JPH0439040Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、微細な万線状凹凸パターン群からな
る表示情報とホログラム画像とを有する画像形成
体に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

表面が微細な凹凸形状をなすパターンを有する
画像形成体として、金属光沢を有するシート状基
体表面に微細な万線状凹凸パターン群を各画素ご
とに万線を少しずつ変えて賦形し、所謂オパール
効果を発揮するようにした画像形成体がある。こ
の画像形成体の製造は、例えば、ワツクスラミネ
ートしたアルミ箔紙のアルミニウム表面に、必要
ならば絵柄を施し、しかる後に微細な万線状凹凸
パターン群をその万線方向を少しずつ変えて種々
組合わせたエンボスパターンを設けてなるプレス
版を押圧して行われている。

こような画像形成体は、その表面の方線状凹凸
パターン群の万線方向がそれぞれ異なつているた
め、表面での反射光の方向が様々に変化し、見る
角度や方向を変化させると各万線状凹凸パターン
群の濃淡や輝きが動的に変化し、極めて華麗な効
果（オパール効果）を醸し出す。このオパール効
果を有する画像形成体は、作製時に使用されるエ
ンボスパターンの製作が非常に難かしく、しかも
シート状基体上に予め形成してある絵柄との見当
合せも難しいため、第三者が容易に偽造すること
が困難である。しかしながら、従来の画像形成体
は、単純にバツクと文字等の表示情報を形成する
万線状凹凸パターンの傾斜角度を変えただけのも
のであり、表示情報も一種類のものに限られ、複
数種類の情報や人物・風景等の画像のような複雑
な情報を表示できないと共に、偽造防止効果も必
ずしも十分なものではなかつた。

そこで、本考案者等は、製造が容易で、かつ、
複数種類の情報や人物・風景等の複雑な画像情報
を表示できると共に、偽造防止効果の高い画像形
成体を実願昭61−168051号として先に提案した。

而して、本考案者等は、更に研究を進めた結
果、製造が容易でしかもオパール効果を実願昭61
−168051号のものよりも一層高めると共にホログ
ラム画像を豊なものにして、偽造防止効果及び美
的効果を十分に発揮させることができる画像形成
体を開発した。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、金属光沢を有するシート状基体の表
面の所定領域に形成されたホログラム画像と、該
ホログラム画像上に形成されたカラー箔と、該カ
ラー箔上に前記ホログラム画像と少なくとも一部
分を重なるようにして形成された所定傾斜角度の
微細な万線状凹凸パターン群からなる表示情報と
を具備することを特徴とする画像形成体である。

ここで、本考案の画像形成体は、クレジツトカ
ード、IDカード等のプラスチツクカードは、勿
論、その他の種々の材質かなるテレホンカード、
ラベル、パツケージ等に適用できるものである。

また、カラー箔は、ホログラム画像及び万線状
凹凸パターン群からなる表示情報に所定の色を発
現させると共に、ホログラム画像の所定領域部分
を選択的の消失させたり、或いは表示情報上に浮
彫りしたように表示させることができるものであ
り、必要とする偽造防止効果或いは美的効果に応
じて適宜所定の色のもので、透明或いは、不透明
のものに設定できるものである。

〔作 用〕

考案にかかる画像形成体によれば、金属光沢を
有するシート状基体に表面の所定領域に形成され
たホログラム画像上に、少なくとも一部分を重な
るようにして微細な万線状凹凸パターン群で構成
された表示情報を設け、更にホログラム画像と前
記表示情報との間に透明または不透明のカラー箔
を設けた簡単な構造のものとしたので、製造が容
易でしかもオパール効果をより一層高めると共に
ホログラム画像を豊なものにして、偽造防止効果
及び美的効果を十分に発揮させることができるも
のである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面を参照して
説明する。

第１図は、本考案の一実施例の概略構成を示す
断面図である。図中１は、例えばアルミニウムの
蒸着層等からなる金属光沢を有するシート状基体
である。シート状基体１の表面の所定領域には、
例えば、溝ピツチ幅が0.5〜2μ、凹凸の高低差が
0.5〜1μの干渉縞からなるTOPPANのホログラム
画像２が形成されている。ホログラム画像２上に
は、例えば赤、青、緑等の有色で半透明のカラー
箔３を介して保護層４が形成されている。カラー
箔３、保護層４及びホログラム画像２を含むシー
ト状基体１の表面領域には、溝ピツチ幅が60〜
90μ、凹凸の高低差が10〜20μで傾斜角度の異な
る複数の万線状凹凸パターン群５ａ，５ｂからな
る表示情報５が形成されている。この場合、表示
情報５は、同心円状で直径の異なる２つの模様を
構成している。

而して、このように形成された画像形成体１０
は、カード基材１２の所定部分に接着層１１を介
して組み込むことにより、ホログラム画像２と表
示情報５の複雑な情報表示によつてカードの偽造
防止を確実に行なうことができる。また、ホログ
ラム画像２と万線状凹凸パターン群５ａからなる
表示情報４とは、溝ピツチ幅が約50倍、凹凸の高
低差が約20倍もあるので、ホログラム画像２と表
示情報５の夫々を鮮明に表示することができる。
しかも、ホログラム画像２と表示情報５と間に
は、有色の半透明膜で形成されたカラー箔３が介
在されているので、第２図Ａに示す如く、表示情
報５は赤等の所望の色を呈し、かつ、その上にホ
ログラム画像２を浮き彫りさせた状態になつてい
る。その結果、カードの偽造防止効果及び美的効
果より一層高めることができる。ここで、第２図
Ｂに示す如く、カラー箔３を不透明のものにすれ
ばホログラム画像２の所定領域部分を選択的に所
定の色を呈する２つの円模様とし、 TOPPAN等の画像内容をその部分だけ消すこと
もできる。更に、画像形成体１０の製造は、従来
からの箔押方式や凹版印刷を採用した万線状凹凸
パターン5aの形成工程と、ホログラム加工工程
とを採用するだけで容易に行なうことができる。

〔考案の効果〕

以上説明した如く、本考案にかかる画像形成体
によれば、製造が容易でしかもオパール効果をよ
り一層高めると共にホログラム画像を豊なものに
して、偽造防止効果及び美的効果を十分に発揮さ
せることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の概略構成を示す
断面図、第２図は、同実施例の画像形成体とカラ
ー箔との関係を示す平面図である。 １……シート状基体、２……ホログラム画像、
３……カラー箔、４……保護層、５……表示情
報、１０……画像形成体、１１……接着層、１２
……カード基材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 金属光沢を有するシート状基体の表面の所定
   領域に形成されたホログラム画像と、該ホログ
   ラム画像上に形成されたカラー箔と、該カラー
   箔上に前記ホログラム画像と少なくとも一部分
   を重なるようにして形成された所定傾斜角度の
   微細な万線状凹凸パターン群からなる表示情報
   とを具備することを特徴とする画像形成体。 (2) カラー箔が、透明または不透明の何れかであ
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の画像形成体。