JPH043879Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用バンパに関するものである。

（従来の技術） 従来から第４図、第５図に示すようにバンパ本
体１の上壁２の開口端２ａをその下方から支持す
るように該上壁２と中壁３の間の開口端部Ａにお
いて該バンパ本体１の長さ方向のほぼ全域に亘つ
てバンパリブ４が設けられている。

このバンパリブ４は前記上壁２の開口端２ａが
自重や外力によつて垂れ下がるのを防止し、バン
パ本体１の見栄えや質感等の外観的品質を良好に
維持する機能を果している。

ところが、第６図に示すようにバンパ本体１
は、その中壁３と下壁７の各上面に自動車５の車
体のバンパアーム６を嵌挿することによつて自動
車５に取り付けられる構造になつているため、バ
ンパリブ４は上壁２と中壁３によつて形成される
開口端部Ａに充填されることなく、前壁８寄りの
反開口端部Ｂに充填されている。

（考案が解決しようとする問題点） そのため、前記従来の技術では、中壁３のうち
バンパアーム６に取り付けられるバンパアーム取
付部位３ｘ上の上壁２がバンパリブ４で支持され
なくなり、上壁２が部分的に下方へ垂れ下がり、
バンパ本体１は製品としての仕上り精度が低下
し、商品として見栄えが悪くなるという問題点が
ある。

また、バンパ本体１の長さ方向においてその全
域にバンパリブ４が充填されているので、バンパ
リブ４は全体に重くなり、バンパ９そのものを重
くするという問題がある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） そこで、本考案は前記問題点を解決するため
に、バンパ本体の中壁上に同バンパ本体の上壁を
下方から支持するバンパリブを該中壁の長さ方向
に複数個、間隔をおいて配設するとともに、前記
各バンパリブのうち中壁のバンパアーム取付部位
に配設されるバンパリブの該バンパアーム取付部
位と対峙する部分にはバンパアームを嵌挿するた
めの切欠空間を形成するという技術的手段を採つ
た。

（作用） バンパアームはバンパリブに干渉されることな
くバンパ本体の中壁上に嵌挿されるとともに、バ
ンパ本体の中壁上に配設されたバンパリブは、該
バンパ本体上壁をバンパアーム取付部位上の上壁
も含めて下方から支持する。そのため、上壁の開
口端が自重や外力によつて垂れ下がるのが阻止さ
れる。

また、バンパリブは上壁を中壁の長さ方向の全
域に亘つて下方から支持することなく、ところど
ころの位置で上壁を支持するようになつているの
で、前記の全域にバンパリブが充填される場合に
比較すると、各バンパリブ間に空隙が生じた分だ
けバンパリブは軽量になる。

（第一実施例） 本考案を具体化した第一実施例を第１図、第２
図に従つて説明する。

この実施例のバンパ９はバンパ本体１とバンパ
リブ４とから構成されている。前記バンパ本体１
は、合成樹脂、例えばポリプロピレン樹脂から形
成されているとともに、その横断面がほぼヨ字形
乃至はＥ字形となるように、ほぼ垂直板状の前壁
８と、該前壁８と一体的に形成され、かつその上
部と下部のそれぞれからほぼ水平方向に延出する
上壁２と下壁７と、それらの壁間において前記同
様に延出する中壁３とから形成されている。

そして、前記上壁２と中壁３との間に形成され
る開口部Ｃには、合成樹脂からなり、ほぼＤ字状
側面をなしている板状のバンパリブ４が複数個、
中壁３の長さ方向に間隔をおいて配設され、上壁
２の開口端２ａを中壁３上で下方から支持してい
る。前記の間隔は中壁３の垂れ下がりが生じない
範囲においてほぼ一定に定められている。

前記中壁３がバンパアーム６に取り付けられる
バンパアーム取付部位３ｘ上に配設されるバンパ
リブ４において、前記バンパアーム取付部位３ｘ
と対峙する部分には、該バンパアーム６の先端部
分の厚みよりわずかに大きい深さを有する切欠空
間Ｄが形成され、その切欠空間Ｄにバンパアーム
６の先端部が嵌挿可能になつている。

前記深さはバンパアーム６の前記切欠空間Ｄに
嵌挿されたとき、バンパアーム６の上面とバンパ
リブ４との間にわずかな〓間αが形成される程度
になつている。

前記バンパ９は、例えば、公知の方法に従つて
製造されたバンパ本体１の開口部Ｃに、バンパリ
ブ４を形成させることによつて得られる。

前記バンパ９を自動車５の車体に組み付ける場
合は、バンパ９を該車体側に設けられているバン
パアーム６の前方に持つてゆき、バンパアーム６
の先端を切欠空間Ｄに嵌挿すると、バンパ９がバ
ンパアーム６にセツトされ、該切欠空間Ｄ内でバ
ンパアーム６の上面がバンパリブ４に当接する。
次いで、公知の手段によりバンパ９をバンパアー
ム６に固定すればよい。

以上のように構成される第一実施例につき、次
にその作用、効果を説明する。

上壁２と中壁３との間の開口部Ｃにおいて中壁
３の長さ方向に亘つてバンパリブ４が所定間隔を
おいて配設されているので、前記上壁２の開口端
２ａ部分がところどころバンパリブ４により下方
から支持される。その結果、バンパ本体１のどの
部分においても、前記開口端２ａ部分が自重や外
力により垂れ下がることはない。従つて、バンパ
本体１の仕上り精度が向上し、ひいてはバンパ９
の外観乃至は見栄えがよくなり、質感が出る。

また、バンパアーム６に対する中壁３のバンパ
アーム取付部位３ｘ上に配設されるバンパリブ４
には切欠空間Ｄが設けられているので、そこにバ
ンパアーム６が挿入される場合、同切欠空間Ｄは
バンパアーム６の移動空間になる。従つて、バン
パアーム６はバンパリブ４に干渉されることなく
切欠空間Ｄ内に嵌挿される。

さらに、バンパアーム６が挿入された後の切欠
空間Ｄにおいてバンパアーム６上にはその厚みよ
りわずかに大きい〓間αしか残されないようにな
つているので、バンパ９を自動車５の車体に組み
付ける場合、単にその切欠空間Ｄに前記車体のバ
ンパアーム６の先端部を嵌挿するだけで、バンパ
アーム６の上面がバンパリブ４に当接する。従つ
て、そのバンパ９を作業者が手で支えなくてもバ
ンパ９がバンパアーム６からずり落ちる心配がな
いので、バンパ組付け作業の能率アツプを図るこ
とができる。

さらに、バンパリブ４は間隔をおいてところど
ころ中壁３上に配設され、中壁３の長さ方向の全
域に配設されるようにはなつていないので、該全
域にバンパリブ４が配設される従来のバンパ９に
比較してこの実施例のバンパ９は軽量であり、従
つてそれだけバンパリブ４用の材料の節減が可能
になる。

（第二実施例） 次に、本考案を別の態様で具体化した第二実施
例を第３図に基づいて説明する。

この実施例においては開口部Ｃのうち中壁３の
開口端３ａ（または上壁２の開口端２ａ）寄りの
空間である開口端部Ａ側にバンパリブ４が介装さ
れ、該前壁８寄りの空間である反開口端部Ｂには
該バンパリブ４が介装されないように、バンパリ
ブ４は短く形成されている。

さらに、バンパリブ４において開口端部Ａ側の
下部コーナ部４ｘは所定の曲率Ｒで湾曲した曲面
になつている。

その他の構成要素については第一実施例のそれ
と実質的に同一である。

この実施例においては、第一実施例の作用、効
果に加えて、まず、バンパリブ４が短く形成され
ているので、バンパ９はより軽量であり、低コス
トで得られ、さらに、反開口端部Ｂが中空になつ
ているので、バンパ本体１とバンパリブ４とを同
時に成形する場合にはバンパリブ成形に起因して
バンパ本体１に生じ易い引けを防止することがで
き、従つて、バンパ本体１の仕上がり精度やバン
パ９の見栄えが良好に維持される。さらに、下部
コーナ部４ｘが湾曲しているので、バンパアーム
６を切欠空間Ｄに嵌挿し易く、その結果、自動車
５に対するバンパ９の取付け作業の能率アツプを
図ることができるという効果もある。

本考案は前記各実施例の構成に限定されるもの
ではなく、考案の趣旨から逸脱しない範囲におい
て、例えば、次の態様で実施することができる。

(1) バンパ本体１の形状、構造、製造方法等を変
更することができる。

(2) バンパリブ４等の材質も変更することができ
る。例えば、バンパ本体１の材質として熱可塑
性エラストマやポリウレタン樹脂を使用し、バ
ンパリブ４の材質としてポリウレタン、ポリエ
チレン−酢酸ビニール共重合体等を使用するこ
とができる。

(3) 第二実施例において反開口端部Ｂを中空にす
る程度は本考案の効果を著しく損なわない範囲
において大きくすることができる。

(4) バンパ本体１とバンパリブ４のそれぞれを別
の工程で形成しておいて両者を接合することも
できる。

(5) バンパリブ４は上壁２と接合又は一体形成さ
れていてもよいし、また、同様に中壁３と接合
又は一体形成されていてもよい。

(6) 成形型を使用してバンパ本体１とバンパリブ
４とを一体成形する場合は、離型し易いように
開口端２ａ寄りのバンパリブ４の厚みが薄くな
り、しかもバンパリブ４の取付け方向が一定方
向を向くようにバンパリブ４を設計した方がよ
い。

(7) バンパリブ４の厚み及び各バンパリブ４の間
隔は上壁２の開口端２ａの垂れ下がりが生じな
い範囲において種々変更することができる。

考案の効果 以上詳述したように、本考案は、バンパリブの
全体の重量を少なくできるのでバンパをより軽量
にすることができるとともに、バンパ本体の上壁
の垂れ下がりをバンパアーム取付部位上の上壁も
含めて防止できるので、バンパ本体の仕上り精度
を向上させ、ひいてはバンパの外観乃至は見栄え
を向上させるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は第一実施例の部分斜視図、第２図は同
じく部分破断斜視図、第３図は第二実施例の横断
面図、第４図は自動車に組み付けられた従来技術
の部分破断斜視図、第５図は第４図における−
方向の断面図、第６図は同じく−方向の断
面図である。 １……バンパ本体、２……上壁、３……中壁、
４……バンパリブ、４ｘ……下部コーナ部、６…
…バンパアーム、Ｄ……切欠空間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ バンパ本体の中壁上に同バンパ本体の上壁を
   下方から支持するバンパリブを該中壁の長さ方
   向に複数個、間隔をおいて配設するとともに、
   前記各バンパリブのうち中壁のバンパアーム取
   付部位に配設されるバンパリブの該バンパアー
   ム取付部位と対峙する部分にはバンパアームを
   嵌挿するための切欠空間を形成してなる自動車
   用バンパ。 ２ 前記バンパアーム取付部位に配設されるバン
   パリブは開口端部側の下部コーナ部が湾曲して
   いる実用新案登録請求の範囲第１項に記載の自
   動車用バンパ。