JPH0440612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、大根、チーズ等野調理材料をすり
おろしたり、スライスしたりする小型電動調理装
置のスイツチ構造、詳しくは調理材料を所望の状
態に調理する刃物デイスクを覆う蓋体が取付けら
れたときにのみ、電源スイツチのON操作を可能
にして作業者の安全を図るスイツチ構造に関す
る。

〔従来技術〕

従来の小型電動調理装置にあつては、刃物デイ
スクを回転駆動する電動モータが内蔵された駆動
部本体に安全にスイツチ及び電源スイツチを夫々
設け、駆動部本体に装着され、前記刃物デイスク
が収容されたボトル部の投入開口に対し、蓋体が
装着されたとき、先ず安全スイツチをON作動さ
せることにより電源スイツチのON操作を可能に
するスイツチ機構が取付けられている。これによ
りボトル部に対して蓋体が取付けられ、作業者の
指等が差込み不可能な状態になつたときのみ、電
源スイツチをON操作可能として作業者の安全性
を図つている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記した従来の安全スイツチを含むス
イツチ機構においては、電源スイツチの他に安全
スイツチを取付けるためのスペースを必要として
いる。このため、ボトル部を使用せずに蓋体によ
り刃物デイスクを直接、覆つて調理材料を調理す
る手持ち形式の小型電動調理装置にあつては、装
置自体が小型であるため、安全スイツチを取付け
るためのスペースを確保することが極めて困難で
あり、作業者の安全性を確保できなかつた。すな
わち、作業者の安全性を確保する場合には装置自
体が大型化し、手持ち形式の小型電動調理装置を
構成できなかつた。また、調理作業中において
は、刃物デイスクの回転力が調理された調理材料
を介して蓋体に付与されることにより該蓋体が外
れるおそれを有している。

本考案は、上記した従来の欠点を解決するため
に考案されたものであり、その目的とするところ
は、装置の小型化を図りながら刃物デイスクを覆
う蓋体が取付けられたときにのみ電源スイツチの
ON操作を可能にして作業者の安全性を確保する
ことができると共に、調理作業中に蓋体が外れる
のを防止することが可能な小型電動調理装置のス
イツチ構造を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

このため本考案は、把持可能な大きさの把持部
および取り付け部が設けられた駆動部本体内に電
動モータの駆動に伴つて刃物デイスクを回転し、
刃物デイスクを覆う蓋体の投入部を介して投入さ
れた調理材料を所望の状態に調理する小型電動調
理装置において、駆動部本体に移動可能に支持さ
れ、先端に係合突部および一部に作動突部を有し
たスライド部材と、スライド部材が所定の電源
ON位置へ移動されたとき、ON作動する電源ス
イツチと、スライド部材の係合突部の前方に位置
し、係合突部の移動方向と直交する方向へ移動可
能に支持された規制部材と、常には弾性力により
規制部材が係合突部の前方に位置するように付勢
する弾性部材と、駆動部本体に蓋体が取付けられ
たとき、規制部材を弾性部材の弾性力に抗して移
動させるとともに移動したスライド部材の係合突
部が係合される作動部材とを備えたことを特徴と
している。

〔考案の作用〕

本考案は上記のように構成されるため、駆動部
本体に対して蓋体が装着されておらず、刃物デイ
スクが外部に露出した状態においては、弾性部材
により付勢され、スライド部材の係合突部の前方
に位置する規制部材により、該スライド部材の移
動が規制される。これにより電源スイツチが
OFF状態に保持される。

一方、駆動部本体に対して蓋体が装着されて刃
物デイスクが覆われたとき、当接する作動部材に
より規制部材が、弾性部材の弾性力に抗して移動
し、該スライド部材を移動操作可能にさせる。そ
して上記状態にてスライド部材が移動操作される
と、その移動に伴つて当接する作動突部により電
源スイツチがON作動し、電動モータが回転駆動
される。これにより刃物デイスクが所要の方向へ
回転し、投入された調理材料が調理される。ま
た、調理作業中においては、刃物デイスクの回転
力が調理された調理材料を介して蓋体に付与され
るが、スライド部材の係合突部が作動部材に係合
されるため、調理作業中に蓋体が外れることが防
止される。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は本考案に係る小型電動調理装置の概略
を示す分解斜視図、第２図は第１図の−線に
応じた縦断面図、第３図はスイツチ構造を示す分
解斜視図、第４図は第２図の−線の横断面図
であり、小型電動調理装置１は駆動部本体３と刃
物デイスク５及び蓋体７とから構成されている。

前記駆動部本体３の本体ケース９は一部が切り
欠かれた截頭円形状の取付け部９ａと、該取付け
部９ａから後方に延び、把持可能な外径の把持部
９ｂとが一体形成され、前記取付け部９ａには上
下方向に軸線を有した駆動軸１１が回転可能に支
持されている。また、前記把持部９ｂ内には回転
軸１３ａの軸線が水平方向に向いた電動モータ１
３が内蔵され、該回転軸１３ａと前記駆動軸１１
とは連結歯車１５を介して駆動連結されている。

前記把持部９ｂの先端上部にはスイツチ機構１
７が内蔵され、該スイツチ機構１７は前記把持部
９ｂの上部に設けられた開口９ｃを介して後述す
る蓋体７の作動片７ｄが挿入可能に構成されてい
る。

前記取付け部９ａの上面には皿部材１９が、そ
の先端係合部１９ａが取付け部９ａの先端被係合
部９ｄに、また後端係合部１９ｂが把持部９ｂの
被係合部９ｅと夫々係合して着脱可能に取付けら
れる。該皿部材１９はほぼ円盤状からなり、中心
部に透孔１９ｃが前記駆動軸１１を挿入可能とな
るように形成されている。そして該皿部材１９の
外周には起立壁１９ｄが一体形成され、該起立壁
１９ｄの先端側には排出開口１９ｅが形成されて
いる。

前記透孔１９ｃから突出した駆動軸１１の上部
には前記刃物デイスク５が着脱可能に取付けられ
ている。前記刃物デイスク５の支持円盤２１の中
心部にはボス２１ａが、前記駆動軸１１を挿嵌可
能に形成され、該支持円盤２１の平面部には開口
２１ｂが形成されている。また、前記支持円盤２
１には軸受部２１ｃが、その中心から偏心した位
置に形成され、該軸受部２１ｃには刃物盤２３の
軸部２３ａが回転可能に支持されている。該刃物
盤２３の上面には多数の突起刃２３ｂが形成され
ている。更に、前記支持円盤２１の下面にはボス
２１ａから放射方向に延びる掻き取り板２１ｄ
が、その下端が前記皿部材１９の底部上面に近接
するように一体形成されている。

前記皿部材１９の上部には蓋体７が着脱可能に
取付けられている。該蓋体７には垂下壁７ａが、
前記起立壁１９ｄと一致するように一体形成さ
れ、該垂下壁７ａには排出用切欠７ｂが前記排出
開口１９ｅと一致するように形成されている。ま
た、前記蓋体７には円筒部７ｃが、前記駆動軸１
１より放射方向へずれた位置に一体形成され、該
円筒部７ｃを介して調理材料が、前記皿部材１９
と蓋体７とにより形成されて刃物デイスク５が回
転する空間内へ投入される。この円筒部７ｃの下
端部には作動片７ｄが一体形成され、該作動片７
ｄには係合凹部７ｅが、後述するスライド板２５
の係合突部２５ｂと係合可能に設けられている。

前記把持部９ｂの先端部正面には凹所３ｄが形
成され、該凹所３ｄの底面には複数の係合孔３ｅ
が形成されている。そして該凹所３ｄにはスイツ
チケース２９が挿嵌されている。すなわち、前記
スイツチケース２９の側壁には係合爪２９ａが、
スリツト２９ｂを介して形成され、該係合爪２９
ａが、前記係合孔３ｅに挿嵌されたとき。その爪
部が前記凹所３ｄの底面に係合される。前記スイ
ツチケース２９の上面には長溝２９ｃが形成さ
れ、該長溝２９ｃにはスライド板２５の軸部２５
ａが第３図に示す実線矢印のＡ方向へ移動可能に
支持されている。そしてスイツチケース２９の上
面に突出した軸部２５ａにはスイツチ釦２６が取
付けられている。なお、前記スイツチケース２９
の底面と前記スライド板２５の上面との間には防
水シート３１が取付けられている。前記スライド
板２５の先端部には係合突部２５ｂが一体形成さ
れ、前記作動片７ｄが開口９ｃ内に挿入されたと
き、該スライド板２５の移動に伴つて作動片７ｄ
の係合凹部７ｅに係合される。また、前記スライ
ド板２５の下面には作動突部２５ｃが一体形成さ
れ、該スライド板２５の移動に伴つて電源スイツ
チ２７をON作動させる。前記前記スイツチケー
ス２９の先端壁２９ｄには切欠２９ｅが、前記開
口９ｃとほぼ一致するように切り欠かれ、先端壁
２９ｄと区画壁２９ｆとの間に前記作動片７ｄが
挿入可能に形成されている。そして前記先端壁２
９ｄと区画壁２９ｆとの間には規制部材が移動可
能に支持され、該規制部材３３は弾性部材として
のコイルばね３５により、常にその第３図に示す
実線矢印のＢ方向へ付勢されている。

なお、把持部９ｂの上部には前記電動モータ１
３を駆動するための電池３７が交換可能に内蔵さ
れている。

次に、上記のように構成された小型電動調理装
置１の作用を第４図〜第６図に従つて説明する。

第５図は規制部材が移動した状態を示す略体斜
視図、第６図は電源スイツチのON状態を示す略
体斜視図であり、先ず駆動部本体３に蓋体７が装
着されていない場合を説明すると、規制部材３３
はコイルばね３５の弾性力により付勢され、係合
突部２５ｂの前方に移動されている。従つて、該
係合突部２５ｂが規制部材３３に当接し、スライ
ド板２５の移動が規制される。この状態にてスイ
ツチ釦２６が第４図に示す実線矢印のＣ方向へ移
動操作されても、スライド板２５の移動が規制さ
れるため、電源スイツチ２７がOFF状態に保持
される。このため、蓋体７が非装着状態、従つて
刃物デイスク５が外部に露出した状態ではその回
転駆動が阻止され、該刃物デイスク５により作業
者の安全性を確保している。

一方、駆動部本体３に対して蓋体７が取付けら
れた状態を説明すると、取付け部９ａに皿部材１
９が取付けられると共に、その駆動軸１１に刃物
デイスク５が取付けられた状態で、開口９ｃ内に
作動片７ｄが位置するように起立壁１９ｄ上端と
蓋体７の垂下壁７ａ下端とを一致させながら皿部
材１９に蓋体７を装着したのち、該蓋体７が第５
図に示す実線矢印のＤ方向へ回動操作されると、
当接する作動片７ｄにより規制部材３３が、コイ
ルばね３５の弾性力に抗して第５図に示す実線矢
印のＥ方向へ移動される。これにより係合突部２
５ｂの前方から規制部材３３が移動し、スライド
板２５が移動可能になる。

上記状態でスイツチ釦２６が第６図に示す実線
矢印のＦ方向移動操作されると、スライド板２５
の移動に伴つて係合突部２５ｂが前記作動片７ｄ
の係合凹部７ｅに係合されると共に、移動する作
動突部２５ｃにより電源スイツチ２７がON作動
され、電動モータ１３を回転駆動させる。これに
より刃物デイスク５が所要の方向へ回転される。

そして上記状態にて円筒部７ｃを介して調理材
料が蓋体７と皿部材１９との間に投入されると、
該調理材料は該刃物デイスク５の刃物盤２３によ
りすりおろされる。そしてすりおろされた調理材
料は支持円盤２１の開口２１ｂ、及び該支持円盤
２１と皿部材１９及び蓋体７との隙間を通つて皿
部材１９の上面側へ移動したのち、掻き取り板２
１ｄにより皿部材１９の排出開口１９ｅ及び蓋体
７の排出用切欠７ｂを介して外部へ排出される。
この調理作業中においては、刃物デイスク５の回
転力が、調理された調理材料を介して蓋体７に付
与され、該蓋体７が第６図に示す破線矢印のＧ方
向へ戻されるが、前記作動片７ｄの係合凹部７ｅ
に対して係合突部２５ｂが係合されているため、
蓋体７の移動が規制される。これにより調理作業
中に蓋体７が外れることがない。

このように本実施例は、常にはコイルばね３５
の弾性力により付勢された規制部材３３が係合突
部２５ｂの前方に位置し、スライド板２５の移動
を規制するため、駆動部本体３に対して蓋体７が
装着されていない状態でスイツチ釦２６が移動操
作されても電源スイツチ２７がONされることが
ない。この結果、刃物デイスク５が露出した状態
ではその回転が禁止されるため、該刃物デイスク
５により作業者が怪我したりすることが防止され
る。

一方、駆動部本体３に対して蓋体７が装着され
たとき、当接する作動片７ｄにより規制部材３３
がコイルばね３５の弾性力に抗して係合突部２５
ｂ前方から移動し、スライド板２５を移動可能に
するため、スイツチ釦２６が移動操作されたと
き、スライド板２５の移動に伴つて当接する作動
突部２５ｃにより電源スイツチ２７がON作動し
て刃物デイスク５を回転させる。また、調理作業
中においては、作動片７ｄの係合凹部７ｅに係合
しているため、蓋体７が外れることが防止され
る。

なお、上記説明は刃物デイスク５を支持円盤２
１に刃物盤２３を回転可能に支持し、投入された
調理材料をすりおろすものとしたが、前記支持円
盤に中心部から外周に至る細長状の開口を形成す
るとともにこの開口の回転方向側に応じた支持円
盤に刃物を取付け、投入された調理材料をスライ
スするものであつてもよい。

また、上記説明は、リミツトスイツチ構造の電
源スイツチ２７としたが、接片構造の電源スイツ
チであつてもよい。

〔考案の効果〕

このため本考案は、装置の小型化を図りながら
刃物デイスクを覆う蓋体が取付けられたときにの
み電源スイツチのON操作を可能にして作業者の
安全性を確保することができると共に、調理作業
中における蓋体の外れを防止することが可能な小
型電動調理装置を提供することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る小型電動調理装置の概略
を示す分解斜視図、第２図は第１図の−線に
応じた縦断面図、第３図はスイツチ構造を示す分
解斜視図、第４図は第２図の−線の横断面
図、第５図は規制部材が移動した状態を示す略体
斜視図、第６図は電源スイツチのON状態を示す
略体斜視図である。 図中１は小型電動調理装置、３は駆動部本体、
５は刃物デイスク、７は蓋体、７ｄは作動片、７
ｅは係合凹部、１３は電動モータ、２５はスライ
ド部材、２５ｂは係合突部、２５ｃは作動突部、
２７は電源スイツチ、３３は規制部材、３５は弾
性部材である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 把持可能な大きさの把持部および取り付け部が
   設けられた駆動部本体内に電動モータの駆動に伴
   つて刃物デイスクを回転し、刃物デイスクを覆う
   蓋体の投入部を介して投入された調理材料を所望
   の状態に調理する小型電動調理装置において、 駆動部本体に移動可能に支持され、先端に係合
   突部および一部に作動突部を有したスライド部材
   と、 スライド部材が所定の電源ON位置へ移動され
   たとき、ON作動する電源スイツチと、 スライド部材の係合突部の前方に位置し、係合
   突部の移動方向と直交する方向へ移動可能に支持
   された規制部材と、 常には弾性力により規制部材が係合突部の前方
   に位置するように付勢する弾性部材と、 駆動部本体に蓋体が取付けられたとき、規制部
   材を弾性部材の弾性力に抗して移動させるととも
   に移動したスライド部材の係合突部が係合される
   作動部材と、 を備えたことを特徴とするスイツチ構造。