JPH0446272B2

JPH0446272B2 -

Info

Publication number: JPH0446272B2
Application number: JP23006383A
Authority: JP
Inventors: Toshio Shiozawa
Original assignee: Nippon Silica Industrial Co Ltd
Current assignee: Tosoh Silica Corp
Priority date: 1983-12-06
Filing date: 1983-12-06
Publication date: 1992-07-29
Also published as: JPS60123482A

Description

【発明の詳細な説明】[Detailed description of the invention]

（産業上の利用分野）本発明はアルカリ性の溶媒中で、亜臭素酸ある
いはその塩と第１級ジオールとを反応させ、ラク
トンを製造する方法に関する。亜臭素酸あるいはその塩は、次亜塩素酸、亜塩
素酸などと比較した温和で特異な酸化力を有す
る。その特異な酸化力を利用して、のり抜剤、ス
ライム防除剤として使われている。また、有機合
成の分野において、高選択性の酸化剤あるいは特
殊な臭素化剤として利用されるものと期待され、
検討されつつある。（従来技術）有機合成の分野における特異的な酸化反応の中
に第１級ジオールからのラクトンの製造がある。
この方法は具体的には、酸性媒体中にて亜臭素酸
あるいはその塩と第１級ジオールとを反応させる
ことにより、ラクトンを製造する方法であり、先
に本願出願者が特許出願（特願昭57−132151）し
た方法である。この第１級ジオールからラクトンを製造する方
法は他に類似する反応例がほとんどない特異的な
もので、しかも実用上有利な点も多い。しかし、
本願発明者が、この方法について実用化すべく、
さらに検討を加えたところ、次の２つの技術的な
問題点が有ることが明らかとなつた。 (1) 第１級ジオールと亜臭素酸イオンとが化学量
論的にモル比で１：１には反応せず、収率90％
以上でラクトンを得るためには、第１級ジオー
ル１モルに対して３モル以上の多量の亜臭素酸
イオンを必要とする。 (2) 反応の際に亜臭素酸イオンの一部が分解して
臭素（Br₂）となるために臭素ガスの排気装置
あるいは捕捉装置、さらには反応終了後には反
応液に含まれる臭素の還元処理が必要である。（発明の経緯）本願発明者は、有機合成分野において、亜臭素
酸およびその塩を特徴ある酸化剤、反応試剤とし
てより効率良く利用するため、上記問題点を解決
すべく鋭意研究を行つた。その結果、従来反応速度が遅いなど、効率良く
反応しないと考えられていたPH７以上の溶媒中
で、第１級ジオールと亜臭素酸あるいはその塩と
を反応させることにより、 (1) 第１級ジオール１モルに対して、亜臭素酸イ
オン1.5モルを用いることにより、90％以上の
高収率、選択率100％でラクトンを製造できる
こと。 (2) 反応時、亜臭素酸イオンの分解による臭素の
発生がないこと。を見い出し、本発明を完成するに至つた。（発明の構成）本発明は、ラクトンを製造するに際して、亜臭
素酸あるいはその塩と第１級ジオールとを、PH７
乃至12の溶媒中で反応させることを特徴とする亜
臭素酸およびその塩によるラクトンの製造方法に
関する。（作用及び効果）以下本発明について作用及び効果を詳細に説明
する。本発明に用いる亜臭素酸あるいはその塩は、公
知の方法で製造されたものを使用する。例えばア
ルカリ性水溶液と臭素および塩素を原料とする方
法によつて製造されたものがある。本発明における第１級ジオールとは、一般式
OH CH₂RCH₂OHと表わされるものである。官
能基Ｒは、パラフイン炭化水素およびオレフイン
炭化水素さらにそれらのハロゲン、カルボキシル
基、カルボニル基、第２級アルコール、第３級ア
ルコール、ニトロ基、スルホン基、フエニル基、
シクロパラフイン、シクロオレフインの各置換
体、含窒素、含イオウ、含酸素の各複素環で置換
された化合物が挙げられる。 1.0モルの第１級ジオールに対する亜臭素酸イ
オンの必要反応量は次式に示す様に、化学量論的
には1.0モルであるしたがつて、経済性を考慮すれば、亜臭素酸イ
オンの反応量は化学量論量に近いほど好ましい。本発明の方法によれば、PH７乃至12、好ましく
は高収率を示す傾向があるPH８以上、10以下の溶
媒中において、1.0モルの第１級ジオールに対し
て亜臭素酸イオン1.0モルを反応させることによ
り50〜80％、1.5モルの亜臭素酸イオンを反応さ
せることにより90％以上の第１級ジオールがラク
トンにそれぞれ転換される。酸性媒体中では、90％以上の収率を達成するた
めには3.0モル倍以上の亜臭素酸イオンを必要と
することと比較すると、本発明の方法は、化学量
論量に近い1.5モル倍の亜臭素酸イオンで90％以
上の収率を達成できる理想状態に近い方法といえ
る。本発明の方法における反応液のPHの調節は次の
様にして行われる。第１級ジオールと亜臭素酸イオンとが反応し、
ラクトンが生成するとPHは少しずつ酸性に移行す
る傾向があるため、水酸化ナトリウムあるいは炭
酸ナトリウムなどのアルカリ性物質を用いて、適
宜反応液のPHを７乃至12に調節する。あるいは、反応中PHを７乃至12に保つことがで
きる緩衝液を用ることもできる。緩衝液として例
えば、リン酸、酢酸、ホウ酸および水酸化ナトリ
ウムによつて調製されるBritton−Robinsonの広
域緩衝液がある。また、炭酸水素ナトリウムのように水に溶かす
とPH約８を示す物質を反応液に共存させることで
もPHを７乃至12に調節できる。さらに、炭酸水素
ナトリウムに、炭酸ナトリウムあるいは水酸化ナ
トリウムを並用することにより、PHを７乃至12に
調節することができる。亜臭素酸イオンと第１級ジオールとの反応機構
ならびにPHと反応性との関係については研究例も
なく、ほとんど知られていない。一方亜臭素酸イ
オンはPH９以上のアルカリ領域で安定であること
が知られており、通常製造される亜臭素酸イオン
を含む水溶液は水酸化ナトリウムなどのアルカリ
を含んでいる。 PHを調節することなしに亜臭素酸あるいはその
塩と第１級ジオールを水に混合、撹拌するとラク
トン化反応は進行するが収率は低く、得られる結
果は再現性に乏しいものである。すなわち、本発明において反応溶媒をPH７乃至
12、好ましくはPH８以上、10以下に調節すること
が、化学量論量に近い亜臭素酸イオンで高収率で
ラクトンを得るに不可欠の条件である。このことは、本願発明者らが行つた各PHにおけ
る亜臭素酸イオンの挙動の紫外可視スペクトルに
よる次の様な測定結果によつて裏付けられる。PH
が５以下では亜臭素酸イオンは１分に満たない短
時間のうちに臭素に分解する。PHが６〜９では臭
素以外の物質に分解する。PH６では１分以内に分
解は完了し、PHがアルカリになるにしたがつて分
解の速度は遅くなりPH８では完全に分解するのに
１〜２時間を要する。第１級ジオールと亜臭素酸
イオンとの反応はこれら分解反応と並行して起る
ものであるら、ラクトン化反応が分解反応に優先
し得るのがPH７乃至12であり、したがつてこのPH
領域でラクトン収率が高くなると考えられる。一方、PH９以上の領域では通常亜臭素酸イオン
は安定に存在し得るが、第１級ジオールと共存す
るとラクトン化反応が進行しPH10以下では極めて
短時間に高収率でラクトンが得られる。PHが12を
越えると反応速度が低下する。そのため反応時間
を長くとればPH12を越えても高収率は得られる
が、実質的には12以下のPHに調節することが好ま
しい。本発明における反応は、通常、室温大気中で行
なう。反応は発熱を伴うため、適度な冷却をする
か、あるいは亜臭素酸あるいはその塩と第１級ジ
オールとの混合速度（反応速度）を調整すること
が望ましい。20〜30℃の室温においても反応はす
みやかに進行し、40〜50℃では、さらに反応は速
まる傾向がある。反応は第１級ジオールを含む水溶液をPH７乃至
12に調節しつつ、亜臭素酸あるいはその塩の固体
あるいは水溶液を滴下する方法で行なうのが一般
的である。また水溶液以外に有機溶媒が共存して
も、亜臭素酸イオンと反応する有機溶媒でない限
り反応に支障はない。反応終了後は抽出あるいは蒸留などによつてラ
クトンを溶媒から分離する。 PH７乃至12に調節した溶媒中で亜臭素酸あるい
はその塩と第１級ジオールとを反応させる本発明
の方法は、酸性媒体中での反応の様な臭素の発生
がないため、臭素の排気装置あるいは捕捉装置お
よび反応終了後の還元処理が不要である。また、
本発明の方法によれば、亜臭素酸イオンのほぼ全
量がラクトン化に消費されるために、ラクトン収
率90％以上となるための亜臭素酸あるいはその塩
の反応必要量が、酸性媒体中では３モル倍以上で
あつたのが、化学量論量に近い1.5モル倍であり、
本発明の方法は、経済的にも有利である。さら
に、酸性媒体中での反応では反応終了後に酸の中
和が必要であつたが本発明の方法では中和処理も
不要である。以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例１（比較例を含む）リン酸39.2ｇ／、酢酸24.0ｇ／、ホウ酸
24.7ｇ／を含む酸混合液に、10％水酸化ナトリ
ウム水溶液を滴下混合して、PH２、３、４、５、
６、７、８、９、10、11、12の11種類のPH緩衝液
を調製した。上記11通りのPHにおいて、各PHごと
にPH緩衝液200mlと1.4−ブタンジオール9.0ｇ
（0.1モル）の混合液を撹拌しつつ、亜臭素酸ナト
リウム・三水塩29.8ｇ（95％、0.15モル）を50ml
の水に溶解した液を、１分間に３mlの速さで滴下
し、滴下終了後さらに３時間撹拌した。反応終了
後、各PHごとに生成物を分離して、沸点、IR、
NMRにより分析した結果γ−ブチロラクトンと
同定された成分を得て、その収率を求めた。PHと
γ−ブチロラクトン収率との関係を第１図に示し
た。ただし、いずれの反応液のPHとも反応前後の
PHの変動は0.2以内であつた。その結果、PH６以下では収率が30〜40％と低い
のに対して、PH７乃至12では60％以上あり、特に
PH８〜10では90％以上の高収率が得られた。また、上記のPH緩衝液を用いて、各PHにおける
亜臭素酸ナトリウムの挙動を紫外可視スペクトル
を測定することにより調べ、第２図に典型的スペ
クトル（曲線１はPH３、曲線２はPH６、曲線３は
PH９）を示した。その結果PH５以下では臭素が発
生し、またPH６以上、９未満では臭素の発生を伴
わない分解が認められ、PH９以上では亜臭素酸イ
オンの分解は認められなかつた。実施例２（比較例を含む）実施例１のPH３およびPH９の、〇PH緩衝液を用
いて、亜臭素酸ナトリウム・三水塩の量以外は実
施例１と同様の条件でPH３の場合には、1.4−ブ
タンジオールに対して１、２、３、3.5、４モル
倍、PH９の場合には1.4−ブタンジオールに対し
て0.5、１、1.5モル倍の亜臭素酸ナトリウム・三
水塩を用いて反応させ、生成物を分離し、γ−ブ
チロラクトンを得た。この沸点、IR、NMRを分
析して同定し、その収率を求めた。1.4−ブタン
ジオールに対する亜臭素酸ナトリウムのモル比と
の関係を第３図に示した。その結果、PH３（第３図曲線１）では1.4−ブタ
ンジオールの３モル倍の亜臭素酸ナトリウムを用
いててγ−ブチロラクトンの収率が90％に達する
のに対して、PH９（第３図曲線２）では1.5モル倍
で収率93％となり、アルカリ性で反応させること
により、より少ない亜臭素酸ナトリウムでラクト
ンを高収率で得ることが可能であることがわかつ
た。実施例３実施例１のPH９のPH緩衝液を用い、シス−２−
ブテン−１，４−ジオール8.8ｇ（0.1モル）1.5−
ペンタンジオール10.4ｇ（0.1モル）、1.6−ヘキサ
ンジオール11.8ｇ（0.1モル）、３−メチル−1.5−
ペンタンジオール11.8ｇ（0.1モル）をそれぞれ
実施例１と同様の方法、条件にて反応、分離し
て、沸点、IR、NMR分析を行い、該当するラク
トンの収率を求め第１表に示した。 (Industrial Application Field) The present invention relates to a method for producing a lactone by reacting bromous acid or a salt thereof with a primary diol in an alkaline solvent. Bromic acid or its salts are milder and have unique oxidizing power compared to hypochlorous acid, chlorous acid, and the like. Utilizing its unique oxidizing power, it is used as a glue remover and slime control agent. It is also expected to be used as a highly selective oxidizing agent or a special brominating agent in the field of organic synthesis.
It is being considered. (Prior Art) Among the specific oxidation reactions in the field of organic synthesis is the production of lactones from primary diols.
Specifically, this method is a method for producing lactone by reacting bromous acid or its salt with a primary diol in an acidic medium. This is the method used in 1983-132151). This method for producing lactones from primary diols is unique, with almost no other similar reaction examples, and has many practical advantages. but,
In order to put this method into practical use, the inventor of the present application
Further investigation revealed the following two technical problems. (1) The primary diol and bromite ion do not react in a stoichiometric molar ratio of 1:1, resulting in a yield of 90%.
In order to obtain a lactone in the above manner, a large amount of bromite ion of 3 moles or more is required per mole of the primary diol. (2) During the reaction, some of the bromite ions decompose to become bromine (Br ₂ ), so a bromine gas exhaust or capture device is required, and after the reaction is complete, the bromine contained in the reaction solution is reduced. Processing is required. (Background of the Invention) The inventor of the present invention has conducted intensive research to solve the above problems in order to utilize bromite and its salts more efficiently as a characteristic oxidizing agent and reaction reagent in the field of organic synthesis. As a result, by reacting a primary diol with bromous acid or its salt in a solvent with a pH of 7 or higher, which was previously thought to have a slow reaction rate and not react efficiently, (1) By using 1.5 moles of bromite ion per mole of diol, lactone can be produced with a high yield of 90% or more and a selectivity of 100%. (2) During the reaction, no bromine is generated due to decomposition of bromite ions. They discovered this and completed the present invention. (Structure of the Invention) When producing a lactone, the present invention provides bromic acid or a salt thereof and a primary diol at a pH of 7.
The present invention relates to a method for producing lactone using bromous acid and its salts, characterized in that the reaction is carried out in a solvent of 1 to 12. (Action and Effect) The action and effect of the present invention will be explained in detail below. The bromous acid or its salt used in the present invention is one produced by a known method. For example, there are those manufactured by a method using an alkaline aqueous solution and bromine and chlorine as raw materials. The primary diol in the present invention has the general formula
It is expressed as OH CH ₂ RCH ₂ OH. The functional group R includes paraffin hydrocarbons and olefin hydrocarbons, as well as their halogens, carboxyl groups, carbonyl groups, secondary alcohols, tertiary alcohols, nitro groups, sulfone groups, phenyl groups,
Examples include substituted products of cycloparaffin and cycloolefin, and compounds substituted with nitrogen-containing, sulfur-containing, and oxygen-containing heterocycles. The required reaction amount of bromite ion for 1.0 mol of primary diol is stoichiometrically 1.0 mol, as shown in the following formula. Therefore, considering economic efficiency, it is preferable that the amount of bromite ion reacted is close to the stoichiometric amount. According to the method of the present invention, 1.0 mole of bromite ion is reacted with 1.0 mole of primary diol in a solvent with a pH of 7 to 12, preferably a pH of 8 or higher and 10 or lower, which tends to show a high yield. By reacting 50 to 80% of the primary diol with 1.5 moles of bromite ion, more than 90% of the primary diol is converted to lactone, respectively. Compared to the 3.0 mole times more bromite ion needed in acidic media to achieve yields of 90% or higher, the method of the present invention requires 1.5 times the near stoichiometric amount of bromite ion. This method can be said to be close to the ideal, achieving a yield of over 90% using bromite ions. The pH of the reaction solution in the method of the present invention is adjusted as follows. The primary diol and bromite ion react,
When lactone is produced, the pH tends to gradually become acidic, so the pH of the reaction solution is adjusted to 7 to 12 as appropriate using an alkaline substance such as sodium hydroxide or sodium carbonate. Alternatively, a buffer solution that can maintain the pH between 7 and 12 during the reaction can also be used. Buffers include, for example, Britton-Robinson's broad spectrum buffer prepared with phosphoric acid, acetic acid, boric acid and sodium hydroxide. Furthermore, the pH can be adjusted to 7 to 12 by coexisting in the reaction solution a substance that exhibits a pH of about 8 when dissolved in water, such as sodium hydrogen carbonate. Furthermore, by using sodium carbonate or sodium hydroxide in combination with sodium bicarbonate, the pH can be adjusted to 7 to 12. There are no studies on the reaction mechanism between bromite ions and primary diols and the relationship between pH and reactivity, and little is known about them. On the other hand, bromite ion is known to be stable in an alkaline region of pH 9 or higher, and aqueous solutions containing bromite ion that are normally produced contain an alkali such as sodium hydroxide. If bromous acid or its salt and a primary diol are mixed in water and stirred without adjusting the pH, the lactonization reaction will proceed, but the yield will be low and the results obtained will have poor reproducibility. That is, in the present invention, the reaction solvent has a pH of 7 to 7.
12, preferably adjusting the pH to 8 or higher and 10 or lower is an essential condition for obtaining lactone in high yield with bromite ions close to the stoichiometric amount. This is supported by the following measurement results of the behavior of bromite ions at various pH levels using ultraviolet-visible spectra, which were conducted by the inventors of the present application. PH
When is less than 5, the bromite ion decomposes into bromine in less than 1 minute. When the pH is between 6 and 9, it decomposes into substances other than bromine. At pH 6, decomposition is completed within one minute, and as the pH becomes more alkaline, the rate of decomposition slows down, and at pH 8, it takes 1 to 2 hours for complete decomposition. If the reaction between the primary diol and bromite ion occurs in parallel with these decomposition reactions, the lactonization reaction can take precedence over the decomposition reaction at a pH of 7 to 12;
It is thought that the lactone yield increases in this region. On the other hand, in the pH range of 9 or higher, bromite ions can normally exist stably, but when they coexist with primary diols, the lactonization reaction proceeds, and in the pH range of 10 or lower, lactones can be obtained in a very short time and in high yield. When the pH exceeds 12, the reaction rate decreases. Therefore, if the reaction time is increased, a high yield can be obtained even if the pH exceeds 12, but it is practically preferable to adjust the pH to 12 or less. The reaction in the present invention is usually carried out at room temperature in the atmosphere. Since the reaction is accompanied by heat generation, it is desirable to perform appropriate cooling or adjust the mixing rate (reaction rate) between bromous acid or its salt and the primary diol. The reaction proceeds rapidly even at room temperature of 20 to 30°C, and tends to accelerate further at 40 to 50°C. For the reaction, the aqueous solution containing the primary diol is heated to a pH of 7 to 7.
This is generally carried out by dropping a solid or aqueous solution of bromous acid or its salt while adjusting the temperature to 12. Further, even if an organic solvent is present in addition to the aqueous solution, there will be no problem in the reaction as long as the organic solvent does not react with the bromite ion. After the reaction is completed, the lactone is separated from the solvent by extraction or distillation. The method of the present invention, in which bromous acid or its salt is reacted with a primary diol in a solvent adjusted to pH 7 to 12, does not generate bromine unlike the reaction in an acidic medium, and therefore requires no bromine exhaust device. Alternatively, a trapping device and a reduction treatment after the completion of the reaction are not necessary. Also,
According to the method of the present invention, since almost all of the bromite ions are consumed in lactonization, the amount of bromite or its salt required for the reaction to achieve a lactone yield of 90% or more is reduced in the acidic medium. In this case, it was more than 3 times the mole amount, but it was 1.5 times the mole amount, which is close to the stoichiometric amount.
The method of the invention is also economically advantageous. Further, in the reaction in an acidic medium, neutralization of the acid is required after the reaction is completed, but the method of the present invention does not require neutralization treatment. The present invention will be specifically explained below with reference to Examples. Example 1 (including comparative examples) Phosphoric acid 39.2g/, acetic acid 24.0g/, boric acid
A 10% aqueous sodium hydroxide solution was added dropwise to an acid mixture containing 24.7g/ml of PH2, 3, 4, 5,
Eleven types of PH buffers, 6, 7, 8, 9, 10, 11, and 12, were prepared. At the above 11 PHs, 200ml of PH buffer and 9.0g of 1.4-butanediol for each PH.
While stirring the mixture of (0.1 mol), add 50 ml of 29.8 g (95%, 0.15 mol) of sodium bromite trihydrate.
A solution dissolved in water was added dropwise at a rate of 3 ml per minute, and after the addition was completed, the solution was stirred for an additional 3 hours. After the reaction is complete, separate the products for each PH and measure the boiling point, IR,
As a result of NMR analysis, a component identified as γ-butyrolactone was obtained, and its yield was determined. The relationship between pH and γ-butyrolactone yield is shown in Figure 1. However, the PH of any reaction solution is different from before and after the reaction.
The PH fluctuation was within 0.2. As a result, the yield is as low as 30-40% at pH 6 or below, but it is over 60% at pH 7 to 12, especially
A high yield of 90% or more was obtained at pH 8-10. In addition, using the above PH buffer solution, the behavior of sodium bromite at each PH was investigated by measuring the ultraviolet-visible spectrum. 3 is
PH9). As a result, bromine was generated at a pH of 5 or lower, decomposition without bromine generation was observed at a pH of 6 or higher and lower than 9, and no decomposition of bromite ions was observed at a pH of 9 or higher. Example 2 (including comparative examples) PH3 and PH9 of Example 1, using 〇PH buffer, under the same conditions as Example 1 except for the amount of sodium bromite trihydrate. Sodium bromite trihydrate is 1, 2, 3, 3.5, or 4 times the mole of 1.4-butanediol, or 0.5, 1, or 1.5 times the mole of sodium bromite trihydrate for 1.4-butanediol in the case of pH 9. The product was separated to obtain γ-butyrolactone. It was identified by analyzing its boiling point, IR, and NMR, and its yield was determined. The relationship between the molar ratio of sodium bromite to 1,4-butanediol is shown in FIG. As a result, at PH3 (curve 1 in Figure 3), the yield of γ-butyrolactone reached 90% using 3 times the molar amount of sodium bromite as 1.4-butanediol, whereas at PH9 (curve 1 in Figure 3), the yield of γ-butyrolactone reached 90%. In curve 2), the yield was 93% at 1.5 mole times, indicating that by reacting in alkaline conditions, it was possible to obtain lactone in high yield with less sodium bromite. Example 3 Using the pH buffer solution of PH9 of Example 1, cis-2-
Butene-1,4-diol 8.8g (0.1mol) 1.5-
Pentanediol 10.4g (0.1mol), 1.6-hexanediol 11.8g (0.1mol), 3-methyl-1.5-
11.8 g (0.1 mol) of pentanediol was reacted and separated using the same method and conditions as in Example 1, and the boiling point, IR, and NMR analyzes were performed to determine the yield of the corresponding lactone, which is shown in Table 1. .

【表】いずれのラクトンも約90％の高い収率で得られ
る。また、分離して得られたラクトン以外の成分
は、沸点、IR、NMR測定の結果、それぞれの原
料の第１級ジオールであつた。比較例１ PH３の緩衝液を用いる以外は全て実施例３と同
じ方法、条件にて反応、分離、分析を行い、求め
たラクトンの収率を第２表に示す。[Table] Both lactones were obtained in high yields of approximately 90%. Furthermore, as a result of boiling point, IR, and NMR measurements, the components other than the lactone obtained by separation were primary diols of the respective raw materials. Comparative Example 1 The reaction, separation, and analysis were carried out in the same manner and under the same conditions as in Example 3, except that a buffer solution of PH3 was used, and the yields of the lactones determined are shown in Table 2.

【表】いずれのラクトンも40％前後の低い収率でしか
得られなかつた。実施例４実施例３のPH９のPH緩衝液の代りに、炭酸水素
ナトリウム15ｇを水100ｇに溶かした水溶液を用
い、他は実施例３と同様の方法、条件にて反応、
分離、分析を行い、求めたラクトンの収率を第３
表に示した。[Table] All lactones were obtained in low yields of around 40%. Example 4 The reaction was carried out in the same manner and under the same conditions as in Example 3, except that an aqueous solution of 15 g of sodium hydrogen carbonate dissolved in 100 g of water was used instead of the PH buffer of PH 9 in Example 3.
Separation and analysis were performed, and the obtained lactone yield was determined in the third step.
Shown in the table.

【表】反応前のPHは8.3で、反応後のPHは8.1であつ
た。また、分離して得られたラクトン以外の成分
は沸点、IR、NMR測定の結果、それぞれの原料
の第１級ジオールであつた。実施例５実施例３の亜臭素酸ナトリウム・三水塩29.8ｇ
（95％、0.15モル）を50mlの水に溶解した液の代
りに、亜臭素酸ナトリウム水溶液（NaBrO₂80
ｇ／、他にNaCl、205ｇ／、NaBr110ｇ／
、NaBrO₃38ｇ／、NaOH14ｇ／）250ml
を用いて、他は実施例３と同じ方法、条件にて、
反応、分離、分析を行い、求めたラクトンの収率
を第４表に示した。反応前後でのPHの変動は0.3
以内であつた。[Table] The PH before the reaction was 8.3, and the PH after the reaction was 8.1. Further, as a result of boiling point, IR, and NMR measurements, the components other than the lactone obtained by separation were found to be primary diols of the respective raw materials. Example 5 Sodium bromite trihydrate of Example 3 29.8g
An aqueous solution of sodium bromite (NaBrO ₂ 80
g/, also NaCl, 205g/, NaBr110g/
, NaBrO ₃ 38g/, NaOH14g/) 250ml
using the same method and conditions as in Example 3,
The yield of lactone obtained through reaction, separation and analysis is shown in Table 4. The PH change before and after the reaction is 0.3
It was within

【表】【table】

【表】【table】【図面の簡単な説明】[Brief explanation of drawings]

第１図は、γ−ブチロラクトンの収率とPHの関
係を示す図、第２図はPHの異なる緩衝液中での亜
臭素酸ナトリウムの紫外可視スペクトルを示す
図、第３図は1.4−ブタンジオールに対するモル
比とγ−ブチロラクトンの収率の関係を示す図で
ある。 Figure 1 shows the relationship between the yield of γ-butyrolactone and PH, Figure 2 shows the UV-visible spectra of sodium bromite in buffer solutions with different PH, and Figure 3 shows the relationship between the yield of γ-butyrolactone and PH. FIG. 3 is a diagram showing the relationship between the molar ratio to diol and the yield of γ-butyrolactone.

Claims

【特許請求の範囲】１ラクトンを製造するに際して、亜臭素酸ある
いはその塩と第１級ジオールとを、PH７乃至12の
溶媒中で反応させることを特徴とする亜臭素酸お
よびその塩によるラクトンの製造方法。２ PH緩衝液を用いてPH７乃至12に調節すること
を特徴とする、特許請求の範囲第１項記載のラク
トンの製造方法。３炭酸水素ナトリウム単味あるいは炭酸水素ナ
トリウムおよび炭酸ナトリウムの組合せ又は炭酸
水素ナトリウムおよび水酸化ナトリウムの組合せ
を用いてPHを７乃至12に調節することを特徴とす
る、特許請求の範囲第１項記載のラクトンの製造
方法。[Claims] 1. A method for producing lactones using bromous acid and its salts, which is characterized by reacting bromous acid or its salts with a primary diol in a solvent with a pH of 7 to 12 when producing the lactones. Production method. 2. The method for producing lactone according to claim 1, which comprises adjusting the pH to 7 to 12 using a PH buffer. 3. The pH is adjusted to 7 to 12 using sodium hydrogen carbonate alone, a combination of sodium hydrogen carbonate and sodium carbonate, or a combination of sodium hydrogen carbonate and sodium hydroxide, as described in claim 1. A method for producing lactones.