JPH04978Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は灯油、軽油ないしガソリンを燃料とす
る自動車用燃焼式ヒータに関し、特に、燃料の着
火用に用いられるプラグへのカーボンの付着を防
止するようにしたものである。

（従来の技術） マイクロバスを始めとする比較的大形の車両で
あつて、車室内の容積が大きい場合或いはエンジ
ン水温の低い車両の場合には、車室内の暖房を行
なうため、実開昭58−194362号公報に示すよう
に、燃焼式ヒータが設けられている。このような
自動車用燃焼式ヒータは、車室内に温風を供給す
るための熱交換器に燃焼器を取付け、この燃焼器
に設けられた燃料吐出用のノズル或いは燃料気化
プレート等の燃料噴射器に燃料を供給する燃料ポ
ンプが接続されている。更に、この燃料を着火す
ると共に燃料の予熱或いは気化を行なうため、燃
焼器内にはプラグが取付けられており、更に、燃
焼器内にはこの中に燃焼用空気を供給するエアー
ポンプが接続されている。

このような自動車用燃焼ヒータは、従来、第７
図に示すようにして燃料ポンプ、プラグ、エアー
ポンプを制御している。第７図に示すように、燃
焼式ヒータを作動させるためのメインスイツチ
SWがオンとなると、プラグPLに通電されると
共、エアーポンプAPが短時間作動する。このエ
アーポンプAPの短時間の作動をプレパージとい
い、これによつて燃焼器内の空気が清浄になる。
そして、所定時間後にエアーポンプAPが作動を
開始すると共に燃料ポンプFPがオンとなり燃料
がノズルから燃焼室内に吐出される。このように
して、燃料が吐出されるとプラグPLにより燃料
は着火されて燃焼を開始することになり、着火修
了後はプラグPLには通電が停止される。燃料ポ
ンプFPからの燃料が燃焼器内において燃焼する
ことにより、車室内へは温風が供給されることに
なる。

エンジンの停止ないし乗員がメインスイツチを
作動することにより、燃焼式ヒータを停止させる
と、従来は第７図に示すように、燃料ポンプFP
及びエアーポンプAPが停止し、車室内への温風
の吹き出しが完了することになる。

（考案が解決しようとする問題点） このような燃焼式ヒータにあつては、プラグに
燃焼時ないし燃焼修了時の未燃ガス排出時に、プ
ラグPLにカーボンが付着し易いため、従来は燃
料ポンプFPを停止した後もエアーポンプAPを作
動し続けていわゆるアフターパージを行なつた
り、プラグの付近に空気取入口を設ける等の工夫
を行なつているが、充分に未燃カーボンを除去し
得ない場合がある。未燃カーボンを除去し得ない
と、着火ミスやプラグの短絡が発生してしまうと
いう問題点がある。

本考案は上記従来技術の問題点に鑑み、自動車
用燃焼式ヒータにおいて、プラグへの未燃カーボ
ンの付着を防止することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案は、熱交換器
に組み込まれた燃焼器と、当該燃焼器に取付けら
れた燃料噴射器に燃料を供給する燃料ポンプと、
前記燃焼器に取付けられた着火用のプラグと、前
記燃焼器の燃焼室内に燃焼用空気を供給するエア
ーポンプとを有する自動車用燃焼式ヒータにおい
て、メインスイツチにより前記燃焼式ヒータが作
動を停止した信号を受けて前記プラグを着火させ
る着火制御手段と、前記メインスイツチにより前
記プラグが着火している間の所定時間内に前記エ
アーポンプを作動させるエアーポンプ作動制御手
段とを有する自動車用燃焼式ヒータである。

（実施例） 以下、本考案を図示する一実施例により説明す
る。第１図は本考案の自動車用燃焼式ヒータの概
略構造を示す断面図であり、車両に取付けられる
熱交換器１には、これに形成された入口２から流
入し出口３に至る液体を加熱するため、燃焼室４
を有する燃焼器５が設置されている。尚、図示実
施例にあつては、出口から吐出された液体を図示
しないヒータコアに導き、車室内を暖房するよう
にしているが、入口２に空気を供給し、出口３か
ら高温となつた空気を直接車室内に吐出するよう
にしても良い。燃焼器５には燃焼器４内に燃料を
吐出するための燃焼噴射器としてのノズル６が取
付けられ、ノズル６は燃料ポンプFPに接続され
ている。燃料の着火と燃料の予熱ないし気化とを
行なうため、燃焼器５にはプラグPLが取付けら
れ、更に、燃焼器４内に燃焼用空気を供給するた
めのエアーポンプAPが燃焼器５に接続されてい
る。尚、燃料噴射器としては、ノズル６を用いる
方式以外に、燃料気化プレートを用いることも可
能である。燃料気化プレートとはアスベスト等の
不燃材で制作され、ここに燃料ポンプFPから燃
料を送りつつ浸透させ、プラグPLによる加熱及
び燃料熱によつて燃料を気化させ、着火と燃焼の
接続を行うものである。

上述した構成の燃焼式ヒータの作動開始ないし
停止の制御は車両に取付けられたメインスイツチ
SWによりなされる。このメインスイツチSWの
作動により制御器１１が作動し、プラグPL等の
作動が制御されるが、この制御器１１には、メイ
ンスイツチSWがオフとなつた信号を受けて燃料
ポンプFPを停止すると共に、プラグPLを所定時
間着火させる着火制御手段１２と、この着火制御
手段１２からの信号によりプラグPLが着火して
いる間だけエアーポンプAPを作動させるエアー
ポンプ作動制御手段１３とが電気的に接続されて
いる。

この着火制御手段１２とエアーポンプ作動制御
手段１３との具体的構成の一例を示すと第２図の
通りである。図示するように、メインスイツチ
SWに対して直列にリレー２０が接続されてお
り、メインスイツチSWがオフとなつたときにリ
レー２０の作動によつて燃料ポンプFPへの通電
を解くために、燃料ポンプFPにはこれに直列に
リレー２１が接続されている。

また、メインスイツチSWがオフとなつたとき
にはプラグPLへの通電を行なうために、プラPL
の電源間にリレー２２が接続されている。そし
て、メインスイツチSWをオフにするとリレー２
０によつてリレー２１，２２と同時にリレー２３
もオンとなり、タイマーTRが作動を開始する。
タイマーTRに設定された所定の時間が経過する
と、このタイマーTRにより作動しプラグPLに接
続された常閉スイツチ２４がオフとなると共に、
エアーポンプAPに接続された常閉スイツチ２５
がオフとなる。リレー２６，２７はそれぞれ燃料
ポンプFPが作動している間には、プラグPL及び
タイマーTRが作動しないようにするためのもの
である。

次に、第３図を参照しつつ作用を説明すると、
乗員が燃焼式ヒータを停止するために、メインス
イツチSWをオフにすると、着火制御手段１２に
おける第２図に示すリレー２１がオフとなり、リ
レー２２がオンとなることから、燃料ポンプFP
が停止すると共に、プラグPLへの通電が開始さ
れる。これと同時にタイマーTRが作動を開始
し、このタイマーTRに設定された時間Ｔが経過
すると、エアポンプAPの作動が停止すると共に、
プラグPLへの通電が停止される。燃料の供給が
停止された状態の下でプラグPLが着火されるこ
とから、プラグPLに未燃カーボンが付着してい
てもその未燃カーボンは燃焼され、エアポンプ
APによる送風によつて外部に排出されることに
なる。このため、プラグPLへのカーボンの付着
が防止され、カーボンの付着に起因する問題点が
防止される。

第４図は本考案の他の実施例に係る燃焼式ヒー
タの制御を示すタイムチヤートであり、メインス
イツチSWにより燃焼式ヒータが作動を停止した
信号を受けてプラグPLを所定の時間Ｔだけ着火
すると共に、プラグPLの着火と同時に所定の時
間Ｔ１だけエアーポンプAPの作動を停止させた
後所定の時間Ｔ２だけエアーポンプAPを作動さ
せるようにしたものである。この場合にはプラグ
PLが充分に加熱された後にエアーポンプAPを作
動させることから、前記実施例の場合よりも付着
カーボンが燃焼し易くなる。

第５図は本考案の他の実施例に係る燃焼式ヒー
タの制御を示すタイムチヤートであり、この場合
はメインスイツチSWのオフ信号を受けてプラグ
PLを所定の時間Ｔだけ着火すると共に、所定の
時間Ｔ３だけ経過した後にエアーポンプAPを作
動させてから、所定の時間Ｔ４だけエアーポンプ
APの作動を停止させ、更に所定の時間Ｔ５だけ
エアーポンプAPを作動させるようにしたもので
ある。これにより、所定の時間Ｔ３だけエアーポ
ンプAPを作動させることから、アフターパージ
がなされて、燃焼室４内の未燃ガスが外部に排出
されることとなり、プラグPLの着火に起因する
未燃ガスの異常燃焼をも防止することができる。

第６図は第５図に示す場合と同様に、所定の時
間Ｔ５だけアフターパージを行なうようにした場
合を示す本考案の他の実施例に係る燃焼式ヒータ
の制御を示すタイムチヤートである。

この場合には、メインスイツチSWのオフ信号
を受けて所定の時間Ｔ５だけ経過した後に、プラ
グPLを着火し、この所定の時間Ｔ５の間はエア
ーポンプAPを作動し続けるようにしたものであ
る。そして、プラグPLの着火と同時に、所定の
時間Ｔ６だけエアーポンプAPの作動を停止させ
た後に時間Ｔ７エアーポンプAPを作動するよう
にしている。このように、プラグPLを着火する
前にエアーポンプAPにより燃焼室４内の未燃ガ
スを排出することから、未燃ガスによる異常燃焼
を確実に防止することが可能となる。

（考案の効果） 以上のように、本考案によれば、燃焼ヒータの
停止後に、グロープラグを着火することから、グ
ロープラグに未燃カーボンが付着したとしても、
これを確実に燃焼除去することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る燃焼式ヒータ
の概略構造を示す断面図、第２図は着火制御手段
のエアーポンプ作動制御手段の具体的構造を示す
回路図、第３図は第１，２図に示す本考案の燃焼
式ヒータの制御工程を示すタイムチヤート、第４
〜６図は本考案の他の実施例に係る燃焼式ヒータ
の制御工程を示すタイムチヤート、第７図は従来
の燃焼式ヒータの制御工程を示すタイムチヤート
である。 ５……燃焼器、６……ノズル、１２……着火制
御手段、１３……エアーポンプ作動制御手段、
AP……エアーポンプ、PL……プラグ、FP……
燃料ポンプ、SW……メインスイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換器に組み込まれた燃焼器と、当該燃焼器
   に取付けられた燃料噴射器に燃料を供給する燃料
   ポンプと、前記燃焼器に取付けられた着火用のプ
   ラグと、前記燃焼器の燃焼室内に燃焼用空気を供
   給するエアーポンプとを有する自動車用燃焼式ヒ
   ータにおいて、メインスイツチにより前記燃焼式
   ヒータが作動を停止した信号を受けて前記プラグ
   を着火させる着火制御手段と、前記メインスイツ
   チにより前記プラグが着火している間の所定時間
   内に前記エアーポンプを作動させるエアーポンプ
   作動制御手段とを有する自動車用燃焼式ヒータ。