JPH04362153A - 冷間加工性にすぐれた高硬度耐候性鋼 - Google Patents

冷間加工性にすぐれた高硬度耐候性鋼

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JPH04362153A
JPH04362153A JP13512491A JP13512491A JPH04362153A JP H04362153 A JPH04362153 A JP H04362153A JP 13512491 A JP13512491 A JP 13512491A JP 13512491 A JP13512491 A JP 13512491A JP H04362153 A JPH04362153 A JP H04362153A
Authority
JP
Japan
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less
cold workability
steel
high hardness
corrosion resistance
Prior art date
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Pending
Application number
JP13512491A
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English (en)
Inventor
Michio Okabe
道生 岡部
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷間加工性が良好で切
削面の粗度が低く、高硬度であって焼入れし易く、しか
も腐食環境のゆるやかな使用条件では錆びない程度の耐
食性をもった耐候性鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の精密機械、OA機器、電子機器類
が多様化し普及したことに伴って、ある程度の耐食性を
もつ高硬度の精密部品に対する需要が増してきた。
【0003】このような部品はHRC58以上60程度
の硬度が必要なため、従来は構造用鋼に浸炭処理を施し
たり、あるいは軸受鋼使用して製造していた。  しか
し、SUJ2(軸受鋼)のような比較的耐候性のよい材
料でつくった部品でも、長期間経過すると錆が生じる。 その対策としてNiなどのメッキが行なわれるが、メッ
キは品質のバラツキが多いし、剥離の心配もあって信頼
性が十分高いとはいえない。
【0004】メッキに頼らずUS440Cなど高Cステ
ンレス鋼を用いれば、硬さと耐食性の点では満足できる
が、素材が高価であるし、冷間加工性が悪く、冷間鍛造
や冷間異形引抜きが工業的には実施できない。  しか
も、精密な切削や研削を行なったときに加工面が粗く、
精度が出ないという悩みがある。  加工精度が不足で
あると、その部品を使用した機器が要求される諸性能を
発揮できないこともある。
【0005】一方、ふつうの室内の環境で錆が生じない
程度でよいのであれば、常用のステンレス鋼よりも低い
耐食性で足りる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような技術の現状にかんがみて、機械的な性質と耐食
性とを調和させた精密機械部品用の材料、具体的にいえ
ば、構造用鋼に近い冷間加工性と精密切削・研削時の面
粗度を示し、かつ構造用鋼よりはすぐれた耐食性を有し
ていて通常の室内の使用では錆びることがなく、しかも
HRC58以上の硬さを有する焼入れし易い耐候性鋼を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が提供する、冷間
加工性にすぐれ精密部品材料として好適な高硬度耐候性
鋼は、基本的には、C:0.45〜0.65%、Si:
0.25%以下、Mn:0.25%以下、Ni:0.6
%以下、Cr:4.0〜11.0%、Mo:0.2〜1
.0%、Al:0.03%以下およびCa:0.001
〜0.020%を含有し、P:0.03%以下、S:0
.005%以下、O:0.005%以下であって、残部
が実質的にFeからなる合金組成を有する。
【0008】この合金は、上記の基本組成に加えて、下
記の添加元素の一方または両方を含有することができる
。 1)  V:0.05〜0.5%およびNb:0.05
〜0.5%の1種または2種、および 2)  REM:0.01〜0.05%(REMは、L
a、Ceなどランタニド系稀土類のいずれか1種でもよ
いし、2種以上、たとえばCe+Laを主体とするミッ
シュメタルのようなものでもよい。)
【0009】
【作用】本発明の冷間加工性にすぐれた高硬度耐候性鋼
の合金設計は、つぎのような考えにもとづいている。 
 すなわち、一応の耐食性を得るために、構造用鋼より
は多いCr量を採用するとともに  Moを加え、耐食
性を損う粗大炭化物の生成を抑制すべく、CおよびCr
の量を制限した。  このCおよびCrの量の制限は、
焼入れ温度の上昇を制限するためのものである。  そ
の一方で、所望の強度を得るため、焼入れ時の固溶C量
を確保できるようにした。  冷間加工性と精密切削性
を向上させるため、球状化組織において粗大炭化物の生
成を抑えるようCとCrを選択し、SiおよびMnの量
をマトリクスの硬化をひきおこさない範囲に止めた。 
 精密研削性にとっては、やはり未固溶の粗大炭化物生
成を防ぐことが有意義である。
【0010】このようにして決定された合金組成を、各
成分の限定理由の面から以下に説明する。
【0011】C:0.45〜0.65%焼入れにより、
Cはマトリクスをマルテンサイト組織にするとともに、
その中に固溶してこれを強化する。  HRC≧58の
条件をみたすためには0.45%以上必要であり、0.
65%を超えると未固溶の粗大炭化物が生成して冷間加
工性と精密切削性を害する。
【0012】Si:0.25%以下 Mn:0.25%以下 どちらも脱酸剤として使用されるが、球状化組織におい
てマトリクスのフェライト相を固溶強化して冷間加工性
を低くする。  ともに0.25%の上限は、このよう
な作用と製造時のコスト等を考慮して定めた。
【0013】Ni:0.6%以下 特殊鋼製造時に原料スクラップから混入することが多く
、マルテンサイト相の延性を若干向上させる効果がある
が、多量になると軟化焼鈍を困難にする。
【0014】Cr:4.0〜11.0%マトリクスのマ
ルテンサイト相に固溶し、材料の表面に保護皮膜を形成
して耐食性を与える中心的な存在である。  焼もどし
や焼鈍時に炭化物を生成し、材料を軟化させる。  比
較的穏和な環境で錆びない程度の耐食性を得るには、C
rを4%以上添加してあればよい。Cr量の増大に伴い
耐食性は高まるが、前記したC量領域では粗大な炭化物
が生成しやすく、それによって冷間加工性が害されると
ともに未固溶の炭化物が残留して硬さの確定を困難にす
るから、11%を上限とした。
【0015】Mo:0.2〜1.0% Crとともに耐食性を担う元素で、保護皮膜を安定、補
修するはたらきがあるとされている。  0.2%以上
の添加でこの効果が得られ、1%以上になると冷間加工
性を損うとともにコストを押し上げる。
【0016】Al:0.03%以下 SiおよびMnを過大に使用せず後記するO量の規制を
実現するためには、脱酸剤としてAlを使用せざるを得
ないが、多量になると非金属介在物Al2O3の形成に
より冷間加工性と耐食性を害するので、上記の限界があ
る。
【0017】Ca:0.001〜0.020%上記の下
限界を超える程度の少量の添加で脱酸、脱硫の効果があ
り、熱間および冷間の加工性を改善するとともに、被削
性を若干向上させる。  0.02%を超えて添加して
も、効果が飽和する。
【0018】P:0.03%以下 耐食性や靭延性を害するので、上記限界内まで減らす。
【0019】S:0.005%以下 熱間加工性、耐食性、冷間加工性を害するので、上記限
界を設けた。
【0020】O:0.005%以下 酸化物を生成して非金属介在物存在の原因となる。  
非金属介在物は冷間加工性を低下させ、疲労強度と靭延
性を損うので、O含有量は上記範囲内におさめなければ
ならない。
【0021】任意に添加する合金元素のはたらきと組成
の限定理由は、つぎのとおりである。
【0022】V:0.05〜0.5% Nb:0.05〜0.5% ともに安定した微細な炭化物を形成し、結晶粒を微細化
して強度および靭延性を向上させるから、そのような改
善を希望する場合に添加するとよい。0.05%に満た
ない添加では効果が低く、0.5%を超えると冷間加工
性を害するばかりか、靭延性もかえって低下する。
【0023】REM:0.01〜0.05%脱酸、脱硫
を有し、熱間加工性を改善するとともに、耐食性とくに
耐酸化性を向上させる。  0.01%に至らない含有
量では有効といえず、一方、0.05%を上回る含有量
は効果が飽和すると同時に、熱間加工性を低くする。
【0024】
【実施例】表1に示す合金組成の鋼を溶製した。  こ
れを熱間鍛造および圧延により直径20mm線材にし、
球状化焼鈍を行なった。  その処理を施した材料を対
象に、硬さの測定、据え込み試験による冷間加工性の評
価、および自動盤による外削加工試験を行なった。
【0025】さらに、球状化焼鈍材に焼入れ−低温焼戻
しを施し、硬さと耐食性および酸化減量をしらべた。 
 その結果を、表2に示す。  表2において、変形抵
抗および割れ発生圧下率は、据え込み試験により評価し
たものであり、変形抵抗は圧下率63%におけるデ−タ
である。  加工面粗さは、自動盤で加工したときの4
00個目のサンプルについてしらべた結果である。  
耐食性は、湿潤(50℃,98%RH,4hrs)−乾
燥(70℃,2hrs)×4サイクルの乾湿繰り返し試
験ののち、点食の有無で評価した。  酸化減量は、大
気中500℃×50hrs保持ののち測定した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の耐候性鋼は、固有の合金組成の
選択によって、冷間加工性が良好で切削面の面粗度が構
造用鋼と同等であり、表面硬化処理を施した構造用鋼に
匹敵する表面硬さを示し、しかも腐食性の使用条件でな
ければ錆が生じないこと、という要求にもこたえた材料
である。
【0031】従ってこの合金は、冷間鍛造の材料として
好適であり、また各種精密機械を構成するシャフト、ロ
−ラ−、小型ネジなどの精密部品を製作する材料として
有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  C:0.45〜0.65%、Si:0
    .25%以下、Mn:0.25%以下、Ni:0.6%
    以下、Cr:4.0〜11.0%、Mo:0.2〜1.
    0%、Al:0.03%以下およびCa:0.001〜
    0.020%を含有し、P:0.03%以下、S:0.
    005%以下、O:0.005%以下であって、残部が
    実質的にFeからなる合金組成を有する冷間加工性にす
    ぐれた高硬度耐候性鋼。
  2. 【請求項2】  C:0.45〜0.65%、Si:0
    .25%以下、Mn:0.25%以下、Ni:0.6%
    以下、Cr:4.0〜11.0%、Mo:0.2〜1.
    0%、Al:0.03%以下およびCa:0.001〜
    0.020%に加えて、V:0.05〜0.5%および
    Nb:0.05〜0.5%の1種または2種を含有し、
    P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.
    005%以下であって、残部が実質的にFeからなる合
    金組成を有する冷間加工性にすぐれた高硬度耐候性鋼。
  3. 【請求項3】  C:0.45〜0.65%、Si:0
    .25%以下、Mn:0.25%以下、Ni:0.6%
    以下、Cr:4.0〜11.0%、Mo:0.2〜1.
    0%、Al:0.03%以下およびCa:0.001〜
    0.020%に加えて、REM:0.01〜0.05%
    を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下
    、O:0.005%以下であって、残部が実質的にFe
    からなる合金組成を有する冷間加工性にすぐれた高硬度
    耐候性鋼。
  4. 【請求項4】  C:0.45〜0.65%、Si:0
    .25%以下、Mn:0.25%以下、Ni:0.6%
    以下、Cr:4.0〜11.0%、Mo:0.2〜1.
    0%、Al:0.03%以下およびCa:0.001〜
    0.020%に加えて、V:0.05〜0.5%および
    Nb:0.05〜0.5%の1種または2種、ならびに
    REM:0.01〜0.05%を含有し、P:0.03
    %以下、S:0.005%以下、O:0.005%以下
    であって、残部が実質的にFeからなる合金組成を有す
    る冷間加工性にすぐれた高硬度耐候性鋼。
JP13512491A 1991-06-06 1991-06-06 冷間加工性にすぐれた高硬度耐候性鋼 Pending JPH04362153A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1072691A2 (en) * 1999-07-30 2001-01-31 Hitachi Metals, Ltd. Tool steel with excellent workability, machinability and heat treatment characteristics, and die using same

Cited By (3)

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EP1072691A2 (en) * 1999-07-30 2001-01-31 Hitachi Metals, Ltd. Tool steel with excellent workability, machinability and heat treatment characteristics, and die using same
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KR100368541B1 (ko) * 1999-07-30 2003-01-24 히다찌긴조꾸가부시끼가이사 용접성, 피삭성 및 열처리 특성이 우수한 공구강 및 이를이용한 금형

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