JPH04362048A - 透水性セメント舗装材組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は土木、建設分野において
転圧して施工される透水性セメント舗装材組成物に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】舗装材は、アスファルトとコンクリート
が主流を占めているが、アスファルトは色が黒色に限定
され、一方、コンクリートは透水性がないという問題が
ある。そこで、最近透水性を有するセメント系の舗装材
組成物が開発され、使用されるようになってきている。 この透水性舗装材として、一般的に利用されているもの
には製鉄所で生成されるスラグを造粒し、これを焼成し
たものを熱硬化性樹脂で加圧成形したものや開粒度アス
ファルトコンクリートおよび水砕スラグにセメント、混
和材を加え、水で混練してこれを転圧して舗装体を形成
するものがある（特開昭６３−２３３１０３号公報、特
開平２−１３３３５０号公報等）。特開昭６３−２３３
１０３号公報記載の舗装材は製鉄所で生成される水砕ス
ラグに染料又は顔料とＳｉＯ２反応基を有するポリビニ
ルアルコール誘導体のアルカリ水溶液を加えて混練後、
乾燥して着色スラグを得、これにセメント、硬化剤及び
水を加えて混練し、打設転圧して舗装体とする方法であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】透水性舗装材として用
いられる混練物は、舗装体の透水性を確保するために一
般に適正な混練水量の範囲が非常に狭く、その管理に手
間と熟練を要していた。特に、透水性確保のため混練水
量を少なくせざるを得ず、その結果初期強度が低く、ひ
び割れを起こしやすいことも大きな問題であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するべくなされたものであり、膨張性混和材とメチル
セルロース系又はアクリル系の混和材を併用することに
より、透水性を確保しつつ初期強度を高めることができ
、混練物の管理も容易になることを見出してなされたも
のである。

【０００５】すなわち、本発明はカラー水砕スラグ１０
０重量部及びセメントよりなる組成物に膨張性混和材及
びメチルセルロース系又はアクリル系混和材を含有せし
めてなる透水性セメント舗装材組成物に関するものであ
る。

【０００６】カラー水砕スラグは、水砕スラグ粒子を染
料又は顔料で着色するとともに、ＳｉＯ２反応基を有す
るポリビニルアルコール誘導体を被覆したものである。 ＳｉＯ２反応基を有するポリビニルアルコール誘導体は
、下記の式〔Ｉ〕で表される構造単位よりなるものであ
る。

【０００７】

【化１】

【０００８】（式中、Ｘ、Ｘ１、Ｘ２は炭素原子数１０
以下のアルキル基、水素原子、カリウム原子、ナトリウ
ム原子、アンモニウム基を示し、ｌ、ｍ、ｎは全重合度
（ｌ＋ｍ＋ｎ）に対しｌは４５．０〜９９．８％、ｍは
０〜３５．０％、ｎは０．２〜２０％である。）

【０００９】重合度（ｌ＋ｍ＋ｎ）は３００〜１０，０
００である。アルキル基の好ましい炭素原子数は１〜８
である。 ポリビニルアルコール誘導体の添加量はスラグに対し０
．０５〜１０重量％が好ましい。

【００１０】染、顔料には有機あるいは無機系の顔料、
染料いずれも使用できるが、無機顔料が好ましく、さら
に耐候、耐酸、耐アルカリ性であることが好ましい。添
加量はスラグに対し、一般に０．３〜２０重量％程度が
適当である。この量は、顔料、セメントの種類及びセメ
ントの量、希望色価によりこの範囲外になることもある
。

【００１１】カラー水砕スラグは、水砕スラグ粉に染料
又は顔料と上記のポリビニルアルコール誘導体のアルカ
リ水溶液を加えて混合することにより形成させることが
できる。この混合により、極めて短時間に該誘導体のＳ
ｉＯ２反応基はスラグ粒子表面のＳｉＯ２基と化学反応
し、不可逆的に結合する。染、顔料はポリビニルアルコ
ール誘導体と同時に加えてもよく、予め水砕スラグ粉に
添加混合しておいてもよい。上記のポリビニルアルコー
ル誘導体のアルカリ水溶液には、これと相溶性を有する
エチレン系共重合体エマルジョン又は合成ゴムラテック
スを加えことができる。特に、効果の大きいのはメタア
クリル酸メチルエステルとアクリル酸ブチルエステル共
重合エマルジョンで、共重合体中にＣＯＯＨ、ＯＳＯ３
Ｈ、ＳＯ３Ｈ又はこれらのＮａ、Ｋ、アンモニウム塩を
含み、分子量が１００，０００〜１，５００，０００程
度のものである。エマルジョンの粒子径は０．１５±０
．０２μ程度で、ｐＨ８．０±０．５、濃度４０〜５０
重量％のものが適当である。添加量は固形重量として、
ポリビニルアルコール誘導体１重量部に対し５〜１００
重量部であり、好ましくは３０〜８０重量部である。 又、高級脂肪酸アルカリ塩を添加することができる。こ
の高級脂肪酸アルカリ塩は、炭素原子数１０以上の飽和
又は不飽和脂肪酸であり、ステアリン酸、オレイン酸を
始めトール油脂肪酸、ロジン酸等をいずれも使用できる
。 添加量は上記ＳｉＯ２反応性官能基含有ポリビニルアル
コール誘導体に対し０．１〜５０固形重量％、好ましく
は０．２〜３０固形重量％である。カラー水砕スラグの
製法の詳細は、特開昭６３−２３３１０３号公報に記載
されている。

【００１２】セメントは普通ポルトランドセメントが主
であるが、必要により白色セメント、高炉セメントも使
用できる。混合率は、カラー水砕スラグ１００重量部に
対し１５〜３０重量部程度が適当である。

【００１３】膨張性混和材は、透水性舗装硬化体の乾燥
収縮によるひび割れを防止するために混合するもので石
灰系、アウイン系いずれの種類でも良い。また、添加量
はセメント１００重量部に対して５〜１０重量部が適当
である。

【００１４】メチルセルロース系又はアクリル系の混和
材は、保水性の高いものが好ましい。メチルセルロース
は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースやヒドロキシ
エチルメチルセルロース等で良く、望ましくは気温５０
℃以上でもゲル化しないものが好ましい。アクリル系混
和剤は、ポリアクリルアミド等である。添加量としては
、混練水量１００重量部に対してメチルセルロース系混
和材の場合は０．０５〜０．２重量部、望ましくは０．
１重量部が適当であり、アクリル系混和材の場合は０．
０５〜０．２重量部程度が適当である。０．２重量部を
超えると、水分蒸発防止効果、初期強度増進効果は大き
くなるが、硬化体の透水性能が極端に低下するか全く無
くなる。また、０．０５重量部以下の添加量の場合、効
果が小さくなる。

【００１５】本発明の舗装材組成物には、硬質砂を含有
させることが好ましい。硬質砂は砕石、天然砂、風砕ス
ラグ等であり、粒子径が０．３〜２．５ｍｍ程度のもの
が適当である。粒子径を０．３〜２．５ｍｍに限定した
理由は、粒子径の最大径が２．５ｍｍを超えると粒子間
の空隙に水砕スラグが必要以上に充填され、締め固め性
は向上するが、透水性能が極端に低下するからである。 又、転圧された舗装体の表面が荒々しくなり、美観上も
好ましくない。一方、粒子径が０．３ｍｍ末端のものは
、水砕スラグの粒子間の空隙に硬質砂が必要以上に充填
され、透水性が極端に低下するため好ましくない。

【００１６】このような粒子径の硬質砂のものは、天然
界に存するものから選択して使用してもよく、公知の手
段により分級して得てもよい。硬質砂は、上記のカラー
水砕スラグと同様の方法で着色して使用することができ
る。硬質砂の混合率は、カラー水砕スラグ１００重量部
に対し１０〜４０重量部、好ましくは１５〜２５重量部
程度が適当である。

【００１７】そのほか、必要に応じてコンクリート等に
添加される種々の添加剤を添加することができる。例え
ば、セメント硬化促進剤として明ばん石仮焼体又はこれ
にＡｌ２Ｏ３・ＣａＳＯ４等を加えたものを使用するこ
とができる。添加量としては、セメントの１〜２０重量
％、好ましくは５〜１５重量％である。そのほか減水剤
、凍結防止剤等を添加できる。混練水量は混練物１ｍ３
当たり、１７０〜１９０ｋｇ／ｍ３が適当である。

【００１８】本発明の透水性セメント舗装材組成物を用
いた工法は公知の方法に従えばよい。

【００１９】

【作用】特開昭６３−２３３１０３号公報等に記載の従
来の透水性セメント舗装体は、水砕スラグにセメント・
水を加え、これを混練したものをバイブロプレート等の
振動締め固め材を用いて形成していた。この方法は、ミ
キサーの混練容量が小さい場合、転圧するに必要な量が
確保されるまで一時混練物をホッパー内に貯蔵しておく
必要があり、転圧面積が広い場合は混練から転圧までの
待ち時間が３０分以上に及ぶことがあった。透水性舗装
材として用いられる混練物は、舗装材に対して混練水が
非常に少ないバサバサの状態であるため、真夏の高温時
や乾燥した風の強い日に施工すると混練物の表面から水
分が蒸発し、混練水の管理に非常な熟練を要していた。 また、硬化体の初期強度発現性はセメントの水和に必要
な水量の確保が透水性という特徴のため難しいこともあ
って低く、これが乾燥収縮によるひび割れ発生の一因と
なっていた。

【００２０】本発明の舗装材においては、膨張性混和材
によって乾燥収縮によるひび割れを防止するとともに、
メチルセルロース系又はアクリル系混和材によって水分
の蒸発を抑制して初期強度発現に効果のある配合を達成
している。

【００２１】

【実施例】

（１）　ポリビニルアルコール誘導体アルカリ水溶液の
調製ＳｉＯ２反応基含有 ポリビニルアルコール誘導体　　　　　　　　　２．５
重量部苛性ソーダ　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　０．０７重量部水を加えて　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１００重量部
但し、ＳｉＯ２反応基含有ポリビニルアルコール誘導体
は、前記式〔Ｉ〕中のＸ、Ｘ１、Ｘ２はＮａ、重合度２
０００、うちｌが１７００、ｍが２２０、ｎが８０のも
のを使用した。

【００２２】上記処方の混合液を８０℃、２０〜３０Ｒ
ＰＭで１．５〜２時間攪拌処理し、透明な粘稠液を得た
。 　　上記処理液　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　２００重量部　　４０％メタクリル酸メチル− 　　　　　　　　　　　　　　　　アクリル酸ブチル共
重合エマルジョン　　　　　　　　　４５０重量部　　
５％トール油ケン化液　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３００
重量部　　５％パラフィンエマルジョン　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
５０重量部　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　１０００重量部

【００２３
】上記混合液を３５ＲＰＭで攪拌し、ｐＨ８．２、粘度
（２５℃）５０ｃ．ｐ．以下のエマルジョンをポリビニ
ルアルコール誘導体アルカリ水溶液として得た。

【００２４】（２）　カラー水砕スラグの調製　　スラ
グ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　１２５０ｇ（粒子径０．５〜２．５ｍｍ）　　赤色
顔料　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　４２ｇ　　本発明シリカ反応剤水溶液　　　　　
　　　　　２０ｇ　　水　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　５０ｇ上記混合
物を３分間攪拌し、自然乾燥して水分１０重量％、比重
２．６のカラー水砕スラグを得た。

【００２５】（３）　水分蒸発試験 上記のカラー水砕スラグに普通ポルトランドセメント、
膨張性混和材（「エクスパン」、小野田セメント（株）
製）、メチルセルロース系混和材（「ハイメトローズ　
９０ＳＨ−４０００」、信越化学（株）製）及び水を表
１の割合で添加し、モルタルミキサーで混練して混練物
を得た。

【００２６】

【表１】

【００２７】各混練物を一方が開いた円形のプラスチッ
ク容器（容量１ｌ）にゆる詰めし、これを外気温が３２
℃の真夏日に直射日光が当たる屋外に放置し、１５分毎
に重量を測定して水分蒸発量を求めた。

【００２８】表２に、本発明品および比較例品の水分蒸
発量を混練物１ｍ３当たりの混練水量に換算して示す。

【００２９】

【表２】

【００３０】比較例の水分蒸発量は、放置後３０分で混
練水量に換算して約６ｋｇ／ｍ３であったのに対して、
本発明による場合は４ｋｇ／ｍ３と水分蒸発防止効果が
見られた。また、混練物の乾燥状況は比較例が深さ約１
ｃｍまで乾燥が進んでいたのに対し、本発明による場合
は約１ｍｍであり、メチルセルロース系混和材の保水性
効果が確認された。以上の結果より、本発明による配合
は水分蒸発防止効果は混練後３０分まではかなりあると
認められる。

【００３１】 （４）　舗装体試験片の作成と強度及び透水性の測定表
３の割合で混練物を作成し、強度及び透水性の測定に供
した。

【００３２】

【表３】

【００３３】強度試験は４×４×１６ｃｍの試験片を作
成し、ＪＩＳ　Ｒ５２０１に準じて曲げ強度、圧縮強度
を測定した。透水試験はφ１０ｃｍ×１２．７ｃｍＨの
試験片についてＪＩＳ　Ａ　１２１８による定水位透水
試験を実施した。なお、試験片は打設後、２０℃の実験
室内で所定材令まで封かん養生した。測定結果を表４に
示す。

【００３４】

【表４】

【００３５】上記の表に示すように、材令７日時の曲げ
強度、圧縮強度は本発明による調合はメチルセルロース
の保水性によりセメント水和に必要な水量が確保される
ため、比較例に対して曲げ強度で１．３倍、圧縮強度で
１．５倍となり、大幅な初期強度増進効果が得られた。 また、２８日強度は本発明による調合は初期水和が促進
される分だけ比較例に対して長期強度の伸びが小さくな
るが、それでも比較例に対して曲げ強度、圧縮強度とも
上回っている。本発明による配合は、粒子間の空隙を水
和物が充填する割合が比較例より高くなるため、透水性
能は比較例に対して低下するが、実用上は全く問題はな
い。以上の結果より、本発明による配合は初期強度発現
に優れているため、乾燥収縮等によるひび割れ発生に対
する抵抗性が大となり、かつ透水性能も十分あることよ
り、転圧により透水性セメント舗装施工する場合に有効
であることが確認された。

【００３６】

【発明の効果】本発明による透水性セメント舗装材組成
物を用いた混練物および舗装体は、従来品に比べて混練
物からの水分蒸発量が少なく、かつ初期強度発現に優れ
ている。以上のことより、本発明による透水性セメント
舗装材組成物を用いると、強度発現性、透水性能に最も
影響を与える混練水量の管理が容易になることにより、
品質の安定した舗装体が得られ、また初期強度発現に優
れているため、乾燥収縮等によるひび割れ発生を大幅に
低下させる効果が大きい。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　カラー水砕スラグ１００重量部及びセ
   メントよりなる組成物に膨張性混和材及びメチルセルロ
   ース系又はアクリル系混和材を含有せしめてなる透水性
   セメント舗装材組成物