JPH048535B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、かぎ針（以下、簡単に“針”と呼
ぶ）の固定装置に関する。この種の固定装置は、
例えば、本出願人の欧州特許公開EP110271に記
載の如きクロツシエ編機に使用されるが、ラツセ
ル編機に使用することもできる。何れの場合も、
固定装置は、編機の針床に取付ける。

ガルーン用クロツシエ編機またはラツセル編機
の場合、通常、巾１cm当り10本またはより多数の
糸を含む帯材を作製する。この糸密度は、下着ま
たは運動着に使用する弾性帯材（特にリボン）に
は特に重要である。

［従来の技術］ 固定装置に一群のかぎ針を固定し、離隔用金属
板によつてかぎ針相互間に間隔を保持すること
は、米国特許第4137730号から公知である。かく
して、針は、密着することなく固定できるが、後
に、折れた針を交換する必要が生じた場合、すべ
ての針を外し、１本の針を交換した後、あらため
て綿密に統合しなければならず、従つて、著しく
時間がかかる。

一方、固定装置の１つの主部分に、密接するミ
ゾをフライス加工し、各ミゾに針シヤフトを受容
することは、米国特許第3823581号から公知であ
る。上記欧州開公報の第８，９図にも、同様のミ
ゾが示してある。これらのミゾの深さは、針シヤ
フトの高さに少なくともほぼ等しい。

［発明が解決しようとする課題］ 固定装置の１つの主部分の巾１cm当りにフライ
ス加工できるミゾの数には制約がある。巾１cm当
りのミゾの数を10以上に増加すると、ミゾの間の
ウエブの巾が0.2mm以下となる。細い針を使用し
てウエブの巾の狭小化を避けることはできない。
何故ならば、針は所定の安定性を有していなけれ
ばならず、従つて、巾が0.4mm以下の針の使用は
好ましくないからである。

ミゾの加工に多溝フライスを使用すれば、一群
の並置のミゾを一工程で作製できるが、この場合
も、細いウエブの破損のため比較的多量の不良品
が生ずるので、相互間に残存するウエブが0.2mm
以下であるようなミゾを作製することは、技術的
に不可能である。

本発明は、巾１cm当り10本よりも多数の針を固
定すると云う問題点を原理的に解決することを目
的とする。

［課題を解決するための手段および作用効果］ 本発明のクロツシエ編機又はラツセル編機の針
床に固定するかぎ針の固定装置では、(a)固定部材
によつて相互に締付け得る２つの主部分を有し、
１つの主部分を針床に固定し、(b)１つの主部分に
針シヤフトを受容し、(c)針シヤフトの間に離隔用
金属板を設置した形式のものにおいて、(d)１つの
主部分には、各針群のための凹みが設けてあり、
(e)針シヤフトと同一の厚さの支持ストリツプが、
離隔用金属板との間に且つ凹みの底面と針シヤフ
トとの間に挿入してあることを特徴とする。

特許請求の範囲第１項にもとづき、米国特許第
4137730号と同様、針シヤフトの間に離隔用金属
板を設置する。しかしながら、各針を別個に交換
できるよう構成する。この目的は、離隔用金属板
の間に、針シヤフト自体以外に、支持ストリツプ
も押入することによつて、達成される。かくし
て、支持ストリツプおよび離隔用金属板から、針
シヤフトを個々に敷設できる櫛状構造体が得られ
る。極めて薄い離隔用金属板の使用には何等の問
題もないので、巾１cmに取付け得る針の本数を制
御する因子は、針シヤフトの所要厚さおよび針の
作動範囲の所要相互間隔のみである。

支持ストリツプおよび離隔用金属板は、１つの
主部分に取付ける。従つて、固定部材を外せば、
各針を簡単に交換することができる。

特許請求の範囲第２項にもとづき、支持ストリ
ツプと離隔用金属板とを相互に接着すれば、針の
交換時、他の部材のズレが、より確実に防止され
る。

特許請求の範囲第４項にもとづき、主部分を軽
金属から構成すれば、固定装置の慣性質量が減少
され、従つて、針床の往復運動時に固定装置を定
常的に加速できる。かくして、編機の作業速度を
増加できる。

なお請求の範囲に記載した参照符号は理解を容
易にするためのものであり、本発明を必ずしも図
示のものに限定することを意図しない。

［実施例］ 添付の図面を参照して以下に本発明の実施例を
詳細に説明する。

第１図、第２図に示した固定装置は、２つの軽
金属製主部分、即ち、下半部２及び締付蓋４を有
する。この場合、締付蓋４の円筒形開口を介して
下半部のネジ穴８と係合するネジボルト６が、下
半部２に締付蓋４を締付固定するための固定部材
として働く。下半部には、横断面が長方形のミゾ
の形の凹み１０が設けてある。各凹みには一群の
支持ストリツプ１２が設置してある。最外側の支
持ストリツプは、凹み１０の外壁１４に当接す
る。２つの支持ストリツプの間には、それぞれ、
離隔用金属板１６が設けてある。支持ストリツプ
の高さは、離隔用金属板の高さよりも低いので、
針床１８を含む櫛状構造体が生ずる。支持ストリ
ツプ１２は、固定すべき針のシヤフト２０と同一
の厚さを有する。

針シヤフト２０の厚さ、支持ストリツプ１２の
厚さ、離隔用金属板１６の厚さおよび凹み１０の
巾は、すべての支持ストリツプおよび針シヤフト
がプレスばめ状態で凹みに圧入され、しかも、両
側の側壁１４に、それぞれ、針シヤフトが当接す
るよう、設計する。

針２０は、湾曲端２２を有し、上記端部が締付
蓋４の背面に当接するよう固定する。かくして、
すべての針をその縦方向に関して簡単に揃えるこ
とができる。従つて、各針の交換作業および配列
作業を極めて簡単に行い得る。

離隔用金属板と支持ストリツプとを相互に接着
することがきる。この構成にもとづき、締付蓋を
外した後、他のすべての針は手を触れずに針床１
８に保持したまま、１つの針を交換することがで
きる。

第１，２図に示した如く、固定装置は、構造が
極めて簡単であり、従つて、僅かなコストで作製
できる。編機の針床に固定するための部材は、公
知であり、ここでは説明しない。

下記の２つの数値例から明らかな如く、本発明
にもとづき、凹み１０の巾１cm当り比較的多数の
針を取付けることができる。

例１ 例２ 厚さ（mm） 針 0.5 0.4 離隔用金属板 0.2 0.15 合 計 0.7 0.55 針数／cm 14.3 18.2 凹み１０に取付ける部材の高さは、例えば、下
記の数値をとりうる。

支持ストリツプ 5.0mm 離隔用金属板 6.0mm 針 1.5mm 支持ストリツプおよび離隔用金属板は、軟鉄ま
たは鋼から構成できる。これらの部材の厚さは、
全長にわたつて均一であることが肝要である。

上記実施例において、各針を交換する場合ネジ
ボルト６をゆるめ（ネジボルトを除去する必要は
ない）、次いで、各針を後方へ引出し、新しい針
を挿入し、締付蓋４に対してすべての針を揃え、
ネジボルトを再び締付ければよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る固定装置の第１実施例
の針の縦方向に垂直な断面図、第２図は、第１図
の線−に沿う、即ち、針の縦方向に平行
な断面図である。 ２……下半部＝主部分、４……締付蓋＝主部
分、６……ネジボルト、１０……凹み、１２……
支持ストリツプ、１６……離隔用金属板、１８…
…針床、２０……針シヤフト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ クロツシエ編機またはラツセル編機の針床に
   固定するかぎ針（針）の固定装置であつて、(a)固
   定部材によつて相互に締付け得る２つの主部分を
   有し、１つの主部分を針床に固定し、(b)１つの主
   部分に針シヤフトを受容し、(c)針シヤフトの間に
   離隔用金属板を設置した形式のものにおいて、(d)
   １つの主部分には、各針群のための凹みが設けて
   あり、(e)針シヤフトと同一の厚さの支持ストリツ
   プが、離隔用金属板との間に且つ凹みの底面と針
   シヤフトとの間に挿入してあることを特徴とする
   固定装置。 ２ 支持ストリツプ１２と離隔用金属板１６と
   が、相互に接着してあることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の固定装置。 ３ (a)凹み１０が、横断面が長方形のミゾの形で
   あり、(b)凹みの側壁１４が、両端の支持ストリツ
   プ１２および両端の針のシヤフト２０を側方に関
   して支持するのに役立つことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の固定装置。 ４ 主成分が軽金属から成ることを特徴とする特
   許請求の範囲１〜３項の一に記載の固定装置。