JPH0445741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ウツド・ゴルフクラブのスウイン
グ・ウエイト調整用錘部材に係わり、更に詳しく
はスウイング・ウエイト調整用錘部材をソールプ
レートへの固着、重量の調整ならびに調整用錘の
着脱・交換を容易にしたウツド・ゴルフクラブに
関するものである。

〔従来技術〕

従来、ウツド・ゴルフクラブのスウイング・ウ
エイトの調整方法には種々の方法が知られてお
り、例えばソール部での調整用錘の着脱により、
スウイング・ウエイトを調整する構造を持つクラ
ブヘツドとしては、実開昭59−79161号公報に開
示されているように、調整用錘を固定させるため
に特殊な構造に加工したソールプレートを用いる
ものや、また実開昭59−105162号公報に開示され
ているように、調整用錘を固着させるための錘支
持部材をヘツド内部に埋設させたもの等が提案さ
れている。

然しながら、前者のタイプの場合には、ソール
プレートが特殊な構造となつて、錘取付け位置の
自由度の減少やコストアツプとなる問題があり、
また、後者のタイプは打球時の衝撃に対して調整
用錘の固着・安定に問題があり、錘が大きい場合
などは特にその問題が大きく、錘がヘツド内部で
動く危険性があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、かかる従来の課題に着目して案出
されたもので、ソールプレートへのスウイング・
ウエイト微調整用錘の錘支持ボルトならびに錘の
固着を容易にすると共に、衝撃時の錘のヘツド内
部の安定をも良くし、更にクラブヘツドの製造時
にヘツド本体の内側から粗調整用錘により重量調
整を行うと共に、製品後にヘツド本体の外側から
微調整用錘を装着して重量の微調整を行う２段階
重量の調整を可能にして常に高い精度と幅広いス
ウイング・ウエイトの調整とを可能にしたウツ
ド・ゴルフクラブを提供することを目的とするも
のである。

〔考案の構成〕 この考案は、上記目的を達成するため、ヘツド
本体のソールプレートに、ヘツド本体内に向かつ
て外周面と内面にネジ溝を設けた中空筒状の錘支
持ボルトを螺嵌させて固定し、前記ヘツド本体内
に突出する錘支持ボルトのネジ溝に、クラブヘツ
ドの成形時に固定する粗調整用錘を兼ねたナツト
を螺嵌させて設け、前記中空筒状の錘支持ボルト
の内面に形成したネジ溝に、クラブヘツドの組付
け完了後に装着する微調整用錘を着脱自在に螺嵌
して設けたことを要旨とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、添付図面に基づいて、この考案の実施例
を説明する。

第１図はこの考案を実施したドライバー、スプ
ーン、バツフイーなどのいわゆるウツド・ゴルフ
クラブヘツドをソール側より見た斜視図であり、
第２図は第１図の−線に沿う断面図であつ
て、１はヘツド本体、２はカーボン繊維強化プラ
スチツク（CFRP）からなる外殻、３はソールプ
レート、４はシンタクチツクフオームや硬質ウレ
タンフオームのごとき軽量部材の芯材を示してい
る。

前記ソールプレート３には、スウイング・ウエ
イト調整用錘部材５が取付けられ、このスウイン
グ・ウエイト調整用錘部材５の取付け位置として
は、フエース寄り、トー寄り、ヒール寄りのいず
れへもゴルフアーの好み等に応じて取付けて使用
される。

前記スウイング・ウエイト調整用錘部材５の構
成及びその取付け部は、第２図及び第３図に示す
ように、ヘツド本体１の芯材４の底部に、予めス
ウイング・ウエイト調整用錘部材５を取付けるた
めの空洞部６を形成しておき、この空洞部６にソ
ール側から微調整用錘７を収納するための貫通し
た螺孔８（貫通孔）を有する錘支持ボルト９を装
着し、またヘツド本体１の内側からは粗調整用錘
を兼ねたナツト１０を介して前記ソールプレート
３に固着してある。

なお、粗調整用錘を兼ねたナツト１０は、上記
のように錘支持ボルト９の固定と、ヘツド重量の
粗調整用錘を兼ねていることから、ヘツドの重量
調整を幅広く行うことが出来るように略一定の重
量間隔（例えば１ｇ）で複数段階の重量の異なる
ナツト１０を準備しておくのが好ましい。上記の
ように構成することによつて、ヘツド本体１の内
側からは粗調整用錘を兼ねたナツト１０によつて
重量をおおまかに設定し、また外側からは、前記
錘支持ボルト９の螺孔８に微調整用錘７を螺合さ
せることによつてクラブのスウイング・ウエイト
を調整するようにしている。また空洞部６は、錘
支持ボルト９の長さよりも予め長く形成してお
き、長さの異なる種々の重量の微調整用錘７が装
着できるようになつている。

前記錘支持ボルト９は、ソールプレート３との
固着を強固にさせるために一端にサラネジ状また
はまたは平ネジ状などの頭部９ａを有し、錘支持
ボルト９の外側にはナツト１０を螺合させるため
のネジ溝９ｂを、また、内側には微調整用錘７を
螺合させるためのネジ溝９ｃを有している。

錘支持ボルト９の長さは、ソールプレート３の
厚さならびにウツドクラブ使用時の微調整用錘７
の安定性を考慮し、６ｍ／ｍないし15ｍ／ｍ程度
あるのが好ましく、またソールプレート３への固
着にはソールプレート３側にて錘支持ボルト９の
サラ状や平状の頭部形状に合せて、ザグリ等の加
工をほどこすことが必要である。

また、前記ナツト１０はソールプレート３など
弯曲した面への締付け効果をより高めるために、
ソール側のナツト１０の角を落すか、ナツト１０
に直接接するプレート側に凹状等の受けを付ける
のが好ましく、また使用されるナツト１０の形状
は六角ナツト、丸ナツトまたはその他いずれでも
良く、特に形状には限定されないものである。

また、ヘツド重量の調整の際、粗調整用錘の機
能をもつナツト１０の部分的削りで重量調整を行
うこともできる。

上記ナツト１０の材質は、粗調整用錘の機能を
持たせることから、真鍮のごとく、比重が大き
く、かつ打球の衝撃等で変形を受けることの少な
い材質であることが必要である。

前記錘支持ボルト９とナツト１０およびソール
プレート３との固着は、打球による衝撃での緩み
を防止するために接着剤（例えばロツクタイトな
ど）を併用して締付け、固着するのがより好まし
い。

なお、前記スウイング・ウエイト微調整用錘７
は、一端にネジ回し等で容易に着脱のできるよう
に、プラスやマイナス等の凹溝を設け、また、該
錘の重量も１ｇ（0.5ポイント）、２（１ポイント）
等と、1.0ｇ（0.5ポイント）単位で数種準備し、
ゴルフアーが自分の好みのスウイング・ウエイト
に合せて微調整できる。

この考案の実施例によるヘツド重量の調整とし
ては、まずヘツド本体１にソールプレート３を固
定する前に錘支持ボルト９をソールプレート３に
固着させるナツト１０の重量を選択することによ
つて、ヘツド本体１全体の粗い重量調整を行い、
しかる後にヘツド本体１にソールプレート３をネ
ジ等で固定させ、ゴルフクラブを完成させる。次
に、スウイング・ウエイトの最終調整は、ゴルフ
アーの好みのスウイング・バランスに合せて、ソ
ール外側より微調整用錘７を選択し、螺合するこ
とによつて行う。

このように調整することによつて、ゴルフアー
が自分の好みのスウイング・ウエイトに合せて微
調整でき、ゴルフプレーを最適な条件のもとで行
うことが出来る。

〔考案の効果〕

この考案は、上記のようにヘツド本体のソール
プレートに、ヘツド本体内に向かつて外周面と内
面にネジ溝を設けた中空筒状の錘支持ボルトを螺
嵌させて固定し、前記ヘツド本体内に突出する錘
支持ボルトのネジ溝に、クラブヘツドの成形時に
固定する粗調整用錘を重ねたナツトを螺嵌させて
設け、前記中空筒状の錘支持ボルトの内面に形成
したネジ溝に、クラブヘツドの組付け完了後に装
着する微調整用錘を着脱自在に螺嵌して設けたの
で、以下のような優れた効果を奏するものであ
る。

(a) クラブヘツドの製造時にヘツド本体の内側か
ら粗調整用錘により重量調整を行うと共に、製
品製造後にヘツド本体の外側から微調整用錘を
装着して粗・微の２段階で重量調整を行うこと
が出来るので、そのスウイング・ウエイト調整
可能の幅は拡大し、より密にゴルフアーの好み
に合せることが可能となる。

(b) また、重量調整を粗・微の２段階に分けて行
うので、重量調整のためにソールプレートを外
すような作業は不要であり、従つて、調整作業
も簡便となり、また調整用錘の安定性も向上
し、打球時の耐衝撃性をも向上させることが出
来るものである。

(c) ドライバー、スプーン、バツフイーなどのい
わゆるウツドゴルフクラブにおいて該クラブの
スウイング・ウエイトの調整が簡単にかつ精度
よくゴルフアーの好みに合せたスウイング・バ
ランスを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はウツド・ゴルフクラブヘツドをソール
側より見た斜視図、第２図は第１図の−線に
沿う断面図、第３図はこの考案を実施したスウイ
ング・ウエイト調整用錘部材を構成する部材斜視
図、第４図はスウイング・ウエイト調整用錘部材
の取付け状態を示す断面図である。 １……ヘツド本体、３……ソールプレート、５
……スウイング・ウエイト調整用錘部材、７……
微調整用錘、８……貫通孔（螺孔）、９……錘支
持ボルト、１０……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツド本体のソールプレートに、ヘツド本体内
   に向かつて外周面と内面にネジ溝を設けた中空筒
   状の錘支持ボルトを螺嵌させて固定し、前記ヘツ
   ド本体内に突出する錘支持ボルトのネジ溝に、ク
   ラブヘツドの成形時に固定する粗調整用錘を重ね
   たナツトを螺嵌させて設け、前記中空筒状の錘支
   持ボルトの内面に形成したネジ溝に、クラブヘツ
   ドの組付け完了後に装着する微調整用錘を着脱自
   在に螺嵌して設けたことを特徴とするウツド・ゴ
   ルフクラブ。