JPH0441503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、VTR等のテープデツキに使用され
る磁気テープカセツトの透視窓用ウインド部材に
関する。

〔従来の技術〕

磁気テープカセツトでは、供給及び巻取りリー
ルを収納するカセツト本体の上ハーフに、磁気テ
ープの巻回量を確認するための透視窓が設けられ
ている。

これを第５図により説明すると、VTR用の磁
気テープカセツト１は、上ハーフ２と下ハーフ３
とからなるカセツト本体４の内部に、磁気テープ
５を巻掛けする供給リール６と巻取りリール７と
の巻回リールが回転可能に収納され、VTR挿入
側となるカセツト本体４の前面には、該カセツト
本体４から繰り出される磁気テープ５を覆うフロ
ントカバー８が開閉可能に装着されている。

上ハーフ２の上面には、ラベル貼着用の凹部２
ａの左右に、両リール６，７に巻回される磁気テ
ープ５の巻回量を視認するための透視窓９，９が
設けられており、該透視窓９は開口２ｂに透視窓
用のウインド部材１０を装着して構成される。

このウインド部材１０は、透明のスチロール樹
脂等で形成され、内面に巻回量の目安となる目盛
１１を突設しており、上ハーフ２へ組付ける前に
は、第６図に示すように、ホルダ１２内に多数枚
積層して収納され、該ホルダ１２の上部または下
部からチヤツキングにより１個づつ取出されて、
上ハーフ２の開口２ｂへ自動供給されて超音波溶
着される。

ところが、このウインド部材１０では、ホルダ
１２内に積層した場合に、内面から突出する目盛
１１や模様、或いは平面の精度誤差等が多段積み
により増幅されて、ホルダ１２内に傾いて収納さ
れることから取出しが困難になることがあり、チ
ヤツキングミスの原因となつて好ましくなかつ
た。

このため、ウインド部材の周囲に形成される溶
着用フランジ部の溶着面に４個の支持用の脚座を
突設して、運搬時等にウインド部材を多段積みし
ても、ウインド部材の面同士が接触せず、かつ荷
崩れしないようにしたものが、実開昭60−74280
号公報に開示されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このウインド部材は、４個の支
持用の脚座を溶着用フランジ部の溶着面に突設さ
せているため、薄肉に形成されている上ハーフの
開口周縁に、溶着用フランジ部を超音波溶着する
と、脚座に対応する部分が、白化変形し、極端な
場合には破損することもあり、また、脚座を溶着
しないようにした場合は、上ハーフの開口周縁の
脚座に対応する部分を、より一層薄肉に形成しな
ければならず、溶着後の開口周縁の強度が低下す
ることになる。

本考案は、かかる実情を背景にしてなされたも
ので、上ハーフの開口周縁の白化変形や破損を防
止しでき、かつ溶着後の開口周縁の強度を低下さ
せることなく、ホルダ収納時の傾きを防止して円
滑な自動供給を行なえる磁気テープカセツトの透
視窓用ウインド部材を提供することを目的として
いる。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的に鑑みなされたもので、
磁気テープを収納したカセツト本体の上ハーフの
開口に装着される磁気テープカセツトの透視窓用
ウインド部材の溶着用フランジ部の内側に形成さ
れるマスク部の内外面のいずれか一方に、３点支
持用の脚座を突設したことを特徴とするものであ
る。

〔作用〕

上記構成によれば、この３点支持用の脚座によ
つて、透視窓用ウインド部材の平面精度誤差の修
正や、目盛或いは模様の直接接触を防止し、透視
窓用ウインド部材をホルダ内に多段積みした際に
も傾きなく収納できて、自動供給を円滑に行なう
ことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図は、本考案の一実施例を説明
するもので、透視窓用のウインド部材１３は、上
記従来例と同様にスチロール樹脂等の透明の材料
でプレスにより一体成形されるもので、上ハーフ
２の開口２ｂの周縁内面に係合する溶着用フラン
ジ部１３ａの内側に、前記開口２ｂに嵌合するマ
スク部１３ｂを段状に形成している。

該マスク部１３ｂの外面外周部には、半球状の
３点支持用の脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃが略均
等位置に突設されると共に、内面には目盛１５と
供給または巻取りリール６，７の中心部を覆う半
円形を多条に重ねた模様１６とが突設されてい
る。また、溶着用フランジ部１３ａには、超音波
溶着用のリブ１７が複数個設けられている。

前記３点支持用の脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃ
は、ウインド部材１３をホルダ１２内に積層した
際に、上下のウインド部材１３とを離間するため
のものであるから、マスク部１３ｂの内面に形成
される目盛１５や模様１６よりも突出して設けら
れており、また、３点支持にしたことにより、そ
れ以上の個数による支持に較べて積層時の安定度
が高く、また製品の平面精度を出すために、金型
を成型する際の脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃの修
正が容易に行なえる利点がある。

したがつて、本実施例のウインド部材１３は、
３点支持用の脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃによつ
て平面精度を修正すると共に、目盛１５や模様１
６の直接接触を防止して、ホルダ１２内に傾きな
く多段積みできるから、ホルダ１２からの取出し
が容易となつてチヤツキングが確実に行なえ、上
ハーフ２への供給ミスをなくして組付け効率を向
上することができる。

第３図は、半球状の３点支持用の脚座１４ａ，
１４ｂ，１４ｃをウインド部材１３のマスク部１
３ｂの内面に上記実施例と同様に等間隔で設けた
第２実施例で、このウインド部材１３をホルダ内
に積層した際に、仮にマスク部１３ｂの側面１３
ｃが、脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃのいずれかが
引掛かつて傾くことがあつても、本実施例の脚座
１４ａ，１４ｂ，１４ｃは、上述のように半球状
の曲面に形成されているから、ウインド部材１３
を矢印Ａ方向へ軽く押してやれば、マスク部１３
ｂの側面１３ｃは、脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃ
の曲面を乗越えて、傾きのない正常な状態に容易
に配置できる。

さらに、マスク部１３ｂの側面１３ｃを、図示
の如くテーパを付しておけば、側面１３ｃは脚座
１４ａ，１４ｂ，１４ｃの乗越えをより一層容易
に行なうことができる。

第４図は、本考案の第３実施例を示し、ウイン
ド部材１３の内面に設けられる３点支持用の脚座
１４ａ，１４ｂ，１４ｃに、短円柱の先端外周に
斜面１８を形成したもので、本実施例において
も、この脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃによつてウ
インド部材１３をチヤツキングに好適な状態で積
層できると共に、ホルダ収納時に、マスク部１３
ｂの側面１３ｃが、脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃ
のいずれかに引掛かることがあつても、斜面１８
の案内によつて、脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃを
容易に乗越えて、正常な積層状態に配置できる。

尚、本考案の脚座１４ａ，１４ｂ，１４ｃの形
状は、上記実施例に限定されない。また、これら
の配設箇所は、ウインド部材の形状により適宜変
更可能である。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、カセツト本体の
上ハーフの開口に装着される磁気テープカセツト
の透視窓用ウインド部材の溶着用フランジ部の内
側に形成されるマスク部の内外面のいずれか一方
に、３点支持用の脚座を突設したので、多数のウ
インド部材をホルダ内に傾きなく積層でき、確実
で安定した自動供給が行なえて、組付け効率の向
上を図ることができ、しかも、ウインド部材の上
ハーフへの溶着後に、上ハーフの開口周縁の白化
変形や破損を防止しでき、かつ溶着後の開口周縁
の強度を低下させることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示し、
第１図はウインド部材の斜視図、第２図はホルダ
内に積層したウインド部材の正面図、第３図は第
２実施例のウインド部材の積層状態を示す正面
図、第４図は第３実施例のウインド部材の積層状
態を示す正面図、第５図及び第６図は従来例を示
し、第５図は磁気テープカセツトの斜視図、第６
図はホルダ内に積層したウインド部材の正面図で
ある。 １……磁気テープカセツト、２……上ハーフ、
２ｂ……開口、３……下ハーフ、４……カセツト
本体、５……磁気テープ、６……供給リール、７
……巻取りリール、１２……ホルダ、１３……ウ
インド部材、１３ａ……溶着用フランジ部、１３
ｂ……マスク部、１４ａ，１４ｂ，１４ｃ……３
点支持用の脚座、１５……目盛、１６……模様、
１７……超音波溶着用のリブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープ５を収納したカセツト本体４の上ハ
   ーフ２の開口２ｂに装着される磁気テープカセツ
   トの透視窓用ウインド部材において、該透視窓用
   ウインド部材１３の溶着用フランジ部１３ａの内
   側に形成されるマスク部１３ｂの内外面のいずれ
   か一方に、３点支持用の脚座１４ａ，１４ｂ，１
   ４ｃを突設したことを特徴とする磁気テープカセ
   ツトの透視窓用ウインド部材。