JPH0482575A - ゴルフクラブヘッドの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、チタンやチタン合金等からなる中空の金属製
ゴルフクラブヘッドの製造方法に係わり、特に、溶接に
起因する歪を低減するための改良に関する。

「従来の技術」 最近では、従来の木製ゴルフクラブヘッドに代わって、
飛距離が大きく、打球方向が正確な金属製ゴルフクラブ
ヘッドが普及しつつあり、特にチタンまたはチタン合金
は、高い反発力および耐食性が得られる点でヘッド素材
として優れている。

この種の金属製ゴルフクラブヘッドの製造方法としては
、特開昭６３−１５４１８６号公報に示される方法が周
知である。これは、チタンまたはチタン合金板をプレス
成形したソール部材、フェース部材、上面部材の３部材
を溶接して一体化し、中空のヘッドを形成する方法であ
る。

「発明が解決しようとする課題」 しかし上記の方法では、３個の部材を溶接するため溶接
部の全長か長く、溶接作業に手間がかかる問題があった
。特に、チタンまたはチタン合金の溶接は不活性雰囲気
下で行なわねばならないうえ、熟練を要し、さらに溶接
後のビードを研摩して仕上げるには溶接長に比例したコ
ストがかかる。

このため生産性が低く、製造コストが高くつくという欠
点を有していた。また、溶接長が大きいため、歪も大き
く、精度に問題があった。

そこで本発明者らは、ろう型性を用いた精密鋳造法によ
り、第３図および第４図に示すように底部のみが開口し
たヘッド本体ｌを一体鋳造する一方、このヘッド本体１
の底面開口部２に、プレス成形したソール板３を被せて
接合縁の全周を溶接する方法を発案した。この方法によ
れば、溶接部の全長が短くでき、生産性を高めて製造コ
ストの低減が図れる。なお、４はシャフト挿入部、５は
シャフト孔、６はバランスウェイトである。

ところが、実際にこのようなゴルフクラブヘッドを作成
したところ、ソール板３を溶接した後に、ヘッド本体１
の前面に形成されたフェース部ＩＡ（打球部）に歪が生
じ、ロフト角α（ソール面に対する垂直線とフェース面
がなす角）が設計値からずれる問題が見出だされた。

本発明者らはこの原因を詳細に検討し、その結果、当初
の溶接法に問題があることを突き止めた。

すなわち、当初はフェース部ＩＡとソール板３との接合
縁を溶接した後、続いて他の部分を連続的に溶接してい
た（第４図中ＰＩ−Ｐ４→Ｐ３−Ｐ２→Ｐ１、あるいは
Ｐ４→ＰＩ−４Ｐ２→Ｐ３→Ｐ４）。これは、フェース
部ＩＡの肉厚が他よりも大きいため、溶接初期において
高い固定強度を確保する配慮からであった。

しかし上記の溶接方法では、厚肉のフェース部ＩＡとの
接合縁（Ｐ　１〜Ｐ４）を溶接するのに時間がかかるた
め、ここを溶接しているうちにフェース部ＩＡを介して
ヘッド本体！の全体に熱が回ってしまい、ヘッド本体ｌ
が熱膨張で変形した後に、他の部分との接合縁（Ｐ４〜
Ｐ３〜Ｐ２〜ＰＩ）を溶接することになる。このため、
ヘッド本体ｌは熱変形したままの状態でソール板３によ
り固定され、溶接完了後に生じる熱収縮等によってフェ
ース部ＩＡに歪が生じるのである。

「課題を解決するたぬの手段」 本発明は上記の新規な知見に基づいてなされたもので、
以下、第１図および第２図を用いて具体的に説明する。

なお、これらの図で、先の図と同一部分には同符号を付
している。

第１図中符号ｌはヘッド本体であり、このヘッド本体ｌ
はチタンまたはチタン合金（例えばＴｉ６ｗｔ％Ａｌ−
４ｖｔ％■）で鋳造されている。鋳造法としてはロスト
ワックス法を用いた精密鋳造法が好適である。

このヘッド本体ｌは、底面に開口部２が形成された中空
のもので、側壁部の前面側は、他の部分に比して厚肉の
フェース部ＩＡとされている。また、ヘッド本体ｌの上
部ＩＣにはシャフト孔５を有するシャフト挿入部４が一
体形成されている。

一方、符号３はソール蓋であり、このソール蓋３は前記
同様のチタンまたはチタン合金の板材をプレス加工し、
必要に応じて模様を刻印したうえ、所定の曲面形状を付
与したものである。また、このソール蓋３の後部上面に
は、バランスウェイト６か固定されている。

本発明の方法の特徴は、ソール蓋３の溶接順序を変更し
た点にある。

すなわち、この方法ではまず、第２図に示すようにバラ
ンスウェイト６を固定したソール蓋３をヘッド本体１の
開口部２に被せたうえ、フェース部ＩＡとソール蓋３の
接合縁の一端部（ＰＩまたはＰ４）から後方へ向けて連
続的に溶接を開始する。そして、前記側壁面の他の部分
とソール蓋３との接合縁（Ｐ　１〜Ｐ２〜Ｐ３〜Ｐ４）
を経て、最後にフェース［ＩＡとソール蓋３との接合縁
（Ｐｌ−Ｐ４）を溶接する。実際には以下の２通りの順
序が可能で、両者の溶接結果には差がない。

■　ｐｔ→Ｐ２→Ｐ３→Ｐ４→Ｐ１ ■　Ｐ４→Ｐ３→Ｐ２→Ｐ１→Ｐ４ なお、溶接は継目が生じないように、始点・終点を除い
て連続的に行なうことが必要である。不連続箇所が増え
ると、溶接部を研摩した後にもビ−ドに光沢の異なる継
目跡が残り、美観を損ねるだけでなく、継目にビードの
オーバーラツプが生じ、溶接部の空洞化を引き起こす原
因になることもある。

溶接方法としては、従来使用されているいかなる方法で
もよく、例えばＴＩＧ溶接法、ＭＩＧ溶接法、電子ビー
ム溶接法等を用い、アルゴン等の不活性雰囲気中、ある
いは真空中で溶接することができる。

上記構成からなるゴルフクラブヘッドの製造方法によれ
ば、薄肉の側壁部とソール蓋３との接合縁（ＰＩ〜Ｐ２
〜Ｐ３〜Ｐ４）を先に溶接するため、溶接速度を大きく
とることができ、ヘッド本体ｌの全体に熱が回らないう
ちに前記接合縁（Ｐｉ〜Ｐ２〜Ｐ３〜Ｐ４）を固定する
ことができる。

そして、このようにソール蓋３をほぼ固定したうえで、
厚肉のフェース部ＩＡとソール蓋３との接合縁（Ｐ４〜
ＰＩ）を溶接するため、熱伝導によりヘッド本体ｌの熱
膨張が進行しないうちに、ソール蓋３をヘッド本体ｌに
対し完全に固定することができる。したがって、溶接完
了後の熱収縮によるフェース部ＩＡの歪が生じず、ロフ
ト角αに狂いが生じることが防止できる。

なお、本発明が対象とするゴルフクラブヘッドは図示の
形状に限らないし、チタンおよびチタン合金以外の金属
素材を使用したヘッドにも適用可能である。

「実施例」 次に、実施例を挙げて本発明の効果を実証する。

ロストワックス法により、チタン合金（Ｔｉ−６ｗｔ％
Ａｌ−４ｗｔ％Ｖ）を用いて第１図および第２図に示し
た形状のヘッド本体ｌを精密鋳造した。各部の寸法は以
下の通りである。

水平方向長径・７０友！ 水平方向短径＋５５ｘｚ 高さ（シャフト挿入部４を除＜）：４０ｊｕ＋フ工−ス
部ＩＡの肉厚：３．２Ｉｌｕ＋他の側壁部の肉厚：　１
．５貢肩 設計ロフト角α：　１１゜ 一方、純チタンの金属板をプレス加工してソール蓋３を
形成した。寸法は次の通りである。

長径：６９＋＋＋＋ｗ 短径：５４１夏 肉厚、２．５屓！ 次に、ヘッド本体の開口部にソール蓋３を下記３通りの
方法■〜■でそれぞれ溶接し、室温まで冷却した。

■　ＰＩ→Ｐ２→Ｐ３→Ｐ４→Ｐｉ（実験例１）■　Ｐ
４−Ｐ３→Ｐ２→ＰＩ−Ｐ４（実験例２）■　ＰＩ−４
Ｐ４→Ｐ３→Ｐ２→Ｐｉ（比較例）溶接条件は以下の通
りである。

溶接方法＋　ＴｉＣ法 溶接雰囲気：Ａｒ 溶接構出カニ６０〜８０Ａ 溶接棒種：Ｔｉ−３ｖｔ％Ａｌ−２，５ｗｔ％Ｖフェー
ス部の溶接速度・５　ｃ履／　ｓｉｎ。

他の側壁部の溶接速度＋　７ｃｘ／ｗｉｎ。

次いで、得られた３種のゴルフクラブヘッドのロフト角
αの測定を行ない、前記設定ロフト角からの角度の狂い
を計算した。その結果を次表に示す。

「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係わるゴルフクラブヘッ
ドの製造方法では、ヘッド本体のフェース部を除く比較
的薄肉の側壁部とソール蓋との接合縁を先に溶接するた
め、溶接速度を大きくとることができ、ヘッド本体ｌの
全体に熱が回らないうちにソール蓋をほぼ固定する。次
いで、厚肉のフェース部とソール蓋との接合縁を溶接す
るから、熱伝導によりヘッド本体の熱膨張が進行しない
うちにソール蓋を完全に固定することができ、溶接完了
後の熱収縮によりフェース部に歪が生じることを防いで
、ロフト角の狂いを防止することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、本発明に係わるゴルフクラブヘ
ッドの製造方法を示すヘッドの縦断面図および底面図、
第３図および第４図は、従来の製造方法を示すヘッドの
縦断面図および底面図である。 ｌ・・・ヘッド本体、 ＩＢ・・他の側壁部、 ３・・・ソール蓋、 ５・・・シャフト孔、 ＩＡ・・フェース部、 ２・・・開口部、 ４・・・シャフト挿入部、 ６・・・バランスウェイト。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）側壁部の前端側が、この側壁部の他の部分に比し
   て相対的に厚肉なフェース部とされ、底面には開口部が
   形成された中空のヘッド本体を金属で一体的に鋳造する
   一方、 前記開口部に対応した形状をなす平板状のソール蓋を金
   属で成形し、 このソール蓋を前記開口部に被せたうえ、前記フェース
   部とソール蓋の接合縁の一端から後方へ向けて連続的に
   溶接を開始し、前記側壁面の他の部分とソール蓋との接
   合縁を経て、最後にフェース部とソール蓋との接合縁を
   溶接することを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方
   法。
2. （２）前記金属は、チタンまたはチタン合金であること
   を特徴とする請求項１記載のゴルフクラブヘッドの製造
   方法。