JPH0468189B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車、特に乗用車の上部構造に関す
る。

従来の技術 接着された後面ガラスの端領域が部分的にかぶ
さつたリヤルーフ横方向支持体を持つ自動車、特
に乗用車のルーフ構成すなわち上部構造はドイツ
公開公報第26 55 990号から公知である。

発明が解決しようとする問題点 本発明の課題は、自動車の走行方向に離間して
並列に配設され、横板２ｃ，３ｃによって互いに
接続され、ルーフ外板６の後端部にほぼその全巾
にわたって横方向に延びる２つのチヤンバ４，５
を持つ横方向支持体１と、前記２つのチヤンバの
間に上方へ開口して設けられた雨といと、前記横
方向支持体に固定された後面ガラスとを具備して
成る自動車の上部構造を、リヤシートの乗客の頭
を妨げることなく、流体力学上、空気の流れを良
好に保ちながら、自動車の走行中にルーフ外板に
降った雨を確実に後面ガラス（リヤウインドウ）
とルーフ外板の後端との間の雨とい内に案内し、
この雨が自動車の走行中に後面ガラス上を流れな
いようにすることにある。

問題点を解決するための手段 本発明の課題は、本発明の自動車の上部構造
を、ルーフ外板の後端部に、横方向支持体と、横
板によって互いに持続され自動車の走行方向に離
間して直列に配設されると共に前記横方向支持体
のほぼ全長にわたつて延びる２つのチヤンバと、
前記２つのチヤンバの間に上方へ開口して設けら
れた雨といと、前記横方向支持体に固定された後
面ガラスと設け、 (a) 前記後面ガラスを、自動車のルーフ外板の上
面の形状に滑らかに連なる形状を有し前記雨と
いの一部と自動車のりやシートとを覆う前方領
域と、この前方領域に滑らかに連なり前記リヤ
シートの後端に始まり前記後面ガラスの後端ま
で次第に下降する後方領域とで構成し、 (b) 前記ルーフ外板の後端部を、前記雨といより
も前方に離間して位置し自動車の横方向へ延び
る遅延稜とこの遅延稜から次第に下降しながら
前記雨といの前端部まで延びて前記雨といに接
続される傾斜部とで構成することによって達成
される。

本発明の特に有利な構造を特許請求の範囲第２
項以下に示す。

実施例 第１図に示した本発明の実施例は薄板構成とし
て端フランジ２ａ，３ａおよび２ｂ，３ｂにおい
て溶接または接着によつて互いに結合された下側
外被２および上側外被３で構成されたリヤルーフ
の横方向支持体１を示す。下側外被２と上側外被
３とにはそれぞれそれらのだいたい中央部に相手
の方に引き込まれた（くびれた）領域があり、そ
れらの最深部は互いに固着された横板２ｃ，３ｃ
で形成されている。横方向支持体１はこのように
して車両の縦方向に互いに前後にある２つのチヤ
ンバ４，５に分割されている。これによって横方
向支持体はきわめて背が低いとききわめてがん丈
になる。

車両のルーフ外板６は、横板３ｃ上にあつてこ
れと固着されている曲げられたフランジ７に終つ
ている。ルーフ外板６には２重に曲げられた端領
域を成し自動車の走行方向とは逆方向に次第に下
降する傾斜部８ａに移行する少し前に流れよせる
雨水用の遅延稜８がある。

車両の後部の方でその外形が後面ガラス９によ
つて中断される。ガラス９は横方向支持体１のチ
ヤンバ５をおおい、その上なお横板２ｃ，３ｃの
上方につくられた雨とい１０の一部にかかる自由
ひさしを持つ。このひさしは不都合な状況におい
ても雨水が雨とい１０から上方に確実に吸い出さ
れないようにする。

後面ガラス９は接着剤１１によって横方向支持
体１の上側外被３に取り付けられ、その下側の雨
とい１０とチヤンバ５とをおおう領域を好ましく
は絹紗スクリーン捺染法で着色１２する。

後面ガラス９の自由上稜上に稜保護体１３を取
り付ける。稜保護体１３は同時に水案内機能を行
なう。

横方向支持体１の下側はルーフ表張り１４で全
部おおう。リヤシートの乗客の後頭部は鎖線１５
で示すように、横方向支持体１の前方にあり、こ
れで邪魔されることがない。

後面ガラス９は、傾斜部８ａと雨とい１０の部
分を除いてその前方領域９ａはルーフ外板６の上
面の延長面に滑らかに連なっており、また、後面
ガラス９の後方領域９ｂは、１６で示す位置で曲
率が変るがなお前方領域９ａと滑らかに連なって
いる。

以上の構成の自動車の上部構成の作用について
述べる。

自動車の走行中に、ルーフ外板６上に降つた雨
が、この上を後方へ走り、遅延稜８に達して速度
が弱められ、傾斜面８ａを通つて雨とい１０へ流
入して排水される。このように、雨水の流速が遅
延稜８で弱められるために、雨水が雨とい１０を
越えて後面ガラス９へ流れていくことがなくな
り、運転車の後方視界を悪くすることが避けられ
る。

既に説明した利点以外に、本発明の構成はリヤ
シートの乗客に対する太陽光線の有効なしやへ
い、ルーフの横方向支持体−リヤコラム−フロア
フレームの力束、かなりの重量の節約、および本
質的な製造の簡素化という利点がある。

第２図の本発明の実施例は前記のものと本質的
に同じなので、同じ参照番号を用いる。相違は、
横板２ｃ，３ｃが互いに間隔をとつていて、横板
２ｃにたとえば点溶接電極を通すための穴２ｄが
あることだけである。

この実施例は、板の厚さが大巾に異なるために
３枚の板の溶接が困難なときに有利であることは
明らかである。

第３図の実施例においても既に説明した部分は
同じ参照番号を用いる。相違は横方向支持体２２
の構成である。支持体２２は分離されたチヤンバ
１９，２０をつくる断面が長方形の２本の管１
７，１８で構成されていて、Ｕ字形またはＺ字形
の横板２１で互いに連結されている。管１７，１
８は押出しまたは引抜き部品として製造される。
ルーフ外板６のフランジ７は横板２１の中間横板
２１ａに固着されている。

以上の通り、本発明の自動車の上部構造におい
て、ルーフ外板の後端部を遅延稜とこれに続き雨
といに連なる傾斜部を設けたものであるから、ル
ーフ外板及び後面ガラス面上を流れる空気の流体
力学的な良好な特性を維持しながら、ルーフ外板
上に降つた雨が自動車の走行中に確実に雨といの
中に流入し、後面ガラスへ流れていくことを防止
出来るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はそれぞれ本発明の実施例の縦断面
図である。 １……リヤルーフの横方向支持体、２……下側
外被、３……上側外被、６……ルーフ外板、９…
…後面ガラス、１５……リヤシートの乗客の頭の
後部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動車の走行方向に離間して並列に配設さ
   れ、横板２ｃ，３ｃによって互いに接続され、ル
   ーフ外板６の後端部にほゞその全巾にわたって横
   方向に延びる２つのチヤンバ４，５を持つ横方向
   支持体１と、前記２つのチヤンバの間に上方へ開
   口して設けられた雨といと、前記横方向支持体に
   固定された後面ガラスとを具備して成る自動車の
   上部構造において、 (a) 前記後面ガラス９は、自動車のルーフ外板６
   の上面の延長面に滑らかに連なる形状を有し前
   記雨とい１０の一部と自動車の後方のチヤンバ
   ５とを覆う前方領域９ａと、この前方領域に滑
   らかに連なり前記チヤンバ５の後端に始まり前
   記後面ガラス９の後端まで次第に下降する後方
   領域９ｂとから成り、 (b) 前記ルーフ外板６の後端部は、前記雨とい１
   ０よりも前方に離間した位置に、ルーフ外板
   が、自動車の後方に向かって折れ曲がり、それ
   によって横方向へ延びて形成される遅延稜８
   と、この遅延稜から次第に下降しながら前記雨
   とい１０の前端部まで延びて前記雨とい１０に
   接続される傾斜部８ａより成ることを特徴とす
   る自動車の上部構造。