JPH0510246U - 運搬用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 魚卵類を収納し、保存或いは輸送する時に使
用される運搬用容器で、容器の底部内面に軟質のシート
等を接着テープを使用することなく容易に確実に固定で
き、かつシートの取り外しも容易で、衛生面でも優れて
いる容器を提供する。 【構成】 上方に開口し底部６と側壁とを有する運搬用
容器１で、該容器１の底部６内面の所定箇所に複数個の
略々錐形状の突起９を配設している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、魚卵類を収納し、保存、或いは輸送する時に用いる合成樹脂製運搬 用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、からし明太子、タラコ、スジコ等の魚卵を加工工場で加工後、問屋、小 売店等へ輸送する際、木箱等に整列し収納させていたが、近年合成樹脂製の運搬 用容器の普及にともない、また衛生面等の理由により、本容器においても、合成 樹脂製のものが多く使用されるようになった。

【０００３】 ところが、合成樹脂製の容器に関しては、 木製のものと比べて吸湿性がなく、内容物の水分等の分離による内容物の 美観を損なったり、また衛生面で汚れの洗浄等で支障を来たすことがあった 。 また容器の底部内面と内容物との間が滑りやすいため、内容物が形くずれ 等を起す問題があった。 このために容器の底部内面に軟質のシート（例えばウレタンシート）等を両面 接着テープで接着固定し、その上に内容物を整列収納することが一般的となって いる。

【０００４】

【考案が解決すべき課題】

従来の合成樹脂製の運搬用容器は、容器の底部内面に軟質のシートを、両面接 着テープで接着固定しているが、 両面接着テープにて固定することは、非常に繁雑でコストアップとなる。 両面接着テープの接着部が、衛生面で問題がある。 シートを交換する際に剥がしずらく、またテープ接着部がきれいにとれず 容器底面に付着してしまう。このため、容器の洗浄再使用にも手間がかかる 。 などの問題があった。 またシートを容器の底部内面に両面接着テープで固定しないで張ったものは、 容器底部内面とシートとの間に滑りが発生し、シートを張らない場合と同様に内 容物が形くずれ等を起す結果となっている。

【０００５】 本考案は、魚卵類を収納し、保存或いは輸送する時に用いる運搬用容器で、前 記問題点が解消され、容器の底部内面に接着テープを使用することなく軟質のシ ート等を容易に確実に固定でき、かつシートの取りはずしも容易であり容器の洗 浄再使用も簡単であり、衛生面でも優れている運搬用容器を提供することを目的 とする。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】

本考案によれば、上方に開口し底部と側壁とを有する運搬用容器であって、該 容器の底部内面の所定箇所に軟質のシート等を固定するための複数個の略々錐形 状の突起を配設していることを特徴とする運搬用容器が提供される。

【０００７】

【作用】

容器の底部内面の所定箇所に、複数個の略々錐形状の突起を容器と一体に配設 しているので、軟質シート等のシートを容器の底部内面に敷して固定するときは 、所要の大きさのシートを容器の底部内面に敷き、単に軽く底部に向けて押しつ けるだけで、複数個の略々錐形状の突起（以下突起群ということがある）が、シ ートの裏面からシートに喰いこんで或いは突きさゝることによりシートを固定で きる。固定されたシートは突起群と係合し、運搬中においても滑ることがない。 このようにシートを容易に且つ確実に固定することができる。

【０００８】 また固定されたシートを容器の底部内面から取り外すときは、シートの端部を 持ち容器の底部内面からシートを引離すようにシートを軽く持ち上げると、シー トと突起群との係合が解除されて、シートを容易に取り外すことができる。この ようにシートの着脱が容易なのでシートの取替えも簡単にできる。 またシートの固定に、接着テープを使用しないですむため従来方式に比べてシ ートを接着テープで貼る繁雑さがなく、また接着テープによる容器の底部内面の 汚れが無く、容器の洗浄が迅速、容易できれいに行うことができ、衛生面でも優 れ、また労力を要しない。

【０００９】

【実施例】

本考案の運搬容器の１実施例を図１乃至図４によって説明する。尚図は容器底 面部の図、底部、側壁部等の模様、マーク等を省略している。 この容器１は、四囲の側面を形成する側壁の相対する長側壁２，３及び相対す る長側壁よりやゝ短かい短側壁４，５がほゞ矩形の底部６より開口縁７に向って 少し外に拡がるように傾斜している矩形容器で、その底部内面には四隅よりやゝ 中央寄りに対称に四つの所定箇所８の中に夫々９個の略々錐形状の突起（以下単 に突起ということがある）９が相互に間隔をあけて配設されている。

【００１０】 容器の開口縁７は、側壁の外面より外方に水平にフランジ状にほゞ一様な幅で 突出した縁を有し、また底部６は、側壁の外面より外方に水平に突出しており、 その四隅部の突出し幅は、ほゞ開口縁７の突出し幅と対応しているが四隅部を除 く他の部分の突出し幅は四隅部よりも突出し幅が狹くなっている。（図示省略）

【００１１】 また底部の外面の四隅部には、底面より見てほゞＬ字形のリブ状脚１０が形成 されており、リブ状脚１０は容器を重ね合せたとき容器の開口縁７の内側で側壁 に接近しておさまる位置に設けられている。リブ状脚１０は容器を置くときの脚 となるだけでなく容器同士を積み重ねたときの滑り防止となり、更に底部四隅部 の補強ともなっている。 容器１は、上記の通り構成されていて、合成樹脂製で一体に成形されている。

【００１２】 突起９を配設する所定箇所８は、容器の底部内面の中心より隅部（コーナー） 寄りに４箇所円形状に設けているので、シートを安定して固定できる。所定箇所 が部分的で限られているので、取扱いが容易で再使用のために洗浄するときも容 易である。しかしながらこの所定箇所の位置、形状、面積、数等は限定されるも のでなく、適宜選択できる。通常容器の形状、大きさに合せてデザイン、使用の 便利さ、取扱いの安全性、シートの固定が確実で着脱容易なこと、再使用のため の洗浄しやすさ等を考慮してきめられる。

【００１３】 略々錐形状の突起９の錐形は、通常円錐形のものであるが多角錐（例えば四角 錐）のような錐形でもよい。図では円錐形状の突起９が設けられている。また突 起９の先端は図では先がとがっているが、これよりも先がやゝ円くなっているも のでもよい。 突起９の大きさは、容器の大きさ、シートの質、厚等によって適宜きめること ができる。

【００１４】 突起９は、図では夫々の所定箇所８に９個づつ突起相互間に適切な間隔をあけ て配設されている。本考案の容器においては、突起９の配設は複数個を適切な間 隔で配設される。突起９が複数個配設されていると、シートのこの部分での係合 固定が複数個所で行われるためシートの滑り方向への移行を複数個所で係合固定 するため力が分散されシートの傷つきもなくシートの係合固定が確実で容易とな る。突起間の間隔は、シートの係合を確実に容易にし更に着脱を自在にするため 、また突起部の洗浄が容易であるために、適切な間隔が選ばれる。

【００１５】 次に本考案の容器の形状、寸法と突起の形状寸法、配設の関係の１例を示す。 材質 ポリプロピレン 成形 射出成形 形状 図と同様の形状（矩形容器） 容器寸法 底部内のり ３５８×２９８mm 開口縁内のり ３６５×３０５mm 深さ内のり ４８．８mm 側壁厚 ２．４mm 底部厚 ２．７mm 突起配設所定箇所 ４箇所図の位置、径３０mmの円内 突起 所定箇所に夫々９個 突起径 ２mm 突起高 ３mm 突起間前後左右間隔 ６mm

【００１６】 本考案の容器は、前記した矩形容器に限らず平面図の形状が方形、円形、だ円 形、矩形の短辺を半円にした形、多角形などいろいろの形状をとることもできる 。

【００１７】 本法案の容器は、主として合成樹脂（ゴムで改質したものを含む）で、射出成 形その他公知の成形方法で一体成形して製造される。この合成樹脂には熱可塑樹 脂のほか熱硬化性樹脂も使用することができ、汎用的にはプラスチック類が使用 される。 また合成樹脂には、顔料、染料、充填物、その他のものを本考案の使用目的を 妨げない範囲で適宜加えたものも使用できることは勿論である。 また本考案の容器は、着色のもの、無着色のもの、不透明なもの、透明なもの 、半透明のものなどいろいろのものを作ることができ、使用することができる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案の運搬用容器は、容器の底部内面の所定箇所に複数個の略々錐形状の突 起を配設することにより、両面接着テープを使用しなくてもすむので両面接着テ ープで貼る繁雑な操作もテープによる汚れの問題が解消される。軟質のシート（ 例えばウレタンシート）等を簡単に確実に固定でき、しかも取り外しも容易で、 シートの取り替えが容易にできる。また容器は、汚れやすい部分がなく突起部に ついてもテープの使用にみられる汚れがなく、洗浄も容易に迅速にしかもクリー ンに行うことができる。 シートの固定が確実であるので魚卵の加工物を容器に入れて運搬する際に、 魚卵の形くずれを生じることがない。 労力を従来に比べて大幅に節減できる。 衛生面でも優れる。 等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の運搬用容器の１実施例を示す平面図で
ある。

【図２】本考案の運搬用容器の１実施例を示す正面側面
図（左半分）と図１のＡ−Ａ断面図（右半分）である。

【図３】本考案の運搬用容器の１実施例を示す右側面図
（右半分）と図１のＢ−Ｂ断面図（左半分）である。

【図４】本考案の運搬用容器の１実施例を示す図１のＣ
−Ｃ断面図の拡大図である。

【符号の説明】

１ 容器 ２，３ 長側壁 ４，５ 短側壁 ６ 底部 ７ 開口縁 ８ 所定箇所 ９ 略々錐形状の突起 １０ リブ状脚

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 上方に開口し底部と側壁とを有する運搬
   用容器であって、該容器の底部内面の所定箇所に軟質の
   シート等を固定するための複数個の略々錐形状の突起を
   配設していることを特徴とする運搬用容器。