JPH04372675A - 被覆用樹脂組成物 - Google Patents

被覆用樹脂組成物

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JPH04372675A
JPH04372675A JP17728991A JP17728991A JPH04372675A JP H04372675 A JPH04372675 A JP H04372675A JP 17728991 A JP17728991 A JP 17728991A JP 17728991 A JP17728991 A JP 17728991A JP H04372675 A JPH04372675 A JP H04372675A
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polymerizable unsaturated
same
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vinyl
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武 野口
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三瀬 剛志
Hiroshi Yoshikawa
博 吉川
Hiroshi Inoue
弘 井上
Akira Ueda
明 上田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆用樹脂組成物に関
し、さらに詳細には、分子主鎖中に特定の結合を有する
アゾ基含有ポリシロキサン化合物の存在下に、重合性不
飽和単量体混合物を重合させて得られるビニル−シリコ
ーン系ブロック共重合体と有機溶媒とを含む耐候性、撥
水性塗料などの分野に利用できる被覆用樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、撥水性、耐候性の良いシリコーン
樹脂を用いてビニル系樹脂を改質しようとした場合、こ
れらの両樹脂は相溶性が全くないところから、ポリマー
ブレンドによって得られる複合体は均一性に乏しく、そ
の皮膜中に含まれるシリコーン樹脂は安定したドメイン
またはマトリックスとして存在し得ず、結果として表面
層に移行したシリコーン樹脂は、摩擦や溶剤により除去
されるため、効率かつ実用的なビニル樹脂の改質剤とは
ならなかった。この欠点を改良するものとしてビニル−
シリコーン系ブロック共重合体が提案された。このビニ
ル−シリコーン系ブロック共重合体の製造方法としては
、リビングアニオン重合法(例えば、M.Morton
ら,J.Appl.Polym.Sci.,8,270
7(1964))、ヒドロシリル化法(例えば、P.C
haumontら,Polymer,22〔5〕,66
3(1981))等が知られているが、共に厳密な重合
条件のコントロールが必要であり、適用できるビニル系
モノマーが限られるなどの欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来のポリマーブレンドによって得られる複合体とか、
従来のビニル−シリコーン系ブロック共重合体の製造方
法の欠点を克服し、耐候性、撥水性等に優れた被覆用樹
脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によって、上記目
的を達成し得る被覆用樹脂組成物が提供される。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(I)
【00
06】
【化3】 〔式中、各R1 は、同一または異なって、水素原子、
低級アルキル基またはニトリル基を示し、各R2 は、
同一または異なって、水素原子または低級アルキル基を
示し、各R3 は、同一または異なって、水素原子、ハ
ロゲン原子置換若しくは非置換のアルキル基またはフェ
ニル基を示す。pは、同一または異なって、0または1
〜6の整数を示し、mは0または1〜200の整数を示
し、Aは−NHまたは−Oを示し、Bは(CH2 )q
(但し、qは同一または異なって、0または1〜6の整
数を示す。)または−(CH2 )3 OCH2 CH
2 −を示す。〕
【0007】で表わされる繰り返し単位を有し、1分子
中に少なくとも1個のアゾ結合を有する数平均分子量が
1500〜10万のアゾ基含有ポリシロキサン化合物の
2〜90重量%の存在下に、(メタ)アクリル酸エステ
ルを主成分とし、かつ重合性不飽和カルボン酸を1〜1
0重量%含有する重合性不飽和単量体混合物の10〜9
8重量%を重合させて得られるビニル−シリコーン系ブ
ロック共重合体と有機溶媒を含むことを特徴とする被覆
用樹脂組成物に関する。
【0008】また、本発明は、上記一般式(I)で表わ
される繰り返し単位と一般式(II)
【0009】
【化4】 〔式中、Yは二塩基酸残基を示す。R2 ,R3 ,A
,Bおよびmは前記に同じ。〕
【0010】で表わされる繰り返し単位を有し、1分子
中に少なくとも1個のアゾ結合を有する数平均分子量が
1500〜10万のアゾ基含有ポリシロキサン化合物の
2〜90重量%の存在下に、(メタ)アクリル酸エステ
ルを主成分とし、かつ重合性不飽和カルボン酸を1〜1
0重量%含有する重合性不飽和単量体混合物の10〜9
8重量%を重合させて得られるビニル−シリコーン系ブ
ロック共重合体と有機溶媒を含むことを特徴とする被覆
用樹脂組成物に関する。
【0011】本発明において使用される前記一般式(I
)で表わされる繰り返し単位を有するアゾ基含有ポリシ
ロキサン化合物は、1分子中に少なくとも1個のアゾ結
合を有する、数平均分子量が1500〜10万のもので
あり、高分子アゾ開始剤の1種である。
【0012】前記一般式(I)および一般式(II)に
おいて、低級アルキル基としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖また
は分枝状のアルキル基をあげることができる。また、ア
ルキル基としては、上記低級アルキル基に加えてヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル
基等の炭素数7〜12の直鎖または分枝状のアルキル基
をあげることができる。さらに、ハロゲン原子置換のア
ルキル基としては、上記アルキル基がハロゲン化された
もの、例えばクロロメチル、ブロモメチル、トリフルオ
ロメチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピル、3
−ブロモプロピル、3,3,3,−トリフルオロプロピ
ル、1,1,2,2,−テトラヒドロパーフルオロオク
チル基などをあげることができる。ハロゲン原子として
は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子をあげることができる。
【0013】一般式(I)で表わされる繰り返し単位を
有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、一般
式(III)
【0014】
【化5】 〔式中、R1 およびpは前記に同じ。〕
【0015】
で表わされる構成成分と一般式(IV)
【0016】
【化6】 〔式中、R2 ,R3 ,A,Bおよびmは前記に同じ
。〕
【0017】で表わされる構成成分とが交互に結合
していることはもちろんのこと、一般式(III)で表
わされる構成成分の一部が一般式(V)
【0018】
【化7】−CO−Y−CO−            
            (V)〔式中、Yは二塩基酸
残基を示す。〕
【0019】で表わされる構成成分で置
き変えられたものをも包含する。一般式(V)で表わさ
れる構成成分で置き換え得る量は、アゾ基含有ポリシロ
キサン化合物のラジカル重合活性が消失しない量を限度
とする。
【0020】二塩基酸の例としては、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、
アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、イタコン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等をあげることが
できる。
【0021】前記一般式(I)で表わされるアゾ基含有
ポリシロキサン化合物は、例えば一般式(VI)
【00
22】
【化8】 〔式中、Bは(CH2 )q または−(CH2 )3
 OCH2 CH2 −、DはNH2 またはOHを示
し、R2 ,R3 ,qおよびmは前記に同じ。〕
【0023】で表わされるポリシロキサン(ジシロキサ
ンも含む)セグメントを含有するジアミンまたはジヒド
ロキシ化合物と、一般式(VII)
【0024】
【化9】 〔式中、R1 ,pは前記に同じ。Xはハロゲン原子を
示す。〕
【0025】で表わされるアゾ基を含有する二塩基酸ジ
ハライドとを反応させることにより高収率で製造するこ
とができる。また、アゾ基含有ポリシロキサン化合物の
うち、前記一般式(V)で表わされる構成成分を有する
ものを製造する場合は、上記一般式(VII)のアゾ基
を含有する二塩基酸ジハライドの一部を対応する二塩基
酸ジハライドに代えた混合物を用いればよい。
【0026】アゾ基含有ポリシロキサン化合物の製造は
、塩基触媒の存在下で行なうのが好ましい。塩基触媒と
しては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、1
,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5、1,
8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、ト
リ−n−ブチルアミン、ナトリウムハイドライド、n−
ブチルリチウム等をあげることができ、これらから適宜
選択できる。
【0027】また、アゾ基含有ポリシロキサン化合物の
製造は、通常溶媒中で行なわれる。溶媒としては、例え
ばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシ
エタン、ジオキサンなどのエーテル類、四塩化炭素、ク
ロロホルム、塩化メチレン、トリクレンなどのハロゲン
化炭化水素類、n−ヘキサン、ベンゼン、キシレンなど
の炭化水素類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホル
ムアミド等をあげることができ、これらの一種または二
種以上を用いる。
【0028】一般式(VI)で表わされるジアミンまた
はジヒドロキシ化合物と一般式(VII)で表わされる
アゾ基を含有する二塩基酸ジハライドとの使用割合は、
特に限定されず適宜決定されるが、高分子量のものにす
るには、両者をほぼ等モル程度の割合にするのが好まし
い。 塩基触媒を用いる場合、その使用量は、原料化合物(V
II)に対して、0.5〜1.5倍モル程度用いるのが
好ましい。
【0029】反応温度は、特に限定されないが、アゾ基
の分解を防止し、かつ生成物を高分子量にするには、−
10〜80℃が好ましい。反応時間は、特に限定されな
いが、0.5〜24時間が好ましい。反応温度は、段階
的に低温から室温まで上昇させる方法をとっても良い。
【0030】目的物の分取は、用いた原料、塩基触媒、
溶媒等の種類に応じて適宜行なわれる。例えば、粘稠な
反応溶液を溶媒で希釈した後、副生した四級アンモニウ
ム塩を水洗し取り除いた後、乾燥、溶媒除去することに
より行なわれる。
【0031】かくして得られるアゾ基含有ポリシロキサ
ン化合物は、前記のとおり、構成成分(III)および
(IV)、または構成成分(III),(IV)および
(V)からなるオリゴマーまたはポリマーである。その
性状は、特に分子量やポリシロキサンセグメントの含有
量により種々変動するが、通常、無色または単黄色で粉
末状、粘稠油状またはゴム様の物質である。また、溶媒
に対する溶解性も上記と同様に分子量やポリシロキサン
セグメントの含有量により変動するが、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサ
ン等の如きエーテル類;四塩化炭素、クロロホルム、塩
化メチレン、トリクレン等の如きハロゲン化炭化水素類
;トルエン、ベンゼン、キシレン等の如き芳香族炭化水
素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等の如きケトン類;酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、
酢酸アミル等の如き酢酸エステル類などに溶解する。
【0032】アゾ基含有ポリシロキサン化合物の数平均
分子量が1500未満では、実質的にアゾ結合を有しな
い分子がかなり存在することになるため、ブロック重合
の効率が低下し、本来の機能を示さなくなるなどの欠点
があり、また数平均分子量が10万を超える場合は、溶
解性が低下し、溶液粘度が高くなるため、低濃度でブロ
ック共重合を行なわなければならず、その結果、用いた
重合性不飽和単量体の重合率が低下するため、長時間の
反応を余儀なくされるなどの欠点がある。
【0033】上記アゾ基含有ポリシロキサン化合物を用
いるビニル−シリコーン系ブロック共重合体の製造は、
アゾ基含有ポリシロキサン化合物の2〜90重量%の存
在下に、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、か
つ重合性不飽和カルボン酸を1〜10重量%を含有する
重合性不飽和単量体混合物の10〜98重量%を重合さ
せることによって行なわれる。
【0034】(メタ)アクリル酸エステルとしては、例
えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル
酸ステアリル等があげられる。これらの(メタ)アクリ
ル酸エステルは、重合性不飽和単量体混合物中、少なく
とも50重量%用いられる。
【0035】重合性不飽和単量体混合物中の重合性不飽
和カルボン酸は、被覆用樹脂組成物から形成される皮膜
の塗被体に対する接着力を向上させるために用いられる
。重合性不飽和カルボン酸の代表例としては、(メタ)
アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、(無水)マレイ
ン酸、フマル酸等の如き不飽和酸等があげられる。
【0036】重合性不飽和カルボン酸の使用量は、重合
性不飽和単量体混合物中1〜10重量%、好ましくは3
〜6重量%である。重合性不飽和カルボン酸の使用量が
1重量%未満では、被着体に対する接着性が極度に低下
するので好ましくない。また、重合性不飽和カルボン酸
の使用量が10重量%を超えると、耐水性の低下が危惧
されるので好ましくない。
【0037】重合性不飽和単量体混合物は、(メタ)ア
クリル酸エステルおよび重合性不飽和カルボン酸以外に
、その他の不飽和単量体を包含してもよい。このような
その他の不飽和単量体としては、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン等の如き芳香族ビニル化合物
;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の如き脂肪族ビニル
エステル類などが代表的なものである。また、マレイン
酸またはフマル酸とC1 〜C18なる一価アルコール
類とのジエステル類;あるいは、ヘキサフルオロプロピ
レンまたはテトラフルオロエチレンの如き含フッ素ビニ
ル単量体なども用いることができる。さらに、官能性不
飽和単量体として、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N
−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(イソ
)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の如きアル
コキシメチル(メタ)アクリルアミド類;アクロレン、
クロトンアルデヒド、ビニルメチルケトン、ジアセトン
アクリルアミド等の如き活性なカルボニル基含有不飽和
化合物;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸ヒドロキシブチル等の如き水酸基含有不飽和化合
物、(メタ)アクリル酸グリシジルの如きエポキシ基含
有不飽和化合物、2−ビニルオキサゾリンなども用いる
ことができる。
【0038】アゾ基含有ポリシロキサン化合物と重合性
不飽和単量体混合物の使用割合は、アゾ基含有ポリシロ
キサン化合物2〜90重量%に対して重合性不飽和単量
体混合物を10〜98重量%である。アゾ基含有ポリシ
ロキサン化合物の使用割合が2重量%未満では、アゾ基
濃度の低下により重合速度が低下し、未反応の不飽和単
量体が残存するなどの欠点があり、またアゾ基含有ポリ
シロキサン化合物の使用量が90重量%を超える場合は
皮膜強度の低下をきたし、ビニル−シリコーン系ブロッ
ク共重合体の特性を示さなくなるなどの欠点がある。
【0039】アゾ基含有ポリシロキサン化合物と重合性
不飽和単量体混合物との重合反応は、通常有機溶媒の存
在下で行なわれる。有機溶媒としては、例えばトルエン
、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−オク
タン等の如き炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸アミル等の如きエ
ステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等の如きケトン類;N
−メチルピロリドンの如き含窒素類;メチルアルコール
、エチルアルコール、(イソ)プロピルアルコール、(
t)ブチルアルコール等の如きアルコール類などがあげ
られる。
【0040】また、重合反応に際しては、必要に応じて
、分子量調節剤として、ラウリルメルカプタン、オクチ
ルメルカプタン、2−メルカプトエチルアルコール、2
−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸オクチル
等の如き連鎖移動剤を添加することができる。
【0041】アゾ基含有ポリシロキサン化合物と重合性
不飽和単量体混合物の反応は、通常30〜180℃とす
るのが適当であり、重合の進行に伴って変化させてもよ
い。反応時間は、通常1〜48時間である。
【0042】かくして、アゾ基含有ポリシロキサン化合
物を用いることにより、ビニル−シリコーン系ブロック
共重合体が極めて容易に製造される。得られるビニル−
シリコーン系ブロック共重合体におけるポリシロキサン
セグメントの含有量は、重合性不飽和単量体混合物に対
するアゾ基含有ポリシロキサン化合物の使用割合を変化
させること等により任意に変動させることができるが、
具体的にはビニル−シリコーン系ブロック共重合体中1
.8〜90重量%程度である。
【0043】本発明の被覆用樹脂組成物は、以上のよう
にして得られたビニル−シリコーン系ブロック共重合体
と有機溶媒を含むものである。本発明の被覆用樹脂組成
物を調整するために用いられる有機溶媒としては、アゾ
基含有ポリシロキサン化合物と重合性不飽和単量体混合
物との反応の際に用いた前記の有機溶媒を使用すること
ができる。有機溶媒は、アゾ基含有ポリシロキサン化合
物と重合性不飽和単量体混合物の反応時または反応後に
配合してもよい。有機溶媒の使用量は適宜選択される。
【0044】本発明の被覆用樹脂組成物には、必要に応
じて顔料、充填剤、骨材、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、
防錆剤およびその他の添加剤等を配合することができる
【0045】かくして得られる本発明の被覆用樹脂組成
物は、顔料分散性に優れ、伸び、撥水性および耐候性に
優れた皮膜を与えるため、建築内外塗装、金属塗装等と
して有用である。
【0046】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
さらに詳細に説明する。
【0047】参考例1 温度計、攪拌機、還流冷却器および塩化カルシウム管の
付いた四つ口フラスコに、分子量が4600のα,ω−
ジアミノプロピルポリジメチルシロキサン(前記一般式
(VI)においてR2 およびR3 がメチル基、Dが
アミノ基、Bが(CH2 )3 、mが平均で58のも
の)100g(21.7mM)、トリエチルアミン4.
38g(43.4mM)およびクロロホルム86.8g
を入れ、充分攪拌した。このフラスコを氷水で冷却しな
がら、4,4′−アゾビス(−4−シアノペンタン酸ク
ロライド)6.88g(21.7mM)とクロロホルム
86.8gからなる溶液を40分かけて滴下した。滴下
終了後、室温で2時間攪拌の後、クロロホルム50gを
追加して希釈し、分液漏斗に移して水を加え振とう洗浄
した。次にクロロホルム層を分離し、硫酸ナトリウムで
乾燥した後、室温減圧下で濃縮乾固して、生成物98.
9gを得た。 この生成物は、 1H−NMRスペクトルおよび赤外吸
収スペクトルより、ポリシロキサンセグメントを有する
アゾ基含有ポリシロキサンアミドであることが確認でき
た。アゾ基含有ポリシロキサンアミドの数平均分子量は
、GPC分析より92,000であった。また、平均ア
ゾ基結合数が23個なるものであった。以下これを高分
子アゾ開始剤(1−1)と略記する。
【0048】参考例2 分子量が880のα,ω−ジアミノプロピルポリジメチ
ルシロキサン15g(17.0mM)、トリエチルアミ
ン3.43g(34.0mM)、クロロホルム100g
を仕込み、4,4′−アゾビス(−4−シアノペンタン
酸クロライド)5.39g(17.0mM)とクロロホ
ルム100gからなる溶液を滴下した以外は、参考例1
と同様にして、目的物であるアゾ基含有ポリシロキサン
アミド121.3gを得た。このアゾ基含有ポリシロキ
サンアミドは、数平均分子量が21,000であり、平
均アゾ基結合数が18個なるものであった。以下これを
高分子アゾ開始剤(1−2)と略記する。
【0049】実施例1 温度計、攪拌機および還流冷却器の付いた四つ口フラス
コに、参考例1で得られた高分子アゾ開始剤(1−1)
2.5g、メタアクリル酸メチル22.8g、アクリル
酸−2−エチルヘキシル22.8g、メタアクリル酸1
.9g、メチルイソブチルケトン75gを仕込んで、8
0℃で1時間反応させた。次いで、さらに高分子アゾ開
始剤(1−1)2.5g、メタアクリル酸メチル22.
8g、アクリル酸−2−エチルヘキシル22.8g、メ
タアクリル酸1.9gを2時間かけて滴下し、滴下終了
後も同温度で5時間保持して目的のビニル−シリコーン
系ブロック共重合体の溶液を得た。目的物であることは
、 1H−NMRスペクトルと赤外吸収スペクトルより
確認した。このブロック共重合体の1H−NMRスペク
トルによるポリシロキサンセグメント含有量は5.1重
量%であった。なお、重合率の向上に伴う異常粘度上昇
を防ぐためメチルイソブチルケトン75gを重合末期お
よびまたは重合後に適宜添加した。かくして得られたブ
ロック共重合体溶液は、不揮発分が38.7%で、BM
型粘度計による30℃での粘度が4,700cps で
あった。
【0050】実施例2〜5 表1に示されるような重合溶媒、高分子アゾ開始剤およ
び重合性不飽和単量体を所定の割合で用いるように変更
した以外は、実施例1と同様にして、目的とするビニル
−シリコーン系ブロック共重合体の溶液を得た。
【0051】比較例1 表1に示されるような重合溶媒および重合性不飽和単量
体を用い、かつ高分子アゾ開始剤(1−1)の代わりに
、低分子開始剤のアゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)0.1g(0.6mM)を用いるように変更した以
外は、実施例1と同様にして、対照用の樹脂であるビニ
ル共重合樹脂の溶液を得た。
【0052】比較例2〜3 表1に示されるような重合溶媒、低分子開始剤および重
合性不飽和単量体を所定の割合で用いるように変更した
以外は、実施例1と同様にして、対照用の樹脂であるビ
ニル共重合樹脂の溶液を得た。
【0053】
【表1】
【0054】実施例1〜5および比較例1〜3で得られ
たそれぞれの樹脂溶液を、表2に示されるような配合比
で、「ダイペーク  R−820」〔石原産業(株)製
のルチル型酸化チタン〕とメチルイソブチルケトンまた
はキシレンと共に、ホモミキサーで練肉して塗料化せし
めた。次いで、得られたそれぞれの塗料を、3気圧のエ
アスプレーで、磨き鋼板およびスレート板に塗装せしめ
、しかるのちに室温で1日、50℃で2日乾燥せしめて
から室温に1日放置して、これを各種の塗膜性能試験に
供した。
【0055】また、伸び、抗張力、抗張積に関しては、
皮膜の厚さが約0.2mmになるように、それぞれの樹
脂溶液を調整し、PEシートをオーバーレイした平滑な
ガラス板上に流し込み、室温で7日間、減圧状態で1日
間乾燥したものを試験に提供した。
【0056】各塗装板についての試験は次のような要領
で行なったものである。
【0057】伸び…………「島津オートグラフ  AG
−2000A」〔(株)島津製作所製〕を用い100m
m/min なるクロスヘッド速度で、温度20℃、6
5%(RH)の条件で測定した。
【0058】抗張力………同上
【0059】抗張積………同上
【0060】鉛筆硬度……JIS  K−5400に基
づき、「三菱ユニ」〔三菱鉛筆(株)製〕を用いて塗膜
に傷が付くまでの硬度を以て表示した。
【0061】屈曲性………JIS  K−5400に基
づき、屈曲試験器で180度折曲げて試験を行なった。 評価は心棒の太さが2mmのときに折曲げても塗面にク
ラックの全く入らなかったものを「良好」とし、クラッ
クの入ったものを「クラック」と表示し、そのときの心
棒の太さも表示した。
【0062】付着性………JIS  K−5400に基
づき、試験板上の塗面に碁盤目(10×10)を入れ、
次いでこれをセロファンテープで剥離せしめるという方
法によった。評価方法は次の通りである。10…切傷1
本ごとが、細くて両面が滑らかで、切傷の交点と正方形
の一目一目に剥がれがない。8……切傷の交点にわずか
な剥がれがあって、正方形の一目一目に剥がれがなく、
欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。6……切傷の
両側と交点に剥がれがあって、欠損部の面積は全正方形
面積の5%〜15%。4……切傷による剥がれの幅が広
く、欠損部の面積は全正方形面積の15〜35%。2…
…切傷による剥がれの幅は4点よりも広く、欠損部の面
積は全正方形面積の35〜65%。0……剥がれの面積
は、全正方形面積の65%以上。
【0063】光沢…………「デジタル変角光沢計UGV
−5D」〔スガ試験機(株)製〕を用いて、60度鏡面
光沢度を測定した。
【0064】耐候性………「サンシャイン  スーパー
ロングライフ  ウェザーメーターWEL−SUN−H
C型」〔スガ試験機(株)製〕を用いて800時間の促
進耐候性試験を行ない、試験前後における光沢の保持率
を表示した。
【0065】顔料分散性…JIS  K−5400に基
づき、つぶゲージを用い、つぶが20μm以下のものを
「良好」とし、20μm以上のものを「凝集」とした。
【0066】乾燥性………それぞれの塗料をエアスプレ
ーにより塗装せしめた後、その塗面を指で押さえたとき
に跡が付かなくなるまでの時間を以って表示した。
【0067】水接触角……ガラス板上に樹脂または塗料
を塗布し、この試験板上に水滴を落としその表面接触角
を測定した。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明により得られるビニル−シリコー
ン系ブロック共重合体を用いた被覆用組成物は、表2に
示される結果からも明らかなように、従来のビニル樹脂
に比べて高い撥水性、耐候性を示し、これらの性能が要
求される分野において有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式(1) 【化1】 〔式中、各R1 は、同一または異なって、水素原子、
    低級アルキル基またはニトリル基を示し、各R2 は、
    同一または異なって、水素原子または低級アルキル基を
    示し、各R3 は、同一または異なって、水素原子、ハ
    ロゲン原子置換若しくは非置換のアルキル基またはフェ
    ニル基を示す。pは、同一または異なって、0または1
    〜6の整数を示し、mは0または1〜200の整数を示
    し、Aは−NHまたは−Oを示し、Bは(CH2 )q
     (但し、qは同一または異なって、0または1〜6の
    整数を示す。)または−(CH2 )3 OCH2 C
    H2 −を示す。〕で表わされる繰り返し単位を有し、
    1分子中に少なくとも1個のアゾ結合を有する数平均分
    子量が1500〜10万のアゾ基含有ポリシロキサン化
    合物の2〜90重量%の存在下に、(メタ)アクリル酸
    エステルを主成分とし、かつ重合性不飽和カルボン酸を
    1〜10重量%含有する重合性不飽和単量体混合物の1
    0〜98重量%を重合させて得られるビニル−シリコー
    ン系ブロック共重合体と有機溶媒を含むことを特徴とす
    る被覆用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】  アゾ基含有ポリシロキサン化合物が請
    求項1記載の一般式(1)で表わされる繰り返し単位と
    一般式(II) 【化2】 〔式中、Yは二塩基酸残基を示す。R2 ,R3 ,A
    ,Bおよびmは前記に同じ。〕で表わされる繰り返し単
    位からなる請求項1記載の被覆用樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0779318A1 (en) 1995-12-14 1997-06-18 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Silicon-containing block copolymer
KR100239195B1 (ko) * 1995-10-05 2000-02-01 다나까 모또아끼 모발 화장품용 기제
JP2004359858A (ja) * 2003-06-05 2004-12-24 Nippon Paint Co Ltd マイケル硬化型撥水性塗料組成物
WO2007007443A1 (ja) 2005-07-11 2007-01-18 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. 新規ポリマー及びこれを用いたコレステロール測定法

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