JPH049913Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、化粧水や薬用液などに含んだテイツ
シユペーパーなどのシート状湿潤物が袋体内に収
納されたシート状湿潤物収納体に関する。

考案の概要 本考案は、水や空気を通さないシート材により
形成された袋体と、袋体内に収納されたシート状
湿潤物と、袋体と対向する面に塗布された感圧接
着剤により袋体に貼着された少なくとも一枚のラ
ベルとを備えたシート状湿潤物収納体において、
特に、袋体を構成するシート材に、袋体からシー
ト状湿潤物を取り出すための少なくとも一つの開
口を予め形成するとともに、ラベルを、上記開口
を覆う、上記開口より大きい第１の非接着部と、
ラベルの袋体に固定されるべき一端部の手前に位
置し、ラベルの幅方向の全域またはほぼ全域にわ
たるとともに、それ自体の両端部がそれ自体の中
央部に対してラベルの他端部側に突出した形状の
第２の非接着部とを有する構成にすることによつ
て、シート状湿潤物がラベルに塗布された感圧接
着剤によりラベルに被着してしまう、使用者がラ
ベルを袋体から剥離した時、袋体が引き裂かれ
て、以後、袋体が密閉されなくなつてしまう、使
用者が商品としての収納体を最初に使用する際、
ラベルを袋体から剥離したうえで、手で直接、袋
体を構成するシート材の一部を破り取つて袋体に
シート状湿潤物を取り出すための開口を形成しな
ければならない、などの不都合を生じることがな
いようにするとともに、製造コストの上昇を来た
す熱シールなどの特殊な方法によりラベルの一端
部を袋体を構成するシート材に固定しなくても、
使用者がラベルを袋体から剥離した時、ラベルが
その一端部まで袋体から完全に剥離されてしまう
ことがなく、製造コストの低廉化を実現すること
ができるようにしたものである。

従来の技術 手や顔を拭くなどのために化粧水や薬用液など
を含んだテイツシユペーパーが使用されており、
このようなテイツシユペーパーなどのシート状湿
潤物を収納した商品として、水や空気を通さない
シート材により形成された袋体内にシート状湿潤
物の束が収納されるとともに、袋体に少なくとも
一枚のラベルが貼着され、ラベルを袋体から剥離
することにより袋体からシート状湿潤物を一枚ず
つ必要なだけ取り出すとともに、ラベルを袋体に
再び貼着することにより袋体を密閉するものが考
えられている。

実用新案出願公告昭和59年2696号公報、欧州特
許第0030348号明細書および米国特許第4420080号
明細書には、このようなシート状湿潤物収納体の
具体例として、使用者がラベルを袋体から初めて
剥離する前の、商品として提供される時において
は、袋体を構成するシート材に点状または線状の
複数の穴が全体として閉ループ状に形成されてい
るとともに、これら穴に囲まれた部分上を含んで
袋体を構成するシート材にラベルが貼着されてい
て、使用者がラベルを袋体から初めて剥離する
際、袋体を構成するシート材の上記の穴に囲まれ
た部分がラベルに被着した状態でラベルの剥離に
つれて袋体から破り取られて、袋体にシート状湿
潤物を取り出すための開口が初めて形成され、そ
の後、使用者がラベルを袋体に貼着すると、この
破り取られた部分がラベルに被着した状態で上記
の開口に嵌合する構成にし、また、使用者がラベ
ルを袋体から剥離した時、ラベルがその一端部材
まで袋体から完全に剥離されてしまうことがない
ように、ラベルの一端部を熱シールなどの特殊な
方法により袋体を構成するシート材に固定したも
のが示されている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記の従来のシート状湿潤物収
納体は、袋体と構成すべきシート材に形成される
べき、あるいは形成された穴の形状や数などによ
つては、(1)穴の形成時にシート材の穴に囲まれる
べき部分が抜け落ち、あるいは穴の形成後にシー
ト材の穴に囲まれた部分の一部もしくは全部が破
り取られて、シート材上にシート状湿潤物が載置
され、ラベルがシート材に貼着された時、シート
状湿潤物がラベルに塗布された感圧接着剤により
ラベルに被着してしまう、(2)使用者がラベルを袋
体から初めて剥離した時、袋体を構成するシート
材が上記の穴から穴に囲まれた部分の外側に向け
て引き裂かれて、以後、袋体が密閉されなくなつ
てしまう、(3)使用者が商品としての収納体を最初
に使用する際、ラベルに塗布された感圧接着剤の
接着力では袋体を構成するシート材の穴に囲まれ
た部分が袋体から破り取られず、使用者が手で直
接、この部分を破り取つて袋体にシート状湿潤物
を取り出すための開口を形成し、かつその破り取
つた部分をラベルの所定位置に貼着しなければな
らない、などの、商品として提供するに耐えない
不都合を生じる。

また、上記の従来の考案は、使用者がラベルを
袋体から剥離した時、ラベルがその一端部まで袋
体から完全に剥離されてしまうことがないよう
に、ラベルの一端部を熱シールなどの特殊な方法
により袋体を構成するシート材に固定するので、
製造工程が煩雑化し、製造コストの上昇を来たす
不都合がある。

以上の点にかんがみ、本考案は、シート状湿潤
物がラベルに塗布された感圧接着剤によりラベル
に被着してしまう、使用者がラベルを袋体から剥
離した時、袋体が引き裂かれて、以後、袋体が密
閉されなくなつてしまう、使用者が商品としての
収納体を最初に使用する際、ラベルを袋体から剥
離したうえで、手で直接、袋体を構成するシート
材の一部を破り取つて袋体にシート状湿潤物を取
り出すための開口を形成しなければならない、な
どの不都合を生じることがないようにするととも
に、製造コストの上昇を来たす熱シールなどの特
殊な方法によりラベルの一端部を袋体を構成する
シート材に固定しなくても、使用者がラベルを袋
体から剥離した時、ラベルがその一端部まで袋体
から完全に剥離されてしまうことがなく、製造コ
ストの低廉化を実現することができるようにした
ものである。

問題点を解決するための手段 本考案においては、水や空気を通さないシート
材により形成された袋体と、袋体内に収納された
シート状湿潤物と、袋体と対向する面に塗布され
た感圧接着剤により袋体に貼着された少なくとも
一枚のラベルとを備えたシート状湿潤物収納体に
おいて、特に、袋体を構成するシート材に、袋体
からシート状湿潤物を取り出すための少なくとも
一つの開口を予め形成するとともに、ラベルを、
上記開口を覆う、上記開口より大きい第１の非接
着部と、ラベルの袋体に固定されるべき一端部の
手前に位置し、ラベルの幅方向の全域またはほぼ
全域にわたるとともに、それ自体の両端部がそれ
自体の中央部に対してラベルの他端部側に突出し
た形状の第２の非接着部とを有する構成にする。

作 用 このように構成した本考案のシート状湿潤物収
納体によれば、袋体を構成するシート材には、袋
体からシート状湿潤物を取り出すための少なくと
も一つの開口が予め形成されているとともに、ラ
ベルが、この開口を覆う、この開より大きい第１
の非接着部を有していて、使用者がラベルを袋体
から剥離した時、袋体に予め形成されている開口
がそのまま外部に露呈するので、使用者が商品と
しての収納体を最初に使用する際、ラベルを袋体
から剥離したうえで、手で直接、袋体を構成する
シート材の一部を破り取つて袋体にシート状湿潤
物を取り出すための開口を形成しなければならな
いことがないことは勿論、シート状湿潤物がラベ
ルに塗布された感圧接着剤によりラベルに被着し
てしまうことや、使用者がラベルを袋体から剥離
した時、袋体が引き裂かれて、以後、袋体が密閉
されなくなつてしまうことがない。

また、ラベルが、その袋体に固定されるべき一
端部の手前において、ラベルの幅方向の全域また
はほぼ全域にわたるとともに、それ自体の両端部
がそれ自体の中央部に対してラベルの他端部側に
突出した形状の第２の非接着部を有しているの
で、ラベルがその一端部の手前まで袋体から剥離
されると、ラベルに加わる力がラベルに吸収され
てラベルのそれ以上の剥離が妨げられ、ラベルの
一端部が製造コストの上昇を来たす熱シールなど
の特殊な方法により袋体に固定されていなくて、
単に感圧接着剤により袋体に貼着されているだけ
であつても、ラベルがその一端部まで袋体から完
全に剥離されてしまうことがない。

実施例 第１図は本考案のシート状湿潤物収納体の一例
を商品として提供される使用前の状態で示す斜視
図、第２図は同じ収納体をラベルが袋体から剥離
された状態で示す斜視図、第３図および第４図は
同じ収納体のラベルのみを示す平面図および側面
図である。

この例のシート状湿潤物収納体は、袋体１と、
袋体１内に収納されたシート状湿潤物２と、袋体
１に貼着された一枚のラベル３とを備える。袋体
１は、水や空気を通さないフレキシブルなシート
材により形成され、その一面側には、袋体１から
シート状湿潤物２を取り出すための開口４が、一
枚のシート材が封着されて袋体１とされる以前に
おいて形成される。ラベル３も、水や空気を通さ
ないフレキシブルなシート材により形成される。

ラベル３の袋体１と対向する面には、ラベル３
の袋体１に固定されるべき一端部３ａ上を含み、
他端部である剥離用先端部３ｂ上を除いて、感圧
接着剤５が塗布され、この感圧接着剤５上に、ラ
ベル３に第１の非接着部を形成する被膜６と、ラ
ベル３に第２の非接着部を形成する被膜７が、そ
れぞれ樹脂の印刷などにより形成される。第１の
非接着部を形成する被膜６は、ラベル３の中央部
上に、袋体１を構成するシート材に形成される開
口４より一回り大きい形状で形成され、ラベル３
が袋体１の開口４を有する面側の所定位置に剥離
用先端部３ｂを除いて貼着された状態において、
開口４を覆うことにより、袋体１内のシート状湿
潤物２が感圧接着剤５によりラベル３に被着する
のを阻止する。第２の非接着部を形成する被膜７
は、ラベル３の一端部３ａに対して他端部である
剥離用先端部３ｂ寄りの部分上に、ラベル３の幅
方向の全域にわたるとともに、それ自体の両端部
７ｘおよび７ｙがそれ自体の中央部７ｚに対して
ラベル３の他端部である剥離用先端部３ｂ側に突
出した形状で形成され、使用者が剥離用先端部３
ｂを指で摘んでラベル３を袋体１から一端部３ａ
の方向に剥離した時、ラベル３に加わる力を吸収
してラベル３の剥離をこの被膜７の位置で停止さ
せ、ラベル３が一端部３ａまで袋体１から完全に
剥離されるのを阻止する。

さらに、感圧接着剤５上には、第１の非接着部
を形成する被膜６の周囲の部分上において、それ
ぞれ点状の多数の被膜８が、被膜６および第２の
非接着部を形成する被膜７と同様に樹脂の印刷な
どにより形成される。これら点状の多数の被膜８
は、感圧接着剤５によるラベル３の袋体１への接
着力を全体的に弱めて、ラベル３を比較的弱い力
で袋体１から剥離することができるようにする。

上記のシート状湿潤物収納体は、シート状湿潤
物２が収納された袋体１の開口４が形成されてい
る面側の所定位置にラベル３が剥離用先端部３ｂ
を除いて貼着された第１図に示す状態で、商品と
して提供される。この状態においては、ラベル３
の第１の非接着部が開口４を覆つていて、すなわ
ち被膜６が開口４を覆つていて、袋体１内のシー
ト状湿潤物２が感圧接着剤５に接触していないと
ともに、ラベル３の被膜６の周囲の部分、すなわ
ち第１の非接着部の周囲の部分が袋体１に密着さ
れていて、袋体１が密封されている。

そして、使用者がラベル３の剥離用先端部３ｂ
を一端部３ａ側に引つ張つて、第２図に示すよう
にラベル３を袋体１から剥離すると、袋体１に形
成されている開口４がそのまま外部に露呈して、
袋体１からシート状湿潤物２を一枚ずつ必要なだ
け取り出すことができる。この場合、感圧接着剤
５上には、第１の非接着部を形成する被膜６の周
囲の部分上において、点状の多数の被膜８が形成
されているので、ラベル３を比較的弱い力で袋体
１から剥離することができるとともに、ラベル３
が被膜７が形成されている部分である第２の非接
着部まで剥離されると、ラベル３に加わる力がラ
ベル３に吸収されてラベル３のそれ以上の剥離が
妨げられ、従つてラベル３が一端部３ａまで袋体
１から完全に剥離されてしまうことはない。勿
論、その際、袋体１を構成するシート材が開口４
の外側に向けて引き裂かれてしまうようなことも
ない。その後、ラベル３を袋体１に元通り密着さ
せれば、第１の非接着部を形成する被膜６が元通
り開口４を覆い、袋体１が再び密閉される。

上記の例は、樹脂の印刷などによつて感圧接着
材５上に被膜６および７が形成されることによ
り、第１および第２の非接着部が形成される場合
であるが、これに限らず、感圧接着剤の一部が物
理的または化学的に処理されて、その接着力が滅
殺されることにより、第１および第２の非接着部
が形成され、または、ラベルの袋体と対向する面
に感圧接着剤が部分的に塗布されることにより、
第１および第２の非接着部が形成されてもよい。

考案の効果 本考案によれば、袋体を構成するシート材に
は、袋体からシート状湿潤物を取り出すための少
なくとも一つの開口が予め形成されているととも
に、ラベルが、この開口を覆う、この開口より大
きい第１の非接着部を有していて、使用者がラベ
ルを袋体から剥離した時、袋体に予め形成されて
いる開口がそのまま外部に露呈するので、使用者
が商品としての収納体を最初に使用する際、ラベ
ルを袋体から剥離したうえで、手で直接、袋体を
構成するシート材の一部を破り取つて袋体にシー
ト状湿潤物を取り出すための開口を形成しなけれ
ばならないことがないことは勿論、シート状湿潤
物がラベルに塗布された感圧接着剤によりラベル
に被着してしまうことや、使用者がラベルを袋体
から剥離した時、袋体が引き裂かれて、以後、袋
体が密閉されなくなつてしまうことがない。

また、ラベルが、その袋体に固定されるべき一
端部の手前において、ラベルの幅方向の全域また
はほぼ全域にわたるとともに、それ自体の両端部
がそれ自体の中央部に対してラベルの他端部側に
突出した形状の第２の非接着部を有しているの
で、ラベルがその一端部の手前まで袋体から剥離
されると、ラベルに加わる力がラベルに吸収され
てラベルのそれ以上の剥離が妨げられ、ラベルの
一端部が製造コストの上昇を来たす熱シールなど
の特殊な方法により袋体に固定されていなくて
も、単に感圧接着剤により袋体に貼着されている
だけであつても、ラベルがその一端部まで袋体か
ら完全に剥離されてしまうことがない。

しかも、第１および第２の非接着部は、ラベル
の製造段階において、感圧接着剤上に樹脂の印刷
などによつて被膜を形成するなどにより、低廉な
コストで容易に形成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシート状湿潤物収納体の一例
を商品として提供される使用前の状態で示す斜視
図、第２図は同じ収納体をラベルが袋体から剥離
された状態で示す斜視図、第３図および第４図は
同じ収納体のラベルのみを示す平面図および側面
図である。 図中、１は袋体、２はシート状湿潤物、３はラ
ベル、３ａはその一端部、３ｂはその他端部であ
る剥離用先端部、４は開口、５は感圧接着剤、６
は第１の非接着部を形成する被膜、７は第２の非
接着部を形成する被膜、７ｘおよび７ｙはその両
端部、７ｚはその中央部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 水や空気を通さないシート材により形成され
   た袋体と、袋体内に収納されたシート状湿潤物
   と、袋体と対向する面に塗布された感圧接着剤
   により袋体に貼着された少なくとも一枚のラベ
   ルとを備えたシート状湿潤物収納体において、 袋体を構成するシート材に、袋体からシート
   状湿潤物を取り出すための少なくとも一つの開
   口が予め形成され、ラベルが、上記開口を覆
   う、上記開口より大きい第１の非接着部と、ラ
   ベルの袋体に固定されるべき一端部の手前に位
   置し、ラベルの幅方向の全域またはほぼ全域に
   わたるとともに、それ自体の両端部がそれ自体
   の中央部に対してラベルの他端部側に突出した
   形状の第２の非接着部とを有することを特徴と
   するシート状湿潤物収納体。 (2) 感圧接着剤上に部分的に被膜が形成されて第
   １および第２の非接着部が形成された実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のシート状湿潤物収
   納体。