JPH0442586Y2 - - Google Patents

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JPH0442586Y2
JPH0442586Y2 JP1988003862U JP386288U JPH0442586Y2 JP H0442586 Y2 JPH0442586 Y2 JP H0442586Y2 JP 1988003862 U JP1988003862 U JP 1988003862U JP 386288 U JP386288 U JP 386288U JP H0442586 Y2 JPH0442586 Y2 JP H0442586Y2
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oil
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friction
wet
oil groove
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、クラツチの摩擦材、特に油液中で使
用するのに適した湿式摩擦材に関するものであ
る。
〔従来の技術〕 例えば自動車、建設機械、オートバイ、農業機
械、モーターボートなどで原動機からの駆動を変
速機に伝達するクラツチは、常時は充分に動力を
伝達する一方、発進時などは適度な滑りを与える
と共に変速機の変速歯車の切り替え時には動力を
遮断する機能が要求される。このような機能を満
たすクラツチとして摩擦式のクラツチが広く採用
されている。摩擦式のクラツチには乾燥状態で使
用される乾式クラツチと油液中で使用される湿式
クラツチとがある。後者の湿式クラツチは遊星歯
車式の自動変速機内の構成要素として多板クラツ
チの形で多く使用されているものである。
湿式クラツチのフリクシヨンプレートは、第1
0図(分解図)に示すようにペーパーフエーシン
グと呼ばれる湿式摩擦材1を芯金2の両面に貼合
わせた構成となつている。
湿式摩擦材1は、有機質繊維や無機質繊維にグ
ラフアイトやアスベスト、セラミツクなどの無機
質充填剤およびカシユーダストなどの有機充填剤
(摩擦調整剤)を添加して湿式抄造した基材に、
フエノール系樹脂やメラミン系樹脂などの熱硬化
性樹脂を含浸、硬化させたものである。この紙質
基材の気孔部分に油は保持され循環するものと考
えられる。これらの材料は摩擦係数が高いうえに
弾性に富み、しかも多孔性であるから油の吸収率
が高いので、現在のところ最も優れた湿式摩擦材
の材料として多量に使用されている。
摩擦式のクラツチでは摩擦熱が発生するため、
前記の機能が安定して果されるには、摩擦部分か
ら熱が効率良く放出されなければならない。湿式
クラツチでは油が熱の運搬媒体として重要な役割
を負つている。摩擦面で発生した熱は、油が媒体
となつて系全体に拡散放出される。従つて摩擦材
自身の油保有量並びに油の出入りが少ないと過熱
し、摩擦材の熱劣化及び油の酸化、分解が起り、
摩擦材としての機能が低下してしまう。
このような事態を回避するために、摩擦材の表
面に油が循環流通できる溝を設けた湿式摩擦材が
提案されている。第10図に示した湿式摩擦材1
は、表面に油溝3が形成された例である。その油
溝の形状は、同図のダブルパラレル形状の他に、
パラレル形状、ワツフル形状が知られている。こ
れらの摩擦材の油溝3はいずれも内周と外周の両
方に開口した全溝型であり、油の循環が良い反
面、油が油溝3から流出し易い。そのため摩擦材
に浸透した油も油溝3を伝わつて遠心力により外
部に飛散してしまい、十分な冷却効果が得られな
いことがある。エンジンが高回転、高出力化する
と、油に加わる遠心力も増加し、この傾向が助長
される。
実公昭57−30498号公報に別な湿式摩擦材が開
示されている。この湿式摩擦材は油溝の形状を改
良したもので、油溝には摩擦材の回転方向に向つ
て浅くなる傾向がつけられている。しかしこの油
溝も内周から外周に至る全溝型であり、前述の摩
擦材同様に冷却効果が不十分である。
〔考案が解決しようとする問題点〕
本考案の出願人は先に、従来の湿式摩擦材の上
記欠点、問題点を解消する湿式摩擦材を考案し
た。その考案は実開昭62−82428号公報に開示さ
れている。この湿式摩擦材の油溝は、摩擦材の内
周から半径方向の中間部に至る半溝型のため、遠
心力によつて油が飛散することはない。しかし油
溝の断面形状は、第10図に示す油溝3と同じ
く、摩擦面に対し略垂直に掘り下げられた形状で
ある。そのため摩擦材が回転した場合、油は油溝
の端部から摩擦材内部に浸透されるのみで、特に
外周近傍への給油が不十分となる傾向があり、摩
擦面全体に対する冷却効果が大きいとは言えな
い。
本考案はその考案をさらに改良し、高回転時の
接触、摺動においても油の循環が程良くなり、摩
擦面の充分な冷却効果が得られ、耐熱性の高い湿
式摩擦材を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
前記の目的を達するための本考案の湿式摩擦材
を実施例に対応する図面により説明する。
第1図は本考案の一実施例である湿式摩擦材1
の平面図、第2図aはそのA−A断面拡大図、第
2図bはB−B断面拡大図である。これらの図に
示すように、本考案の湿式摩擦材1は、その形状
が摩擦面に油溝3を有する環状である。油溝3は
略平行幅であり環状の内周から半径方向の途中で
末端が封鎖している。そして油溝の閉鎖末端およ
び側部の内壁面5および4,6は摩擦面の垂直方
向に対して30〜85度傾斜している。
内壁面4,5,6の傾斜角が30度未満の場合
は、油の浸透量が少なく、85度以上の場合は油溝
3内の油量が不足する。
〔作用〕
湿式摩擦材1は、例えば第10図に示すように
芯金2の両面に貼合わせて使用される。この湿式
摩擦材1を用いた摩擦係合板は一部が油中に浸漬
されたり吸油手段によつて油の供給を受ける。湿
式摩擦材1が回転する相手部材(不図示)に摩擦
接触して従回転すると、油溝3内や湿式摩擦材1
に含まれている油は、外方向(内壁面5方向)へ
の遠心力と回転後方への力を受ける。油溝3は略
平行幅であり環状の内周から半径方向の途中で末
端が封鎖し、その閉鎖末端および側部の内壁面5
および4,6は摩擦面の垂直方向に対して30〜85
度傾斜し、環状の中央部近傍で油溝3内の油と湿
式摩擦材1の材質とが会合接触面積を大きくでき
る。そのため、油溝3内の油は、遠心力により封
鎖末端の内壁面5から湿式摩擦材1の環状の外側
に向かつて浸透するとともに、側部の内壁面4,
6から湿式摩擦材1内部に浸透する。摩擦材1内
部に浸入した油は外周方向かつ回転後方向に向つ
て移動、浸透し、再度、油溝3に流入するかまた
は外周から放出されて円滑に循環流通する。油溝
3は外周側に開口していないため、油溝3内の油
が過剰に外部に飛散することはない。
〔実施例〕
以下、本考案の湿式摩擦材の実施例を詳細に説
明する。
第1図に示すように、環状の湿式摩擦材1の表
面にはダブルパラレル形状に油溝3が成されてい
る。油溝3は摩擦材1の内周から半径方向の中間
部まで形成された半溝型である。第2図に示すよ
うに、油溝3の内壁面4,5,6と摩擦材の回転
軸のなす角θ4,θ5,θ6は45度に設定されている。
この摩擦材の材料は、繊維質と充填剤からなる基
材に硬化剤を含浸し硬化させた公知のものであ
る。油溝3はプレス成形によつて直接摩擦材表面
に刻印溝が構成されたものである。
この湿式摩擦材の摩擦接触繰り返し試験を行な
い、摩擦係数の変化を測定する。測定には摩擦測
定器を用い、回転数5600rpm、イナーシヤ、
2.0kgcm・sec2、圧力2.0Kg/cm2、給油量1.2cc/
min・cm2、油温80℃で測定した。比較のため、油
溝3の内壁面が摩擦面と直角である他は実施例1
と同一な摩擦材(比較例1)、油溝3が内周と外
周に開口した全溝型である他は実施例と同一な摩
擦材(比較例2)を同様にして測定を行つた。そ
れらの結果を第3図に示す。上記の試験結果より
本考案の湿式摩擦材は高回転時の接触においても
摩擦係数の変化が少なく、耐熱性が向上している
ことが認められた。
第4図に示す浸透観察装置8を用い、実施例お
よび比較例1の油浸透状態を観察した。この観察
装置は二枚の摩擦材1を油溝側を透明なアクリル
板8に向けて挾み、内部の空間に油9を封入した
ものである。これを回転すると摩擦材1とアクリ
ル板8の〓間に油溝の周辺で油9が浸透するの
で、その様子をアクリル板8側から観察すること
が出来る。第5図に実施例の油浸透状態、第6図
に比較例1の油浸透状態を示す(回転数
7000rpm、圧力30Kg/cm2)。本考案の湿式摩擦材
は全周、全幅に渡つて油が浸透しているが、比較
例1の摩擦材は油溝3の周辺の限られた部分にし
か浸透していない。
第7図〜第9図は湿式摩擦材の別な実施例の平
面図である。これらの摩擦材は前述した摩擦材の
油溝の平面形状を変更したものである。第9図に
示す摩擦材では、摩擦材の幅方向中央部に環状の
溝を加えて、内周に開口した複数の油溝3をつな
いでいる。各摩擦材の油溝は摩擦材外周に対して
閉じており、内壁面は摩擦材表面から溝底面に向
つて45度傾斜している。
なお油溝3は摩擦材を芯金に接着した後に機械
切削加工を行つて形成しても良い。
〔考案の効果〕
以上詳細に説明したように、本考案の湿式摩擦
材は、油溝3が略平行幅であり環状の内周から半
径方向の途中で末端が封鎖し、その閉鎖末端およ
び側部の内壁面が摩擦面の垂直方向に対して傾斜
し、油溝内の油と湿式摩擦材の会合接触面積が大
きくなるため、油が、油溝から摩擦材内部に好適
に浸透して循環流通する。そのためエンジンが高
回転している時の接触においても十分な冷却効果
があり、焼付きのないクラツチ等を得ることが出
来る。また本考案の湿式摩擦材では、油溝は略平
行幅であるため、油溝を形成するための加工が容
易になるという副次的効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案を適用する湿式摩擦材の平面
図、第2図aはそのA−A断面拡大図、第2図b
はそのB−B断面拡大図、第3図は繰り返し接触
試験による摩擦係数を示す図、第4図は浸透観察
装置の概略断面図、第5図は実施例の油浸透状態
を表す説明図、第6図は比較例の油浸透状態を表
す説明図、第7図〜第9図は別な実施例の平面
図、第10図は従来の湿式摩擦材を用いたフリク
シヨンプレートの分解斜視図である。 1……湿式摩擦材、2……芯金、3……油溝、
4,5,6……内壁面、7……溝底面、8……ア
クリル板、9……油。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 油液中で使用される湿式クラツチの摩擦材にお
    いて、その形状が摩擦面に油溝を有する環状であ
    り、前記油溝は略平行幅であり該環状の内周から
    半径方向の途中で末端が封鎖し、該油溝の閉鎖末
    端および側部の内壁面が摩擦面の垂直方向に対し
    て30〜85度傾斜していることを特徴とする湿式摩
    擦材。
JP1988003862U 1988-01-18 1988-01-18 Expired JPH0442586Y2 (ja)

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JP1988003862U JPH0442586Y2 (ja) 1988-01-18 1988-01-18

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JPH01109631U JPH01109631U (ja) 1989-07-25
JPH0442586Y2 true JPH0442586Y2 (ja) 1992-10-08

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002181073A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Aisin Aw Co Ltd 摩擦材の油溝形状

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