JPH0476781B2 - - Google Patents

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JPH0476781B2
JPH0476781B2 JP63035805A JP3580588A JPH0476781B2 JP H0476781 B2 JPH0476781 B2 JP H0476781B2 JP 63035805 A JP63035805 A JP 63035805A JP 3580588 A JP3580588 A JP 3580588A JP H0476781 B2 JPH0476781 B2 JP H0476781B2
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JP
Japan
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fiber
nonwoven fabric
fibers
laminate
layer
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JP63035805A
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English (en)
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JPH01209131A (ja
Inventor
Naoyuki Kato
Etsuo Wakabayashi
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Priority to EP88117120A priority patent/EP0312090B1/en
Priority to DE3887811T priority patent/DE3887811T2/de
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は熱成形性及び形状保持性に優れた繊維
質積層体及びその製造方法に関し、特に自動車等
の車両内装材として深絞り成形が可能で熱成形性
に優れ、かつ、形状保持性の良好な繊維質積層体
及びその製造方法に関するものである。 [従来の技術] 従来、自動車の内装材として、ニードルパンチ
した不織布に、軟化点が100〜130℃の熱可塑性樹
脂の水性エマルジヨンを塗布又は含浸させて乾燥
した成形性に優れた繊維マツトや、ポリエチレン
テレフタレートなどの高融点の繊維と100〜130℃
の融点を有する熱可塑性樹脂繊維バインダーとの
混合繊維よりなる不織布マツトなどを、加熱し、
プレス成形して自動車のフロア形状に合せて成形
したカーペツトが用いられている。 しかし、これらのカーペツトはそれ自体では豪
華さに欠け、しかも、剛性、弾性、成形性などの
カーペツトとしての各種要求性能がある中でいず
れかの性能が不満足であるために、これらカーペ
ツトの表面にタフテツドカーペツトやニードルパ
ンチカーペツトなどの表装材を接着剤やホツトメ
ルト剤を用いて接着させたり、さらに樹脂シート
や発泡体シートを裏打ちしたカーペツトなども使
用されている。だが、これらカーペツトにおいて
も通気性及び柔軟性の点において問題がある。 一方、本発明者等は、先にカーペツトの通気性
を低下させずにカーペツトの裏打ちをする方法と
して、タフテツトカーペツトの裏面に、融点が60
〜200℃の熱可塑性樹脂繊維バインダーと該繊維
バインダーの融点よりも40℃以上高い融点を有す
る繊維とを混合したフエルト層にニードリングを
施して製造したウエブを、繊維バインダー不織布
を介して加熱圧着成形する方法(特開昭61−
135614号公報参照)を提案した。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記特開昭61−135614号公報で
提案したカーペツトの裏打ち方法は、ホツトメル
ト接着剤の膜が連続している従来のものと異な
り、接着層が空隙を有する不連続のものであるこ
とから、通気性及び柔軟性を損なわない点で優れ
たものである。 だが、この方法では、 裏打ちに用いる繊維マツトに繊維バインダー
を混合する場合、均一性に問題が生じる。その
ため繊維バインダーと他繊維の混合を十分に行
なう必要があり、安定した成形性を得ようとす
るためには成形性を改良させたり、繊維の固定
をできるだけムラなく行なわなければならな
い。 カーペツトと繊維マツトとの接着をより確実
にするためには、熱可塑性繊維バインダーの透
水性不織布を両者の間に挟んで熱圧着させた
り、他の素材と接着させるためにはホツトメル
ト接着剤(不織布バインダー、熱可塑性樹脂フ
イルム、熱可塑塑性樹脂パウダーなど)が必要
となる。 床等に用いる成形材の場合には、空隙を埋め
たり、凹凸面を吸収したり、クツシヨン性を付
与するために、加熱成形時にアンダーフエルト
を同時に成形体と接着しなければならない。 などの問題がある。 なお、ニードリングのみの結合手段では表装材
の表面の荒れや接着力の不足が生じ、また、ホツ
トメルト接着剤とニードリングの併用でもカーペ
ツトの表面の荒れが生じる。 [問題点を解決するための手段] 本発明は、上記で提案されたカーペツトの裏打
ち方法を更に改良し、簡便、かつ、低廉で、装飾
性に富む成形性及び形状保持性に優れた裏打ちさ
れたカーペツトを製造し得る繊維質積層体の製造
方法を提供するものである。 すなわち、本発明は、融点が60〜200℃の熱可
塑性繊維バインダー不織布より形成される上下不
織布層A,Bと、該上下不織布層A,Bにより挟
着された前記熱可塑性繊維バインダー不織布の融
点より40℃以上高い融点を有する合成繊維又は天
然繊維を主成分とする繊維マツト層Cとから構成
され、かつ該上下不織布層A,Bの繊維バインダ
ー不織布の繊維が繊維マツト層Cの合成繊維又は
天然繊維と絡み合つて接合している積層体マツト
Dに、表装材Eを積層してなる繊維質積層体にお
いて、前記合成繊維又は天然繊維を主成分とする
繊維マツト層Cにガラス転移点50℃以上の樹脂の
エマルジヨン樹脂固形分が該繊維100重量部当り
10〜100重量部含有するものであることを特徴と
する繊維質積層体、及び、熱可塑性繊維バインダ
ー不織布層A,Bの融点より40℃以上高い融点を
有する合成繊維又は天然繊維を主成分とする繊維
マツト層Cの表裏面に、前記熱可塑性繊維バイン
ダー不織布層A,Bをそれぞれ積層し、ニードル
パンチを施してなる積層体マツトDを、ガラス転
移点50℃以上の樹脂のエマルジヨン中に浸漬して
該エマルジヨンを含浸させた後、さらに、表装材
Eを重ねて加熱及び圧縮することによつて、該エ
マルジヨンを乾燥させると共に前記繊維バインダ
ー不織布層A,Bの繊維バインダーを溶融させて
表装材Eと繊維マツト層Cとを熱融着させること
を特徴とする繊維質積層体の製造方法である。 [発明の具体的説明] (1) 繊維質積層体 本発明の繊維質積層体は、第1図に示すごと
く、主として、エマルジヨン樹脂固形分を含有す
る繊維マツト層Cの両面に上層繊維バイダー不織
布層Aと下層繊維バイダー不織布層Bとを重ね合
わせた三層構造からなる積層体をニードリングな
どによつて上下繊維バインダー塁疫布層A,Bの
繊維と繊維マツト層Cの繊維とを絡み合わせて接
合した積層体マツトDの片面に、ニードルパンチ
カーペツトなどの表装材Eを重ねて積層した構造
のものである。 繊維バインダー不織布層A,B 本発明の繊維質積層体を構成する繊維バインダ
ー不織布層A及びBとしては、熱可塑性樹脂繊維
より形成された不織布からなる層であり、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、線状ポリエステル、ポ
リアミドなどの樹脂繊維、あるいは、これらの複
合繊維などで形成されており、融点が60〜200℃、
好ましくは90〜170℃のもので、目的に応じて細
くても太くてもよいが、通常3デニール以上で、
繊維の長さは絡みの面から8mm以上が好ましく、
この樹脂繊維をスパンボンド法やニードルパンチ
手法により絡み合わせて得られる。また、カード
等により得られる繊維ウエブ状態のものや、この
繊維ウエブがバインダーで固着されたものでもよ
い。 この繊維バインダー不織布A,Bは、ポリプロ
ピレン、低融点ポリエステル、低融点ポリアミド
などの樹脂のペレツトを押出機を用いて溶融し、
細い孔を多数有するダイよりトコロテン状に押し
出し、これを風に乗せて個々の繊維が収束しない
ように引き出し、ダイの下方にあるスクリーン上
に沈積させ、これを巻き取り機で引き取つて製造
したものであつても良い。 かかる繊維バインダー製不織布は、水が通過で
きる間隙を多数有するもので、例えばダイアボン
ド工業(株)より「メルトロンW」の商品名で、ポリ
アミド系のものがPAY−200、PAS−200、ポリ
エステル系のものがES−500、エチレン・酢酸共
重合体系のものがY−7のグレード名で市販さ
れ、また、三井石油化学工業(株)からはポリプロピ
レン系のものが「シンテツクス」PK−103、PK
−106、PK−404、PK−408などの商品名で、ポ
リエチレン系のものが「アドメル」の商品名で、
さらに、呉羽センイ(株)からは同様な不織布が
「DYNAC」の商品名でLNS−0000、LNS−
2000、ES−00、B−1000、B−2000、B−3000
などグレード名を付して市販されている。 この繊維バインダー不織布層Aの繊維バインダ
ー融点は、繊維マツト層Cの繊維の主成分を占め
る繊維の融点より40℃以上低い融点を有するもの
が好ましい。それはは不織布層Aを溶融させる温
度として、通常、不織布層Aのバインダー繊維の
融点より20〜30℃高い温度が用いられるからであ
る。 繊維バインダーA,Bの目付量は通常6〜
600g/m2、好ましくは10〜500g/m2で、通気性
のあるものであるのが良い。 さらに、この繊維バインダー不織布層A,B
は、単一の繊維種でなくてもよい。例えばポリプ
ロピレンとポリエチレンの混合繊維でもよい。さ
らに30%以内であれば高融点繊維が混合していて
も差支えない。回収繊維を使用する場合には高融
点を有する繊維が混入することもある。 また、Aをポリプロピレン繊維バインダー不織
布に、Bをポリエチレン繊維バインダー不織布に
してもよい。 繊維マツト層C 本発明の繊維質積層体を構成する繊維マツト層
Cを形成する繊維としては、一般に合成繊維又は
天然繊維が用いられるが、両者の混合繊維を用い
ることもできる。 上記合成繊維としてはポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアミド、ポリアクリロニトリルなど
の、上記繊維バインダー不織布層Aの融点よりも
40℃以上、好ましくは70℃以上の高い融点(具体
的には200〜280℃)を有する熱可塑性樹脂の繊維
が用いられる。 また、天然繊維としては、木綿、麻、羊毛、雑
フエルト、屑ポリエステル繊維などが用いられ
る。 この繊維マツト層Cは、融点が60〜200℃の繊
維バインダーを5〜50重量%の割合で含んだもの
であつてもよい。 該繊維マツト層Cは、その表裏両面に積層され
た上記繊維バインダー不織布層A,Bと共にニー
ドリングによつて両者の繊維を絡み合わせて一体
化することができるので、必ずしも予めC層のみ
のニードリングやエマルジヨン接着剤含浸によつ
て繊維マツト層C自体に十分な保形性を与えてお
く必要はない。 また、前記繊維としては必ずしも良質のものを
用いなくも、屑繊維のウエブを用いても十分その
目的を達成することができる。すなわち、繊維バ
インダーAの融点よりも40℃以上、好ましくは70
℃以上高い融点を有する各種繊維、例えば羊毛、
ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリアセテー
ト、ポリエチレンテレフタレートなどを50重量%
以上含むもので、これを用いてカードでウエブと
したニードルパンチカーペツトや、さらに繊維積
層体をバインダーで固めたフエノールフエルトな
ども用いることができる。 また、繊維マツト層Cの目付量は一般に100〜
1000g/m2、好ましくは300〜750g/m2の範囲内
である。 積層体マツトD 上記繊維マツト層Cの両面に繊維バインダー不
織布層A,Bを重ね合わせた三層構造からなる積
層体にニードリングを施すことにより、繊維マツ
ト層Cの繊維が繊維バインダー不織布層A,Bの
繊維と絡み合つた積層体マツトとし、B層側より
エマルジヨンを含浸させるか、またはこの積層体
マツトをエマルジヨン浴中に浸漬することにより
C層全域にエマルジヨンが含浸された積層体マツ
トDが得られる。 また予め積層前の繊維マツト層Cの繊維マツト
にエマルジヨンを含浸させるか、またはエマルジ
ヨン浴に繊維マツトを浸漬した後、エマルジヨン
を半乾ないし完全乾燥したのち、その両面を繊維
バインダー不織布層A,Bでサンドイツチし、C
層にエマルジヨンが含浸された積層体マツトDを
得た。 繊維バインダー不織布層A,Bの積層量は、そ
れぞれ繊維マツト層Cの10〜100重量%で用いら
れる。 ニードリングを行なう場合は、繊維バインダー
不織布層と繊維マツト層とを、好ましくは垂直
に、貫通して行なうことが必要であり、これによ
り、繊維マツト層Cの全体にわたつて、繊維バイ
ンダー不織布層Aのバインダー繊維が繊維マツト
層C中に挿入される。ニードリングは繊維バイン
ダー不織布層Aの繊維バインダーの5〜80%が繊
維マツト層Cの繊維に絡み合わされるようになる
まで行なわれる。ただし、ニードリングされる前
の繊維マツト層Cに繊維バインダーが5〜50重量
%含まれている繊維マツト層Cが用いられる場合
には、必ずしもニードルが繊維マツト層Cを完全
に貫通するまで挿入する必要はない。 ニードリングは前記積層体のどちらの面から行
なつてもよいが、繊維バインダー不織布層Aの方
からニードリングする場合、繊維バインダー不織
布層Aのバインダー繊維は、ニードリングによつ
て繊維マツト層C中に5〜80%挿入されるが、残
り95〜20%は積層体マツトDの表面に繊維バイン
ダー不織布層Aとして残り、繊維バインダー層A
と繊維マツト層Cとの層構造は明瞭で、かつ、繊
維マツト層C中には繊維バイダー層Aのバインダ
ー繊維が存在している。この場合、当然のことな
がら、繊維マツト層Cの繊維は、その一部が反対
側の繊維バインダー不織布B中に挿入され、該不
織布繊維と絡み合わされている。 すなわち、該積層体マツトDは、ニードリング
によつて繊維バインダー不織布層A中の繊維バイ
ンダーが繊維マツト層Cに垂直に挿入され、また
繊維マツト層Cの繊維も反対側の繊維バインダー
不織布層B中に侵入するので、三層の繊維が絡み
合つて一体となつている。もちろんニードリング
は繊維バインダー不織布層B側から行なつてもよ
い。 上記繊維マツト層Cと繊維バインダー不織布層
A,Bとの積層後に行なわれるニードリングは、
針を1平方インチ当り80〜300本の割合で垂直方
向で反対側に突き通すことによつて行なわれる。 表装材E 上記ニードリングした積層体マツトDに重ね合
わされる表装材Eとしては、前記繊維バインダー
不織布Aの融点よりも40℃以上、好ましくは70℃
以上高い融点を有する繊維、例えば羊毛、ナイロ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリアセテート、ポ
リエチレンテレフタレートなどの繊維を素材とし
て得たニードルパンチカーペツト、ポリプロピレ
ン製フラツトヤーンで編んだ一次基布(これに
は、カーペツト類や織布等に一般に行なわれてい
るバツキング処理が施されていてもよい)上にポ
リアミド、ポリエチレンテレフタレート製のパイ
ルを起立させたタフテツドカーペツト用原反、ま
たは上記ニードルパンチカーペツトやスパンボン
ド不織布を一次基布とし、その上にパイルを起立
させたタフテツドカーペツト原反などがある。 なお、この表装材Eは必ずしもカーペツト自体
でなくてもよく、その使用目的に応じて織布、合
成皮革、紙、合成紙、プラスチツク類などの化粧
シートが使用される。 エマルジヨンF 本発明の繊維質積層体を構成する繊維マツト層
Cに含浸されるエマルジヨンは、その樹脂固形分
としてガラス転移点が50℃以上、好ましくは80〜
180℃の樹脂を水あるいは有機溶媒に分散せしめ
た、粒径が一般に0.01〜5μm、好ましくは0.05〜
1.5μmのエマルジヨンであり、本発明の繊維質積
層体で繊維マツト中に存在する樹脂固形分は、該
エマルジヨンを含浸させて乾燥した樹脂である。 前記ガラス転移点が50℃以上の樹脂を具体的に
例示すれば、スチレン・アクリル酸の低級エステ
ル(エステルの炭素数は2〜6)共重合体、スチ
レン・アクリル酸の低級エステル・アクリル酸共
重合体、メタクリレート・アクリル酸の低級エス
テル(エステルの炭素数は2〜6)共重合体、塩
化ビニリデン共重合体(塩化ビニリデン含量が85
重量%以上)、スチレン・ジエン共重合体などの
熱可塑性樹脂がある。 最適には、 (a) ポリメタクリル酸n−プロピル(Tg81℃)、
ポリスチレン(Tg100℃)、ポリアクリロニト
リル(Tg100℃)、ポリメタクリル酸メチル
(Tg105℃)、ポリメタクリル酸(Tg130℃)、
ポリイタコン酸(Tg130℃)、ポリアクリルア
ミド(Tg153℃)などのホモ重合体の水性エマ
ルジヨン、 (b) これらの重合体の原料であるビニル単量体50
〜100重量%、好ましくは65〜95重量%と、他
のビニル単量体、例えばアクリル酸2−エチル
ヘキシル(Tg85℃)、アクリル酸n−ブチル
(Tg−54℃)、アクリル酸エチル(Tg−22℃)、
アクリル酸イソプロピル(Tg−5℃)、メタク
リル酸2−エチルヘキシル(Tg−5℃)、アク
リル酸n−プロピル(Tg8℃)、メタクリル酸
n−ブチル(Tg20℃)、酢酸ビニル(Tg30
℃)、アクリル酸t−ブチル(Tg45℃)、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル(Tg55℃)、メ
タクリル酸エチル(Tg65℃)、メタクリル酸イ
ソブチル(Tg67℃)、塩化ビニル(Tg79℃)
など、もしくはこれらビニル単量体と塩化ビニ
リデン(Tg−18℃)(50重量%以下、好ましく
は35〜5重量%)との共重合体の水性エマルジ
ヨン[この(b)項において、( )内に示される
Tgは、これらビニル単量体若しくは塩化ビニ
リデンのホモ重合体のガラス転移点である]、
及び (c) Tgが+50〜155℃の樹脂水性エマルジヨン50
〜97重量%、好ましくは55〜95重量%と、Tg
が−85〜+50℃未満の樹脂水性エマルジヨン50
〜3重量%、好ましくは45〜5重量%との混合
物などが挙げられる。 このエマルジヨン中には、得られる不織布に重
量感を付与するために炭酸カルシウム、酸化鉄、
フエライト、硫酸バリウムなどの充填材を配合す
ることができ、また、成形性を付与するために低
密度ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン・酢
酸ビニル共重合体などの低融点樹脂のパウダーを
配合することも可能である。 このようなエマルジヨンは、一般に積層体マツ
トDをエマルジヨン中に浸漬した後、ロールによ
り絞つて含浸させ、必要により乾燥させることに
よつて、積層体マツトD中にエマルジヨン樹脂固
形分として均一に分散させることができる。 含浸されたエマルジヨン樹脂固形分の含有量
は、前記繊維マツト層C中の合成繊維又は天然繊
維100重量部当り、10〜100重量部、好ましくは20
〜80重量部の範囲である。エマルジヨン樹脂固形
分が上記範囲より少ないと剛性の改善が得られ
ず、成形後の形状保持性も改善が期待できない。
また多過ぎると硬くなりすぎ、レジンフエルトの
感じとなる。 (2) 繊維質積層体の製造 本発明の繊維質積層体を製造するには、 前記繊維マツト層Cの表裏面に繊維バインダ
ー不織布層A,Bを積層してニードルパンチを
施して絡み合わせた積層体マツトDを、エマル
ジヨン中に浸漬し、ロールなどにより絞つて含
浸させた後、さらに、表装材Eを重ねて加熱及
び圧縮することによつて、該エマルジヨンを乾
燥させると共に前記繊維バインダー不織布層
A,Bの繊維バインダーを溶融させて表装材E
と繊維マツト層Cとを熱融着せしめる。 積層体マツトDと表装材Eを重ねた後、熱溶
着させ、ついで繊維バインダー不織布B側より
エマルジヨンを少なくともC層のマツト全域ま
で含浸させた後、乾燥し、これを加熱賦形す
る。これらの方法では、タフテツドカーペツ
ト、起毛カーペツト、織布に適する。 表装材Eは繊維バインダー不織布層Aの上に
載置され、最終的に熱融着された状態となる
が、表装材Eを軽いニードリングにより繊維バ
インダー不織布層Aと絡み合わせておき、熱成
形時に繊維バインダー不織布Aにより熱融着さ
せる方法もとれる。ただし、の方法では表装
材Eの表面の荒れや製造工程がひとつ増えるこ
とによる欠点がある。この方法はプレーンニー
ドルカーペツトには適用しやすい。 加熱は繊維バインダー不織布層Aが溶融する温
度以上の温度で、しかも、表装材E及び繊維マツ
ト層C中の高融点繊維が溶融しない温度に加熱す
ることが特に重要である(マツト層C中の繊維バ
インダーは溶融してもよい)。 圧縮は熱融着のみの場合には1Kg/cm2程度の加
圧ロールで十分であり、熱融着と同時に床の形状
に合わせて成形する場合やマツトの密度をも調節
する場合には5〜50Kg/cm2程度の圧力が必要であ
る。 熱融着のみの場合の加熱及び圧縮は、ロールな
どを用いて連続的に行なうこともできる。 本発明の繊維質積層体は、設置される床などの
形状に合わせて加熱成形することができる。この
時、繊維質積層体の表装材Eとの反対側には他の
素材を熱融着させることもできる。この加熱成形
は上記の表燥材Eの熱融着と同時に行なうことも
でき、また、一旦熱融着させたシート状のもの
を、用途に応じて必要な形状に成形することもで
きる。 [実施例] 本発明の繊維質積層体をさらに詳細に説明する
ために、以下に実施例を挙げて具体的に説明す
る。しかしながら、これら実施例は本発明の繊維
質積層体を限定するもののではない。 実施例 1 繊維バインダー不織布層Aとしては、16デニー
ル、50mm長さのポリプロピレン(融点164℃)繊
維、250g/m2をカードにてウエブした厚さ3mm
のものを用いた。また、繊維バインダー不織布層
Bとしては同じものを50g/m2厚さ1mmのものを
用いた。 これら繊維バインダー不織布層A及びBを豊和
繊維(株)のフエノールフエルト層C「フエルトツプ
10t」(商品名、10mm厚、ソフトタイプ、目付
550g/m2)の表面及び裏面にそれぞれ重ね合わ
せ、その状態で1平方インチ当り150本の割合で
ニードリングして、肉厚約13mm、見掛け密度
0.065g/cm3の積層体マツトDを得た。 得られた積層体マツトDをスチレン(85重量
%)・アクリル酸メチル(12重量%)・アクリル酸
(3重量%)三元共重合体の水性エマルジヨン
(樹脂平均粒径が0.1μm、固形分50重量%、樹脂
の軟化点が約120℃)の浴槽に浸漬させた後、浴
槽より取り出して積層体マツトDをロールにより
絞つて積層体マツトD中の繊維100重量部当りエ
マルジヨン樹脂固形分の量が30重量部(樹脂固型
分量250g/m3)となるように含有させた。 次に、着色された16デニール、繊維長85〜120
mmのポリエチレンテレフタレート(融点264℃)
繊維カードをランダムに積み重ねた300g/m3
繊維マツトを素材とするプレーンタイプのニード
ルパンチカーペツトを表装材Eとして用いて、上
記積層体マツトDの繊維バインダー不織布層Aの
上面に重ね合わせた。そして、この積層体を190
℃に加熱してエマルジヨンを乾燥するとともにポ
リプロピレン製繊維バインダーを溶融させた後、
冷却プレス金型を用いて10Kg/cm2の圧力で60秒間
加圧成形し、金型に忠実な、一体化した厚さ6mm
の敷設用カーペツトを得た。また、成形時に金型
内に「フエルトツプ6t」(6mm厚)を置き同様に
成形した。 得られたカーペツトについて、以下の各種の特
性について評価した。結果は第1表に示す。 表装材の接着性 このカーペツトより150mm×50mmの試料片を切
取り、スパン100mmに支持し、インストロン型試
験機を用いて試料の表装材Eと繊維マツト層Cと
の剥離強度を測定した。 ヒートセツト性 積層体マツトDを180℃で60秒間、5cmの厚さ
に加熱圧縮したときの厚みのコントロール達成の
可否を測定した。厚みコントロールができたもの
を〇とし、できないものを×とした。 成形性 前記180℃、10Kg/cm2での金型成形による製品
の形状保持性を測定した。金型どおりの形状が得
られたものを◎とし、金型通りの形状が得られな
いものを×とした。 曲げ強度 試験片(縦120mm、横30mm)の一端を固定し、
固定した箇所により縦方向に100mmの箇所にイン
ストロン型試験機を用いて50cm/分の割合で試験
片に垂直に変形荷重を負荷した際の屈曲抵抗値を
測定した。 剛 性 試験片(縦300mm、横300mm)をその両端を外寸
縦300mm×横300mm、幅寸縦250mm×横250mmの台上
に載せ、試験片の中心に15mmφにて2.0Kg/cm2
圧力を加え、この時のこの試料片の肉厚以内のも
のを剛性が良好とし、肉厚を越えたものを剛性不
良とした。 他の素材との接着性 金型成形の際に、型内に「フエルトツプ6t」を
置いて成形し、裏面の熱可塑性繊維バインダー不
織布層Bに接着したフエルトを剥離し、接着され
た「フエルトツプ」層で破壊剥離し、熱可塑性繊
維バインダー不織布層B面にフエルト繊維が残つ
て接着している場合を◎とし、残つていないもの
を×とした。 裏面のテープ接着力 「フエルトツプ」を置かないで成形したものの
裏面の熱可塑性繊維バインダー不織布層B面に布
製のガムテープを貼着したときの接着度と貼着し
たガムテープを剥離したときの繊維の取れかたを
観察し、繊維の剥離しないものを〇とし、剥離し
たものを×とした。 比較例 1 実施例1において、熱可塑性繊維バインダー不
織布層A及びBを用いない以外は実施例1と同様
にして繊維質積層体を得た。 比較例 2 実施例1において、積層体マツトDをスチレ
ン・メタクリル酸メチル・アクリル酸三元共重合
体の水性エマルジヨンの浴槽に含浸しなかつた以
外は実施例1と同様にして繊維質積層体を得た。 実施例 2 実施例1において、熱可塑性繊維バインダー不
織布層A及びBとして融点が119℃のポリエチレ
ン製不織布(三井石油化学工業(株)製、商品名「ア
ドメル」、目付量100g/m2)を用いた以外は
【表】
【表】 実施例1と同様にして繊維質積層体を得た。 実施例 3 実施例1において、繊維マツトCとして、青山
産業(株)製「フアインニードル650L」(商品名、繊
維バインダーを20%含むフエルト、目付量
650g/m2)を用いる外は同様にして繊維質積層
体を得た。 実施例 4 実施例1において、繊維マツトCとして関西フ
エルト(株)のポリエステル系雑フエルト(ニードル
フエルト、8mm厚、目付量650g/m2)を用いて
他は同様にして繊維質積層体を得た。 比較例 3 実施例1において、ポリプロピレン繊維バイン
ダー不織布の代わりにポリエステル繊維不織布を
用いる他は同様にして繊維質積層体を得た。 これらの繊維質積層体の物性を第1表に示す。 [発明の効果] 本発明の繊維質積層体は、繊維マツト層Cにエ
マルジヨン樹脂固形分が含有されており、しか
も、繊維マツト層Cの両面が繊維バインダー不織
布層A,Bにより挟まれ、ニードリングによつ
て、この繊維バインダー不織布層A,Bの繊維バ
インダーが繊維マツト層C内に入り込んで相手繊
維と絡み合つているで、加熱によつて繊維マツト
層C自体がヒートセツトされ易く、基層としての
強度、硬さ及び成型性と形状保持性が与えられ
る。 また、繊維マツト層Cと繊維バインダー不織布
層A,Bとは両者を重ねてニードリングにより絡
み合わされるているので、従来のように両繊維を
均一に混合する必要がなく、工程を簡略化するこ
とができるなどの利点があり、工業的に極めて有
用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の繊維質積層体の断面図
である。 A……繊維バインダー不織布、B……繊維バイ
ンダー不織布、C……樹脂エマルジヨンを含浸さ
せた繊維マツト層、D……積層体マツト、E……
表装材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 融点が60〜200℃の熱可塑性繊維バインダー
    不織布より形成される上下不織布層A,Bと、該
    上下不織布層A,Bにより挟着された前記熱可塑
    性繊維バインダー不織布の融点より40℃以上高い
    融点を有する合成繊維又は天然繊維を主成分とす
    る繊維マツト層Cとから構成され、かつ該上下不
    織布層A,Bの繊維バインダー不織布の繊維が繊
    維マツト層Cの合成繊維又は天然繊維と絡み合つ
    て接合している積層体マツトDに、表装材Eを積
    層してなる繊維質積層体において、前記合成繊維
    又は天然繊維を主成分とする繊維マツト層Cに、
    エマルジヨンとして含浸されたガラス転移点50℃
    以上の樹脂が樹脂固形分として該繊維100重量部
    当り10〜100重量部含有されていることを特徴と
    する繊維質積層体。 2 繊維バインダーA,Bの積層量が、それぞれ
    繊維マツト層Cの10〜100重量%である請求項1
    に記載の繊維質積層体。 3 熱可塑性繊維バインダー不織布層A,Bの融
    点より40℃以上高い融点を有する合成繊維又は天
    然繊維を主成分とする繊維マツト層Cの表裏面
    に、前記可塑性繊維バインダー不織布層A,Bを
    それぞれ積層し、ニードリングを施してなる積層
    体マツトDを、ガラス転移点50℃以上の樹脂のエ
    マルジヨン中に浸漬して該エマルジヨンを含浸さ
    せた後、さらに、表装材Eを重ねて加熱及び圧縮
    することによつて、該エマルジヨンを乾燥させる
    と共に前記繊維バインダー不織布層A,Bの繊維
    バインダーを溶融させて表装材Eと繊維マツト層
    Cとを熱融着せることを特徴とする繊維質積層体
    の製造方法。
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