JPH0464696B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、経尿道的に膀胱内に挿入されて肥大
した前立腺（前立腺肥大症）の内腺を外腺から剥
離、切除して摘出し得るようにしたレゼクトスコ
ープ装置の改良に関するものである。

［発明の技術的背景とその問題点］ 近年、体腔内に挿入部を挿入し、患部等の観
察、診断及び治療処理のできる内視鏡が広く用い
られている。この内視鏡には、尿道から膀胱内に
挿入し、高周波電流を通電する切除ループ電極器
によつて、前立腺の切除等の処置ができるように
構成されたレゼクトスコープがある。

一般にレゼクトスコープは、尿道に挿入される
中空のレゼクトシースと、該レゼクトシース後端
側に着脱自在に装着されるスライダと、該スライ
ダの後端側から着脱自在に装着される観察用のス
コープ（光学視管）とからなり、前立腺切除用の
ループ電極器を前記レゼクトシース内を挿通して
その後端をスライダに固定できるようになつてい
て、該スライダを操作することによつて、ループ
電極の先端をレゼクトシースから突没できるよう
にしてある。

しかしながら、このように構成されたレゼクト
スコープで、レゼクトシース先端から突出した電
極器のループ電極に高周波電流を通電して前立腺
内腺を切除する際、肥大化した前立腺内腺を完全
に切除する治療処置は人体に危険性を伴うため非
常に難く、内腺の一部が残存しがちとなり、再び
前立腺組織が肥大してくるという欠点があつた。

そこで、本発明者は、実開昭59−93513号公報
に記載のように、レゼクトスコープに前記電極に
代えて装着され、該レゼクトスコープの直視下で
前立腺外腺と肥大化した前立腺内視との間に挿入
してこの内腺を外腺から剥離して完全に該内腺を
除去可能とした前立腺剥離器を開発した。前記前
立腺剥離器は突没自在な凝固電極を有しており、
止血場所に押し当て凝固止血できるようにしてい
る。ところで、前立腺内腺は前記剥離器単体のみ
で切除することよりも、高周波電流が通電される
ループ電極器と併用することが解剖学的に有効で
ある。

しかしながら、従来のレゼクトスコープ、及び
剥離器では、手術中に剥離器、ループ電極器を
夫々必要時間毎に取り替え使用する必要があり、
しかもこれら剥離器、ループ電極器はレゼクトス
コープの先端側から装着される構成であため、こ
れらを取り替える都度経尿道的に膀胱内に挿入さ
れているレゼクトスコープを一旦抜去し、取り替
え装着した後に再び経尿道的に膀胱内に挿入する
必要がある。

［発明の目的］ 本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもの
で、剥離器と高周波電流が通電される切除ループ
電極器とを一つのレゼクトスコープに同時に装着
できて夫々を独立して突没操作することが可能
で、手術中にこれらを取り替えることなく経尿道
的に膀胱内に挿入した状態で選択使用でき、効率
よく完全に前立腺内腺を摘出除去でき、又剥離器
とループ電極器とを取り替え装着しなおす必要が
ないことから手術時間の短縮化を図ることができ
ると共に患者に与える負担も少なくできるように
したレゼクトスコープ装置を提供することを目的
としている。

［発明の概要］ 前記目的を達成するため本発明によるレゼクト
スコープ装置は、スライダを２個設けてその一方
に剥離器を、他方に電極器を夫々装着し、前記剥
離器と電極器とを夫々独立してスライド作動可能
としている。

［発明の実施例］ 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

第１図ないし第３図は本発明装置の一実施例に
係り、第１図は側面図、第２図はレゼクトシース
先端を拡大して示す断面図、第３図は第２図に示
すシース先端の正面図である。

これらの図において符号１はレゼクトスコープ
装置で、シース本体２の前方に尿道内に挿入され
る細長なシース３を連設し、このシース本体２の
後端に接続部４を設けて該接続部４から後方軸方
向に二本の支軸５，６を上下に突設し、この支軸
５，６の後端に接続部７を固定していると共に、
この接続部７から前記シース３内にかけてスコー
プ挿入管８を挿入する一方、前記前方の接続部４
と後方の接続部７間に夫々支軸５，６に沿つて軸
方向に独立してスライドする２個のスライダ９，
１０が配設されている。前記シース本体２は、膀
胱、尿道内に潅流液を送水するための送水口金１
１と、送水を調整するコツク１１ａとを有し、且
つ底部に指掛部１３を突設している。又、前記前
方接続部４と各スライダ９，１０とには、ばね１
４，１４が架設され、スライダ９，１０が後方接
続部７に当接復帰するようになつている。そし
て、スコープ（硬性内視鏡）１５は、前記接続部
７後方からスコープ挿入管８を経てシース３内の
先端部に挿入装着され、シース３先端前方を観察
可能になつている。このスコープ１５は後方にア
イピース１６を有し、且つ図示しない光源装置に
接続されるライドガイドケーブルを接続するライ
トガイドロ金１７を有している。

前記スライド９は、高周波電流を通電するため
コードが接続されるコードコネクタ１２を有する
と共に、切除電極器１８の導電軸１８ａを接続固
定する電極着脱部１９を有し、前方から図示しな
い接続孔に挿入した細長な導電軸１８ａを挿入し
て着脱部１９の締付けにより固定するようになつ
ている。この実施例の切除電極１８は、導電軸１
８ｂの先端に設けられる切除ループ電極１８ａを
環状に形成しているが、通常の例えば半円状であ
つてもよい。一方、スライダ１０は、剥離器２０
の細長な軸２０ａを接続固定する剥離器着脱部２
１を有し、前方から図示しない接続孔に挿入した
軸２０ａを挿入して着脱部２１の締付けにより固
定するようになつている。前記切除電極器１８及
び剥離器２０は、ともにシース本体２を経てシー
ス３内に挿入され、夫々軸１８ａ，２０ａの先端
に配設されたループ電極１８ｂ及び剥離子２０ｂ
をシース３の先端内に位置させ、スライダ９の前
方へのスライドによりループ電極１８ｂをシース
３先端のビーク３ａから突出させ、スライダ１０
の前方へのスライドにより剥離子２０ｂをビーク
３ａから突出させるようになつている。又、前記
剥離器２０の剥離子２０ｂは、環状のループ電極
１８ｂ内側をスライドできるよう形成されてい
る。

このような構成では、スライダ９，１０を夫々
独立してスライド操作することにより必要時にシ
ース３先端からループ電極１８ｂ或は剥離子２０
ｂを突出させ処置できるものである。尚、前記ル
ープ電極１８ｂは前立腺内腺の切除のみならず、
出血場所に押し当てることにより凝固止血のため
にも使用される。従つて、手術途中で出血した場
合でも直ちに止血処置が行えるため、出血量を少
なくおさえることができ、安全な治療が行える。

以上説明したように本発明によれば、剥離器と
高周波電流が通電される切除ループ電極器とを一
つのレゼクトスコープに同時に装着できて夫々を
独立して突没操作することが可能で、手術中にこ
れを取り替えることなく経尿道的に膀胱内に挿入
した状態で選択使用でき、効率よく完全に前立腺
内腺を摘出除去でき、又剥離器とループ電極器と
を取り替え装着しなおす必要がないことから手術
時間の短縮化を図ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明装置の一実施例に
係り、第１図は側面図、第２図はレゼクトシース
先端を拡大して示す断面図、第３図は第２図に示
すシース先端の正面図である。 ２……シース本体、３……シース、５，６……
支軸、７……接続部、９，１０……スライダ、１
５……スコープ、１８……切除電極器、２０……
剥離器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シース本体の前方に連設されて尿道に挿入さ
   れる細長な中空シースと、このシース本体の後方
   へ軸方向に接続した支軸を介して配設され前記シ
   ース内にスコープを挿入する挿入部を有する接続
   部と、前記シース本体後方と接続部との間に配設
   されて支軸に沿つて軸方向にスライド自在なスラ
   イダとを備えたレゼクトスコープにおいて、 前記スライダを２個とし夫々独立して軸方向へ
   スライド自在に設け、前記スライダの一方に、シ
   ース内に挿入される細長な軸の先端部に剥離子を
   有する剥離器を装着可能とし、他方のスライダ
   に、シース内に挿入される細長な導電軸の先端部
   に切除ループ電極を有し高周波電流が通電される
   電極器を装着可能とすると共に、前記剥離器の軸
   と前記電極器の導電軸とを前記スコープを間にし
   て配置し、前記剥離器と前記電極器とを夫々独立
   してスライド作動させシース先端から突没するよ
   う構成したことを特徴とするレゼクトスコープ装
   置。