧機構を用いて低融点金属20U,20
Pの圧力を調整可能とした構造を示す。軸部14′U,
14′Pには中空部23U,23Pが設けられ、これら
に連通する孔24U,24Pが設けられる点は前記実施
例と同様である。また中空部23U,23Pの中には、
中空部23U,23Pで構成される部屋を分割するため
のシール材をその円周に有するピストン27U(図示省
略),27Pが内封されている。更にピストン27U,
27Pと栓22″U,22″Pで仕切られて、中空部2
3U,23Pの中に構成された部屋28U(図示省
略),28Pには油等の流体が封入され、更に配管系
(図示省略)を介して流体圧発生器30U(図示省
略),30Pに連結されている。ピストン27U,27
Pと栓22″U,22″Pに結合されたばね29U(図
示省略),29Pは引張りばねであり、前記流体圧によ
って図示左方に移動するピストン27Pを流体圧解除時
にニュートラルポイントに原点復帰させるためのもので
ある。
【0014】本実施例構造によると、流体圧によってピ
ストン27U,27Pが加圧され、それにより低融点金
属20U,20Pに圧力が加えられる。それに伴い円筒
状コア18U,18Pと、円筒状スリーブ17U,17
Pの間隙部19U,19Pに封入された低融点金属20
U,20Pに圧力が加えられるので、剛性の小さい薄肉
円筒状スリーブ17U,17Pが変形し、クラウンを形
成する。シングルフェーサで製造される段ボールシート
は、紙種、紙幅が多様であるから、それに応じた適正な
加圧条件が必要である。従来はロールに機械的な一定ク
ラウンが形成されており、ロール間圧力の調整によって
幅方向圧力の均一化がなされていたが、本実施例構造に
よると、流体圧調整により自在に任意のクラウンを設定
でき、運転条件設定のための自由度が増すことになる。
【0015】次に図6の実施例は、円筒状コア18Pと
円筒状スリーブ17Pの間隙部19Pに、相互に軽荷重
で接触するように鋼球31等の摺動部材を、前記低融点
金属20Pと共に封入した例を示す。なお、図6の実施
例は圧力ロール3′に適用した例を示しているが、これ
は上段ロール1′にも適用できる。さて円筒状スリーブ
17Pと円筒状コア18Pの間隙部19Pには、低融点
金属20Pと共に多数の鋼球31が封入され、円筒状ス
リーブ17P、円筒状コア18P及び鋼球31同志で相
互に摺動可能に軽荷重で接触している。従って本実施例
によると、円筒状スリーブ17Pで受ける運転時の衝撃
荷重に対し、前記接触部での微小摺動を生起し、それに
より振動エネルギーが接触部での熱エネルギーに変換さ
れ、振動の減衰がなされる。
【0016】次に図7は他の実施例を示し、円筒状コア
18Pと円筒状スリーブ17Pの間隙部19Pに丸棒3
2等の乱れ促進材を低融点金属20Pと共に封入、若し
くは同材を円筒状コア18Pの外周面、或いは円筒状ス
リーブ17Pの内周面に固着してなる実施例である。な
お、図7は圧力ロール3′に適用した例を示している
が、これは上段ロール1′にも適用できる。図7では円
筒状スリーブ17Pの内周面に、ロール軸方向とほぼ平
行に、かつほぼロール全幅の長さをもつ丸棒32が溶接
等の固着手段で固着されている。即ち、本実施例による
と、ロール中空部16Pに導入された加熱蒸気の熱が円
筒状コア18Pを伝導し、更に流体化した低融点金属2
0Pを伝導するとき、丸棒32が無い場合にはほぼ層流
である。しかし本発明では低融点金属20Pの流れを乱
流化する。即ち、丸棒32の存在により流れを乱す現象
が生じ、これにより伝熱が促進される。
【0017】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明による
と、下段ロールの歯は、圧力ロールの円筒状スリーブと
芯紙及びライナを介して断続的に接触するが、円筒状ス
リーブが比較的薄肉構造をしているので、同スリーブが
弾性作用をなして振動の緩衝作用が生じる。即ち、(下
段ロールと圧力ロール間の加振変位)×(下段ロールと
圧力ロール間の接触ばね定数)に基づく励振力は、その
後者のパラメータが大幅に小さくなるので、励振力は著
しく小さくなる。ロールの振動はこの励振力に対する応
答であるから、根源である励振力を小さくすることによ
り定常時及び共振時の振動は著しく低減し、振動に基づ
く騒音も低下させることができる。更に円筒状スリーブ
と、円筒状コアの間の間隙部に封入流体化した低融点金
属が流動による粘性抵抗により、衝撃に対する微小なシ
ェル状弾性振動を減衰し、更に騒音の低減効果が発生す
る。また上段ロールと下段ロール間でも同様の効果が発
生する。図8には本発明による構造を採用したシングル
フェーサで実機運転をし、下段ロールと圧力ロール間に
発生した圧力をマシンスピードと線圧の関係で求めたデ
ータを示す。従来ロールの場合には図8に示す如く著し
い共振が発生して線圧が増大し、紙破れ等共振による障
害が問題となっていたが、本発明の装置では顕著な共振
現象が見られない。また本発明では、円筒状スリーブと
円筒状コアの間の隙間に封入された低融点金属は、熱伝
導性の良い物質であるため、ロール中空部に導入された
蒸気の熱は円筒状コアから低融点金属、円筒状スリーブ
を経由して伝熱し、従来の単純なロール壁に比べて優れ
た効果を奏する。また伝熱性についてのテストデータを
図9に示す。このデータは製造運転における圧力ロール
の表面温度を、マシンスピードに対して記録したもので
ある。製造運転においては、紙と雰囲気がロールの熱を
奪うため、マシンスピードが高くなるほどロール表面温
度は低下する。ロール間隙部に仮に油を封入した場合
に、実機は一応構成されるが、油の熱伝導性が悪いた
め、円筒状スリーブの表面温度が上昇せず装置に必要な
温度が得られない。またテストでも200m/min以
上の高速運転は不可能であった。これに対し本発明の場
合には、従来構造に等しい熱伝導性が得られていること
がデータからも分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すシングルフェーサの
一部断面正面図である。
【図2】図1のA〜A断面図である。
【図3】図1のB〜B断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示すシングルフェーサの
一部断面正面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示すシングルフェーサの
一部断面正面図である。
【図6】圧力ロールの間隙部の他の実施例構造を示す断
面図である。
【図7】圧力ロールの間隙部の更に他の実施例構造を示
す断面図である。
【図8】本発明と従来とのマシンスピードと線圧との関
係を示す線図である。
【図9】本発明と従来とのマシンスピードとロール表面
温度との関係を示す線図である。
【図10】従来のシングルフェーサの一部断面正面図で
ある。
【図11】図10のC〜C断面図である。
【符号の説明】
1′ 上段ロール 2 下段ロール 3′ 圧力ロール 4 糊付ロール 5 ドクタロール 7 糊 8 芯紙 9 ライナ 10 片面段ボールシート 14′U,14′P 軸部 16U,16P ロール中空部 17U,17P 円筒状スリーブ 18U,18P 円筒状コア 19U,19P 間隙部 20U,20P 低融点金属 23U,23P 中空部 24U,24P 孔 25U,25P ピストン 26U,26P ベローズ 29U,29P ばね 30U,30P 流体圧発生器 31 鋼球 32 丸棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 繁村 龍彦 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 平川 正 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社三原製作所内 (72)発明者 笹重 宏晃 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社三原製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯紙を段成形する鋼製の上段ロールと下
    段ロール、段成形された芯紙に糊付けする糊付装置、前
    記下段ロールに圧接する鋼製の圧力ロールを備え、前記
    上段ロールと圧力ロールにはロール加熱のための蒸気が
    導入されるシングルフェーサにおいて、前記上段ロール
    と圧力ロールの一方又は両方のロールに形成した円筒状
    コアの外周面に、薄肉の円筒状スリーブを外装し、同円
    筒状スリーブと前記円筒状コアの間隙部に、蒸気導入運
    転時に溶融状態となる融点を持った低融点金属を封入し
    たことを特徴とするシングルフェーサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシングルフェーサにおい
    て、前記低融点金属を鉛(Pb)或いはビスマス(B
    i)又は錫(Sn)を主成分とし、これら及び/又はカ
    ドミウム(Cd)、インジウム(In)他の添加物から
    構成してなることを特徴とするシングルフェーサ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシングルフェーサにおい
    て、前記円筒状スリーブと円筒状コアの間隙部に、相互
    に軽荷重で接触するように鋼球等の摺動部材を前記低融
    点金属と共に封入したことを特徴とするシングルフェー
    サ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のシングルフェーサにおい
    て、前記円筒状スリーブと円筒状コアの間隙部に、丸棒
    等の乱れ促進材を低融点金属と共に封入、或いはこれら
    を円筒状コアの外周面又は円筒状スリーブの内周面に固
    着したことを特徴とするシングルフェーサ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のシングルフェーサにおい
    て、前記円筒状スリーブと円筒状コアの間隙部に封入さ
    れた低融点金属を誘導する中空部を、ロール体端部を支
    承する軸部、或いはロール体外部に設けられた容器に設
    け、かつ前記中空部には、前記低融点金属の容積変化に
    従って同中空部の容積を変化せしめる手段を設けたこと
    を特徴とするシングルフェーサ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のシングルフェーサにおい
    て、前記中空部の容積を加圧機構を用いて変化させるこ
    とにより、前記低融点金属の圧力調整を可能にしたこと
    を特徴とするシングルフェーサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106945347A (zh) * 2017-04-19 2017-07-14 云南全心包装印刷有限公司 一种稳定节能的蒸汽压辊及应用其的蒸汽节能循环***
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