JPH0454492Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、流体圧送源から流体使用機器に供給
される流体をその途中で略一定値に減圧する減圧
弁に関し、特に、供給二次圧の設定値を調節する
部分の構造に改良を加えた減圧弁に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 この種の減圧弁は一般に、流体の流入側の一次
室と流出側の二次室とを弁口を介して連通して設
けたボデイの外面に、ダイヤフラムを挟んで収容
筒体を固着して、収容筒体内にその軸線方向に移
動自由に収容したばね押えとダイヤフラムとの間
に調節ばね介装し、ばね押えの押込量を変化させ
ることにより調節ばねの弾力を調節し、その調節
ばねの弾力とダイヤフラムに作用する二次室の圧
力との釣り合いでダイヤフラムに連結した弁体を
移動させて弁口の開度を変化させることにより二
次圧を設定された略一定値に維持するようになつ
ており、その調節ばねの弾力の調節部分について
は、従来、収容筒体の突出端面に設けたねじ孔
に、Ｔ形ハンドルを連成したねじ棒を螺合してそ
の先端をばね押えに当て、ハンドルの回転により
ねじ棒を螺進させてばね押えの押込量を変えるこ
とによつて調節ばねの弾力を調節するものが知ら
れているが、ハンドル付のねじ棒を直接に螺進さ
せるのであるから、ばね弾力すなわち二次圧設定
値の調節のつどハンドル高さが変わり、一定位置
で調節操作ができないために設置箇所等の条件に
よつては使用が制限される欠点があつた。また、
これとは別に、ばね押え自体にねじ孔を形成して
収容筒体内に摺動のみを自由に嵌合し、そのねじ
孔に螺合したねじ棒を収容筒体の突出端面に形成
した挿通孔に挿通して、外周に突成した鍔を挿通
孔の口縁に当てることにより定位置での回転自由
に支持するとともに、ねじ棒の挿通孔から突出し
た端部に、筒形の調節ノブを六角結合等により一
体回転可能に嵌合して、収容筒体の突出端外周に
回転のみを自由に装着し、調節ノブの回転操作に
よりねじ棒を一体回転させてばね押えを収容筒体
内で摺動させることによつて、調節ばねの弾力を
調節するものも知られているが、このような構造
では、調節に際して、調節ノブを常に一定高さで
回転操作し得る利点を有するものの、ねじ棒を回
転させる際の調節ばねの復元弾力による摩擦抵抗
が、ねじ棒とばね押えのねじ孔の螺合部分に加え
て、ねじ棒の鍔の収容筒体の挿通孔の口縁に当た
る部分において生ずるために、特に、調節ばねの
弾力の設定値が高い領域になるとねじ棒の回転に
大きなトルクが必要となつて、調節ノブの回転操
作がし辛くなる欠点があつた。

問題点を解決するための手段 本考案の減圧弁は、叙上の点に鑑み案出された
ものであつて、収容筒体の突出端面に設けたねじ
孔にばね押えを押圧するねじ棒を螺合するととも
に、そのねじ棒と一体回転可能にかつ摺動自在に
嵌合する嵌合部を設けた筒形の調節ノブを、収容
筒体の突出端外周に回転のみを自由に装着した構
成とした。

考案の作用及び効果 本考案は上記構成になり、調節ノブを回転させ
ると、ねじ棒が調節ノブに対して摺動しつつ一体
的に回転してねじ孔内を螺進し、それによりばね
押えの押込量が変化して、調節ばねの弾力が調節
されるのであつて、収容筒体のねじ孔に螺合した
ねじ棒を調節ノブの回転により螺進させてその先
端でばね押えを押し込むようになつているから、
ねじ棒を回転させる際の調節ばねの復元弾力によ
る摩擦抵抗は、主にねじ棒と収容筒体のねじ孔と
の螺合部分のみに限られるから、ねじ棒すなわち
調節ノブの回転に要するトルクが小さくて済み、
調節ばねの設定弾力を大きく取る場合も、容易に
調節ノブを回転操作することができ、また、ねじ
棒は調節ノブに対して摺動自由に嵌合されてい
て、調節ノブを一定位置において回転させて螺進
させることがてきるから、調節の全域にわたつて
調節ノブの位置を不変にでき、従来のハンドルタ
イプのもののように、操作位置が変わることによ
つて使用制限を受ける不具合を除去することがで
きる効果がある。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

本実施例を適用した減圧弁は、ボデイ１の内部
に、エアーの流入口２の連通する一次室３と流出
口４に連通する二次室５とが、上下方向の弁口７
を形成した隔壁６を隔てて画成されて、そのボデ
イ１の上面に形成された凹部９の口縁に、上面板
１１を張設した収容筒体１０がダイヤフラム１２
を挟んで図示しないボルト等で固定され、その収
容筒体１０内に、ばね押え１４が上下動自由に収
容されて、ばね押え１４とダイヤフラム１２との
間に調節ばね１５が装着されていて、ばね押え１
４の押込量を変化させることにより調節ばね１５
の弾力を調節するようになつているとともに、そ
の調節ばね１５の弾力と、二次室５に通孔１７を
介して連通するダイヤフラム１２の下面側の圧力
室１８の圧力の釣り合いにより、弁杆１９を介し
てダイヤフラム１２と一体移動可能に装置された
弁体２０が上下動して弁口７の開度を変化させ、
一次室３から二次室５に流れるエアーの流量を制
御して、二次圧を調節ばね１５の弾力で決まる略
一定値に維持するようになつている。

続いて、調節ばね１５の弾力の調節部分の構造
を説明すると、上記した収容筒体１０の上面板１
１の中心にはねじ孔２１が形成され、このねじ孔
２１に、六角形の頭部２３を有するとともに先端
を球形としたねじ棒２２が螺合され、そのねじ棒
２２の先端が、上記のばね押え１４の上面に当て
られているとともに、収容筒体１０の上端に、ね
じ棒２２を回転させる合成樹脂製の調節ノブ２５
が取り付けられるようになつており、この調節ノ
ブ２５は上面を閉塞した略筒形に形成され、上面
の中心に形成された垂下部２６に、上記のねじ棒
２２の頭部２３が略緊密にかつ摺動自在に嵌合す
る六角孔２７が穿設され、また、垂下部２６の回
りに、収容筒体１０の上面に突成された環形突部
２９内に嵌まる嵌合筒部３０が形成され、嵌合筒
部３０の下端部外周にセレーション３１が全周に
わたつて形成されているとともに、収容筒体１０
の環形突部２９の上端部内周に、上記のセレーシ
ヨン３１とかみ合う係止歯３２が９０度の間隔を
おいた４箇所に形成されており、さらに、嵌合筒
部３０の回りに、内向きの係止部３５を先端に有
する複数本の弾性係止片３４が下向きに突成され
て、収容筒体１０の環形突部２９の外周に、上記
の弾性係止片３４の係止部３５が嵌まることによ
つて、調節ノブ２５を、鎖線に示すように、セレ
ーシヨン３１が係止歯３２から外れる回転操作位
置と、実線に示すように、セレーシヨン３１が係
止歯３２とかみ合うロツク位置に夫々保持する、
上下２本の嵌合溝３７，３８が周設されている。

本実施例はこのような構造になり、調節ばね１
５の弾力を調節するに際しては、調節ノブ２５
を、実線に示すロツク位置から引き上げると、弾
性係止片３４が弾拡しつつその係止部３５が下側
の嵌合溝３８から外れ、続いて、復元弾力により
上側の嵌合溝３７に嵌まることによつて、調節ノ
ブ２５が、鎖線に示すように、そのセレーシヨン
３１が収容筒体１０の係止歯３２から外れて回転
自由となつた回転操作位置に保持され、かかる状
態で調節ノブ２５を回転させると、ねじ棒２２が
その頭部２３を六角孔２７内で摺動させつつ一体
的に回転してねじ孔２１内を上下に螺進し、ばね
押え１４の押込量が変化することによつて、調節
ばね１５の弾力が調節され、調節が完了したら、
調節ノブ２５を下方に押し込むと、弾性係止片３
４が弾拡しつつ上側の嵌合溝から外れて、垂下部
２６が収容筒体１０の上面板１１に当たつたとこ
ろで、実線に示すように、弾性係止片３４が復元
弾力で下側の嵌合溝３８に嵌まるとともに、セレ
ーシヨン３１が係止歯３２とかみ合うことによつ
て、調節ノブ２５が収容筒体１０に対して上方へ
の容易な抜け不能に、かつ、回転不能にロツクさ
れる。

すなわち本実施例によれば、収容筒体１０の上
面板１１のねじ孔２１に螺合したねじ棒２２を調
節ノブ２５の回転により回転させて螺進させ、そ
の先端でばね押え１４を押し込むようにしてお
り、しかも、そのねじ棒２２の先端がばね押え１
４との接触面積が少ない球形となつていることに
より、ねじ棒２２を回転させる際の調節ばね１５
の復元弾拡力による摩擦抵抗は、ねじ棒２２と収
容筒体１０のねじ孔２１の螺合部分のみに限られ
るから、ねじ棒２２すなわち調節ノブ２５の回転
に要するトルクが小さくて済み、調節ばね１５の
設定弾力を大きく取る場合も、容易に調節ノブ２
５を回転操作することができ、また、ねじ棒２２
が調節ノブ２５に対して摺動しつつ螺進するよう
になつているから、調節ノブ２５を常に一定高さ
の回転操作位置で操作することができるととも
に、調節完了後も少し下の一定高さのロツク位置
に保持され、調節ばね１５の弾力すなわち二次圧
の設定値の全域にわたつて弁全体の高さを常に一
定に維持することができ、しかも、調節ノブ２５
のロツクは、調節ノブ２５を回転操作位置から弾
性係止片３４の弾力に抗して押し込むだけで良い
から、きわめて簡単に行うこてができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の断面図である。 １……ボデイ、２……流入口、３……一次室、
４……流出口、５……二次室、７……弁口、１０
……収容筒体、１１……上面板、１２……ダイヤ
フラム、１４……ばね押え、１５……調節ばね、
１８……圧力室、２０……弁体、２１……ねじ
孔、２２……ねじ棒、２３……頭部、２５……調
節ノブ、２７……六角孔、３４……弾性係止片、
３７……嵌合溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流体の流入側の一次室と流出側の二次室とを弁
   口を介して連通して設けたボデイの外面に、ダイ
   ヤフラムを挟んで収容筒体を固着して、該収容筒
   体内にその軸線方向に移動自由に収容したばね押
   えと前記ダイヤフラムとの間に調節ばねを介装
   し、前記ばね押えの押込量を変化させることによ
   り前記調節ばねの弾力を調節し、該調節ばねの弾
   力と前記ダイヤフラムに作用する前記二次室の圧
   力との釣り合いで該ダイヤフラムに連結した弁体
   を移動させて前記弁口の開度を変化させることに
   より二次圧を設定された略一定値に維持するよう
   にした減圧弁において、前記収容筒体の突出端面
   に設けたねじ孔に前記ばね押えを押圧するねじ棒
   を螺合するとともに、該ねじ棒と一体回転可能に
   かつ摺動自在に嵌合部を設けた筒形の調節ノブ
   を、前記収容筒体の突出端外周に回転のみを自由
   に装着したことを特徴とする減圧弁。