JPH043826B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 装置の磁界発生器に引付けられる加工品１を
力検出器２に接続し、この加工品を上板３上で試
験ライン４に沿つて移動させることからなる、装
置の上板３に配置された加工品を磁力で保持する
装置の保持力特性を定める方法において、磁力発
生器は試験中常に励磁され、加工品１は上板３と
平行に力検出器２の感度によつて定められた所定
間〓δをもつて配置され、次に加工品は間〓δを
略不変に保ちながら試験ライン４に沿つて連続的
に移動させられることを特徴とする加工品を磁力
で保持する装置の保持力特性を定める方法。

技術分野 本発明は工作機械工学に係り、とりわけ加工品
の磁力保持装置の保持力特性を定める方法に関す
る。

背景技術 加工品の磁力保持装置の主要な特性はその保持
力特性、すなわち平板表面上の加工品の引付力分
布であり、この保持力特性によつて保持装置の能
力および加工製品の品質を評価できる。

そのような引付力分布のうち、保持された加工
品の加工状態を示すために用いられる最小引付力
の値とその地域、および各部品の磁気ひずみを、
定め正確な加工作業に影響する引付力分布特性を
示すことは重要である。

保持力試験は部品および組立体の傷を発見する
ことができるジグの性質を評価するための主要な
方法である。

従来公知の、加工品の磁力保持装置の保持力特
性を定める方法は、 励磁しない保持装置の平板表面の第１の調査地
点に試料または加工品を載き； その後保持装置を励磁し； 励磁状態の保持装置から試料を装置の表面に対
して直角方向に動力計を介して取外し、その取外
力を記録し；保持装置から磁力を解き； 次に第２の操作地点に試料をおき、同じことを
くり返す； ことから構成されている。

試料の取外しは、試験ラインに沿つて連続的に
所定の間隔を置いて行なわれる。このように、試
料の移動ステツプは電磁板に対する試料直径およ
び電磁板に対する補極距離の1/7となつている。

試験の結果は破線の形でプロツトされ、調査地
点の数は横座標に、これらの地点における引付力
の値は縦座標にそれぞれブロツトされ、この結果
生じた各点は破線で連結される。

連結された調査地点の間の距離が短かければ、
破線で示す結果はより保持装置の実際の保持力特
性に接近することは明らかである。同時に、調査
地点の数を増加させれば、試験時間を実質的に増
加させる。

平板の１点での保持力調査に関する全ての準備
および測定作業は、約３分間かかる。そのような
調査が320mm×1250mmの大きさの電磁板において
170地点以上行なわれることを考えると、そのよ
うな保持装置の調査時間がその製作に必要な時間
に比例することが理解できる。（その保持力試験
は８時間以上で行なわれる。）そのような試験は、
630mm×2500mmのような大きな形状の平板であれ
ば、かなりの時間がかかることは明らかである。

同時に、そのような長時間の試験でも最小引付
力の実際の値を単に示すことができるとは限らな
い。なぜならその非連続性によつて調査地点が最
小引付力の該当地域と一致するとは限らないから
である。

それゆえ、従来の保持装置の保持力特性を調査
する方法は長時間を要するが、保持装置の包括的
な保持力特性を得ることはできない。試験時間を
減少させること（調査地点の数を減らすこと）が
結局試験結果の信頼性を低下させることになり、
一方、調査結果の信頼性を改善すること（調査地
点の数を増やすこと）が基本的に試験時間を増加
させる、ということは注目すべきである。

（発明の開示） 本発明は、短時間のうちに、装置の全保持力特
性を得ることができる、加工品を磁力保持する装
置の保持力を定める方法を提供することを課題と
する。

この課題を解決する方法は、装置の磁界発生器
に引付けられる加工品を力検出器に接続し、加工
品を試験ラインに沿つて移動させることからな
る、装置の上板に配置された加工品を磁力保持し
て取付ける装置の保持力特性を定める方法であつ
て、磁界発生器は試験中常に励磁され、加工品は
力検出器の感度によつて定められた所定間〓をも
つて上板上に平行に配置され、次に加工品は間隙
を略一定に保ちながら試験ラインに沿つて連続的
に移動させられることを特徴としている。

本発明による加工品を磁力保持する装置の保持
力特性を定める方法は、装置の包括的な保持力特
性を得ることができ、試験時間を1/10に短くする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

本発明による方法の実施例は添付した図面によ
つて述べられる。第１図は本発明による方法を実
行する装置のブロツク図であり、第２図は本発明
による試料の移動と、そのような移動中の装置の
励磁した状態および励磁しない状態を示す図、第
３図は本発明による方法と従来の方法を使用した
ことによつて得られる装置の保持力特性を示す
図、第４図は第２図と同様であるが、保持力特性
を定める従来の方法を使用した図である。

（発明を実施するための最良の形態） 加工品を磁力保持する装置の力特性を定めるた
めに、試料または加工品１（第１図）が力検出器
２（引付力検出器）に接続されている。次に加工
品１が磁界発生器（図示せず）を有する装置の上
板表面３に、平行に間隙δ（第２図）をもつて据
付けられる。この間隙δは力検出器２（第１図）
の感度によつて定められる。

力検出器２の感度が高ければ高い程、間隙δ
（第２図）は大きくなる。実際は、この間隙δは
１／１００ミリメートルから数ミリメートルまでの間
である。

磁界発生器は試験中常に励磁されつづけてい
る。加工品１は力検出器２と共に上板の表面３上
を試験ライン４に沿つて一様に移動する。加工品
１と表面３との間の間隙は、加工品１の移動中略
一定に維持される。加工品１は適切な公知手段に
よつて移動させられる。

力検出器２の出力側の表示は、加工品１が移動
する各点における上板表面３への加工品１の引付
力の特性を表わす。これらの表示は計器５によつ
て連続的に記録される。この計器５は同一参照符
号５で示される自動記録計であることが好まし
い。

試験中、装置の巻線を流れる電流は、第２図に
示すように装置上板表面３から間隙δにおいて試
料１が移動する全時間中、一定に保たれる。

計器５の較正（引付力の単位での目盛付）は、
公知の方法でかつ装置を励磁状態にしておき、試
験ライン４に沿つた１または２つの地点において
試料を取外すことによつて行なわれる。この場
合、試料１がこれらの地点上にあるとき、取外力
が記録され、計器５の表示が決定される。

記録計５は試験中引付力を連続的に記録しつづ
ける。また記録計５は、第３図に示すようにＰ
（Ｎ／cm²）−引付力特性とＳ（cm）−加工品１が試験
ライン４に沿つて移動する距離との座標上に保持
力特性をプロツトする。

第４図に示した従来技術の方法を使用した保持
力試験中、試料を取外す数多くの地点はＳ軸に沿
つてプロツトされる。

従来技術によつて装置の保持力特性を定める場
合、加工品１は励磁されていない装置の上板１の
表面上（δ＝０）に据え付けられ、その後装置が
励磁され（Ｉ＝I₁）、そして加工品は装置の表面
から取外される。この取外力は各点で記録され、
ＰとＳの座標上にプロツトされ破線によつて連
結される（第３図に示す点線）。

第３図の線とを比較すると、本発明による
方法は装置上板の表面３の最小引付力地域の場所
を最も包括的な方法で明らかにすることができ、
これらの保持力の値を正確に定めることができる
ことがわかる。このことによつて、装置上に保持
された加工品の工作状態を十分な正確さで定める
ことができ、また作動中の装置の確実性と安全性
を確保できる。

本発明による磁力保持装置の力特性を定めるた
めの装置試料は、電磁力板が200mm×400ｍの力試
験を行う場合、直径10mmの試料として製作され
る。試験は、装置が上板の全部の力特性を５分か
ら10分の間に記録することを示している。

従来技術の方法を使用した同一板の試験は、調
査地点における試料へ加えられる取外力のすべて
の値が、本発明による方法を使用して得られた連
続曲線の対応する点と一致することを示してい
る。