JPH0437649Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はエアゾール装置に関する。さらに詳し
くは、ノズルを缶体の外方に突出させることがで
きるエアゾール装置に関する。

［従来の技術］ 従来のエアゾール装置であつてノズルの長いも
のには、エアゾール缶の上端のバルブにノズルを
固定的に取りつけ、該ノズルが缶体の上下方向あ
るいは横方向に向いて延びたものがある。

［考案が解決しようとする問題点］ 前記従来のエアゾール装置では、使用しないと
きには長いノズルが邪魔になつて格納スペースを
多くとり、またノズルを物理的損傷や汚染から保
護するのが困難である。

本考案はかかる事情に鑑み、使用時にはノズル
が缶体から充分突出して使用しやすく、不使用時
には、コンパクトに、かつ安全に格納しうるエア
ゾール装置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のエアゾール装置は少なくとも使用状態に
おいてエアゾール缶の押しボタンに接続される長
いノズルと、エアゾール缶の頂部に揺振自在に設
けられるストツパをかねる可動片とを有し、該可
動片が前記ノズルを缶体の側面に沿つて下向きに
格納した格納状態において該可動片が押しボタン
の指押し部を押し下げ不能に覆い、前記ノズルを
缶体から上方に突出させた使用状態において該可
動片が押しボタンの指押し部を押し下げ可能に開
放することを特徴としている。

［作 用］ 本考案においては、揺振機構によつてノズルを
缶体に沿わせた状態から缶体の外方に突出させる
ことができる。そのようにしてノズルを外方へ突
出させたときは、噴射面積の小さい部分や奥深い
部分へも噴射操作がやりやすくなる。またノズル
を缶体に沿つて格納しておけば不使用時の占有ス
ペースも小さくなり物理的損傷から保護され、同
時に可動片が押しボタンの指押し部を覆うので、
該操作が防止され、安全である。

［実施例］ つぎに本考案の実施例を説明する。

第１図は第１実施例のエアゾール装置Ａの使用
状態を示す斜視図、第２図はエアゾール装置Ａの
要部断面側面図、第３図は使用状態におけるエア
ゾール装置Ａの要部断面側面図、第４図はキヤツ
プ３の部分破断斜視図、第５図はキヤツプ３の外
観斜視図、第６図は不使用状態におけるエアゾー
ル装置Ａの斜視図、第７図は第２実施例のエアゾ
ール装置Ｂの要部断面側面図、第８図はエアゾー
ル装置Ｂの使用状態を示す斜視図である。

第１〜５図に基づき第１実施例のエアゾール装
置Ａを説明する。

第１〜３図において、１はエアゾール缶、２は
ノズル、３はキヤツプ、４は揺振機構である。前
記エアゾール缶１はアルミニウムやブリキなどの
金属製の圧力容器であり、内部には殺虫剤、ゴキ
ブリ駆除剤、オイル、グリース、化粧品、医薬
品、ペンキその他の塗料などのエアゾール内容物
が噴射剤とともに入れられるようになつている。
前記エアゾール缶１の上部にはマウンテイングキ
ヤツプ５によりバルブ（図示されていない）が取
りつけられており、そのバルブは具備するステム
６を押し込んだり、傾倒すれば開弁して充填され
ているエアゾール内容物を噴射しうるようになつ
ている。

前記キヤツプ３は後述する揺振機構４やノズル
２を取りつける部材で、上面板を有する短筒状の
形態を呈している。上面板３１の中央部はスリツ
トで区切られて押し下げ自在な押しボタン８が形
成されており、側壁３２にその先端が接続されて
片持ちに支持されている。なお押しボタン８の中
央部における下面には嵌合部９が一体に形成され
て、それによりステム６と連結されている。かか
る押しボタン８の内部には、ステム６に通ずる内
部通路１０が穿孔されており、該内部通路１０の
一端は押しボタン８の先端開口面１１に開口して
いる。キヤツプ３には第４図に示されるように前
記押しボタン８の両側で下方に延びた２枚の隔壁
３３が形成されており、該隔壁３３には前記マウ
ンテイングキヤツプ５の外周に嵌着させうる半月
状に凹説された嵌着部３４が形成されている。そ
してかかる嵌着部３４をマウンテイングキヤツプ
５に弾力嵌合せしめることにより、キヤツプ３が
エアゾール缶１の上部に固定されている。またキ
ヤツプ３の外周の側壁３２はエアゾール缶１の肩
部に当接されている。なおエアゾール缶１がネツ
クイン缶のばあいは、側壁３２の下端部内周に嵌
合突起を形成しておき、それをネツクイン缶の首
部に嵌合させて、キヤツプ３をエアゾール缶１の
上部に固定するようにしてもよい。

揺振機構４は固定片４１と可動片４２とからな
り、それらは第５図に示されるように、ほぼ扇形
の板材２枚が、幅の広い部分で対称的に連結され
た形状となつている。そして第２図に示されるよ
うに前記連結部は薄肉に形成されたヒンジ４３を
構成しており、かかるヒンジ４３を180度反転さ
せると第３図に示されるように、可動片４２が固
定片４１の上に折り重ねられるようになつてい
る。なお固定片４１は押しボタン８の上面に固定
されている。かかる揺振機構４は薄肉に形成され
たヒンジ４３の弾力性で曲がるようにされている
ため可撓性のある部材で構成する必要があり、そ
のためキヤツプ３および押しボタン８などととも
にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、
ポリアセタールなどの合成樹脂材料で一体に形成
するのが好ましい。なおアルミニウムなどの剛性
のある金属で揺振機構４を構成するばあいは適当
なヒンジを用いて可動片４２を固定片４１に対し
折り返し可能に連結するとよい。

前記可動片４２の先端にはノズル２を取りつけ
るための接続ピース４５が一体に形成されてい
る。さらに第２図において、接続ピース４５の上
端側面に示される部分には、接触面４６が形成さ
れている。そして接続ピース４５の内部には内部
通路４７が穿孔されており、その一端には前記ノ
ズル２が挿入され、他端は前記接触面４６に開口
している。そして接触面４６にはＯリングなどの
パツキン４８が取りつけられている。

なお接続ピース４５のノズル２を挿入した部分
の筒部はストツパ４９を構成しており、第２図に
示されているようにノズル２を格納した状態でキ
ヤツプ３の操作開口３５の下端縁に当接するよう
になつている。したがつてこのように格納状態に
したときは、押しボタン８が完全に可動片４２や
接続ピース４５で覆われるので、誤つて押しボタ
ン８を押し操作することが防止される。

しかして可動片４２を第３図に示されるように
180度反転させたときは、接続ピース４５の接触
面４６が押しボタン８の先端開口面１１に当接
し、しかもそれらの間がパツキン４８でシールさ
れるようになつている。なお、そのような使用姿
勢を保持するための係止手段を固定片４１と可動
片４２との間、あるいは接続ピース４５とキヤツ
プ３との間などに設けると、前記シールがより確
実になるので好ましい。そのような係止手段とし
ては、どのような形式のものでも採用できるが、
たとえば第５図に示されるごとき、固定片４１に
形成された係止穴５１と可動片４２に形成された
係止突起５２とを弾力的に嵌合させうる構成のも
のでもよい。

なおノズル２は細くかつ相当長いものも使用可
能であり、そのようなノズル２についてはステン
レスや真ちゆうなどの金属製のパイプまたはポリ
エチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂製のパ
イプで作製するのが好ましい。

つぎに本実施例のエアゾール装置Ａの使用方法
を説明する。噴射作業するときは、揺振機構４を
第１図に示されるように反転させ、ノズル２を缶
体の上下方向に突出させると共に押しボタンの指
押し部を解放させる。そのようにして押しボタン
８を押し込めば、バルブが開弁してエアゾール内
容物がノズル２の先端から外部に噴射される。こ
のときノズル２は缶体よりも外方に突出している
ので、とくに隙間などの狭い所への噴射作業がや
りやすく、またノズル２が相当長尺であるのでゴ
キブリ駆除剤の噴霧やオイル、グリースなどの注
入に適している。さらにノズル２を畳などに差し
込んで使用するばあいは、接続ピース４５の接触
面４６を押しボタン８の先端開口面１１に強く押
圧するように、力を加えながら使用すると、液漏
れを起こさずに使用することができる。

第６図に示されるように可動片４２をもとの姿
勢に復帰させたときは、ノズル２をエアゾール缶
１の側壁に沿わせてコンパクトに格納することが
できる。そのため不使用時の占有スペースを小さ
くすることができ、また物理的損傷からも保護す
ることができる。しかも押しボタン８を覆つてい
る可動片４２の下端、すなわちストツパ４９がキ
ヤツプ３の操作開口３５の下端縁と当接している
ことによつて押しボタン８は押し下げられないよ
うになつているので意図せずに噴霧するように誤
操作も防止することができる。

つぎに第７〜８図に基づき第２実施例のエアゾ
ール装置Ｂを説明する。

第７図において、エアゾール缶１、ノズル２、
キヤツプ３および揺振機構４は前記第１実施例と
実質的に同一に構成されている。本実施例ではス
テム６とノズル２とが可撓性のチユーブ７を介し
て接続された機構に特徴がある。

揺振機構４の可働片４２は厚肉に形成されてお
り、内部にチユーブ挿入孔６１が穿孔されてお
り、チユーブ７が挿入されている。一方、押しボ
タン８の嵌合部９にもステム６に通ずるチユーブ
挿入孔６２が穿孔されており、前記チユーブ７の
一端が挿入されている。そして該チユーブ７とノ
ズル２とは接続ピース４５の内部通路４７で連通
されている。前記チユーブ７は長さに多少余裕を
持たせられており、第７図に鎖線で示すごとく、
可動片４２を反転させたばあいにも、ノズル２に
エアゾール内容物を送りうるようになつている。

しかして本実施例においても、第８図に示され
るごとく、ノズル２を缶体の上下方向に突出させ
て噴霧操作することができ、また第７図に示され
るごとく、ノズル２を缶体に沿わせて格納するこ
とができる。

以上に本考案の実施例を説明したが、本考案は
前記実施例に限られることなく、その要旨を変更
しない範囲で種々の変更例を採用することができ
る。

［考案の効果］ 本考案においては、使用するときにはノズルが
外方に突出して使用しやすく、使用しないときは
コンパクトに、かつ安全に格納することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例のエアゾール装置Ａの使用
状態を示す斜視図、第２図はエアゾール装置Ａの
要部断面側面図、第３図は使用状態におけるエア
ゾール装置Ａの要部断面側面図、第４図はキヤツ
プ３の部分破断斜視図、第５図はキヤツプ３の外
観斜視図、第６図は不使用状態におけるエアゾー
ル装置Ａの斜視図、第７図は第２実施例のエアゾ
ール装置Ｂの要部断面側面図、第８図はエアゾー
ル装置Ｂの使用状態を示す斜視図である。 図面の主要符号、１……エアゾール缶、２……
ノズル、３……キヤツプ、４……揺振機構、８…
…押しボタン、４１……固定片、４２……可動
片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 少なくとも使用状態においてエアゾール缶の
   押しボタンに接続される長いノズルと、エアゾ
   ール缶の頂部に揺振自在に設けられるストツパ
   をかねる可動片とを有し、該可動片が前記ノズ
   ルを缶体の側面に沿つて下向きに格納した格納
   状態において該可動片が押しボタンの指押し部
   を押し下げ不能に覆い、前記ノズルを缶体から
   上方に突出させた使用状態において該可動片が
   押しボタンの指押し部を押し下げ可能に開放す
   るエアゾール装置。 ２ 前記可動片が、エアゾール缶のキヤツプに取
   り付けられてなる実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のエアゾール装置。