JPH0454359A - 摩擦伝動式調和変速機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 Ｃ産業上の利用分野〕 本発明は調和変速機に関し、更に詳しくは、摩擦伝達機
構によって変速動作を行う摩擦伝達式調和変速機に関す
るものである。

〔従来の技術〕

モータなどから出力された高速回転を減速して低速回転
出力として取り出すための変速機構としては、歯車式の
調和変速機と共に、摩擦伝達式の調和変速機が知られて
いる。この摩擦伝達式の調和変速機は、−船釣に、環状
剛性部材と、この内側に配置され、環状剛性部材の内周
面に外接可能な環状弾性部材と、この環状弾性部材の内
側に配置した楕円形状のカム板を備えた波動発生器とか
ら構成されている。波動発生器によって、上記の環状弾
性部材は楕円形状に撓められ、その長軸の両端に位置す
る部分が環状剛性部材に摩擦接触するようになっている
。そして、波動発生器はモータなどによって高速回転さ
れ、これに伴って、環状弾性部材の楕円形状が回転して
、弾性部材と剛性部材の摩擦接触位置が周方向に移動す
る。このような摩擦接触位置の移動に伴って、弾性部材
と剛性部材との間には、それらの外周長および内周長の
差に応じた相対回転が発生する。従って、これらの弾性
部材および剛性部材の一方を固定し、他方を回転出力要
素に設定すれば、この回転出力要素からは減速された回
転出力が得られることになる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような摩擦伝達式の調和変速機にお
いては、動力伝達が、弾性部材の外周面と、剛性部材の
内周面との間の摩擦接触によって行われる。このような
摩擦接触による動力伝達特性は、相互の面の接触圧に応
じて変動するが、このような接触圧を確実に一定の値に
保持することは困難であるので、動力伝達特性が変動し
易い。

また、動力伝達が、弾性外歯歯車と剛性内歯歯車との噛
み合いによって行われる歯車式調和変速機に比べて、ト
ルク伝達力が小さく、そのために適用範囲が狭い、さら
には、長期使用などによって摩擦接触部分に磨耗が発生
すると、これらの間の接触圧が低下するので、これらの
間の摩擦接触による伝達力も低下してしまう。

本発明の課題は、このような点に鑑みて、比較的高い動
力伝達を確実に行うことの可能となった摩擦伝達式調和
変速機を実現することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、本発明の摩擦伝達式調和
変速機においては、環状剛性部材とその内側に配置した
環状弾性部材との摩擦接触面を、円錐形あるいは鼓形に
設定し、さらに、これらが相互に当接するように、コイ
ルばねなどの加圧部材によって、環状剛性部材をその軸
線方向に押圧する構成を採用している。

すなわち、本願の第１の発明に係る摩擦伝達式調和変速
機は、円錐形内周面を備えた環状剛性部材と、この環状
剛性部材の内側に配置され、前記円錐形内周面に対して
外接可能な円錐形外周面を備えた環状弾性部材と、この
環状弾性部材の内側に配置され、前記弾性部材を半径方
向の外方に撓めて、当該弾性部材の円錐形外周面を、周
方向の複数箇所の部分で前記剛性部材の円錐形内周面に
接触させ、これらの接触部分を周方向に移動させる波動
発生器と、前記円錐形内周面が前記円錐形外周面に向か
う方向に、前記環状剛性部材をその軸線方向に押しつけ
る加圧部材とを有することを特徴としている。

また、本願の第２の発明に係る摩擦伝達式調和変速機は
、同軸状態で一定の間隔をおいて並列配置した第１およ
び第２の環状剛性部材と、前記第１の環状剛性部材の内
周面に形成された、前記第２の環状剛性部材の側に向け
て半径方向の外方に傾斜した第１の円錐形内周面と、前
記第２の環状部材の内周面に形成された、前記第１の環
状剛性部材の側に向けて半径方向の外方に傾斜した第２
の円錐形内周面と、前記第１および第２の環状剛性部材
の内側において、これらと同軸状態に配置された環状弾
性部材と、この環状弾性部材の外周面における前記第１
の円錐形内周面に対峙する部分に形成された、この第１
の円錐形内周面に外接可能な第１の円錐形外周面と、前
記環状弾性部材の外周面における前記第２の円錐形内周
面に対峙する部分に形成された、この第２の円錐形内周
面に外接可能な第２の円錐形外周面と、前記環状弾性部
材の内側に配置され、この環状弾性部材を半径方向の外
方に撓めて、前記第１および第２の円錐形外周面をそれ
ぞれが対峙する前記環状剛性部材の第１および第２の円
錐形内周面に対して周方向の複数箇所で接触させ、これ
らの接触部分を周方向に向けて移動させる波動発生器と
、前記第１および第２の円錐形内周面が前記第１および
第２の円錐形外周面に向かう方向に、前記第１および第
２の環状剛性部材のうちの少なくとも一方をその軸線方
向に向けて押しつける加圧部材とを有し、前記第１およ
び第２の円錐形内周面の平均直径は相互に異なっている
ことを特徴としている。

〔実施例〕

以下に、図面を参照して本発明の詳細な説明する。

ｍ桝 第１図（Ａ）および（Ｂ）には、本例のカップ型摩擦伝
達式調和変速機の全体構成を示しである。

この図に示すように、調和変速機１は、円筒形ケース２
内に組み込まれた環状剛性部材３と、この内側に同軸状
態に配置したカップ型弾性部材４と、さらにこの内側に
同軸状態に配置した波動発生器５とから基本的に構成さ
れている。

ケース２は大径円筒部２ａと、その両側に連続する小径
円筒部２ｂ、２Ｃとから構成されており、大径円筒部２
ａの内周面には、環状剛性部材３が嵌め込まれている。

この環状剛性部材３は、回転止め部材６によって、回転
不可の状態に内周面に取付けられているが、その中心軸
線１ａの方向へは移動可能とされている。この環状剛性
部材３の内周面は、小径円筒部２ｂの側に向けて半径方
向の外側に広がった円錐面３ａとされている。

カップ型弾性部材４は、その開口端側か上記の環状剛性
部材の円錐面３ａに対峙するように配置されており、こ
の円錐面３ａに対峙する外周面には、この円錐面３ａに
外接可能な円錐面４ａが形成されている。一方、この弾
性部材の閉鎖端面の側は、ケース２の小径円筒部２Ｃを
貫通してケース外に突出しており、この小径円筒部２Ｃ
の部分において、ボールベアリング７によってケース２
の側に回転自在に支持されている。

次に、カップ型弾性部材４の内側に配置した波動発生器
５は、楕円形状の剛性カム板５ａと、その外周に嵌め込
んだボールベアリング５ｂから構成されており、剛性カ
ム板の長軸の両端側の位置において、上記の弾性部材４
の円錐面４ａを半径方向の外側に撓めて、剛性部材の円
錐面３ａに対して一定の力で押しつけた状態を形成して
いる。

この剛性カム板５ａには回転軸５Ｃが一体形成されてお
り、この回転軸５Ｃは、ケースの小径円筒部２ｂ内を貫
通してケース外に突出しており、この小径円筒部２ｂの
部分においてボールベアリング８によってケース２の側
に回転自在に支持されている。

ここに、ケース２の大径円筒部２ａの内周面には、上述
した環状剛性部材３におけるケース小径円筒部２ｃの側
に面する環状端面３ｂに対峙する環状段部２ｄが形成さ
れており、これらの間には、圧縮された状態でコイルば
ね９が配置されている。

この構成の調和変速１は、例えば、波動発生器５の側の
回転軸５ｃがモータ（図示せず）の出力軸に連結され、
カップ型弾性部材４の側が、被駆動部材（図示せず）の
側に連結される。この場合、波動発生器５が高速回転す
ると、それに伴って、その長軸両端における剛性部材の
円錐面３ａに対する弾性部材の円錐面４ａの接触位置も
周方向に向けて移動する。この結果、双方の円錐面３ａ
、４ａの接触中心部分の円周の差に応じた相対回転が、
弾性部材および剛性部材との間に発生する。

この相対回転は、減速出力回転として、弾性内輪４から
、被駆動部材の側に伝達される。

ここに、本例においては、剛性部材３と弾性部材４との
＊擦接触は、双方に形成した円錐面３ａ、４ａによって
形成されている。従って、従来におけるような円筒面同
士の摩擦接触と異なり、スラスト荷重によって相互の円
錐面の接触圧が増加し、これによって、大きなラジアル
荷重の伝達が可能となるので、高い伝達特性を得ること
ができる。

さらには、本例では、コイルばね９によって、双方の円
錐面３ａ、４ａは一定の押しつけ力で常時押しつけられ
た状態にある。このために、接触状態にある双方の円錐
面の部分は常に確実に接触した状態に保持される。従っ
て、常に安定した動力伝達を期待することができる。こ
のように、本例に調和変速機によれば、従来に比べて、
確実に動力の伝達を行うことができ、また、大きな動力
の伝達を行うことが可能となる。

１１坐裏ｌ■ 第２図には本発明の別の実施例に係るフラット型調和変
速機を示しである。本例の調和変速機１１も、円筒形の
ケース１２内に、各構成部品が組み込まれた構成となっ
ている。すなわち、ケースの大径円筒部１２ａの内周面
には、回転止め部材１６を介して回転不可の状態に第１
の剛性部材１３が嵌め込まれている。また、この第１の
剛性部材１３のケース小径円筒部１２ｃの側には、一定
の間隔をおいて同軸状態に第２の剛性部材２３が配置さ
れている。この剛性部材２３は、円板部材２４の外周部
分に一体形成されており、この円板部材２４の他方の側
には、同軸状態に出力回転軸２５が一体形成されている
。この出力回転軸２５は、ケースの小径円筒部１２ｃを
通って外側に突出しており、この小径円筒部１２ｃの部
分において、ボールベアリング１７を介してケースの側
に回転自在に支持されている。また、上記の円板部材２
４の背面の側は、ベアリング２６を介して、ケースの大
径円筒部分１２ａと小径円筒部分１２Ｃの間に形成され
た環状内周端面１２ｅの側に支持されている。

ここに、上記の第１の剛性部材１３の内周面は、第２の
剛性部材２３の側に向けて広がった第１の円錐面１３ａ
とされている。これに対して、第２の剛性部材２３の内
周面は、第１の剛性部材１３の側に向けて広がった第２
の円錐面２３ａとされている。

次に、これらの第１および第２の円錐面１３ａ、２３ａ
の内側には、同軸状態に弾性部材１４が配置されている
。この弾性部材１４の外周面には、上記の第１の円錐面
１３ａに対峙する部分に、この円錐面に外接可能な第１
の円錐面１４ａが形成されている。また、上記の第２の
円錐面２３ａに対峙する部分には、この円錐面に外接可
能な第２の円錐面１４ｂが形成されている。

弾性部材１４の内側には、同軸状態に波動発生器１５が
配置されている。この波動発生器１５は、楕円形状をし
た剛性カム板１５ａと、この外周に嵌め込んだボールベ
アリング１５ｂと、剛性カム板１５ａに対して同軸状態
に一体形成した入力回転軸１５ｃとから構成されている
。入力回転軸１５ｃは、ボールベアリング１８を介して
、ケースの小径円筒部分１２ｂの内周面に回転自在に支
持されている。この構成の波動発生器１５によって、弾
性部材１４は、楕円形状に撓められており、その長軸方
向の両端に位置する第１および第２の円錐面１４ａ、１
４ｂが、それぞれが対峙する剛性部材の第１および第２
の円錐面１３ａ、２３ａに一定の力で押しつけられた状
態とされている。

ここにおいて、上記の第１の剛性部材１３のケース小径
部分１２ｂの側の環状端面１３ｂと、これに対峙してい
るケースの環状端面１２ｆとの間には、圧縮させた状態
でコイルばね１９を配置しである。このコイルばね１９
によって、第１の剛性部材１３は第２の剛性部材２３の
側に向けて軸線方向に常時押しつけられた状態とされて
いる。

この構成の調和変速機１１において、波動発生器１５が
回転すると、これに伴って、剛性部材の内周面に形成さ
れている第１および第２の円錐面１３ａ、２３ａに対す
る、弾性部材の側の第１および第２の円錐面１４ａ、１
４ｂの接触位置が周方向に向けて移動する。この結果、
これらの部材間に相対回転が発生して、第２の環状弾性
部材２３に一体形成されている出力回転軸２５から減速
回転が得られる。

本例の変速機における減速比は次式で表すことができる
。

Ｒ１・Ｒ２＋ＲＩ 但し、 Ｄｓｌ−Ｄｆｌ ｆ２ Ｄｓ２−Ｄｆ２ の接触部分の平均直径 本例の調和変速機においても、剛性部材１３．２３と弾
性部材１４との摩擦接触は、双方に形成した円錐面１３
ａ、２３ａおよび１４ａ、１４ｂによって形成されてい
る。従って、従来におけるような円筒面同士の摩擦接触
と異なり、スラスト荷重によって円錐面相互の接触圧が
増加し、これによって大きなラジアル荷重の伝達が可能
となり、高い伝達特性を得ることができる。さらには、
本例では、コイルばね１９によって、接触状態にある円
錐面を相互に一定の力で常時押し付けである。

このために、接触状態にある双方の円錐面の部分は常に
確実な接触状態に保持される。従って、常に安定した動
力伝達特性を得ることができる。このように、本例に調
和変速機によっても、従来に比べて、確実に動力の伝達
を行うことが可能であると共に、高い動力伝達特性を得
ることが可能である。

なお、上記の各側においては、楕円形状に弾性部材を撓
めて、周方向の２か所の部分において剛性部材の側に摩
擦接触させるようにしている。しかし、３か所以上の部
分で剛性部材に１１！擦接触させるように弾性部材を撓
めるようにしてもよく、このように接触箇所を増加させ
ると、−船釣に、各接触点での接触圧が均等化され、剛
性部材の傾きも起きにくくなるので好ましい。

また、上記の各側では、接触面を円錐面としているが、
例えば、この代わりに僅かに湾曲したテーバ面を接触面
として採用することも可能である。

従って、本明細書において単に円錐面と言った場合には
、これらの形状も含めた形状を意味している。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明においては、剛性部材と弾
性部材との接触面を円錐面とし、しかも、これらの円錐
面を相互に当接する方向に向けて加圧部材によって押し
つけるようにしている。従って、本発明によれば、従来
に比べて、剛性部材と弾性部材とを常時確実に接触した
状態に保持することができ、また大きな動力を伝達する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）は本発明の一実施例に係る摩擦伝達式調和
変速機を示す概略縦断面図、第１図（Ｂ）は第１図（Ａ
）のＢ−Ｂｉで切断した部分の概略横断面図、第２図は
本発明の別の実施例に係る摩擦伝達式調和変速機を示す
概略縦断面図である。 〔符号の説明 Ｌｌｌ・・・調和変速機 ２．１２・・・ケース ３．１３．２３・・・剛性部材 ３ａ、１３ａ、２３ａ＝円錐面 ４．１４・・・弾性部材 ４ａ、１４ａ、１４　ｂ　−・・円錐面５．１５・・・
波動発注器 ７．８．１７．１８・・・ボールベアリング９．１９・
・・コイルばね。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）円錐形内周面を備えた環状剛性部材と、この環状
   剛性部材の内側に配置され、前記円錐形内周面に対して
   外接可能な円錐形外周面を備えた環状弾性部材と、この
   環状弾性部材の内側に配置され、前記弾性部材を半径方
   向の外方に撓めて、当該弾性部材の円錐形外周面を、周
   方向の複数箇所の部分で前記剛性部材の円錐形内周面に
   接触させ、これらの接触部分を周方向に移動させる波動
   発生器と、前記円錐形内周面が前記円錐形外周面に向か
   う方向に、前記環状剛性部材をその軸線方向に押しつけ
   る加圧部材とを有することを特徴とする摩擦伝動式調和
   変速機。
2. （２）同軸状態で一定の間隔をおいて並列配置した第１
   および第２の環状剛性部材と、前記第１の環状剛性部材
   の内周面に形成された、前記第２の環状剛性部材の側に
   向けて半径方向の外方に傾斜した第１の円錐形内周面と
   、前記第２の環状部材の内周面に形成された、前記第１
   の環状剛性部材の側に向けて半径方向の外方に傾斜した
   第２の円錐形内周面と、前記第１および第２の環状剛性
   部材の内側において、これらと同軸状態に配置された環
   状弾性部材と、この環状弾性部材の外周面における前記
   第１の円錐形内周面に対峙する部分に形成された、この
   第１の円錐形内周面に外接可能な第１の円錐形外周面と
   、前記環状弾性部材の外周面における前記第２の円錐形
   内周面に対峙する部分に形成された、この第２の円錐形
   内周面に外接可能な第２の円錐形外周面と、前記環状弾
   性部材の内側に配置され、この環状弾性部材を半径方向
   の外方に撓めて、前記第１および第２の円錐形外周面を
   それぞれが対峙する前記環状剛性部材の第１および第２
   の円錐形内周面に対して周方向の複数箇所で接触させ、
   これらの接触部分を周方向に向けて移動させる波動発生
   器と、前記第１および第２の円錐形内周面が前記第１お
   よび第２の円錐形外周面に向かう方向に、前記第１およ
   び第２の環状剛性部材のうちの少なくとも一方をその軸
   線方向に向けて押しつける加圧部材とを有し、前記第１
   および第２の円錐形内周面の平均直径は相互に異なって
   いることを特徴とする摩擦伝達式調和変速機。