JPH0436178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、梯子形のケーブルラツクの下面間
隙部分を閉塞するケーブルラツク用底板取付構造
に関する。

（従来の技術） 従来から、ビル、工場その他の建築構造物に各
種ケーブルを纏めて配線する場合、ケーブルラツ
クを建築構造物に布設し、その中にケーブルを通
線収納する。

この種のケーブルラツクの多くは、それ自身の
軽量化、多様な分岐形態の選択容易性、取扱性そ
の他を考慮していわゆる梯子形式の構造とされ
る。すなわち、相対峙させた左右一対の親桁相互
間に所定間隔毎に複数の子桁を架設して成る構造
である。

ところが、こうした梯子形式のケーブルラツク
であると、子桁相互間での間隙でケーブルが露出
されているから、例えば火災時での火炎からケー
ブルは保護されず、また、ケーブルが垂れさがる
こともあつて危険であり、不体裁なものであるこ
とから、当出願人は、先に、この梯子形式のケー
ブルラツクに取付け自在な底板を提案している
（実開昭63−36123号等参照）。この底板の構造は、
ケーブルラツクの親桁上から所定の取付金具を懸
吊し、この取付金具の下端部に、底板を固定させ
るものであつた。

一方、梯子形式のケーブルラツクの外に、予
め、底板を形成したケーブルラツクも使用されて
いるが、底板を形成したケーブルラツクは、この
底板がケーブルラツクに一体に形成されるものが
多く、その構成上、ほとんどが工場生産により形
成されている（第６図参照）。

（考案が解決しようとする課題） ところが、先に提案したケーブルラツク用底板
では、底板を固定する取付金具を、ケーブルラツ
クの親桁上面に係止させるものであるから、この
ような取付金具を装着した場合には、ケーブルラ
ツクの親桁上面に固定するケーブルラツク用カバ
ーの取付に支障が生じるといつた問題があつた。

一方、ケーブルラツクと底板とを、工場生産に
より一体に形成すると、浸漬メツキ時等における
部材の歪や、塗装ムラが生じ易い等と表面処理上
の問題点があつた。

また、底板一体型のケーブルラツクを工場生産
で組立てると、納期が遅れたりコストが掛かるな
どといつた不都合も生じていた。

更には、従来の底板一体型のケーブルラツクで
は、底板に係止せしめる手段が限定されるので、
底板付きケーブルラツクの支持手段が限られる上
に、ケーブルラツクの開口部を施蓋するカバー取
付けに際して、カバー取付用フツクボルトをケー
ブルラツクの底板に係止できないものであつた。
しかしながら、このようなフツクボルトを係止す
るために、一体型の底板に現場で加工を行う作業
は、極めて困難なものである。

そこでこの考案は、上述の課題を解消すべく案
出されたもので、工事現場においてケーブルラツ
クに底板を簡単に取付けることができ、必要があ
れば取外して、例えばケーブルの下方への再分岐
を容易としながら、カバーの装着やフツクボルト
の使用にも適応させることが可能なケーブルラツ
ク用底板取付構造の提供を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上述の課題を解消すべくこの考案の第１の手段
は、 ケーブルラツクの親桁間より幅狭な幅長を有す
るケーブルラツク用底板取付構造において、 底板と親桁との間隙から挿通自在な幅長を有
し、且つ、この底板と両親桁との上面に夫々架設
する長さを有する帯板状の係止板と、 この係止板の下面に突設され、底板と親桁との
間隙から底板下方に挿通自在なボルトと、 このボルトに底板下面がわからネジ止めし、底
板と親桁とを圧着固定する固定ナツトとからなる
連結具を設けたことにある。

また、この考案における連結具は、 底板と親桁との間隙から底板下方に挿通したボ
ルトに嵌着自在な仮止板で底板と親桁とに仮り止
め固定され、この仮止板に固定ナツトを重合して
圧着固定することを第２の手段とする。

（作用） この考案の第１の手段によれば、ボルトを介し
て連結される係止板と固定ナツトは、ケーブルラ
ツクの親桁間より幅狭な幅長を有するケーブルラ
ツク用底板と親桁とを挟着状態にして圧着固定す
る。

また、第２の手段によると、連結具のボルトに
嵌着した仮止板が、固定ナツト装着前の連結具を
仮止め固定するものである。

（実施例） 以下、図面を参照してこの考案の実施例を詳細
に説明する。

図に示される符号１は、底板であり、この底板
１は、所定ケーブルラツクＰの親桁Ｐ１間の幅長
よりも若干狭い幅を有する帯板で形成される。そ
して、底板１は、底板１の幅方向両端縁とケーブ
ルラツクＰの親桁Ｐ１とに架設する連結具２で連
結される。

連結具２の基本構成は、底板１上面と親桁Ｐ１
上面とに架設する係止板２Ａと、この係止板２Ａ
下面から下方に延長され、底板１と親桁Ｐ１との
間隙から底板１下方に突出するボルト２Ｂと、こ
のボルト２Ｂに底板１下方からネジ止めする固定
ナツト２Ｄとから成る。このとき、固定ナツト２
Ｄの圧着を確実にするために、座金２Ｃを使用し
ても良いことはいうまでもない。

また、第３図で示す如く、座金２Ｃ及び固定ナ
ツト２Ｄをネジ止めする前に、例えば塩化ビニル
等の軟質合成樹脂製の仮止板２Ｅを形成して固定
ナツト２Ｄをネジ止めする前のボルト２Ｂに嵌合
させることで、固定ナツト２Ｄ装着前の連結具２
を仮止め固定できるから、これら座金２Ｃや固定
ナツト２Ｄの取付作業を容易にすることができ
る。図示例の連結具２は、ボルト２Ｂの下端面に
目視溝２Ｆを形成してある。この目視溝２Ｆは、
係止板２Ａの長手方向を示す向きに形成してあ
り、この目視溝２Ｆを使用して連結具２全体の向
きを変えるものである。

係止板２Ａは、略帯板形状を成し、その長手方
向の寸法は、底板１と親桁Ｐ１とに架設できる長
さとし、一方、短手方向の寸法は、底板１と親桁
Ｐ１との間隙から挿脱可能な長さに形成してあ
る。

底板１の幅長は、ケーブルラツクＰの親桁Ｐ１
間より幅狭に形成する。このとき、第１図乃至第
４図で示す底板１は、底板１の強度を保つため
に、自身の長手方向に沿つて適数本のビード１Ａ
を形成してある。このビード１Ａの数は、底板１
の幅長により加減するものとしてあり、このよう
なビード１Ａを底板１に形成することにより、底
板１のビード１Ａ部と他の面とで生じる高低差
が、連結具２に装着するケーブル結束具Ｑの装着
を容易にする利点がある。

一方、第５図で示す底板１は、底板１の短手方
向両側縁を、自身の上面がわに折り返して補強用
の折曲部１Ｂを形成してある。こうすることで、
子桁Ｐ２と底板１上面との間に、ケーブル結束具
Ｑを挿通できる間隙が形成されるものである。

（考案の効果） この考案は、上述の如く構成したことにより、
当初の目的を達成する。

すなわち、ケーブルラツクＰの親桁Ｐ１間より
幅狭な幅長を有するケーブルラツクＰ用底板１取
付構造において、底板１と親桁Ｐ１との間隙から
挿通自在な幅長を有し、且つ、この底板１と両親
桁Ｐ１との上面に夫々架設する長さを有する帯板
状の係止板１Ａと、係止板１Ａの下面に突設さ
れ、底板１と親桁Ｐ１との間隙から底板１下方に
挿通自在なボルト２Ｂと、このボルト２Ｂに底板
１下面がわからネジ止めし、底板１と親桁Ｐ１と
を圧着固定する固定ナツト２Ｄとからなる連結具
２を設けたことにより、ボルト２Ｂを介して連結
される係止板１と固定ナツト２Ｄは、ケーブルラ
ツクＰの親桁Ｐ１間より幅狭な幅長を有する底板
１と親桁Ｐ１とを挟着状態にして圧着固定する。

したがつて、梯子形を成したケーブルラツクＰ
に対する底板１の取り付け作業が極めて容易とな
り、工事現場での取付が可能になつた。しかも、
ケーブルラツクＰと、底板１とを別個に製造でき
るから、従来の底板１一体型のケーブルラツクＰ
の如く、納期の遅れや、製造コストの上昇、ある
いは、表面処理におけるメツキ時の歪や塗装ムラ
等の発生の問題を解消する。

そして、底板１装着時には、底板１と、ケーブ
ルラツクＰの親桁Ｐ１とに、ボルト２Ｂが挿通自
在な間隙が生じるから、この間隙を利用して、ケ
ーブルラツクＰの開口部を施蓋するカバーＲ取付
用フツクボルトＲ１をケーブルラツクＰの底板１
に係止することも容易に行える（第４図参照）。
また、同様にしてケーブルラツクＰの支持手段
も、従来の底板１一体型のケーブルラツクの如く
限定されずに済むものである。

連結具２は、底板１と親桁Ｐ１との間隙から底
板１下方に挿通したボルト２Ｂ圧着自在な仮止板
２Ｅで底板１と親桁Ｐ１とに仮り止め固定され、
この仮止板２Ｅに固定ナツト２Ｄを重合して圧着
固定するから、既存のケーブルラツクＰへの取付
も容易になり、情況に応じた着脱が可能になつ
た。

このように、この考案によれば、工事現場にお
いてもケーブルラツクに底板を簡単に取付けるこ
とができ、必要があれば取外して、例えばケーブ
ルの下方への再分岐を容易としながら、カバーの
装着やフツクボルトの使用にも適応させることが
可能であるなどといつた実用上有益な種々の効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は分解斜視図、第２図は端面図、第３図は係止板
を使用した状態を示す要部分解斜視図、第４図は
使用状態を示す断面図、第５図は他の実施例を示
す断面図、第６図は従来例を示す斜視図である。 Ｐ……ケーブルラツク、Ｐ１……親桁、Ｐ２…
…子桁、Ｑ……ケーブル結束具、Ｒ……カバー、
Ｒ１……フツクボルト、１……底板、１Ａ……ビ
ード、１Ｂ……折曲部、２……連結具、２Ａ……
係止板、２Ｂ……ボルト、２Ｃ……座金、２Ｄ…
…固定ナツト、２Ｅ……仮止板、２Ｆ……目視
溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ケーブルラツクの親桁間より幅狭な幅長を有
   するケーブルラツク用底板取付構造において、
   底板と親桁との間〓から挿通自在な幅長を有
   し、且つ、この底板と両親桁との上面に夫々架
   設する長さを有する帯板状の係止板と、この係
   止板の下面に突設され、底板と親桁との間隙か
   ら底板下方に挿通自在なボルトと、このボルト
   に底板下面がわからネジ止めし、底板と親桁と
   を圧着固定する固定ナツトとからなる連結具を
   設けたことを特徴とするケーブルラツク用底板
   取付構造。 ２ 連結具は、底板と親桁との間隙から底板下方
   に挿通したボルトに嵌着自在な仮止板で底板と
   親桁とに仮り止め固定され、この仮止板に固定
   ナツトを重合して圧着固定する請求項１記載の
   ケーブルラツク用底板取付構造。