JPH0448094A - 缶外面の耐錆性と外観に優れた容器用メッキ鋼板の製造法 - Google Patents

缶外面の耐錆性と外観に優れた容器用メッキ鋼板の製造法

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JPH0448094A
JPH0448094A JP15669190A JP15669190A JPH0448094A JP H0448094 A JPH0448094 A JP H0448094A JP 15669190 A JP15669190 A JP 15669190A JP 15669190 A JP15669190 A JP 15669190A JP H0448094 A JPH0448094 A JP H0448094A
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plating layer
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JP15669190A
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Tomoya Oga
大賀 智也
Shigeru Hirano
茂 平野
Yukinobu Higuchi
樋口 征順
Shunichi Kajiwara
梶原 俊一
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は絞りしごき加工(DI)缶および缶蓋の材料と
して使用される、外面の耐錆性と外観に優れた容器用メ
ッキ鋼板の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、飲料缶を中心として絞りしごき加工による製缶方
式(例えばDI加工製缶方式)の発展が著しく、これま
で以上に高性能な容器用表面処理鋼板の要求が非常に強
い。従来より、DI缶用表面処理鋼板としてはDI成形
性の良好なブリキが使用されてきたが、缶外面側の大き
な問題点として、次の2点が挙げられる。
1)缶外面側において錆が発生しやすく、特に缶を冷や
すために水道水中に浸漬するとボトム部およびウオール
部の傷付き箇所において短時間に錆が発生する。
2 ) DI成形後、印刷を行うとホワイトインキ等で
インキ本来の白さを示さず、印刷仕上がり性に問題があ
る。
更に、イーシイオーブンエンド(以下EOEと称す)、
通常のエンドなど缶蓋として使用されるブリキおよび電
解クロム酸処理鋼板についても外面側の耐錆性に関して
は、同様の問題を抱えている。
このように、外面側の耐錆性が問題になるのは地鉄とメ
ッキ層との電位関係で説明ができる。即ち、ブリキ、 
 TFSの場合には地鉄に対してSnメッキ層およびC
rメッキ層が電位的に責であり、地鉄を犠牲防食する作
用はない。
これを解決するため、例えば特開昭62−17199号
公報、特開昭62−13594号公報等で見られるよう
なCr含有鋼板にSnメッキを施した容器用調板の開発
がなされている。これらの容器用鋼板はいずれも、地鉄
に他成分(例えばクロム)を添加して地鉄の電位を責に
コントロールすることによって、メッキ層の犠牲防食能
を発揮させるようにしたものである。また、これらの鋼
板は外面側の耐錆性の向上という効果は大きいが、十分
な効果を発揮させるには他成分が添加が数%程度必要で
あり、経済性の面で問題が残る。
また、ブリキDI缶の印刷後の外観が暗いという問題に
関しては次のように説明できる。即ち、DI成形のよう
な厳しい加工を受けたSnメッキ層がダメージを受け、
地鉄が露出するのが原因である。
つまりブリキDI缶が暗いのは露出する鉄の分光反射率
が低いことに起因しており、01缶の外観向上には、D
I成形後に極力鉄を露出させないことが重要である。こ
のような原因を考えると、従来の発明では対処できない
ことは明らかである。
これらの問題を解決するため、Zn金属を活用し、下層
にZnメッキ層、上層にSnメッキ層を施したSn/Z
n二層メッキ鋼板が有効であるが、製造技術的には上層
に施すSnメンキ技術が大きなポイントとなる。即ち、
工業化を実現するためには、次の2つの問題点を解決し
なくてはならない。
1)下層のZnメッキ層を溶解させることなく、上層に
Snメッキ層を施すことのできるSnメッキ浴の開発;
下層のZnメッキ層の上にSnメッキを施す場合、従来
工業上使用されている硫酸浴(フェロスタン浴)、塩化
物浴ではSnメッキ時に下層のZn金属の溶解が顕著に
起こり、高価なSnメッキ浴を汚染し連続操業ができな
いという問題がある。
2 ) Znメッキ層の溶解がなくSnメッキを行い、
容器用メッキ鋼板として十分な商品価値を有する良好な
外観が得られるSnメッキ浴の開発;下層のZnメッキ
層の溶解を抑制可能なSnメッキ浴としてピロリン酸系
のメッキ浴が効果的であるが、ピロリン酸系メッキ浴か
らのSn金属の析出はメッキ層の光沢性、平滑性に大き
な問題があり、このメッキ外観の問題を解決できないと
Sn/Zn二層メッキ鋼板の商品価値は乏しく工業化は
困難である。
つまり、Sn/Zn二層メッキ鋼板製造の連続操業を可
能とし工業化を実現するためには、下層のZnメッキ層
を溶解させることなく、良好なSnメッキ外観が得られ
るSnメッキ浴の提供が不可欠である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はこれらの問題に対処するためになされたもので
、缶外面側で優れた耐錆性を発揮し、良好な製缶加工性
(特にDI成形性)を有し、DI成形後の印刷仕上がり
性も良好であり、かつ経済性にも合致する容器用メッキ
鋼板として、Sn/Zn二層メッキ鋼板の製造法を提供
せんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕 本発明の要旨とするところは、少なくとも、缶外面側に
相当する面の下層に1〜10 g / rdのZnメン
キ層を有する鋼板の上層に、Snメッキ浴として、0.
01〜5g//2のENSAを添加し、かつ、0.01
〜5g/lのアミノ酸化合物あるいは1〜50 g /
 fのクエン酸塩のうち一種または二種を添加したpH
5〜12のピロリン酸系メッキ浴を用いて、0.1〜5
g/rtfのSnメンキ層を施し、あるいはさらにクロ
ム換算付着量で1〜50■/rdのクロメート被膜を施
すことを特徴とする缶外面の耐錆性と外観に優れた容器
用メッキ鋼板の製造法にある。
〔作用〕
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明において、メッキ原板としては容器用鋼板として
用途に応した材質を有するメッキ原板を使用する。メッ
キ原板の製造法は特に規制されるものではなく、通常の
鋼片製造工程から熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、調
質圧延などの工程を経て製造される。このようにして製
造されたメッキ原板の、缶外面に相当する面の下層に安
定な耐錆性を示すZnメッキ層を施し、次いでその上層
には耐錆性の向上、DI成形加工時の潤滑性機能などの
特性をもつSnメッキ層を施す。缶内面側に相当する面
については特に規制するものではな(、Snメッキ、電
解クロム酸処理あるいはNiメッキを施し、更にはその
上に有機樹脂を施したものでもなんら差し支えない。ま
た、それらの製造法に関しても特に規制するものではな
い。
次に、本発明の特徴である外面側に施すメッキ層の作用
効果およびその製造法について述べる。
外面側の下層にZnメッキ層を施し、上層にSnメッキ
層を施す目的は、■外面側の印刷外観の向上、■良好な
りI成形性、■優れた耐錆性の確保にある。
まず、外観の向上には、上層と下層のトータルメッキ量
が大きな影響を与える。即ち、DI成形後ホワイトイン
キ印刷後の外観が暗いのは、DI成形時にメッキ層が損
傷され分光反射率の低い地鉄が露出するからである。つ
まり、印刷後の外観を向上させるにはDI成形後におい
ても鉄が露出しないようにメッキ層を付与しなくてはな
らない。上層と下層のトータルメッキ量が1.1g/m
2未満だと、DI成形後に鉄の露出を防止することがで
きず、良好な外観を確保することが難しい。また、トー
タルメンキ量が15g/r+(を越えると、外観向上の
効果が飽和すると共に経済的な面で不利となる。
即ち、上層と下層のトータルメッキ量は1.1〜15g
/rTfが適正である。更にその内訳は、下層のZnメ
ッキ量を1〜log/m2、上層のSnメッキ量を0.
1〜5 g/m2に規制する。その理由は、下層のZn
メッキ量がIg/r4未満だと良好な耐錆性を確保する
ことができず、Log/m2を越えると耐錆性向上効果
が飽和すると共に経済的な面で不利となる。更に、上層
のSnメンキ量がo、xg/nf未満だと優れた潤滑性
を有するSn量が不足するためDI成形性が劣化し連続
成形時にrかしり」等の欠陥が発生するようになり、良
好なりI成形性を確保することができなくなる。また、
Snのメッキ量が5g/nfを越えるとDI成形性に関
する潤滑効果が飽和すると共に経済的に不利になる。
つまり、下層のZnメッキ層をl〜Log/m2施し、
上層のSnメッキ層を0.1〜5 g/r+(施した二
層メッキ鋼板は水分、酸素などが十分存在する腐食環境
下にさらされ、メンキ層に加工ダメージとかピンホール
があった場合でも、下層メッキ層の効果により地鉄から
の錆の発生は認められず、耐錆性は良好である。更に、
上層メンキ層の効果により良好な連続DI成形性が確保
され、DI加工後も下層と上層のトータルメッキ量効果
により地鉄は殆ど露出せず、良好な印刷仕上がり性を発
揮することができる。
次に、上述のSn/Zn二層メッキ鋼板の製造法につい
て述べる。
まず、下層のZnメッキについては通常工業的に用いら
れている硫酸浴、塩化物浴等で行えばよく、特にメッキ
条件を規制するものではないが、浴組成としては硫酸亜
鉛200〜500g/j2、硫酸ソーダ60〜100g
/nで十分である。また、電流密度は10〜100 A
/dm2、浴温は40〜70°Cという条件で十分であ
る。
次に、上層のSnメッキについて述べる。下層にZnメ
ッキ層を有し、その上にSnメッキ層を施す場合、前述
したように次の2つの問題点を解決しなくてはならない
。即ち、 ■)下層のZnメンキ層を溶解させることなく、上層に
Snメッキ層を施すことのできるSnメッキ浴の開発 2)容器用メッキ鋼板として十分な商品価値を有する良
好な外観を得ることのできるSnメッキ浴の開発 である。
始めに、1)のZn金属のSnメッキ浴への溶解という
問題について述べる。これは、Zn金属は電位的に卑な
ため極めて活性であり、Snメッキ浴に浸漬されると活
性溶解が起こりZn”イオンとしてSnメッキ浴中に溶
出し、高価なSnメッキ浴を汚染し、連続操業が不可能
になる。この現象は、特にSnメッキ浴として通常工業
的に使用されている硫酸系のフェロスタン浴、塩化物浴
のようにpHの非常に低いSnメッキ浴を用いた場合顕
著に現れる。Zn金属は強酸性、強アルカリ性のpn域
において活性に溶解する。Zn金属の熔解が起こりにく
いSnメッキ浴の適正なpH域は、pH=5〜12であ
る。pHが5未満だと、Zn金属が活性に熔解しSnメ
ッキ浴が汚染される。また、pHが12を越えるとアル
カリ性になり過ぎ、Znの活性溶解を引き起こす。つま
り、Zn金属の活性溶解が起こりに(く、Snメッキ浴
の汚染がされないSnメッキ浴の適正pH域はpH=5
〜12である。
このような弱酸〜中性〜弱アルカリ性のSnメッキ浴と
しては、ピロリン酸系のメッキ浴が適正である。その理
由は、このようなptt域ではSn”イオンは単独では
メッキ浴中に存在し得す、水酸化物として沈澱する。S
nメッキ可能なSn”イオンとしてメッキ浴中に安定に
存在させるためには、錯塩として浴中に存在させねばな
らず、そのためにはピロリン酸浴が適正である。ピロリ
ン酸イオンは、Snイオンと安定な錯塩を形成すること
が可能であり、本発明のSnメッキ浴として、ピロリン
酸系のメッキ浴を規制する。ここで、ビロリン酸系Sn
メッキ浴の濃度、メンキ温度等は特に規制するものでは
ない。
しかし、このような適性pH域のSnメッキ浴において
もZn金属の溶解は完全には抑制されず、工業的に適用
するには十分とは言えない。連続操業可能な工業的に十
分なレベルまでZn金属の溶解を抑えるには、種々の検
討の結果、添加剤としてEtholated α−Na
phthol mono 5ulfonic Ac1d
(以下ENSAと称す)を用いれば良いことが明らかに
なった。これは、ENSAは界面活性剤であるためEN
SAがZn金属の表面に吸着され、Snメッキ浴中での
Znの活性溶解を防止する。更に、ENSAの添加量に
ついては0.01g/lfi未満ではZnの活性溶解を
防止する効果が小さく工業的に十分な作用を発揮しない
。また、ENSAの添加量が5g/lを越えるとZn金
属の溶解を防止する効果が飽和するとともに、経済的に
不利になる。即ち、Zn金属の溶解を防止する適正なE
NSAの添加量は0.01〜5 g//2に規制される
引き続き、2)のSnメッキ層の良好な外観を確保する
方法について述べる。ピロリン酸系のメッキ浴からのS
n金属の電析はメッキ層の光沢および平滑性という観点
で大きな問題を抱えている。これは、Snメンキ後の外
観が灰黒色を呈して金属光沢が殆ど認められないという
現象で、容器用表面処理調板としての商品価値が著しく
損なわれることになる。この理由は、従来のピロリン酸
系snメッキ浴からSn金属が電析する過程において■
 Sn金属の析出は水素発生反応との競争反応であり、
水素発生が大量に起こった場所ではSnメンキ層のメッ
キ焼は現象でメッキ外観が灰黒色を呈するとともに、水
素発生が局部的に起こった場所ではメンキ層にピンホー
ルが発生し、メッキ層の平滑性が失われる。
■ Sn金属の電析が析出しやすい場所で集中的に起こ
り、メッキ層の平滑性が損なわれる。
という2点である。
この問題を解決するために種々の検討を重ねた結果、本
発明者らはピロリン酸系メッキ浴からSn金属を電析さ
せる際にアミノ酸化合物あるいはクエン酸塩の一種また
は二種をピロリン酸系メッキ浴に添加すれば良いことを
見出した。
つまり、アミノ酸化合物の添加によりSnメッキ時の水
素過電圧を著しく増加させることが可能であり、この水
素過電圧が高いということは水素の発生反応を抑制する
効果が大きいことを示している。アミノ酸化合物の添加
により、ピロリン酸系メッキ浴からのSnメンキ時に水
素の大量発生の現象がなくなりメッキ焼けのない金属光
沢を有したSnメッキ層が得られる。更には局部的な水
素の大量発生が減少するので、Snメッキ層のピンホー
ルが減少し、メッキ層の平滑性も向上する。
アミノ酸化合物としては特に規定するものではなく、グ
リシン、アラニン、チロシン、セリン、シスチン、グル
タミン酸、アスパラギン酸、リジン、ヒスチジン等の化
合物が含まれ、これらのアミノ酸化合物が高分子化され
たゼラチン、ペプトン、アルブミン等の蛋白質も本発明
に含まれる。
また、クエン酸塩を添加することによりSnが遷移状態
で析出すると即座にエネルギー的に安定化され、Sn金
属がカソード面全体に均一に析出する。
クエン酸塩の添加を行わないと、カソード面に遷移状態
で析出したSnがエネルギー的により安定化できる場所
に移動してSn金属として析出する。つまり、メンキ浴
中へのクエン酸塩の添加により、Sn金属の析出がある
特定の析出しやすい場所で集中的に起こるということが
無くなり、Snメッキ層の平滑性は大きく向上し良好な
外観のSnメッキ層を得ることができる。
クエン酸塩としては特に規制するものではなく、クエン
酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が含
まれる。
次に、アミノ酸化合物およびクエン酸塩の添加量につい
て述べる。
まず、アミノ酸化合物の添加量については、0.01g
/l未満ではSnメッキ時の水素過電圧を増大させる効
果が小さく、メッキ焼けを防止し金属光沢を有する良好
なSnメッキ外観を得られる効果が認められない。また
、その添加量が5g/lを越えると水素過電圧を増大さ
せる作用効果が飽和すると共に、経済的に不利になる。
クエン酸塩の添加量については、1g/2未満では遷移
状態のSnをエネルギー的に安定化させる効果が小さく
、Snメンキ層の良好な平滑性を確保することができな
い。更に、その添加量が50g/I!を越えると平滑性
を確保できる効果が飽和すると共に、経済的に不利とな
る。
以上をまとめると、Sn/Zn二層鋼板を製造する際、
下層のZnメッキ層の溶解をさせる事なく、上層に外観
の良好なSnメッキを施すには、Snメッキ浴として0
.01〜5g/lのENSAを添加し、0.01〜5g
/lのアミノ酸化合物あるいは1〜50 g / Qの
クエン酸塩のうち一種または二種を添加したpl(5〜
12のピロリン酸系Snメッキ浴を用いればよい。
引き続き、このように缶外面相当面にSn/Zn二層メ
ッキ層を有するメッキ調板に対して、塗料密着性、塗装
後耐食性の向上を目的とし必要に応じてクロメート処理
が施されるが、01缶用途に対しては、クロメート処理
を行う場合と行わない場合がある。
クロメート処理を行う場合には、一般にクロム酸のナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩の水溶液中での
浸漬処理が行われる。これは、電解により生成するクロ
メート被膜では潤滑性に乏しくI成形性を劣化せしめる
。したがって、Sn/Zn二層メッキ層の良好なりI成
形性を損なうことなく、メンキ層の空気酸化による変色
を防くためには、浸漬クロメート処理を行えばよい。ク
ロメート付着量は浴濃度によりコントロールできるが、
金属クロム量換算で1■/ボ以上のクロム付着量であれ
ば空気酸化による変色などを防くことができる。更には
、01缶用途の場合、DI成形後に塗装性能、塗装後耐
食性を向上させるためにクロメート処理あるいはリン酸
処理が施されるが、本発明においてはDI成形後のこれ
らの処理方法及び処理条件については、特に規制するも
のではなく、通常行われている処理方法が適用される。
Dll用途の場合には、このように微量のクロメート被
膜が有効であるが製缶工程でのDI成形後の水洗条件に
よっては表面に水洗模様が発生することがあり、クロメ
ート処理を施さないで製造されることもある。従って、
本発明にはクロメート処理を施さない場合も含まれる。
また、缶蓋用途に対するクロメート処理は電解処理が行
われる。電解処理により生成したクロメート被膜は、缶
内面に対しては缶内容物が塗膜を通過して塗膜下で腐食
が進行するアンダーカッティングコロ−ジョンの防止、
缶外面に対しては貯蔵時に塗膜下で発生する糸状錆、い
わゆるフィリフォームコロージゴンなどの耐錆性の向上
に非常に効果がある。
このようなりロメート被膜が形成されていることにより
、長時間にわたり塗膜の密着性が劣化せず、良好な耐食
性、耐錆性が保持される。また、クロメート被膜は硫黄
化合物を含む食品、例えば魚肉、畜産物などの場合に見
られる鋼板の表面の黒変、即ち硫化黒変を防止する効果
が大きい。このように、クロメート被膜は特に塗装され
て用いられる場合には性能向上に効果が大きいが、多く
付着しすぎるとEOE加工など厳しい加工を受けた部分
でクロメート被膜層にクラックが発生し、かえって耐食
性を損なうことがある。ここで言うクロメート被膜とは
水和酸化クロム単一の被膜即ち本来のクロメート被膜と
、いま一つは下層に金属クロム層、上層に水和酸化クロ
ム層の二層よりなる被膜の二つの場合を指している。
このように、クロメート処理を施す場合には良好な塗装
性を有し加工部耐食性を劣化せしめない適正なりロム付
着量は1〜50■/ポが選定される。クロメート処理を
施さない場合には、適正クロム付着量は規制されない。
即ち、適正クロム付着量を規制する場合には、クロム付
着量が1■/ポ未満では塗料密着性の向上、アンダーカ
ッティングコロ−ジョンなどの塗膜上腐食の防止に効果
が得られないので、1■/ボ以上のクロム付着量とする
。一方、50■/rTrを越えるとEOE加工の厳しい
加工を受けた部分での加工部耐食性が劣化する。そのた
め、クロム付着量は50■/ボ以下とする。
クロメート処理は各種のクロム酸のナトリウム塩、カリ
ウム塩、アンモニウム塩の水溶液による浸漬処理、スプ
レィ処理、電解処理などいずれの方法で行っても良いが
、特に陰極電解処理が優れている。とりわけ、クロム酸
に304′−イオン、F−イオン(錯イオンを含む)あ
るいはそれらの混合物を添加した水溶液中での陰極電解
処理が最も優れている。クロム酸の濃度は特に規制しな
いが、20〜200 g/1.の範囲で充分である。
添加するアニオンの量はCr”の1/300〜1/25
好ましくは1/200〜115oの時、最良のクロメー
ト被膜が得られる。アニオンの量がCr”の1/300
未満では均質かつ均一で塗装性能に大きく影響する良質
のクロメート被膜が得られない。また、1/25超では
、生成するクロメート被膜中に取り込まれるアニオンの
量が多(なり、塗装性能特に塗料二次密着性が劣化する
添加されるアニオンは硫酸、硫酸クロム、弗化アンモン
、弗化ソーダの化合物などの形態でクロム酸浴中へ添加
される。
浴温は特に規制するものではないが、30〜70゛Cの
範囲が作業性の点から適切な温度範囲である。陰極電解
電流密度は5〜100A/dm”の範囲で充分である。
処理時間は、前記処理条件の任意の組み合わせにおいて
、クロム付着量が前記に示した1〜50■/ボの範囲に
入るように設定する。
また、水和酸化クロム層は、電解処理後の水溶液中での
浸漬時間の調整あるいは別に設けられた処理タンクで濃
度の異なるクロム酸アニオン系処理浴での溶解処理によ
りその被膜量が調整される。
容器用素材として使用される場合、クエン酸などの有機
酸水溶液を含む腐食環境では、塗膜を通して侵入してく
る腐食水溶液が塗膜下でメッキ層を腐食させるため、金
属クロム層を析出させ腐食水溶液がメンキ金属表面に到
達するのを抑制する効果が顕著である。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例について述べ、その結果を第1表
に示す。
冷間圧延、焼鈍工程により、DI缶用途9缶蓋用途に応
した材質と板厚に調整したメッキ原板を5%苛性ソーダ
中で電解脱脂水洗後、10%硫酸中で電解酸洗し表面活
性化後、缶外面に相当する面に(1)に示す条件でZn
メッキを行い、引き続きその上に(21(イ)、(ロ)
、(ハ)に示す条件でSnメッキを施した。また、比較
例として(2)−’(ニ)、(ホ)に示す条件でもSn
メッキを行った。そして、(3)−(イ)、(ロ)(ハ
)に示す条件でクロメート処理を行ったもの、およびク
ロメート処理を行わなかったものを作成した。缶内面側
に相当する面には、必要に応じてSnメッキあるいはS
nメッキ、Niメッキ、電解クロム酸処理を行ってから
有機フィルム(PET、PP)を貼りつけたものを用い
た。
(1)  Znメッキ条件 メッキ浴組成 硫酸亜鉛   400g/l硫酸ソーダ
  100g/lfi メッキ浴温  50°C 電流密度   50A/dm” (電解時間はZnメッキ量に応じて調整)(2)  S
nメッキ条件 ピロリン酸浴 (イ)メッキ浴組成 ピロリン酸第−錫   60g//l ピロリン酸カリウム 250gzl ENSA       0.01〜5g/ρ(必要に応
じて添加量を調整) アミノ酸化合物 0.01〜5g/l (必要に応じて添加量を調整) (ロ)メッキ浴組成 ピロリン酸第−錫   60 g/l ピロリン酸カリウム 250 g/1 ENSA         0.01〜5g/l(必要
に応じて添加量を調整) クエン酸塩    1〜50 g/l (必要に応して添加量を調整) (ハ)メッキ浴組成 ピロリン酸第−錫   60 g/l!ピロリン酸カリ
ウム 250 g/A ENSA       0.01〜5g/l(必要に応
じて添加量を調整) アミノ酸化合物 0.01〜5 g/l(必要に応じて
添加量を調整) クエン酸塩    1〜50g/l (必要に応じて添加量を調整) メッキ浴のpH5〜12(必要に応してpi(を調整)
メッキ浴温  50°C 電流密度   20A/dm” (電解時間はSnメッキ量に応じて調整)尚、比較例と
して通常工業的に使用されている硫酸浴(フェロスタン
浴)、塩化物浴を用いてSnメッキを行った。各々のメ
ッキ条件を(ニ)、(ホ)に示す。
(ニ)フェロスタン浴 メッキ浴組成 硫酸錫    30〜40 g/lフェ
ノ−)lフルフオン酸  25〜3 5  g/12E
NSA+EN               8  g
 / nメッキ浴のpH1以下 メッキ浴温  45°C 電流歯a20A/dm2 (電解時間はSnメッキ量に応して調整)(ホ)塩化物
浴 メッキ浴組成 塩化第一錫    75g//l弗化ナ
トリウム  25 g/l。
弗化水素カリウム 50g/l! 塩化ナトリウム  45g/l メッキ浴のpH2,7 メッキ浴温  65℃ 電流密度   50A/dm” (電解時間はSnメッキ量に応じて調整)(3)クロメ
ート処理条件 (イ)浴組成  Na2jr’zO924g / 1p
H4,5 浴温   45°C 処理条件 浸漬処理 (ロ)浴組成  CrO+      100 g/ 
nS0.2−     1.0 g/42浴温   5
o″C 電流密度 5〜60A/dm” (電解時間はクロム付着量に応じて調整)(ハ)浴組成
  CrCh80g/1 504”−0,05g / f NazSiFi  1   2.58 / INHaF
       0.5 g / 12浴温   45°
C 電流密度 5〜60 A /dm” (電解時間はクロム付着量に応じて調整)(A)Znメ
ッキ層の溶解性 (1)の条件でZnメッキを行った後、その上に(2)
の条件でSnメッキを施す際に下層のZn金属の溶解量
を測定した。Znメッキ層の溶解量の測定方法は、Zn
メッキを行った後Snメッキを行う前後でZnメッキ量
を化学分析にて測定し、そのZnメッキ量の差をZn金
属の溶解量として求めた。
第1表中のZnメンキ量はSnメンキ後のZnメッキ量
を示しており、同しく第1表中の(A)Znメッキ層の
溶解量は上記の方法で求めた溶解したZnメンキ層の量
である。
(B)Snメッキ層の外観(光沢性および平滑性)(1
)の条件でZnメッキを行った後、その上に(2)の条
件でSnメッキを施し、Snメッキ層の外観を評価した
。光沢性に関しては目視で判定し、平滑性に関しては3
000倍の電子顕微鏡(SEM)にて表面を観察して判
定した。Snメッキ層の外観に対する判定基準は以下の
とおりである。
◎;メンキ層が金属光沢を有し、SEM観察でもSn金
属が全面に密に析出している。
Q;メッキ層の光沢が若干失われ、SEM観察でSn金
属が粗に析出している部分が認められる。
△;メッキ層が灰白色になり、SEM観察でメッキ層の
ピンホールが認められる。
×;メッキ層が灰色になり、SEM観察でメンキ層のピ
ンホールが明瞭に認められる。
××;メッキ層が灰黒色になり、SEM観察でピンホー
ルがメッキ層全面に認められる。
また、上記処理材について以下に示す(C)〜(E)の
項目について実施し、その性能を評価した。
(C)DI成形性 水溶性エマルジョンタイプのクーラントを使用して、ブ
ランクサイズ136肛φから缶径65.9閣φまで製缶
スピード110缶/minの成形条件でDI缶を成形し
、各種処理材のDI成形性を評価した。尚、評価基準は
以下の基準で判定した。
◎;DI成形性は極めて良好。
○;しごき加工時外面に若干かじりが発生するが、DI
成形性良好。
Δ、01成形は可能であるが、しごき加工時外面に強度
のかじりが発生し、DI成形性に劣る。
X;DI成形過程で材料が破断し、DI成形不可能。
(D)DI成形後の印刷仕上がり性 (C)の条件でDI缶を作成し、赤、白、黄色の缶外面
用インキを膜厚5Innで印p1]シ、その印刷仕上が
り性を目視で判定した。判定基準は以下のとおりである
○;印刷後の外観がインキ本来の色が発揮できており、
印刷仕上がり性が極めて良好。
Δ;印刷後の外観が若干灰色がかり、印刷仕上がり性に
若干劣る。
×;印刷後の外観がインキ本来の色を示さず、ブリキと
同程度に灰色がかっており、印刷仕上がり性に劣る。
(E)外面側の耐錆性 (C)、(D)の条件で作成したDI印刷缶および塗装
後EOE加工を施した評価材の外面側の耐錆性を以下の
評価テストにて評価した。尚、DI印刷江はウオール部
に傷を付けた部分とボトム部を評価し、EOE加工材に
ついてはスコア一部とリヘノト部を評価した。
■水道水浸漬テスト 評価材を水道水中に常温で3日間浸漬し、評価該当部の
発錆率を測定した。
■冷凍サイクルテスト 評価材を一15°Cの冷凍庫に30m1n保定後、すく
49°C1相対湿度98%以上の湿気槽に60m1n入
れた後、常温で室内に22時間放置するのを1サイクル
として15サイクル試験を継続し、評価該当部の発錆率
を測定した。
■レトルトテスト 評価材を120’CX90m1nの蒸気レトルトを施し
、評価該当部の発錆率を評価した。
尚、各試験での耐錆性の評価基準は以下のとおりである
◎;錆の発生が全く認められなく、耐錆性極めて良好。
○;全発錆率5%以下で耐錆性良好。
△;発錆率5〜30%で耐錆性やや劣る。
×;発錆率30%以上で耐錆性がブリキと同程度に劣る
××;発錆率30%以上で耐錆性がブリキより劣る。
上記の実施例から明らかなように、本発明はSnメッキ
時のZnメッキの溶解を起こすこともなく、しかもSn
メッキ層の外観性、耐錆性なと各種の特性も安定して優
れている。この反対に本発明から逸脱する比較例は、不
安定な特性を示している。
(発明の効果) 本発明によれば、缶外面側で優れた耐錆性を発揮し、良
好な製缶加工性(特にDI成形性)を有し、D+成形後
の印刷仕上がり性も良好であり、かつ経済性にも合致す
るSn/Zn二層メッキ鋼板を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)少なくとも、缶外面側に相当する面の下層に1〜
    10g/m^2のZnメッキ層を有する鋼板の上層に、
    Snメッキ浴として、0.01〜5g/lのENSAを
    添加し、かつ0.01〜5g/lのアミノ酸化合物ある
    いは1〜50g/lのクエン酸塩のうち一種または二種
    を添加してなるpH5〜12のピロリン酸系メッキ浴を
    用いて、0.1〜5g/m^2のSnメッキ層を施すこ
    とを特徴とする缶外面の耐錆性と外観に優れた容器用メ
    ッキ鋼板の製造法。
  2. (2)少なくとも、缶外面側に相当する面の下層に1〜
    10g/m^2のZnメッキ層を有する鋼板の上層に、
    Snメッキ浴として、0.01〜5g/lのENSAを
    添加し、かつ0.01〜5g/lのアミノ酸化合物ある
    いは1〜50g/lのクエン酸塩のうち一種または二種
    を添加してなるpH5〜12のピロリン酸系メッキ浴を
    用いて、0.1〜5g/m^2のSnメッキ層を施し、
    次いでクロム換算付着量で1〜50mg/m^2のクロ
    メート被膜を施すことを特徴とする缶外面の耐錆性と外
    観に優れた容器用メッキ鋼板の製造法。
JP15669190A 1990-06-15 1990-06-15 缶外面の耐錆性と外観に優れた容器用メッキ鋼板の製造法 Pending JPH0448094A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997023664A1 (fr) * 1995-12-22 1997-07-03 Toyo Kohan Co., Ltd. Bain et procede d'etamage

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WO1997023664A1 (fr) * 1995-12-22 1997-07-03 Toyo Kohan Co., Ltd. Bain et procede d'etamage

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