JPH04368305A - 農園芸用殺菌組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は農園芸用殺菌組成物に関
し、ことに植物の病害防除効果が向上した農園芸用殺菌
組成物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】テトラクロロイソフタロニトリル（以下
ＴＰＮという。）を有効成分として含有する殺菌剤は保
護殺菌作用の強い薬剤として実用化されている。特に農
園芸用殺菌剤として果樹・野菜の病害防除を目的として
植物に散布あるいは、土壌に混和することにより一般に
広く使用されており、殺菌スペクトラムが広く、耐性菌
発生の可能性も極めて少ない。又、殺菌スペクトラムを
広げ、同時防除を可能にする為に、ＴＰＮとその他の殺
菌活性化合物との混合殺菌剤、例えばメチル３−（ブチ
ルカルバモイル）−３Ｈ−ベンズイミダゾール−２−イ
ル　　カ−バメート（一般名ベノミル）との混合殺菌剤
などが使用されている。一方、フェニルアマイド系殺菌
化合物は、特に果樹・野菜に大きな被害をもたらす、べ
と病、疫病に優れた防除効果を示し、また植物体内に侵
透移行するため、予防効果だけでなく、植物の組織内に
侵入した病原菌にも作用して、病害が広がるのを防ぐこ
とができるものとして知られている。フェニルアマイド
系殺菌化合物に関しては、殺菌スペクトラムを広げ耐性
菌対策を目標として、各種の混合殺菌剤、例えば塩基性
塩化銅、マンゼブ、ＴＰＮとの混合殺菌剤などが使用さ
れている。

【０００３】また、シモキサニルは、果樹・野菜に被害
をもたらすべと病、疫病に対して高い防除を示す。ホセ
チルは浸透移行性を有する殺菌剤で、特にべと病に対し
て、高い効力を示すことが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ＴＰＮを有効成分とし
て含有する殺菌剤は予防効果を中心としており、治療効
果は全く期待できない。一方、フェニルアマイド系殺菌
化合物は、疫病、べと病菌に対してのみ高い防除効果を
示すが、その他の病原糸状菌に対しては、ほとんど効力
を示さない。また連続散布による薬剤耐性菌発生の可能
性も高いため、使用回数が制限されるとともに、フェニ
ルアマイド系殺菌剤に対する耐性菌が発生する条件下で
は、効力が低い例が見られる場合がある。シモキサニル
及びホセチルは、上記のフェニルアマイド感性菌及び耐
性菌の両菌に対して防除効果を示すが、感性菌に対する
効力は、フェニルアマイド系殺菌剤と比較すると明らか
に劣る。

【０００５】有効成分を効率的に利用することにより投
下薬量を減少させることは、環境に対する安全性をより
高くし、且つ経済的な薬剤を提供することが期待できる
。一般に２種以上の殺菌性有効成分を混合使用し、それ
が相加効果、相乗効果を示す場合、それは、投下薬量の
低減につながり、両薬剤の有効性を合わせもつ優れた殺
菌組成物となる。

【０００６】本発明は、３種混合することにより各薬剤
の欠点を克服し、低薬量で優れた特性を有する農園芸用
殺菌組成物を提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、ＴＰＮ、フェニ
ルアマイド系殺菌化合物およびシモキサニルまたはホセ
チルの３種の化合物を有効成分として含有し、その固形
成分の粒度分布が水に分散させた際、平均粒径で１μｍ
ないし３μｍの範囲にあり、かつフロアブル製剤、顆粒
水和剤または水和性錠剤であることを特徴とする農園芸
用殺菌組成物が各々の化合物の優れた特徴を兼ね備え、
驚くべきことにフェニルアマイド系殺菌化合物に対する
耐性菌に強い殺菌効果を相乗的に有し、また使用者に対
する安全性が著しく向上することを見い出し、本発明を
完成するに至った。

【０００８】本発明の殺菌組成物を製造する方法には特
に制限はない。従来より用いられた装置で、一般的な方
法によって製造することができる。例えば、フロアブル
製剤を製造する場合には、従来より用いられた粉砕機を
用い、界面活性剤などを配合し容易に製造できる。これ
らの粉砕機としては、ボールミール、衝撃式粉砕機、ジ
ェット粉砕機、湿式粉砕機などを挙げることができる。

【０００９】フロアブル製剤には、必要に応じて、凍結
防止剤や懸濁安定剤、分解防止剤、着色剤、着臭剤、苦
味剤などを加えることができる。

【００１０】顆粒水和剤や水和性錠剤を製造する場合に
は、従来より用いられた粉砕機および造粒機を用い、一
般的な配合によって製造することができる。これらの粉
砕機としては、ボールミール、衝撃式粉砕機、ジェット
粉砕機、湿式粉砕機などを挙げることができる。

【００１１】造粒機としては、押出造粒機、皿型造粒機
、スプレードライヤー、流動層造粒機、転動造粒機、ロ
ーラーコンパクターや打錠機などを挙げることができる
。顆粒水和剤や水和性錠剤には必要に応じて崩壊助剤や
分解防止剤、着色剤、着臭剤、苦味剤などを加えること
ができる。

【００１２】また本発明組成物中のＴＰＮ、フェニルア
マイド系殺菌化合物およびシモキサニルまたはホセチル
からなる有効成分の含有量はとくに制限されるものでは
ないが、１％ないし９８％の範囲にある。

【００１３】本発明で使用するフェニルアマイド系殺菌
化合物は例えばメタラキシル、ベナラキシル、フララキ
シル、オキサジキシルなどが挙げられるが、メタラキシ
ル、オキサジキシルが好ましい。

【００１４】ＴＰＮと他の２種の化合物との間の含有割
合は好ましくは重量比でフェニルアマイド系殺菌化合物
を１とした場合、ＴＰＮが３ないし１０、シモキオニル
が０．１ないし１あるいは、ＴＰＮが４ないし６、ホセ
チルが４ないし６である。

【００１５】

【実施例】次に、本発明組成物の製剤実施例を挙げて説
明するが、これのみに限定されるものではないことは言
うまでもない。

【００１６】実施例１ 表１に示す配合割合で各成分を混合し、湿式粉砕機を用
いて粉砕してフロアブル剤を製造した。なおその固形成
分の粒度分布は粉砕時間の調整によって、平均粒径２μ
ｍとした。

【００１７】

【表１】

【００１８】実施例２ 表２に示す配合割合で各成分を混合し、ジェット粉砕機
を用いて粉砕し、打錠機で成型し水和性錠剤を製造した
。なおその固形成分の水に分散させた際の粒度分布は粉
砕時の空気圧の調整により平均粒径２．５μｍとした。

【００１９】

【表２】

【００２０】実施例３ 表３に示す配合割合で各成分を混合し、ジェット粉砕機
を用いて粉砕し、流動層造粒乾燥機で造粒し顆粒水和剤
を製造した。なおその固形成分の水に分散させた際の粒
度分布は粉砕時の空気圧の調整により平均粒径２．５μ
ｍとした。

【００２１】

【表３】

【００２２】

【作用】ＴＰＮ、フェニルアマイド系殺菌化合物および
シモキサニルまたはホセチルとの３種混合剤の場合、殺
菌スペクトラムが広がり、予防効果と治療効果の両方を
合わせ持ち、また耐性菌に対しても著しく高い効力を有
する。

【００２３】また、本発明物は粒径を１μｍないし３μ
ｍとすることにより、従来の水和剤に比べ分散性が極め
て向上し、薬剤が葉面に均一に分布することから効力も
大幅に向上し、相乗効果が認められる。

【００２４】さらに本発明組成物はフロアブル剤または
顆粒水和剤乃至水和性錠剤であることにより次のことが
考えられる。フロアブル剤は、既に液中に分散させてい
るため希釈水中での凝集が生じにくく、最適化した粒径
がそのまま維持でき、希釈物として他に固形物を加える
必要がないため固形物による分解作用を回避できる。こ
れらのことにより有効成分が著しく効率的に作用でき、
防除効果が向上する。実際に使用する場合、水中分散性
が優れているので、水に混ざりやすく、散布液の調製が
簡単である。懸垂性も優れているため調製後の薬液は長
時間にわたって均一な懸濁状態を保つことができ、散布
開始から終了まで所定の濃度で散布できる。散布時の目
づまりも問題にならなくなる。

【００２５】また、顆粒水和剤乃至水和性錠剤は、粉立
ちが少なく使用者に対する安全性が高く、容量でも調製
でき、薬剤の計量が易しい。容器への付着も少ない。

【００２６】

【発明の効果】本発明組成物は広汎な農園芸作物の病害
の防除に効果的であり、その主なものを例示すれば以下
のものが挙げられる。

【００２７】水稲：いもち病、ごま葉枯病、紋枯病、馬
鹿苗病、苗立枯病等 小麦：赤さび病、黄さび病、裸黒穂病、葉枯病、褐色雪
腐病、うどんこ病等ジャガイモ：疫病、夏疫病、黒あざ
病等 大豆：べと病、斑点病、褐斑病、菌核病、さび病、紫斑
病等 小豆：褐斑病、さび病、すす紋病、うどんこ病等落花生
：褐斑病、黒渋病、菌核病等 タバコ：赤星病、疫病、菌核病、腰折病、舞病、白星病
、うどんこ病等 ビート：べと病、褐斑病、苗立枯病等 トマト：灰色かび病、葉かび病、疫病、菌核病、輪紋病
、すすかび病、萎凋病、苗立枯病等 ナス：灰色かび病、半身萎凋病、褐色腐敗病、黒枯病、
うどんこ病、すすかび病等 ウリ類：べと病、灰色疫病、灰色かび病、菌核病、黒星
病、炭そ病、つる枯病、うどんこ病、苗立枯病等ハクサ
イ：べと病、白斑病、菌核病、根こぶ病、軟腐病等 タマネギ：白色疫病、べと病、灰色腐敗病、炭そ病等レ
タス：べと病、灰色かび病、褐斑病、菌核病等イチゴ：
灰色かび病、うどんこ病、輪斑病等キク：白さび病、う
どんこ病等 シクラメン：灰色かび病等 バラ：黒星病、うどんこ病等 カンキツ：青かび病、灰色かび病、黒点病、そうか病等
リンゴ：赤星病、斑点落葉病、黒星病、モニリア病、う
どんこ病等 ナシ：赤星病、黒斑病、黒星病等 モモ：灰星病、黒星病、縮葉病等 ブドウ：べと病、灰色かび病、褐斑病、黒とう病、晩腐
病、さび病、つる枯病、つる割病、うどんこ病等

【００
２８】以下、本発明組成物は効果を具体的に説明する為
、代表的な試験例を示す。但し、これらは単なる例示で
あり、本発明の適用例はこれらのみに限らないことは言
うまでもない。

【００２９】試験例１　　ジャガイモ疫病の防除試験鉢
植えのジャガイモ（品種：ダンシャク）に所定濃度に希
釈した薬液を葉面に充分付着するように散布し、２日後
、ジャガイモ疫病菌（Ｐｈｙｔｏｐｈｔｈｏｒａ　　ｉ
ｎｆｅｓｔａｎｓ）の遊走子懸濁液を噴霧接種した。こ
れを２１℃接種室内に２日間放置した後、以下により発
病程度を調査した。

【００３０】 ｎ：発病程度別葉数 ｆ：発病程度別指数 Ｎ：調査葉数 発病程度別指数 ０：発病面積　　　　０％ １：発病面積　　　　１〜５％ ２：発病面積　　　　６〜１０％ ３：発病面積　　　　１１〜２５％ ４：発病面積　　　　２６〜１００％

【００３１】

【数１】

【００３２】

【数２】

【００３３】防除価よりＥＣ９０値を算出し、結果を表
４および表５に示す。

【００３４】

【表４】

【００３５】

【表５】

【００３６】試験例２　　キュウリべと病の防除試験２
葉期のキュウリ（品種：ときわ光３号Ｐ型）に所定濃度
に希釈した薬液を葉面に充分付着するよう散布し、４日
後、キュウリべと病菌（Ｐｓｅｕｄｏｐｅｒｏｎｏｓｐ
ｏｒａ　　ｃｕｂｅｎｓｉｓ）の遊走子懸濁液を噴霧接
種した。これを２１℃接種室内に２日間保った後、温室
内に２日間放置した。接種５日後に、第１，第２本葉の
病斑面積を以下の基準に従い調査した。発病度および防
除価の算出方法は試験例１に準ずる。結果は表６および
表７に示す。

【００３７】

【表６】

【００３８】

【表７】

【００３９】相乗効果指数（ＳＦ）は次式により計算さ
れ、１．５より大きい時は、相乗効果があることが示さ
れる。

【００４０】

【数３】

【００４１】ＳＦ＝ＥＣ９０（理論値）÷ＥＣ９０（測
定値） （式中、Ｘ，Ｙ，Ｚは各々組成物中の有効成分ａ，ｂ，
ｃの含有比を示す。）

【００４２】以上の試験結果から、本発明組成物は優れ
た殺菌効力および十分な相乗効果を有することが示され
る。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　テトラクロロイソフタロニトリルおよ
   びフェニルアマイド系殺菌化合物にシモキサニルまたは
   ホセチルを加えた３種の化合物を有効成分として含有し
   、その固形成分の粒度分布が水に分散させた際、平均粒
   径が１μｍないし３μｍの範囲にあり、かつフロアブル
   製剤、顆粒水和剤または水和性錠剤であることを特徴と
   する農園芸用殺菌組成物。
2. 【請求項２】　　テトラクロロイソフタロニトリル、フ
   ェニルアマイド系殺菌化合物およびシモキサニルとを有
   効成分としてフェニルアマイド系殺菌化合物を重量で１
   部とした場合、テトラクロロイソフタロニトリルが３な
   いし１０部、シモキサニル０．１部ないし１部の比率の
   範囲で含有し、その固形成分の粒度分布が水に分散させ
   た際、平均粒径が１μｍ乃至３μｍの範囲にあり、かつ
   フロアブル製剤、顆粒水和剤または水和性錠剤であるこ
   とを特徴とする農園芸用殺菌組成物。
3. 【請求項３】　　テトラクロロイソフタロニトリル、フ
   ェニルアマイド系殺菌化合物およびホセチルとを有効成
   分としてフェニルアマイド系殺菌化合物を重量で１部と
   した場合、テトラクロロイソフタロニトリルが４部ない
   し６部、ホセチルが４部ないし６部の比率の範囲で含有
   し、その固形成分の粒度分布が水に分散させた際、平均
   粒径が１μｍないし３μｍの範囲にあり、かつフロアブ
   ル製剤、顆粒水和剤または水和性錠剤であることを特徴
   とする農園芸用殺菌組成物。
4. 【請求項４】　　フェニルアマイド系殺菌化合物がメタ
   ラキシルまたはオキサジキシルである請求項１ないし３
   の農園芸用殺菌組成物。