JPH048978Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は集塵機本体が隔壁で上下に濾過室と浄
化空気室とに区画され、両室が前記隔壁に穿設さ
れた多数の吸入口へ夫々開口部を嵌着して吊下さ
れたフイルタバツグを介して連通され、各吸入口
に、フイルタバツグの外面に付着したダストを払
い落すべくバツグ内へ高圧気体を噴射する噴射口
を有する空気ノズルが備えられたバツグ集塵装置
の改良に関する。

ロ 従来技術 上記集塵装置において、従来のフイルタバツグ
はＵ状であり、又空気ノズルは、噴射口がノズル
先端中央の１ケ所に設けられ、その噴射口が前記
フイルタバツグ内の中心に向けて備えられいた。
また、ノズルに関したものとしては、ノズルの下
方に拡散装置を設けたもの（特公昭51−3943号）
や、正吐出口を先端に設けた管部品に副吐出口を
先端に設けた副管部品を併設して、副吐出口から
噴射される高圧空気により、空気の遮蔽幕を作
り、浄化された空気の混入を防ぐたもの（特公昭
44−12475号）がある。一方、フイルタバツグの
内周側面に逆流空気を当ててダストを払い落すべ
く、フイルタバツグの開口部を嵌着する吸入口の
ベンチユリー部周囲より空気が噴射される構造の
ものも存在していた。

ハ 考案が解決しようとする課題 従来のフイルタバツグは、濾過面積が少なく、
すぐ目詰まりを起こし易い。そして、その場合、
高圧空気をフイルタバツグの中央に向けて噴き付
けても、フイルタバツグ内周面に対する空気の圧
力が弱く、よつてダストの払い落し能力は極めて
悪い。また、ノズルの下方に拡散装置を設けたも
のは、ある程度フイルタバツグ内周面を噴き付け
ることができるが、拡散によつて噴付力が弱ま
り、やはりダストの払い落し能力には限界があつ
た。一方、副吐出口を設けて空気の遮蔽幕を作
り、浄化された空気の混入を防ぐものに関して
は、副吐出口を斜めに設ける技術はあるもののそ
れは空気の遮蔽幕を作るためのものであつてダス
トを払い落すためのものではないから、やはり高
圧気体をフイルタバツグ内周面にむらなく吹き付
けることができなかつた。

ニ 課題を解決するための手段 本考案は、フイルタバツグを断面Ｗ状に形成す
ることにより集塵能力を向上させ、高圧空気が一
箇所に集中せず、フイルタバツグ内周側面へ均一
してまんべんなく噴き付けられることによつて、
ダスト払い落とし効率の向上をも図るもので、そ
の構成は、フイルタバツグが、閉塞部先端側を内
側へ反転して引き込み、断面Ｗ状に形成され、且
つ前記空気ノズルをフイルタバツグの中心線上に
配置すると共に、その空気ノズル先端に、斜め外
方に向けた複数の噴射口を設けたことにある。

ホ 作用 フイルタバツグが断面Ｗ状に形成されているの
で集塵能力が向上し、また高圧空気が複数の噴射
口から夫々斜め外方に向けて噴射されるので、フ
イルタバツグ内で拡散され、内周側面へむらなく
吹きつけられるので目詰まり箇所をなくすことが
でき、本来の集塵能力を回復することができる。

ヘ 実施例 図面は本考案に係るバツグ集塵装置を示すもの
で、集塵機の本体１内は、隔壁２によつて上下に
濾過室３と浄化空気室４とに区画され、その隔壁
２には多数の吸引口５，５…が穿設されている。
濾過室３内には、フイルタバツグ６，６…が夫々
その開口部を前記吸引口５に対し、ベンチユリー
管５ａへ嵌着した状態で吊下されている。又濾過
室３の下方はダスト回収用のホツパ７に形成さ
れ、その側部に含塵気体吸入口８が設けられてい
る。一方、浄化空気室４内には、コンプレツサ
（図示せず）に接続された空気圧送パイプ９が、
前記吸引口５，５…の真上を横切るように配設さ
れ、その空気圧送パイプ９には、前記吸引口５の
中心真上の部位に、各々空気ノズル１０，１０…
が取り付けられている。又浄化空気室４の側方に
は排気ダクト１１が設けられている。空気ノズル
１０には、第３図示の如く先端に４箇の噴射口１
０ａ，１０ａ…が、夫々斜め外方に向けて設けら
れている。それによつて噴射口１０ａからは高圧
空気が円錐状に拡散され、フイルタバツグ内周面
全体に均一に噴射される。フイルタバツグ６は、
閉塞部先端側を内側へ反転して引き込み、その先
端部６ａを開口部際の中央にて支持金具１２を介
して支持されることにより、全体的に断面をＷ状
として表面積の拡大を図つている。このように構
成された集塵機によれば、含塵気体吸入口８から
含塵気体を送り込むと、その含塵気体は濾過室３
内において各フイルタバツグ６を外面から内面へ
通過し、その通過の際微細固形物がダストとして
分離される。そして吸引口５を抜けて浄化空気室
４に入り、そこから送風機等により吸引されて排
気ダクト１１から清浄な空気として放出される。
フイルタバツグ６の外表面にダストが付着し、集
塵能力が低下したり目詰まりを起こしたら、空気
ノズル１０から適宜高圧空気を噴射させてその噴
き付け圧によつて払い落す。払い落されたダスト
は、空気ノズル１０からの空気流及び自重作用で
ホツパ７内へ落下し、ホツパ７内へ落下沈降した
ダストは適当な手段で排出処理する。

空気ノズル１０から噴射される高圧空気は、円
錐状に拡散されて噴き付けられるので、フイルタ
バツグ６の引き込み先端部６ａに集中せずフイル
タバツグ内周側面へまんべんなく噴き付けられる
から、払い落し効率が良いばかりか、支持金具が
噴射圧にさらされて支持部にトラブルを起こす虞
れもない。

尚、本実施例のおいて、空気ノズルは４箇の噴
射口が設けられているが、少なくとも２箇以上の
噴射口が夫々斜め外方に向けて設けられていれば
その数を問うものではない。又フイルタバツグは
断面がＷ状を呈したものについて例示したが、一
般的な下端閉塞の筒状であつてもダスト払い落し
効率を向上させる効果は同様に発揮される。

ト 効果 本考案によれば、フイルタバツグが断面Ｗ状に
形成されているから集塵能力が向上する。また、
高圧空気が円錐状に拡散して噴射されるので、フ
イルタバツグ内面に対して均一した強い噴き付け
圧が得られ、払い落しむらを起こさないから、本
来の集塵能力を回復させることができる。更に部
分的に噴き付け圧が強過ぎてフイルタバツグの取
り付け部等においてトラブルを起こす虞れがなく
なる。以上のように集塵能力と集塵装置の耐久性
の向上と集塵能力の低下を防止することができ、
その実益は多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るバツグ集塵装置を示したも
ので、第１図は装置の構造を示す断面図、第２図
は空気ノズルとフイルタバツグの取付部との位置
関係を示す説明図、第３図は空気ノズルの構造を
示す説明図、第４図はフイルタバツグの開口部に
おけるフイルタバツグ先端支持部の説明図であ
る。 １……本体、２……隔壁、３……濾過室、４…
…浄化空気室、５……吸引口、５ａ……ベンチユ
リー部、６……フイルタバツグ、６ａ……先端
部、７……ホツパ、８……含塵気体吸入口、９…
…空気圧送パイプ、１０……空気ノズル、１０ａ
……噴射口、１１……排気ダクト、１２……支持
金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集塵機本体が隔壁で上下に濾過室と浄化空気室
   とに区画され、両室が前記隔壁に穿設された多数
   の吸入口へ夫々開口部を嵌着して吊下されたフイ
   ルタバツグを介して連通され、各吸入口に、フイ
   ルタバツグの外面に付着したダストを払い落すべ
   くバツグ内へ高圧気体を噴射する噴射口を有する
   空気ノズルが備えられたバツグ集塵装置におい
   て、前記フイルタバツグが、閉塞部先端側を内側
   へ反転して引き込み、断面Ｗ状に形成され、且つ
   前記空気ノズルをフイルタバツグの中心線上に配
   置すると共に、その空気ノズル先端に、斜め外方
   に向けた複数の噴射口を設けたことを特徴とする
   バツグ集塵装置。