JPH0436846B2 - - Google Patents

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JPH0436846B2
JPH0436846B2 JP58026981A JP2698183A JPH0436846B2 JP H0436846 B2 JPH0436846 B2 JP H0436846B2 JP 58026981 A JP58026981 A JP 58026981A JP 2698183 A JP2698183 A JP 2698183A JP H0436846 B2 JPH0436846 B2 JP H0436846B2
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JP
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wood
esterified
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JP58026981A
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JPS59152837A (ja
Inventor
Minoru Ueda
Hideaki Matsuda
Masanori Hara
Koichi Murakami
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Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to GB08400806A priority patent/GB2136004B/en
Priority to DE3406237A priority patent/DE3406237C2/de
Publication of JPS59152837A publication Critical patent/JPS59152837A/ja
Priority to US07/021,984 priority patent/US5055247A/en
Publication of JPH0436846B2 publication Critical patent/JPH0436846B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08HDERIVATIVES OF NATURAL MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08H8/00Macromolecular compounds derived from lignocellulosic materials

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はチツプまたはチツプを蒸煮して得た繊
維物質または木粉のような木質物を原料とする新
規な木質系成形品の製造法に関する。 石油や石炭等の化石資源は現在工業用原料とし
て多量に用いられているが、それらは埋蔵量に限
界があり、先行きが心配されている。一方、木材
は再生可能な資源であり、従来より色々な分野に
利用されている。しかしながら、小径木、間伐材
等の未利用木材の有効な利用法はあまり進んでお
らず、また、木材を使用する工業において工業廃
棄物として副生する木材小片その他木粉などにつ
いても一層有効な利用法の開発が望まれているの
が現状である。 それらの利用法の中で従来から行なわれている
一つの方法として、木材小片、特に木粉を熱可塑
性樹脂や熱硬化性樹脂等のプラスチツクに混入し
て充填剤や増量剤として使用する技術はよく知ら
れている。この場合、プラスチツクとして熱可塑
性樹脂の方が一般に多く使用されている。しかし
ながら、このような利用法では木粉がこれらの樹
脂に物理的に混合されて、樹脂中に単に分散され
た状態で内在されているだけで、しかも木粉は比
重が小さく、かつ、嵩張つているものが多いか
ら、樹脂中に均一微細に分散させることは極めて
困難である。また、木材は熱可塑性の低い材料で
あり、ましてやプラスチツクのように加熱により
溶融することがないため、熱可塑性樹脂に木粉を
混入して得られた成形品は木粉の形状がそのまま
外観に現われ、表面の平滑性や光沢性の低下が見
られる。更には、吸水による成形品の寸法安定性
が悪くなり、強度や硬度の低下が見られる。 以上は熱可塑性樹脂を使用した場合であるが、
従来よりよく使用されているものに熱硬化性樹脂
がある。熱可塑性樹脂としては主として、フエノ
ール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられ
る。しかし、これらの樹脂においても上記と同様
な難点がある。一方最近になつて、エポキシ樹脂
から得られる成形品が優れた電気的性質、耐薬品
性、強靱性、寸法安定性を有しているためいろい
ろな工業用部品材料として用いられるようにな
り、従来よく使用されている樹脂、即ち、フエノ
ール樹脂やメラミン樹脂等にない多くの特徴が見
い出されて注目されるようになつてきた。しかし
ながら、エポキシ樹脂成形品の製造において、チ
ツプやチツプを蒸煮して得た繊維物質その他木粉
を充填剤や増量剤として効果的に用いた例は見ら
れない。これは、フエノール樹脂やメラミン樹脂
等のように初期縮合物の段階で親水性の強い樹脂
に対しては木材は親和性を有しているが、エポキ
シ樹脂にはこのような親和性がないためであると
考えられる。しかし、この多くの特徴を有するエ
ポキシ樹脂による木材の複合材料化によつて付加
価値の高い木質系成形品を製造する研究を行うこ
とは極めて有意義なことと云わなければならな
い。 また、一方、これまで、セルロースに対する化
学処理は相当古くから行なわれているのに対し
て、木材の化学処理の実用化は未発達といえる。
その原因として考えられる大きな問題は木材の化
学反応性が非常に小さいことにある。例えば、木
粉とエポキシ化合物を加熱攪拌して、木材中の水
酸基にエポキシ基を反応させ結合させようとして
も、木材に対するエポキシ化合物の付加率は非常
に小さなものしか得られない。木材は上記したセ
ルロースとは成分的、構造的に非常に異なつてい
る。即ち、木材は主として、約60〜70%の結晶化
度をもつ結晶性の高いセルロース、三次元網状構
造をもつ超巨大高分子のリグニン、非晶性物質の
ヘミセルロースから形成されており、木材細胞壁
中でのそれらの存在状態は立体的なスポンジ状に
なつたリグニン集合体の網目の間をかいくぐつ
て、セルロースがフイブリル状の束の形で通り、
それらの間隙にヘミセルロースが充填されてい
る。従つて、セルロースにおいて行なわれる化学
反応も、木材においては極めて反応しがたいもの
であると考えられていた。 本発明者らはチツプ、木粉その他これら蒸煮物
から選ばれた木質物に二塩基酸無水物を反応させ
て木質物中にカルボキシル基を導入することによ
りエステル化木質物となし得ることに着目し、こ
れが利用法につき鋭意研究を重ねたところ、該エ
ステル化木質物に分子中に2ケ以上のエポキシ基
を含む化合物を添加して、これらを充分に混練し
た後、該混練物を熱圧成形することにより木材成
分が主成分である優れた特性を有する木質系成形
品が得られることを見い出し、本発明に至つたも
のである。 即ち、本発明は木材中の水酸基に二塩基酸無水
物を付加したカルボキシル基含有エステル化木質
物に分子中に2ケ以上のエポキシ基を含む化合物
を添加して、これらを充分に混練した後、該混練
物を熱圧成形することにより、エステル化木質物
中のカルボキシル基がエポキシ化合物のエポキシ
基と付加エステル化反応を起こして、エステル化
木質物が該エポキシ化合物を介して架橋結合され
ることを特徴とする木質形成形品の製造方法を提
供するものである。 本発明の製造方法により得られた木質系成形品
は木材成分が主成分であるにもかかわらず、耐水
性、即ち、水に対する寸法安定性に優れており、
また、機械的強度、硬度、熱変形温度の優れたも
のである。更に、組成によつては、熱圧成形条件
として、加熱温度120℃以上、圧力60Kg/cm2以上
の高温、高圧下で熱圧成形して得られた本発明の
木質系成形品は、驚くべきことには、木質物が可
塑化されており、表面が平滑で光沢のあるプラス
チツク様の外観を呈するものである。一方、本発
明者らは以前に、木質物に多塩基酸無水物と分子
中に2ケ以上のエポキシ基を含む化合物を同時に
添加して、これらを混合した後、該混合物を熱圧
成形することにより木材成分が主成分である木質
系成形品が得られることを見い出している。この
方法によれば、木質物中の水酸基の一部が多塩
基酸無水物と開環エステル化反応を起こして結合
され、これによつて生じた側鎖のカルボキシル基
にエポキシ基が付加エステル化する反応と、こ
の付加エステル化反応によつて生じた水酸基に無
水酸基とエポキシ基が交互に付加するエステル化
反応と、無水酸基とエポキシ基の交互エステル
化反応が起こり、木質物と硬化エポキシ樹脂が化
学的に結合されるのである。この場合、木質物が
直接エポキシ化合物と化学的に結合されるのは
の反応によるのであるが、同時にやの反応も
起こるので、この方法によれば添加したエポキシ
化合物のエポキシ基のすべてが木質物との直接の
結合反応に使用されるのではなく、この結合の程
度はととの反応の進行割合によるのであ
る。また、この方法においては、前記した如く、
エポキシ化合物を木質物に効果的に混練すること
が困難であり、更に、成形品の製造工程中、特に
混練機で混練する際、或は、熱圧成形する際に、
添加した多塩基酸無水物が一部大気中に昇華して
作業環境衛生上好ましくないという難点があつ
た。一方、本発明の製造方法においては上記の如
き難点が解決されているのである。即ち、使用す
る木質物にはすでに活性なカルボキシル基が導入
されているので、該木質物とエポキシ化合物との
親和性が高くなり、それらを効果的に混練するこ
とができ、更に、系中には多塩基酸無水物がほと
んど存在しないので作業環境衛生上の難点も解消
されているのである。また、エステル化木質物中
のカルボキシル基とエポキシ基との付加エステル
化反応によつて硬化反応が進行するので、添加し
たエポキシ化合物中のエポキシ基の大部分が木質
物とエポキシ化合物との直接の結合反応に使用さ
れるという特徴を有している。従つて、架橋構造
中に木材組織が化学結合によつて組み込まれる程
度が高くなつているのである。 本発明において使用するカルボキシル基含有エ
ステル化木質物とはチツプ、木粉またはこれらの
蒸煮物から選ばれた木質物に二塩基酸無水物を反
応させ、木材組成中に含まれているセルロース、
ヘミセルロース、リグニン等の化学成分中の水酸
基をエステル化することにより、木質物中にカル
ボキシル基を化学的に導入したものである。本発
明でいう木質物というのは、木材チツプ、木材繊
維、微細化した木粉等があり、原木、樹種には特
に制限はない。例えば、赤マツ、スギ、ヒノキ、
カバ、ラワン等が使用される。また、二塩基酸無
水物とはジカルボン酸無水物であり、具体的には
無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、
無水テトラヒドロフタル酸、無水テトラプロムフ
タル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水3・6
ジクロルフタル酸、無水4・5ジクロルフタル
酸、無水イタコン酸等が挙げられる。特に工業的
に有利で低廉な無水マレイン酸、無水コハク酸、
無水フタル酸等が好ましい。木質物と二塩基酸無
水物とのエステル化反応は無触媒下でも充分に進
行するが、反応を促進するためにアルカリ金属或
はアルカリ土類金属の炭酸塩、酸化物、水酸化
物、カルボン酸塩、または、ジメチルベンジルア
ミン、トリエチルアミン等のアミン系化合物、そ
の他、ピリジン、ジメチルアニリン等の触媒を用
いてもよい。また、エステル化反応はジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中で
反応を行なつてもよいが、この場合、反応後エス
テル木質物を溶媒から分離する必要がある。ま
た、無溶媒下で、直接に木質物に二塩基酸無水物
を添加し、反応温度60℃以上で加熱攪拌すること
により、付加によるエステル化反応が円滑に進
み、木質物に二塩基酸無水物が容易に付加して、
種々の二塩基酸無水物の付加率(付加率とは乾燥
木質物重量に対して木質物中の水酸基と付加結合
された二塩基酸無水物の重量%を示す。)のカル
ボキシル基含有エステル化木質物を得ることがで
きる。上記の溶媒中または無溶媒下でのエステル
化反応において、二塩基酸無水物の添加量は乾燥
木質物に対し好ましくは5〜200重量%、より好
ましくは5〜80重量%である。カルボキシル基含
有エステル化木質物の二塩基酸無水物の付加率は
木質物を基準として好ましくは5〜120重量%、
より好ましくは5〜70重量%である。反応後、反
応生成物を洗浄して、乾燥し、本発明において使
用するエステル化木質物を得るのである。また、
付加反応後の未反応の二塩基酸無水物の残存量が
少ない場合には、反応後洗浄せずに反応生成物を
そのまま本発明において使用するエステル化木質
物として用いてもよい。この場合、二塩基酸無水
物の残存量が少ないので、前記の如き昇華による
作業環境衛生上の難点も大巾に解消されている。 本発明に用いられる分子中に2ケ以上のエポキ
シ基を含む化合物としては、例えば、ビスフエノ
ールAとエビクロルヒドリンより得られるビスフ
エノール型エポキシ化合物、フエノール樹脂とエ
ビクロルヒドリンより得られるノボラツク型エポ
キシ化合物、ハロゲン化ビスフエノールAとエピ
クロルヒドリンより得られるハロゲン化エポキシ
化合物、ポリアルキレングリコールとエビクロル
ヒドリンより得られるポリアルキレンエーテル型
エポキシ化合物、ボリブタジエンの二重結合部分
を過酢酸等によりエポキシ化したポリブタジエン
型エポキシ化合物、その他、ジイソシアネートと
グリシドールから得られるエポキシ化合物、ビニ
ル化合物とグリシジルメタクリレートまたはメタ
クリレートとの共重合体等が挙げられる。特に工
業的に多量生産されており、かつ、安価に入手で
きるビスフエノール型エポキシ化合物が好まし
い。これらエポキシ化合物の使用量はエステル化
木質物中のカルボキシル基1当量に対してエポキ
シ基0.3〜1.2当量、好ましくは0.6〜1.0当量にな
るようにするのがよい。 次に、本発明の製造方法を手順を追つて説明す
る。まず、木材中の水酸基に二塩基酸無水物を付
加したカルボキシル基含有エステル化木質物の好
ましい製造法について述べるが、本発明はこれに
限定されるものではない。木質物は真空乾燥器や
熱風乾燥器等により乾燥して水分を木材含水率5
%以下に除去して使用するのが好ましい。次に、
この木質物に二塩基酸無水物を添加し、更に、触
媒を添加するか或は添加しないで、この混合物を
反応温度60℃以上で加熱攪拌する。反応は加熱攪
拌中に徐々に進行するが、反応温度60℃未満の場
合は木質物に対する二塩基酸無水物の付加率が著
しく小さいか、または、付加することが全くない
ため好ましくない。また、反応温度が60℃以上で
炭酸ナトリウム等の触媒を添加した反応系におい
ては木質物に対する付加率が木質物を基準として
100重量%以上にもなる高付加率のエステル化木
質物が得られる。反応時間は通常5分〜10時間、
好ましくは10分〜4時間である。二塩基酸無水物
の付加率は反応温度、反応時間をコントロールす
ることにより調整することができる。所望の二塩
基酸無水物の付加率の木質物が得られるまで反応
させる。反応後、反応生成物をアセトンおよび水
等で洗浄し、乾燥させる。乾燥して得られたエス
テル化木質物は木材中の水酸基が二塩基酸無水物
と開環エステル化反応を起して、木質物に二塩基
酸無水物が付加され、側鎖にカルボキシル基が導
入されていることが赤外線吸収スペクトルの分析
結果より明白である。このエステル化木質物を本
発明において使用するカルボキシル基含有エステ
ル化木質物として用いるのである。また、前述の
如く未反応の二塩基酸無水物が少ない場合には上
記反応生成物を洗浄しないで、このまま本発明に
おいて使用するエステル化木質物として用いても
よい。この場合、反応生成物は大部分がエステル
化木質物からなつている。しかし、木質物に、直
接、二塩基酸無水物とエポキシ化合物を添加、混
練して熱圧成形する場合と異なり、本発明の製造
方法は二塩基酸無水物の大部分が混練および熱圧
成形する前に、すでに、木質物に付加されている
ために、製造工程中に二塩基酸無水物の昇華によ
る作業環境衛生上の難点も大巾に解消されてい
る。さて、本発明においては、まず上記の如くし
て調整されたエステル化木質物に分子中に2ケ以
上のエポキシ基を有する化合物を混合するのであ
る。エポキシ化合物としては前記したビスフエノ
ール型エポキシ化合物が好ましい。分子量が大き
くなれば硬化後樹脂相の架橋密度が減少するので
通常200〜2000程度の平均分子量のものがよく、
更には、液状タイプのものが好ましい。また、場
合によつては粘度を下げるためにモノエポキシ化
合物、例えば、フエニルグリシジルエーテル、ス
チレンオキサイド、エビクロルヒドリン等を希釈
剤として添加してもよい。また、エポキシ化合物
に対して反応性を有しない溶媒、例えば、キシレ
ン、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、リ
ン酸トリクレジル等をエポキシ化合物に適当に配
合して、溶解してからエステル化木質物に添加し
てもよい。しかし、この場合、混合後溶媒を充分
に除去しておく必要がある。本発明の熱圧成形に
おける硬化反応は触媒なしで充分に進行するが、
硬化反応を更にはやめるために従来エポキシ樹脂
の多価カルボン酸や酸無水物硬化において使用さ
れている触媒、例えば、カルボン酸の金属塩、三
級アミン等を添加してもよい。得られた木質系成
形品の機械的強度を更に向上させるためにガラス
繊維を、耐燃性を付与するためにハロゲン含有化
合物、例えば、テトラプロムビスフエノールA、
テトラクロルビスフエノールA、ヘキサクロルベ
ンゼン等を、また、着色剤として染料、顔料等を
同時に添加してもよい。 以上の如くして調整される混合物をブレンダ
ー、ニーダー、ミキシングロール等の混練機を用
いて、更に、均一に混練する。本発明に用いられ
るエステル化木質物は、前述の如く、活性なるカ
ルボキシル基を有しており、エポキシ化合物に対
する親和性が良く、エポキシ化合物と混練する場
合に、エステル化木質物とエポキシ化合物が極め
て効果的に分散し得るのである。そのため、エス
テル化木質物とエポキシ化合物の混合比率は任意
の混合比が選択できる。また、エステル化木質物
の大量使用によるエポキシ化合物の使用量の節減
が可能である。次に、該混練物を予備加熱する
か、または、しない成形用の金型の中に入れて、
所定時間、加熱加圧を行なうのである。混練物は
加熱温度が高くなるに従つて前記した反応が進む
のである。 前述の如く、本発明の製造方法により得られた
木質系成形品はエステル化木質物中のカルボキシ
ル基とエポキシ化合物中のエポキシ基が付加エス
テル化反応を起して架橋結合されている。即ち、
エステル化木質物がエポキシ化合物を介して架橋
結合されているため、成形品の表面が非常に硬
く、また、水に対する寸法安定性および機械的強
度において著しく優れたものである。 また、組成によつては、熱圧成形条件として加
熱温度120℃以上、圧力60Kg/cm2以上の高温高圧
下で熱圧成形して得られた本発明の製造方法にお
ける木質系成形品は、驚くべきことに、木質物が
可塑化されており、表面が平滑で光沢のあるプラ
スチツク様の外観を呈するものである。また、本
発明の製造方法により得られた木質系成形品は木
材成分が主成分であり、その成形品に木材のもつ
特性を与えることができ、従来の成形用樹脂の中
に少量の木粉を配合したに過ぎない成形品に比較
して、熱変形温度、電気絶縁性、加工性等に優れ
ており、産業上利用価値大である。 更に、また、木材工業において工業廃棄物とし
て副生する木質物の大量の配合使用により、本発
明の木質系成形品は安価に製造し得るものであ
る。 従つて、本発明の製造方法により得られた木質
系成形品は多くの分野において工業用部品材料と
して好適である。 次に本発明を実施例および比較例により更に具
体的に説明するが、これらに使用される乾燥木
粉、乾燥チツプおよび乾燥フアイバーというのは
木質物の含水率を5%以下に乾燥したものをい
う。また、木粉混入率というのは成形用金型の中
にフオーミングする混練物中の木粉重量%を示
す。 また物性試験の試験方法は下記ASTMに準じ
て行つた。 曲げ試験 ASTM D790−66 圧縮試験 ASTM D695−69 荷重たわみ温度試験 ASTM D648−56 ロツクウエル硬さ試験 ASTM D785−65 吸水率(厚さ膨張率)試験 ASTM D570−63 なお、本発明は実施例に制限されるものではな
いことは勿論である。 実施例 1 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
190.0g、無水マレイン酸95.0g触媒として炭酸ナ
トリウム1.00gを4三つ口セパラブルフラスコ
に添加して、120℃で1時間攪拌下に反応せしめ
た。反応後、反応生成物を取り出し、ソツクスレ
ー抽出器を用いてアセトンで洗浄した後、水で洗
浄した。その後、熱風乾燥器で乾燥してエステル
化木粉を得た。このエステル化木粉中の木粉に付
加された無水マレイン酸の付加率は木粉を基準と
して18.0重量%であつた。次に上記のようにして
得られたエステル化木粉154.7gに、三井石油化学
エポキシ(株)製EPOMIK R139、エポキシ当量180
〜190のビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル(以下、ビスフエノールAのジグリシジルエー
テルと称す。)35.3gを添加し、ミキシングロール
で均一に混練した。その後、該混練物を80℃の熱
風乾燥器で約1時間乾燥した後、所定の成形用金
型の中に均等にフオーミングした。次に、この金
型をプレス機の熱板間に挿入して熱圧成形を行な
つた。熱圧成形条件は金型挿入直後、温度150℃、
圧力5Kg/cm2で10分間加熱加圧した後、更に、温
度190℃、圧力150Kg/cm2の条件で25分間加熱加圧
した。なお、脱気は熱圧初期の段階で行なつた。
熱圧成形後、金型から成形品を取り出し、厚さ
6.4mmの本発明の製造方法による板状の木質系成
形品を得た。 実施例 2 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
190.0g、無水コハク酸95.0g、触媒として炭酸ナ
トリウム1.00gを4三つ口セパラブルフラスコ
に添加して、120℃で25分間攪拌下に反応せしめ
た。反応後、反応生成物を取り出し、ソツクスレ
ー抽出器を用いてアセトン洗浄した後、水で洗浄
した。その後、熱風乾燥器で乾燥してエステル化
木粉を得た。このエステル化木粉中の木粉に付加
された無水コハク酸の付加率は木粉を基準として
18.3重量%であつた。 次に上記のようにして得られたエステル化木粉
152.9gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル34.6gと触媒としてジメチルベンジルアミン
2.50gを添加した後、ミキシングロールで均一に
混練した。その後、該混練物を80℃の熱風乾燥器
で約2時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に
均等にフオーミングした。次に、この金型をプレ
ス機の熱板間に挿入して熱圧成形を行なつた。熱
圧成形条件は金型挿入後、温度150℃、圧力5
Kg/cm2で10分間加熱加圧した後、更に、温度190
℃、圧力150Kg/cm2の条件で35分間加熱加圧した。
なお、脱気は熱圧初期の段階で行なつた。熱圧成
形後、金型から成形品を取り出し、厚さ6.5mmの
本発明の製造方法による板状の木質系成形品を得
た。 実施例 3 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
190.0g、無水フタル酸285.0g、触媒として炭酸ナ
トリウム4.02gを4三つ口セパラブルフラスコ
に添加して、140℃で15時間攪拌下に反応せしめ
た。反応後、反応生成物を取り出し、ソツクスレ
ー抽出器を用いてアセトン洗浄した後、水で洗浄
した。その後、熱風乾燥器で乾燥してエステル化
木粉を得た。このエステル化木粉中の木粉に付加
された無水フルタ酸の付加率は木粉を基準として
21.8重量%であつた。 次に上記のようにして得られたエステル化木粉
152.0gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル38.0gを添加し、ミキシングロールで均一に混
練した。その後、該混練物を80℃の熱風乾燥器で
約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に均
等にフオーミングした。次に、この金型をプレス
機の熱板間に挿入して熱圧成形を行なつた。熱圧
成形条件は金型挿入直後、温度150℃、圧力5
Kg/cm2の条件で7分間加熱加圧した後、更に、温
度190℃、圧力150Kg/cm2の条件で48分間加熱加圧
した。なお、脱気は熱圧初期の段階で行なつた。
熱圧成形後、金型から成形品を取り出し、厚さ
6.6mmの本発明の製造方法による板状の木質系成
形品を得た。 比較例 1 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
128.0gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル57.0gとその硬化剤としてトリエチレンテトラ
ミン5.0gを添加した後、ミキシングロールで均一
に混練した。その後、該混練物を所定の成形用金
型の中に均等にフオーミングした。次に、実施例
1と全く同様に熱圧成形して厚さ6.6mmの板状の
木質系成形品を得た。 実施例1〜3に示した本発明の木質系成形品の
製造方法はエステル化木粉中の二塩基酸無水物が
すべて木粉中の水酸基とエステル化反応して化学
結合されているため、木質系成形品の製造工程
中、二塩基酸無水物の昇華による作業環境衛生上
の難点がない。また、実施例1〜3で得られた本
発明の製造方法による板状の木質系成形品はその
表面を顕微鏡で観察すると、木粉の形状は見られ
ず、木粉が可塑化されている。そのため、木質系
成形品の表面は平滑で光沢のあるプラスチツク様
の外観を呈している。実施例1〜3および比較例
1で得られた木質系成形品から試料を切断して物
性試験に供した。この物性試験の結果を第1表に
示す。
【表】
【表】 この結果から実施例1〜3の本発明の製造方法
による板状の木質系成形品は、木粉にエポキシ化
合物とその硬化剤としてトリエチレンテトラミン
を同時に添加し、熱圧成形して得られた比較例1
の板状の木質系成形品に比べて、すべての物性に
おいて優れていることが認められる。 実施例 4 乾燥木粉190.0g、無水コハク酸95.0g、触媒と
して炭酸ナトリウム1.00gを4三つ口セパラブ
ルフラスコに添加して、120℃で7.5分間攪拌下に
反応せしめた。反応後、反応生成物を取り出し、
ソツクスレー抽出器を用いてアセトンで洗浄した
後、水で洗浄した。その後、熱風乾燥器で乾燥し
てエステル化木粉を得た。このエステル化木粉中
の木粉に付加された無水コハク酸の付加率は木粉
を基準として2.84重量%であつた。 次に上記のようにして得られたエステル化木粉
180.7gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル9.3gを添加し、ミキシングロールで均一に混練
した。その後、該混練物を所定の成形用金型の中
に均等にフオーミングした。次に、実施例2と全
く同様に熱圧成形して、厚さ7.2mmの本発明の製
造方法による板状の木質系成形品を得た。 比較例 2 通常の乾式フアイバーボードの製造方法に準じ
て、赤松材チツプをダイジユスターに挿入して蒸
気圧8Kg/cm2、蒸煮時間4分間の条件下で蒸煮し
た後、リフアイナーで解 させることにより湿潤
状態のフアイバーを得た。このフアイバーを温度
90℃の熱風乾燥器で含水率5%以下に乾燥した。
次に、固形分で45%のフエノール樹脂接着剤をフ
アイバーの全乾重量に対し樹脂率8.2%の条件で、
エアスプレーガンでフアイバーに噴霧した。次
に、これら噴霧されたフアイバーをもつてフオー
ミング機によりフアイバーマツトを成層し、この
フアイバーマツトを10Kg/cm2の圧力で予備プレス
した後、ついでホツトプレスの熱板間に挿入して
熱圧温度190℃、圧力60Kg/cm2、熱圧時間4分間
の条件下で熱圧成形して、厚さ1.3mmの木質繊維
板を得た。 実施例4で得られた本発明の製造方法による板
状の木質系成形品は表面が平滑で光沢のあるほぼ
プラスチツク様の外観を呈している。実施例4お
よび比較例2で得られた木質系成形品および木質
繊維板から試料を切断して物性試験に供した。こ
の物性試験の結果を第2表に示す。
【表】 この結果から実施例4の本発明の製造方法によ
る板状の木質系成形品は、フアイバーにフエノー
ル樹脂接着剤を噴霧し、熱圧成形して得られた比
較例2の木質繊維板に比べて、すべての物性にお
いて著しく優れていることが認められる。 実施例 5 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
230.0g、無水マレイン酸69.0gを4三つ口セパ
ラブルフラスコに添加して、115℃で30分間攪拌
下に反応せしめた。反応後、反応生成物を取り出
し、ソツクスレー抽出器を用いてアセトンで洗浄
した。その後、熱風乾燥器で乾燥してエステル化
木粉を得た。このエステル化木粉中の木粉に付加
された無水マレイン酸の付加率は木粉を基準とし
て8.55量%であつた。 次に上記のようにして得られたエステル化木粉
165.0gに、日本油脂(株)製エピオール0−100、グ
リセリンジグリシジルエーテル(以下、グリセリ
ンジグリシジルエーテルと称す。)25.0gを添加
し、ミキシングロールで均一に混練した。その
後、該混練物を所定の成形用金型の中に均等にフ
オーミングした。次に、実施例1と全く同様に熱
圧成形して、厚さ7.0mmの本発明の製造方法によ
る板状の木質系成形品を得た。 比較例 3 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
152.0gにグリセリンジグリシジルエーテル25.0g
とその硬化剤としてコハク酸13.0gを添加した後、
ミキシングロールで均一に混練した。その後、該
混練物を所定の成形用金型の中に均等にフオーミ
ングした。次に、実施例2と全く同様に熱圧成形
して、厚さ7.0mmの板状の木質系成形品を得た。 実施例5および比較例3で得られた木質系成形
品から試料を切断して物性試験に供した。この物
性試験の結果を第3表に示す。
【表】 この結果から実施例5の本発明の製造方法によ
る板状の木質系成形品は、木粉にエポキシ化合物
とその硬化剤としてコハク酸を同時に添加し、熱
圧成形して得られた比較例3の板状の木質系成形
品に比べて、曲げ強さ、圧縮強さ、硬度において
著しく優れており、また、吸水率、厚さ膨張率に
おいても優れていることが認められる。 実施例 6 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
260.0g、無水マレイン酸65.0g、触媒として炭酸
ナトリウム2.00gを4三つ口セパラブルフラス
コに添加して、140℃で6時間攪拌下に反応せし
めた。この反応系において、木粉に対する無水マ
レイン酸の添加率は25.0重量%である。反応後、
反応生成物を取り出し、洗浄することなくエステ
ル化木粉を得た。このエステル化木粉中の木粉に
付加された無水マレイン酸の付加率は木粉を基準
として14.0重量%であつた。 次に上記のようにして得られたエステル化木粉
145.7gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル44.3gを添加し、ミキシングロールで均一に混
練した。その後、該混練物を、80℃の熱風乾燥器
で約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に
均等にフオーミングした。次に、実施例1と全く
同様に熱圧成形して、厚さ6.7mmの本発明の製造
方法による板状の木質系成形品を得た。 実施例 7 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
260.0g、無水コハク酸65.0g、触媒として炭酸ナ
トリウム2.00gを4三つ口セパラブルフラスコ
に添加して、140℃で6時間攪拌下に反応せしめ
た。この反応系において、木粉に対する無水コハ
ク酸の添加率は25.0重量%である。反応後、反応
生成物を取り出し、洗浄することなくエステル化
木粉を得た。このエステル化木粉中の木粉に付加
された無水コハク酸の付加率は木粉を基準として
20.6重量%であつた。 次に上記のようにして得られたエステル化木粉
145.7gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル44.3gを添加し、ミキシングロールで均一に混
練した。その後、該混練物を、80℃の熱風乾燥器
で約2時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に
均等にフオーミングした。次に、実施例2と全く
同様に熱圧成形して、厚さ6.7mmの本発明の製造
方法による板状の木質系成形品を得た。 比較例 4 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
116.5gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル50.3gとその硬化剤としてコハク酸23.2gを添加
した後、ミキシングロールで均一に混練した。そ
の後、該混練物を所定の成形用金型の中に均等に
フオーミングした。次に、実施例2と全く同様に
熱圧成形して厚さ6.6mmの板状の木質系成形品を
得た。 比較例 5 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
117.0gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル36.5gとその硬化剤としてポリアミド樹脂(液
状、アミン価400)36.5gを添加した後、ミキシン
グロールで均一に混練した。その後、該混練物を
所定の成形用金型の中に均等にフオーミングし
た。次に、実施例1と全く同様に熱圧成形して厚
さ6.8mmの板状の木質系成形品を得た。 実施例6,7に示した本発明の木質系成形品の
製造方法はエステル化木粉中の二塩基酸無水物の
大部分が木材中の水酸基とエポキシ化反応して化
学結合されているため、木質系成形品の製造工程
中、二塩基酸無水物の昇華による作業環境衛生上
の難点も大巾に解消されている。また、実施例
6,7で得られた本発明の製造方法による板状の
木質系成形品はその表面を顕微鏡で観察すると、
木粉の形状は見られず、木粉が可塑化されてい
る。そのため、木質系成形品の表面は平滑で光沢
のあるプラスチツク様の外観を呈している。実施
例6,7および比較例4,5で得られた木質系成
形品から試料を切断して物性試験に供した。この
物性試験の結果を第4表に示す。
【表】 この結果から実施例6,7の本発明の製造方法
による板状の木質系成形品は、木粉にエポキシ化
合物とその硬化剤としてコハク酸またはポリアミ
ド樹脂を同時に添加し、熱圧成形して得られた比
較例4および比較例5のの板状の木質系成形品に
比べて、吸水率、厚さ膨張率、硬度、圧縮強さに
おいて著しく優れており、また、熱変形温度にお
いても優れていることが認められる。 実施例 8 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
224.0g、無水マレイン酸15.5g、触媒として炭酸
ナトリウム0.32gを4三つ口セパラブルフラス
コに添加して、140℃で6時間攪拌下に反応せし
めた。この反応系において、木粉に対する無水マ
レイン酸の添加率は6.9重量%である。反応後、
反応生成物を取り出し、洗浄することなくエステ
ル化木粉を得た。このエステル化木粉中の木粉に
付加された無水マレイン酸の付加率は木粉を基準
として4.9重量%であつた。 次に上記のようにして得られたエステル化木粉
168.7gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル21.3gを添加し、ミキシングロールで均一に混
練した。その後、該混練物を80℃の熱風乾燥器で
約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に均
等にフオーミングした。次に、実施例1と全く同
様に熱圧成形して、厚さ6.9mmの本発明の製造方
法による板状の木質系成形品を得た。 比較例 6 24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木粉
157.7gにビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル29.4gとその硬化剤としてトリエチレンテトラ
ミン2.9gを添加した後、ミキシングロールで均一
に混練した。その後、該混練物を所定の成形用金
型の中に均等にフオーミングした。次に、実施例
1と全く同様に熱圧成形して、厚さ7.0mmの板状
の木質系成形品を得た。 実施例8で得られた本発明の製造方法による板
状の木質系成形品はその表面を顕微鏡で観察する
と、木粉の形状は見られず、木材小片が可塑化さ
れている。そのため、木質系成形品の表面は平滑
で光沢のあるプラスチツク様の外観を呈してい
る。実施例8および比較例6で得られた木質系成
形品から試料を切断して物性試験に供した。この
物性試験の結果を第5表に示す。
【表】 この結果から実施例8の本発明の製造方法によ
る板状の木質系成形品は、木粉にエポキシ化合物
とその硬化剤としてトリエチレンテトラミンを同
時に添加し、熱圧成形して得られた比較例6の板
状の木質系成形品に比べて、熱変形温度、硬度に
おいて著しく優れており、また、吸水率、厚さ膨
張率、圧縮強さ、曲げ強さにおいても優れている
ことが認められる。 実施例 9 パーテイクルボードの原料として使用される赤
ラワン剤の乾燥チツプ130.0g無水フタル酸35.1g、
触媒として炭酸ナトリウム0.69gを2三つ口セ
パラブルフラスコに添加して、160℃で6時間攪
拌下に反応せしめた。この反応系において、チツ
プに対する無水フタル酸の添加率は27.0重量%で
ある。反応後、反応生成物を取り出し、洗浄する
ことなく該反応生成物をエステル化チツプとして
用いた。 このエステル化チツプ中のチツプに付加された
無水フタル酸の付加率はチツプを基準として16.6
重量%であつた。 次に、上記のようにして得られたエステル化チ
ツプ71.7gに、ビスフエノールAのジグリシジル
エーテル23.3gを添加し、ニーダーで均一に混合
した。その後、該混合物を、90℃の熱風乾燥器で
約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に均
等にフオーミングした。次に、この金型をプレス
機の熱板間に挿入して熱圧成形を行なつた。 熱圧成形条件は金型挿入直後、温度150℃、圧
力5Kg/cm2で10分間加熱加圧した後、更に温度
180℃、圧力150Kg/cm2の条件で50分間加熱加圧し
た。なお、脱気は熱圧初期の段階で行なつた。熱
圧成形後、金型から成形品を取り出し、厚さ3.3
mmの本発明の製造方法による板状の木質系成形品
を得た。 実施例 10 通常の乾式フアイバーボードの製造方法に準じ
て、杉、檜混材チツプをダイジユスターに挿入し
て蒸気圧8Kg/cm2、蒸煮時間4分間の条件下で蒸
煮した後、リフアイナーで解 させることにより
湿潤状態のフアイバーを得た。このフアイバーを
温度90℃の熱風乾燥器で含水率5%以下に乾燥し
た。次に、13メツシユ篩を通過した杉、檜混材の
乾燥フアイバー130.0g、無水マレイン酸32.5g、
触媒として炭酸ナトリウム1.01gを2三つ口セ
パラブルフラスコに添加して、160℃で6時間攪
拌下に反応せしめた。この反応系において、フア
イバーに対する無水マレイン酸の添加率は25.0重
量%である。反応後、反応生成物を取り出し、洗
浄することなく該反応生成物をエステル化フアイ
バーとして用いた。 このエステル化フアイバー中のフアイバーに付
加された無水マレイン酸の付加率はフアイバーを
基準として15.7重量%であつた。 次に、上記のようにして得られたエステル化フ
アイバー68.6gに、ビスフエノールAのジグリシ
ジルエーテル26.4gを添加し、ミキシングロール
で均一に混合した。その後、該混合物を、80℃の
熱風乾燥器で約1時間乾燥した後、所定の成形用
金型の中に均等にフオーミングした。次に、実施
例1と全く同様に熱圧成形して、厚さ3.2mmの本
発明の製造法による板状の木質系成形品を得た。 実施例 11 パーテイクルボードの原料として使用される赤
ラワン材の乾燥チツプ100.0g無水マレイン酸
300g、ジメチルフオルムアミド600g、触媒とし
てジメチルベンジルアミン9.00gを3ガラスビ
ーカーに添加して、23℃で15時間浸漬状態で反応
せしめた。反応後、反応生成物を取り出し、ソツ
クスレー抽出器を用いてアセトンで洗浄した。そ
の後、熱風乾燥器で乾燥してエステル化チツプを
得た。このエステル化チツプのチツプに付加され
た無水マレイン酸の付加率はチツプを基準として
22.1重量%であつた。 次に、上記のようにして得られたエステル化チ
ツプ70.5gに、ビスフエノールAのジグリシジル
エーテル24.5gを添加し、ニーダーで均一に混合
した。その後、該混合物を、90℃の熱風乾燥器で
約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に均
等にフオーミングした。 次に、実施例1と全く同様に熱圧成形して、厚
さ3.3mmの本発明の製造法による板状の木質系成
形品を得た。 実施例 12 通常の乾式フアイバーボードの製造方法に準じ
て、ラジアタバインチツプをダイジユスターに挿
入して蒸気圧8Kg/cm2、蒸煮時間4分間の条件下
で蒸煮した後、リフアイナーで解織させることに
より湿潤状態のフアイバーを得た。このフアイバ
ーを温度90℃の熱風乾燥器で含水率5%以下に乾
燥した。次に、13メツシユ篩を通過したラジアタ
バインフアイバー100.0g、無水マレイン酸300g、
ジメチルスルホキシド600g、触媒としてビリジ
ン9.00gを3ガラスビーカーに添加して、23℃
で15時間浸漬状態で反応せしめた。反応後、反応
生成物を取り出し、ソツクスレー抽出器を用いて
アセトンで洗浄した。その後、熱風乾燥器で乾燥
してエステル化フアイバーを得た。このエステル
化フアイバーのフアイバーに付加された無水マレ
イン酸の付加率はフアイバーを基準として28.3重
量%であつた。 次に、上記のようにして得られたエステル化フ
アイバー74.5gにグリセリンジグリシジルエーテ
ル20.5g、触媒としてジメチルベンジルアミン
0.41gを添加し、ミキシングロールで均一に混練
した。その後、該混練物を、90℃の熱風乾燥器で
約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に均
等にフオーミングした。次に、実施例1と全く同
様に熱圧成形して、厚さ3.2mmの本発明の製造法
による板状の木質系成形品を得た。 実施例9〜12で得られた本発明の製造法による
板状の木質系成形品は表面が強靱で、硬く、かつ
平滑であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 チツプ、木粉またはこれらの蒸煮物から選ば
    れた木質物中の水酸基に二塩基酸無水物を付加し
    たカルボキシル基含有エステル化木質物に、分子
    中に2ケ以上のエポキシ基を含む化合物を添加し
    て、これらを充分に混練した後、該混練物を熱圧
    成形することを特徴とする木質系成形品の製造
    法。
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