JPH049928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は化粧料を充填した中皿と、この中皿を
固定的に収納する容器体と、容器体の後端部に蝶
着された蓋体とからなり、所要の場合に中皿を取
出すことのできるレフイル容器として好適な化粧
料容器に関するものである。

《従来の技術》 レフイル容器は化粧料を充填した詰換え用の中
皿を簡易的に収納する容器であつて、レフイル容
器内の中皿は、通常、購入後短期間のうちに容器
から取出されて、使用済みの中皿と取り換えてパ
レツト容器或いはコンパクト内に取付けられるも
のである。

この中皿をレフイル容器内から容易に取出すこ
とができるように、従来は中皿をレフイル容器の
凹所内に両面接着テープ等によつて取付けるとと
もに、容器の底面に小さな透孔を穿設し、中皿を
取出すときには、容器の外側からピン等を上記透
孔に差し込んで中皿を突き上げて上記接着テープ
による接着を剥がすようにしていた。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、上記のような従来のレフイル容
器では中皿を取出すためにヘアーピン等の用具を
必要とするが、最近の若い女性はヘアーピンを使
用しないためレフイル容器を購入後、外出先で取
り出して使用済みの中皿と交換するための用具が
なく不便なものとなつていた。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的はピン等の用具を必要とするこ
となく中皿を容易に取出すことができるととも
に、構造簡単にして安価に製造することのできる
化粧料容器を提供するにある。

《問題点を解決するための手段》 上記の目的を達成するため本考案に係る化粧料
容器では、化粧料を充填した中皿と、中皿を固定
的に収納する容器体と、該容器体の後端部に蝶着
された蓋体とからなり、容器体はヒンジ特性を有
する合成樹脂から形成されるとともに容器体には
その上方縁部から底面に至る一対の側断面Ｌ字形
のスリツトが平行に形成され、スリツトによつて
挾持された容器片部にはその底面中間部にスリツ
トと直交する方向に延長する外折ヒンジ部が形成
されるとともにその内端にスリツトと直交する方
向に延長する内折ヒンジ部が形成され、容器片部
を外折ヒンジ部並びに内折ヒンジ部に沿つて折り
曲げることによつて中皿を容器体の底面から突き
上げて取り出し可能としてなるのである。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例について添附図面
を参照にして説明する。

第１図〜第５図は本考案の第１実施例に係る化
粧料容器を示し、この化粧料容器では容器体１と
蓋体２がヒンジ特性を有するポリエチレン，ポリ
プロピレン等の合成樹脂から一体的に形成されて
いる。容器体１は概略矩形に形成され、その上部
中央には化粧料３を充填したレフイル用中皿４を
収納する凹所５が形成されている。また、容器体
１の前端縁中央部には切欠凹部６が形成され、こ
の凹部６の奥面には第１の係合突起７が一体的に
形成されてる。

容器体１の後部壁には中央部を残すようにして
その両側から縦方向にスリツト８−８が形成され
るとともに、そのスリツト８−８は容器体１の底
部に沿つて延長し、全体として側断面略Ｌ字状に
形成され、一対のスリツト８−８間の容器体１の
部分は容器片部９となつている。この容器片部９
の内底面中間部にはスリツト８−８と直交する方
向に延長する側断面Ｖ字の外折ヒンジ部１０が形
成されている。また、この容器片部９の内端には
同じくスリツト８−８と直交する方向に延長する
側断面逆Ｖ字状の内折ヒンジ部１１が形成されて
いる。この両ヒンジ部１０，１１によつて容器片
部９は内方（上方）と外方（下方）とに折り曲げ
られるようになつている。

この容器片部９の後端は薄肉に形成された蝶番
片１２を介して蓋体２と連結され、蓋体２を容器
体１に対して開閉自在としている。蓋体２の前端
縁部には爪片１３が一体的に垂下形成され、この
爪片１３の内面には第２の係合突起１４が一体的
に形成され、蓋体２を閉じたときに爪片１３が容
器体１の切欠凹部６に入るとともに、凹部６の奥
面に形成した第１の係合突起７が爪片１３の内面
に形成した第２の係合突起１４と係合して蓋体２
は止錠されることになる。

レフイル用中皿４は、図示を省略したが、その
外底面に感圧性接着剤或いは両面接着テープが取
付けられており、容器体１の凹所５の内底面に固
定的に取付けられるようになつている。

この実施例に係る化粧料容器は、第３図に示す
ように、レフイル用中皿４を容器体１内に収納
し、蓋体２が閉じられた状態で販売される。この
化粧料容器の購入者は蓋体２の爪片１３の下方に
指を入れてこれを押し上げ、蓋体２の前記止錠を
解いて第４図のように蓋体２を開放し、所要の場
合にはこの状態で中皿４内の化粧料を使用して化
粧をすることができる。一方、中皿４を容器体１
から取出すには、先づ、第４図の状態から蓋体２
を強制的に押し下げる。これにより蓋体２と容器
体１の容器片部９とは蝶番片１１を介して一体的
に形成されているため、蓋体２の後端角部２ａが
容器体１の後外壁に当接し、容器片部９は外折ヒ
ンジ部１０に沿つて外方に折れ曲がり、次いで内
折ヒンジ部１１に沿つて内方に折れ曲がつて外折
ヒンジ部１０が上昇し、中皿４の外底面と容器体
１の内底面との接着が剥がれ、中皿４は上方に突
き上げられる。このとき、中皿４の後端面は外部
に露出して上方に突き出しているため、中皿４を
容器体１内から容易に取り出すことができる。そ
して、この取り出された中皿４はパレツト容器ま
たはコンパクトの使用済みの中皿と交換されて取
付けられるのである。

第６図〜第８図は本考案の第２実施例に係る化
粧料容器を示し、この実施例では第１実施例の場
合と中皿４の固定方法が異なつている。即ち、第
１実施例の場合には中皿４の底面に接着剤または
両面接着テープを付けてこれを容器体１の凹所５
に固定していたが、この第２実施例の場合には、
容器体１の内周壁に凹陥部１５を形成し、この凹
陥部１５に中皿４の外周壁に形成した突部１６が
アンダーカツトによつて係合し、これによつて中
皿４が容器体１に固定的に収納されるようになつ
ている。この第２実施例の場合にも、蓋体２を第
７図の状態から第８図の状態に押し下げると、上
記のアンダーカツトによる係合が解除されて容器
体１から中皿４を取出すことができるようにな
る。尚、その他の構成並びに作用は第１実施例の
場合と同様である。

第９図は本考案の第３実施例に係る化粧料容器
を示し、この実施例においては容器体１の後方部
にはスリツトが形成されておらず、容器体１と蓋
体２とは公知の樹脂ヒンジにより一体的に連結さ
れている。但し、この実施例においては容器体１
の側部に一対のスリツト８ａ−８ａが平行に形成
され、このスリツト８ａ−８ａに挾まれた容器体
１の側部中央部が容器片部９ａとなつて、この容
器片部９ａには第１実施例と同様に外折ヒンジ部
１０と内折ヒンジ部１１とが形成されている。こ
の第３実施例の化粧料容器において、容器体１内
に固定された中皿４を取出すには、容器体１の側
部に設けられた容器片部９ａの縁部上端を押し下
げて下方に折り曲げ、外部に露出された中皿４の
側底部を押し上げてやれば良い。尚、その他の構
成並びに作用は第１実施例の場合と実質的に同じ
である。

第１０図は本考案の第４実施例に係る化粧料容
器を示し、この実施例は第１実施例の改良で、一
対のスリツト８−８の上端部において容器片部９
と容器体１との間を容易に破断し得る肉薄細帯片
１５−１５によつて一体的に連結形成している。
これによつて、中皿を容器体から直ちに取出すこ
となく中皿内の化粧料を使用するため蓋体２を繰
り返し開閉する際に、蓋体のヒンジ部１１に連接
する容器片部９の上端部が容器体１と結合されて
いるため、蓋体２の開閉時に容器片部９が撓むこ
となく開閉が安定する。一方、中皿４を取出すた
めに容器片部９を下方に折曲げるときには、上記
細帯片１５−１５は容易に破断されるため、中皿
を取出すときの支承にはならない。そしてまた、
この細帯片１６−１６は中皿４の取出し時には必
ず破断されるため、この細帯片１５−１５が破断
されていないと言うことは、中皿４が交換されて
いない新しいものであることを表示していること
になり、所謂バージン機能を奏することになる。
尚、その他の構成並びに作用効果は第１実施例の
場合と同様である。

《効果》 以上のように本考案に係る化粧料容器では、一
対のスリツト間の容器片部を外折ヒンジ部及び内
折ヒンジ部によつて下方に折り曲げことによつて
中皿を取出すことができるため、従来のように中
皿を取出すためにピン等の用具を必要とせず、中
皿の取出しが極めて簡単である。

また、中皿を取出すために容器の構成部品が全
く増えず、構成簡単にして低コストで成形するこ
とが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の第１実施例に係る化
粧料容器を示し、第１図及び第２図は中皿を取付
ける前の蓋体を開放した状態を示し、第１図はそ
の平面図、第２図はその斜視図、第３図〜第５図
は中皿を取付けた状態を示す側断面図で、第３図
は蓋体の閉止位置、第４図は蓋体の開放位置、第
５図は中皿の取出し位置を示し、第６図〜第８図
は本考案の第２実施例に係る化粧料容器を示す側
断面図で、第６図は蓋体の閉止位置、第７図は蓋
体の開放位置、第８図は中皿の取出位置を示し、
第９図は本考案の第３実施例に係る化粧料容器を
示す蓋体の開放した状態における斜視図、第１０
図は本考案の第４実施例に係る化粧料容器を示す
蓋体の開放した状態における平面図である。 １……容器体、２……蓋体、４……中皿、８…
…スリツト、９，９ａ……容器片部、１０……外
折ヒンジ部、１１……内折ヒンジ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 化粧料３を充填した中皿４と、該中皿を固定
   的に収納する容器体１と、該容器体の後端部に
   蝶着された蓋体２とからなり、該容器体はヒン
   ジ特性を有する合成樹脂から形成されるととも
   に該容器体にはその上方縁部から底面に至る一
   対の側断面Ｌ字形のスリツト８−８が平行に形
   成され、該スリツトによつて挾持された容器片
   部９にはその底面中間部に該スリツトと直交す
   る方向に延長する外折ヒンジ部１０が形成され
   るとともにその内端に該スリツトと直交する方
   向に延長する内折ヒンジ部１１が形成され、該
   容器片部を該外折ヒンジ部並びに該内折ヒンジ
   部に沿つて折り曲げることによつて該中皿を該
   容器体の底面から突き上げて取り出し可能とし
   てなることを特徴とする化粧料容器。 (2) 前記容器片部９の後端縁部１２に前記蓋体２
   が一体的にヒンジ結合され、該蓋体を充分に開
   放したときに該蓋体の後端角部２ａが該容器片
   部の外側壁に押し当たり、次いで該容器片部が
   前記外折ヒンジ部並びに前記内折ヒンジ部によ
   つて折り曲げられるようにしてなることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の化
   粧料容器。