JPH0489890A - 固体潤滑剤を埋込んだ摺動部材の製造方法 - Google Patents

固体潤滑剤を埋込んだ摺動部材の製造方法

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JPH0489890A
JPH0489890A JP20401090A JP20401090A JPH0489890A JP H0489890 A JPH0489890 A JP H0489890A JP 20401090 A JP20401090 A JP 20401090A JP 20401090 A JP20401090 A JP 20401090A JP H0489890 A JPH0489890 A JP H0489890A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は潤滑油剤を含有した湿潤性および流動性を有す
る固体潤滑剤ならびに該固体潤滑剤を埋込んだ摺動部材
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、銅系あるいは鉄系合金からなる金属基体に孔もし
くは溝を形成し、該孔もしくは溝に固体潤滑剤を埋設画
定した、所謂固体潤滑剤埋込型摺動部材は各種機械部品
として使用されている。
該固体潤滑剤埋込型摺動部材の製造方法としては、■外
周面に螺旋状の凸条部を形成した黒鉛(固体潤滑剤)丸
棒を鋳型の中子とし、該鋳型に溶湯金属を鋳造したのち
、咳中子を切削加工により取り除き、摺動面に固体潤滑
剤(黒鉛)を螺旋状に露出させる方法(特公昭39−2
506号公報所載)、■溶湯金属の鋳造時に燃焼消失す
る紙またはプラス千ツクフィルムに固体潤滑剤ペレット
(円柱体)を接着固定し、これをシェル砂型からなる心
棒の外周面に接着固定してこれを鋳型の中子とする(特
公昭56−14381号公報所載)か、もしくはシェル
砂型からなる心棒に固体潤滑剤ベレットを接着固定して
これを鋳型の中子としく特公昭52−5449号公報所
!!2)、該鋳型に溶湯金属を鋳造し、摺動面に固体潤
滑剤ペレットを露出させる方法(特公昭52−5449
号公報所載)、■金属基体に孔を形成し、該孔に接着剤
を塗布した固体潤滑剤ペレットを埋設固定する方法、な
どがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述した従来の製造方法において、■の方法は熱伝導性
のよい黒鉛をそのまま中子として使用するため、鋳造時
に溶湯金属が十分に行きわたりにくいという欠点がある
とともに摺動部材の形状が限定されるという欠点がある
こと、また■の方法は鋳造時に固体潤滑剤ペレットがは
げ落ちたり、ずれたりし、面体潤滑剤ペレットが規則正
しく配列された摺動部材が得られ難いという欠点がある
こと、から上記■の方法が一般的に使用されている。
しかしながら、上記■の方法においても、いくつかの問
題点がある。
すなわち、(a)金属基体の寸法の大小に応して該基体
に設けられる孔の大きさ(孔径)が異なるため、該孔に
埋込まれる固体潤滑剤ペレットも当該孔径ムこ合致した
各寸法の固体潤滑剤ペレットを取り揃える必要があるこ
と。(b)接着剤を塗布した固体潤滑剤ペレットの金属
基体の孔への埋込み作業は自動化が難しく手作業となる
ため、きわめて作業性が悪いこと。(C1金属基体、と
くに円筒状金属基体の内面に設けられた溝、例えば螺旋
状溝、リング状溝に固体潤滑剤を埋設固定するには、固
体潤滑剤ペレットを使用することができないため、別途
流動性を有するペースト状固体潤滑剤を用意する必要が
あること。などの問題点である。
また、副次的ではあるが、上記(blの固体潤滑剤ペレ
ットへの接着剤塗布作業により、当該作業者にカブレな
どの思わぬ事故を誘発するという問題もある。
一方、摺動部材の性能面から検討すると、固体潤滑剤を
埋込んだ摺動部材は埋込まれた固体潤滑剤が少量づつ摺
動面に供給されてそこに固体潤滑被膜が形成されるから
、別途グリースなどの潤滑剤を供給することなく長期間
の使用に供し得るが、その用途は低速度高荷重領域にほ
ぼ限られているため、上記領域をはずれる用途において
はグリースや潤滑油などの潤滑油剤を併用することを余
儀なくされている。
したがって、上記領域をはずれる用途に使用される固体
潤滑剤を埋込んだ摺動部材においては、摺動面にグリー
ス溜り用の溝を形成したり、給油装置により摺動面に潤
滑油を供給するなどの手段が必要とされる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上述した製造上および性能上の問題点に対
し、■金属基体に設けられる孔もしくは溝の大きさ、形
状等に何ら制約されることなく埋込み可能なこと、■潤
滑油剤による潤滑作用と固体潤滑剤による潤滑作用の両
件用を兼ね備えていること、■金属基体の孔もしくは溝
に接合可能なこと、の3点を技術的課題として挙げ、こ
れらの課題をすべで満足することにより上述した問題点
は−挙に解決されるものと考え、鋭意研究を行った結果
、固体潤滑材粉末に潤滑油剤と合成樹脂結合剤を配合し
た固体潤滑剤は、湿潤性および流動性を有し、潤滑油剤
が含有されているにもかかわらず金属基体に設けられる
孔もしくは溝の大きさ、形状等に何ら制約されることな
く埋込み可能で、かつ該孔もしくは溝への接合が可能で
あることを見出し、上述した技術的課題をすべて満足す
ることを確認し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は固体潤滑材粉末を主成分とし、これ
に常温で液状もしくはペースト状を呈する潤滑油剤およ
び合成樹脂結合剤が配合されてなる湿潤性および流動性
を有する固体潤滑剤ならびに該固体潤滑剤を金属基体の
孔もしくは溝に埋込んだ摺動部材である。
上述した構成において、主成分をなす固体潤滑材粉末は
それ自体単独で固体潤滑作用をなす物質をいい、本発明
では■天然黒鉛、■コークス粉末などの膏剤をそれ自身
が加熱燃焼により炭化・黒鉛化するコールタールピッチ
などのバインダを使って成形し、これを700〜110
0℃の温度で焼成したのち、ピッチなどの含浸剤を浸透
させ、これを2500〜3000℃の温度で熱処理し黒
鉛化させて得られる人造黒鉛、■天然鱗状黒鉛、キッシ
ュ黒鉛、熟成させたあと水洗し、高温で瞬間的にC軸方
向に膨張処理した膨張黒鉛、■二硫化モリブデン、■ポ
リテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、■窒化ホ
ウ素(BN)の一種もしくは二種以上が選択されて使用
される。
これら固体潤滑材は平均粒度100メフシユ(150μ
m)の粉末が使用される。
常温で液状もしくはペースト状を呈する潤滑油剤として
は機械油、エンジン油などの鉱油、ヒマシ油などの植物
油、エステル油、シリコン油などの合成油、グリースな
どが挙げられ、これらはその一種もしくは二種以上が選
択されて使用される該潤滑油剤の配合割合は5〜20重
量%が適当で、20重量%を超えて配合すると後述する
金属基体の孔もしくは溝への流動充填のさい、潤滑油剤
がブリードアウト(流失)する量が多くなり、これが固
体潤滑剤と金属基体の孔もしくは溝との接合界面に介在
して該固体潤滑剤の該金属基体の孔もしくは溝への接合
強度を弱め、結果として孔もしくは溝からの固体潤滑剤
の抜は出しを惹起するなどの欠点として現れる。
また、5重量%未満の配合量では固体潤滑剤自体の強度
が高められ、また金属基体の孔もしくは溝への接合強度
が高められる反面、固体潤滑剤に含有された潤滑油剤の
摺動面への滲み出し量が少なく潤滑油剤による摺動性能
の向上を期待し難い合成樹脂結合剤は膨張黒鉛粉末同士
を接合する役割と潤滑油を含有した固体潤滑剤を金属基
体の孔もしくは溝に接合する役割を担うもので、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬
化性合成樹脂が挙げられ、本発明ではとくにエポキシ樹
脂が好ましいものとして使用される。
エポキシ樹脂は常温硬化型の液状エポキシ樹脂および熱
硬化型の液状および粉末状エポキシ樹脂を使用すること
ができる。
具体的には、常温硬化型の液性エポキシ樹脂としては、
セメダイン社から市販されている“セメダイン”(商品
名)が挙げられる。
また、熱硬化型の液状エポキシ樹脂としては、田岡化学
社から市販されている“テクノダイン”(商品名)、油
化シェルエポキシ社から市販されている液状エポキシ樹
脂“エピコート”(商品名)に旭化成工業社の潜在性硬
化剤リパキュア”(商品名)あるいは味の素社の“アミ
キュア”(商品名)を加えたー液性エポキシ樹脂などが
挙げられ、。
熱硬化型の粉末状エポキシ樹脂としては、ソマール社の
“エビフオーム”(商品名)が挙げられ、この粉末状エ
ポキシ樹脂は上記液状エポキシ樹脂の流動調整用として
も使用することができる。
この合成樹脂結合剤の配合割合は15〜50重量%が適
当である。
上述した構成(成分組成)からなる固体潤滑剤は、つぎ
のようにして作製される。
平均粒度150メフシユに調整した固体潤滑材粉末に潤
滑油剤を配合し混合したのち、これに合成樹脂結合剤を
加えて混練することにより、湿潤性および流動性を有す
る固体潤滑剤が得られる。
このようにして得た湿潤性および流動性を有する固体潤
滑剤を金属基体に設けられた孔もしくは溝に常温下でも
しくは加熱下で流動充填せしめ、ついで常温もしくは加
熱により該結合剤を硬化させるとともに潤滑油剤を含有
した固体潤滑剤を該金属基体の孔もしくは溝に接合させ
ることにより、潤滑油剤を含有した固体潤滑剤を埋込ん
だ摺動部材が得られる。
固体潤滑剤を金属基体の孔もしくは溝に流動充填する方
法としては、圧縮成形、トランスファー成形、インジェ
クション成形などの方法が使用され、摺動部材が板状を
呈するものにおいては、該固体潤滑剤を予め板状に成形
し、これを孔もしくは溝に設けられた板状摺動部材(金
属基体)上に載置し、プレス成形により流動充填する方
法を採ることができる。
第1図は、固体潤滑剤の流動充填装置の一例を示す縦断
面図で、図中符号1は円筒部11を備えた保持具、2は
該保持具1の円筒部11内にその外周面が拘束されて嵌
挿され、その円周方向に互いに重畳するように形成され
た複数個の孔21を有する摺動部材素材、3は該素材2
の内面に該素材の内径面との間に微小環状隙間Sをもっ
て挿入された流通路31を有する案内具、4は該素材2
を保持した保持具1の円筒部11上端部に嵌合され、前
記流通路31と連通ずる流通路41を備えた容器、5は
該容器4内に装填された湿潤性および流動性を有する固
体潤滑剤、6は該容器4内にその上下方向に移動可能に
嵌合された押圧具である。
第2図は、上記実施例■により得られた固体潤滑剤を埋
込んだ摺動部材を示す縦断面図で、図中符号7は摺動部
材、71は該摺動部材に形成された複数個の孔、72は
該孔71に流動充填されかつ接合された固体潤滑剤であ
る。
〔作 用〕
■固体潤滑剤は湿潤性および流動性を有するので、摺動
部材に設けられる孔もしくは溝の大きさ形状等に何ら制
約されることなく当該孔もしくは溝への埋込みが可能で
ある。
■固体潤滑剤にはそれ自体に潤滑油剤が含有されている
ので、該固体潤滑剤を埋込んだ摺動部材においては相手
材との摺動において、その摺動面には該固体潤滑剤に含
有された潤滑油剤が供給されるから、該潤滑油剤による
湿潤性が保たれ、該固体潤滑剤と潤滑油剤による潤滑作
用が行われ、固体潤滑剤埋込型摺動部材の適正用途であ
る低速度高荷重条件下での使用はもちろん、当該条件を
はずれる用途においても別途潤滑剤を供給することなく
その使用を可能とする。
〔実施例〕
以下、本発明の固体潤滑剤ならびに該固体潤滑剤を埋込
んだ摺動部材について、その実施例に基づき詳細に説明
する。
〈実施例:I〉 固体潤滑材粉末として、 ■かさ比重1 、55g/cm3、気孔率45%の多孔
質人造黒鉛成形体(イビデン社製)を粉砕し、平均粒度
100メツシユに調整した人造黒鉛粉末58重量%、■
該人造黒鉛粉末43重量%とポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂(PTFE)粉末(日本ハルカー社製「ユノン:
商品名」)15重量%、 ■該人造黒鉛粉末43重量%と二硫化モリブデン粉末1
5重量%、 を使用し、これに潤滑油剤として鉱油(出光興産社製「
ダフンスーパーマルチ:商品名J)15重量%を加えて
混合し、固体潤滑材粉末と潤滑油剤との混合物を得た。
ついで、この混合物に合成樹脂結合剤として熱硬化型液
状エポキシ樹脂(昭和シェル化学社製「mヒ]−):商
品名」)16重量%と潜在型硬化剤(旭化成工業社製「
ツノ鴎ニア:商品名」)5重量%と流度調整用として粉
末状エポキシ樹脂(ソマール社製「エピフオーム:商品
名」)6重量%を配合し、混練して湿潤性および流動性
を有する固体潤滑剤を得た。
金属基体として高力黄銅鋳物(J Is −)1220
5)を使用し、これを切削加工して内径60mm、外径
80mm、長さ80mmの円筒基体を得るとともに該円
筒基体に直径10mmの孔を該円筒基体の円周方向に互
いに重畳するように54個形成し、これを摺動部材素材
(軸受ブツシュ素材)とした。
該摺動部材素材の外周面を拘束し、前記第1図に示す流
動充填装置により該素材の内面から上記成分組成からな
る固体潤滑剤を常温で50kg/cm2の圧力で加圧し
ながら流動させ、該素材の孔に密に充填した。
ついで、該素材の孔に固体潤滑剤を保持した摺動部材素
材を80℃の温度に加熱された加熱炉内に60分間保持
して該合成樹脂結合剤の一次硬化を行ったのち、140
℃の温度に加熱された加熱炉内に30分間保持し、該合
成樹脂結合剤の二次硬化を行うとともに該潤滑油を含有
した固体潤滑剤を該素材の孔に接合せしめ、該固体潤滑
剤を埋込んだ摺動部材(軸受ブツシュ)を得た。
〈実施例:■〉 固体潤滑材として、 ■かさ比重0−7g/cm3.厚さ0.5mmの膨張黒
鉛シート(日本カーボン社製Fニカフィルム:商品名部
)を粉砕し、平均粒度100メフシエに調整した膨張黒
鉛粉末58重量%、 ■上記膨張黒鉛粉末43重量%とPTFE樹脂粉末(上
記実施例Iと同じ)15重量%、 ■上記膨張黒鉛粉末43重量%と人造黒鉛粉末(上記実
施例■と同じ)15重量% を使用し、これに潤滑油剤として鉱油(上記実施例Iと
同し)15重量%を加えて混合し、固体潤滑材粉末と潤
滑油剤との混合物を得た。
ついで、この混合物に合成樹脂結合剤として熱硬化型液
状エポキシ樹脂(上記実施例Iと同じ)16重量%と潜
在型硬化剤(上記実施例Iと同し)5重量%と流度調整
用として粉末状エポキシ樹脂(上記実施例■と同じ)6
重量%を配合し、混練して湿潤性および流動性を有する
固体潤滑剤を得た。
金属基体として、上記実施例Iと同様の高力黄銅鋳物を
使用して摺動部材素材を作製したのち、上記実施例■は
同様の方法でにて該固体潤滑剤を該素材の孔に密に流動
充填した。
以下、上記実施例Iと同様の方法にて固体潤滑剤を埋込
んだ摺動部材を得た。
〈実施例二■〉 固体潤滑材粉末として、 ■二硫化モリブデン粉末70重量%、 ■二硫化モリブデン粉末60重量%とPTFE樹脂粉末
(上記実施例■と同じ)10重量%、■二硫化モリブデ
ン粉末60重量%と窒化ホウ素粉末10重量%、 を使用し、これに潤滑油剤として鉱油(上記実施例Iと
同じ)8重量%を加えて混合し、固体潤滑材粉末と潤滑
油剤との混合物を得た。
ついで、この混合物に合成樹脂結合剤として熱硬化型液
状エポキシ樹脂(上記実施例■と同じ)17重量%と潜
在型硬化剤(上記実施例Iと同じ)5重量%を配合し、
混練して湿潤性および流動性を有する固体潤滑剤を得た
金属基体として、上記実施例Iと同様の高力黄銅鋳物を
使用して摺動部材素材を作製したのち、上記実施例Iと
同様の方法にて該固体潤滑剤を該素材の孔に密に流動充
填した。
以下、上記実施例■と同様の方法にて固体潤滑剤を埋込
んだ摺動部材を得た。
つぎに、上述した実施例で得た固体潤滑剤を埋込んだ摺
動部材について、該固体潤滑剤の孔への接合強度および
摺動部材の摺動特性を試験した結果について述べる。
(接合強度試験) 接合強度は摺動部材の孔に埋込まれた固体潤滑剤にブツ
シュ・プルゲージを当てて該固体潤滑剤の孔からの抜出
し力(kgf/cm”)を測定し、その測定値をもって
接合強度とした。
(摺動特性試験) 摺動特性はつぎの試験条件により、摩擦係数および摩耗
量を測定した。
試験条件■ 荷 重 500kgf/cm2速度1m/
min 相手材 機械構造用炭素1iil(S45C)往復揺動
試験 ストローク200■ 試験サイクル 100 X 10’ (400km)試
験条件■ 荷 重 10kgf/cm”速度40m/m
in 相手材 機械構造用炭素M (S45C)往復揺動試験
 ストローク200mm 試験サイクル 100 X 10’ (400km)試
験結果を下表に示す。
(以下余白) 試験結果から、実施例からなる固体潤滑剤の摺動部材の
孔への接合強度(抜出し力)は比較例で示した従来技術
のものより低い値を示した。
この試験結果は予想されたもので、潤滑油剤を含有した
固体潤滑剤を接合強度50kgf/cm2の値て接合す
ることができたことは、摺動特性の試験結果、すなわち
固体潤滑剤埋込型摺動部材の適正用途である低速度高荷
重(上記試験条件■)領域ばかりでなく当該領域をはず
れる(上記試験条件■)用途の使用においても、従来技
術と同等もしくはそれ以上の性能を発揮したことを考え
ると、実施例における接合強度は摺動部材を使用する上
で何ら支障を来さないことを意味するものである。
比較例■の摺動部材は、試験条件■の試験において試験
時間の経過とともに徐々に摩擦係数が高くなり、試験ス
トローク300kmで摩耗量が急激に増大した。また、
試験条件■の試験においては試験開始直後、試験ストロ
ークにしてIkmで摩擦係数、摩耗量とも急激に増大し
たため、試験を中止した。
比較例■の摺動部材は、試験条件■の試験においては実
施例I乃至実施例■の摺動部材とほぼ同等の性能を示し
たが、試験条件■の試験においては試験ストローク20
0kmで摺動面に塗布したグリースがスクイズアウト(
掻き出され)され始め、試験ストローク300kmで軸
受温度、摩擦係数、摩耗量が急激に増大したため、試験
を中止した。
一方、実施例の固体潤滑剤には潤滑油剤が含有されてい
るから、固体潤滑剤埋込型摺動部材の適正用途である低
速度高荷重領域ばかりでなく当該領域をはずれる用途の
使用においても、別途潤滑油剤を供給することなく、安
定した性能を発揮した。
〔効 果〕
上述した構成からなる本発明は、以下の特有の効果を有
する。
■固体潤滑剤は湿潤性および流動性を有するため、金属
基体に設けられる孔もしくは溝形状に何らの制約を受け
ることなく埋込むことができ、摺動部材の用途範囲を大
幅に拡大することができる。
■固体潤滑剤には潤滑油剤が含有されているので、固体
潤滑剤埋込型摺動部材の適正用途である低速度高荷重領
域ばかりでなく当該領域をはずれる用途の使用において
も、摺動面に別途グリースなどの潤滑剤を供給する必要
がなく、広範囲の条件下での使用が可能である。
■金属基体に設けられる孔もしくは溝に固体潤滑剤を流
動充填させて埋込むため、従来の接着剤塗布作業、埋込
み作業を必要とせず、作業性が大幅に向上されるととも
に接着剤塗布作業に起因する作業者のカブレなどの問題
は全く解消される。
【図面の簡単な説明】
第1図は固体潤滑剤の流動充填装置の一例を示す縦断面
図、第2図は固体潤滑剤を埋込んだ摺動部材を示す縦断
面図である。 7・・摺動部材      71・・孔72・・固体潤
滑剤

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)固体潤滑材粉末を主成分とし、これに常温で液状
    もしくはペースト状を呈する潤滑油剤および合成樹脂結
    合剤が配合されてなる湿潤性および流動性を有する固体
    潤滑剤。
  2. (2)潤滑油剤が5〜20重量%、合成樹脂結合剤が1
    5〜50重量%含まれることを特徴とする請求項1記載
    の固体潤滑剤。
  3. (3)固体潤滑材粉末は黒鉛、二硫化モリブデン、ポリ
    テトラフルオロエチレン樹脂、窒化ホウ素の一種もしく
    は二種以上から選択される請求項1又は2記載の固体潤
    滑剤。
  4. (4)潤滑油剤は機械油、エンジン油などの鉱油、ヒマ
    シ油などの植物油、エステル油、シリコン油などの合成
    油、グリースの一種もしくは二種以上から選択される請
    求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体潤滑剤。
  5. (5)合成樹脂結合剤は熱硬化性合成樹脂からなる請求
    項1乃至4のいずれか一項に記載の固体潤滑剤。
  6. (6)固体潤滑材粉末を主成分とし、これに潤滑油剤お
    よび合成樹脂結合剤が配合されてなる湿潤性および流動
    性を有する固体潤滑剤が金属基体に設けられた孔もしく
    は溝に流動充填せしめられ、かつ該金属基体の孔もしく
    は溝に接合せしめられていることを特徴とする固体潤滑
    剤を埋込んだ摺動部材。
  7. (7)湿潤性および流動性を有する固体潤滑剤は潤滑油
    剤5〜20重量%、合成樹脂結合剤15〜50重量%、
    残部固体潤滑材粉末からなる請求項6記載の固体潤滑剤
    を埋込んだ摺動部材。
  8. (8)孔もしくは溝が形成される金属基体の摺動面は平
    面、円筒面もしくは球面を呈する請求項6又は7記載の
    固体潤滑剤を埋込んだ摺動部材。
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