JPH04359030A - 複層陰イオン交換膜及びそれを使用する酸の回収方法 - Google Patents

複層陰イオン交換膜及びそれを使用する酸の回収方法

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JPH04359030A
JPH04359030A JP3161081A JP16108191A JPH04359030A JP H04359030 A JPH04359030 A JP H04359030A JP 3161081 A JP3161081 A JP 3161081A JP 16108191 A JP16108191 A JP 16108191A JP H04359030 A JPH04359030 A JP H04359030A
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anion exchange
membrane
anion
groups
anion exchanger
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JP3161081A
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Yoshio Sugaya
良雄 菅家
Misaki Tada
多田 美咲
Hirotsune Ookubo
洋常 大久保
Tsutomu Naganuma
力 長沼
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混合流体より特定成分
を透過分離せしめる陰イオン交換膜に関する。詳しくは
、海水濃縮、かん水の脱塩等の電気透析や、酸の回収等
の拡散透析に有用な陰イオン交換膜に関し、特には、酸
と金属イオンを含有する溶液から酸を選択的に透過回収
せしめるのに有用な陰イオン交換膜に関する。
【0002】
【従来の技術】陰イオン交換膜として数多くの文献、特
許が報告されているが、最も実用的で有益なものとして
、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の陰イオン交換
膜がある。これらはその耐薬品性、耐熱性に加え、架橋
剤であるジビニルベンゼンの含有量を変えることにより
イオン交換特性や選択透過性を制御できることから、多
くの用途に対し多品種の製品が製造され発展してきた。
【0003】たとえば、陰イオン交換膜の一方の面に酸
を含有する廃液を、他方の面に水を接触させ、酸を選択
的に透過せしめ精製された酸を回収する拡散透析は、装
置や操作がシンプルであるのみならず、ランニングコス
トも低く、多くの分野で使用されている。
【0004】しかし、環境保全の高まりや資源の有効利
用の点から、酸を含有する廃液から酸を回収するニーズ
が広がり、例えば、高純度の回収酸が必要な用途や、技
術的には可能であるが経済的理由で高い酸の回収能力が
要求される用途、または廃液中に含有する物質や温度お
よび濃度の点から耐蝕性が必要な用途に対し、選択性が
高く、膜抵抗の低い、耐薬品性に優れた陰イオン交換膜
が必要とされているが、従来のスチレン系陰イオン交換
膜では、膜抵抗を低下せしめるために架橋密度を低下さ
せようとすると、選択性や耐薬品性が低下する欠点があ
る。
【0005】一方、限外ろ過膜、逆浸透膜、ガス分離膜
等の分離膜において、機械的強度や加工性の優れたエン
プラ系プラスチックが使用されている。特に耐薬品性の
優れたポリスルホン膜は、膜内にイオン交換基を導入す
ることにより、限外ろ過や逆浸透での透過性が改良され
、更にイオン選択透過性が付与され、イオン交換膜とし
ての利用が検討されている。例えば、繰り返し単位が、
【0006】
【化3】
【0007】からなるポリスルホンにクロルメチル基を
導入した後、トリメチルアミンで4級化した強塩基性陰
イオン交換膜がJ.MEMBRANE  SCI.,2
2巻325〜332頁(1985)に記載されている。 しかし、これらのポリスルホン系陰イオン交換膜は、非
架橋であり、イオン交換容量を増加し、抵抗を低下せし
めようとすると、吸水率が急激に増加し、陰イオン選択
性が低下する。
【0008】かかる欠点が改良された膜として、ブロム
化ポリスルホンとポリスルホンとの混合物からなるアミ
ノ化ポリマーを多孔性ポリスルホン支持膜にコーティン
グした複合陰イオン交換膜が開発され、これを酸の透析
分離へ利用することが[繊維と工業]44巻1号11頁
(1988)に記載されているが、従来のスチレン系陰
イオン交換膜に代替できるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有していた前述の欠点を解消しようとするものであり、
選択性が高く、膜抵抗の低い、耐薬品性に優れた陰イオ
ン交換膜を提供することを目的とし、詳しくは有価化合
物の分離回収や、有害物の除去に有用な陰イオン交換膜
及びこれを用いた膜分離法、特には、酸廃液から酸の回
収などの廃液中の有価物の分離回収において、従来困難
とされた分野に使用できる陰イオン交換膜およびこれを
用いた膜分離方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の陰イオ
ン交換体層と第2の陰イオン交換体層との少なくとも2
層からなる陰イオン交換膜において、第1の陰イオン交
換体層が、強塩基性イオン交換基と弱塩基性イオン交換
基が導入された陰イオン交換体層からなることを特徴と
する複層陰イオン交換膜である。
【0011】本発明の陰イオン交換膜は、従来にない新
しい知見に基づくものである。即ち、従来の陰イオン交
換膜としては、膜の表面に吸水性が低い弱塩基性陰イオ
ン交換基を、膜の内部は抵抗の低い強塩基をそれぞれ導
入することにより、膜の表面で選択透過性を発現せしめ
た抵抗の低い膜が得られることは知られていたが、弱塩
基と強塩基を均一に導入した膜の特異的特性については
知られていなく、またスチレン−ジビニルベンゼン系陰
イオン交換膜では、製膜後陰イオン交換基を導入するた
め、そもそも弱塩基と強塩基陰イオン交換基を均一に導
入することができない。
【0012】本発明者は、透過性、選択性が高く、特に
は酸の透過性が高く、金属イオンの透過性が低い高性能
な陰イオン交換膜について鋭意研究した結果、意外にも
弱塩基と強塩基の陰イオン交換基を存在せしめた陰イオ
ン交換層を使用することにより、上記目的が達成できる
ことを見出し、本発明を完成せしめた。
【0013】以下に本発明を更に詳しく説明する。本発
明の複層陰イオン交換膜を構成する第1の陰イオン交換
体層としては、塩基性度の異なる陰イオン交換基を均一
に導入できることと、複層膜化が容易である点において
、好ましくは、実質的に芳香族環と連結基から構成され
た重合体からなり、少なくとも繰り返し単位内に、一般
式(1)−X−Ar−Y−(ただし、X,Yは、互いに
同一または異なる−O−または−S−であり、Arは、
【0014】
【化4】
【0015】であり、Wは、単結合、−O−,−S−ま
たは−CR6 R7 −であり、R1 〜R5 は、互
いに同一または異なる炭素数1〜8の炭化水素基である
。aは0〜3、b+cは0〜7、d+eは0〜5である
。R6 ,R7 は水素または炭素数1〜6の炭化水素
基を示す。)を有する芳香族重合体が使用される。
【0016】そして、上記一般式(1)に包含される、
【0017】
【化5】
【0018】等の重合体にハロアルキル基を導入した後
、1〜3級アミノ基と4級アンモニウム基を付加し、弱
塩基性陰イオン交換基と強塩基性陰イオン交換基が平均
的に分布した陰イオン交換性重合体が例示される。
【0019】しかし、更に好ましくは、芳香族系重合体
が、少なくとも2種の繰り返し単位からなるブロック共
重合体からなる、一般式(2)
【0020】
【化6】
【0021】(ただし、X,Y,Arは一般式(1)と
同じ。Zは、−SO2 −,−O−または、−S−。R
8 〜R11は、互いに同一または異なる炭素数1〜8
の炭化水素基。f〜iは0〜4。kは0〜1、m,nは
2〜200の整数。m/nは0.1〜100。)で表わ
される芳香族ブロック共重合体からなり、その芳香族環
に、弱塩基性陰イオン交換基と強塩基性陰イオン交換基
が平均的に分布した陰イオン交換性重合体を使用するこ
とが、イオン交換容量の制御性、膜の機械的強度の向上
、高いイオン交換容量を有する高性能の陰イオン交換膜
を得る点で好ましい。
【0022】かかる例としては、ポリフェニレンオキシ
ド/ポリエーテルスルホン共重合体、ポリフェニレンス
ルフィド/ポリエーテルスルホン共重合体、ポリスルホ
ン/ポリエーテルスルホン共重合体等が例示される。
【0023】特に、一般式(2)において、X,Yが−
O−,Zが−S−の芳香族ポリスルホン/ポリチオエー
テルスルホン共重合体は、高分子量の共重合体が得られ
、また、セグメント数m,nや、セグメント比率m/n
が制御しやすく、かつ成形加工性、機械的強度、耐薬品
性の点から好ましいブロック共重合体として例示され、
本出願人による特開昭61−72020、特開昭61−
76523及び特開昭61−168629に記載されて
いる方法によって得ることができる。
【0024】これらの重合体に塩基性度の異なる陰イオ
ン交換基を導入する方法としては、(a)アミノアルキ
ル基を導入し、ついで所定の比率のアミノアルキル基を
ハロゲン化アルキルで4級化する。(b)ハロアルキル
基を導入後、NH3 、または1〜3級アミンで処理し
弱塩基性陰イオン交換基又は4級アンモニウム塩の強塩
基イオン交換基を導入する方法が使用できるが、反応容
易で、しかも膜性質に特徴を有する多品種の陰イオン交
換膜が得られる点で、(b)のハロアルキル化−アミノ
化反応が好ましい。
【0025】ハロアルキル基の導入方法としては、芳香
族環にアルキル基が置換されている重合体を原料とする
場合には、塩素化、臭素化等の反応も使用できるが、一
般的には、クロルメチルメチルエーテル、1,4−ビス
(クロルメトキシ)ブタン、1−クロルメトキシ−4−
クロロブタンやホルマリン−塩化水素、パラホルムアル
デヒド−塩化水素等の親電子反応性のクロルメチル化反
応によりブロック共重合体の−X−Ar−Y−繰り返し
単位の芳香族環に選択的に導入できる。
【0026】得られたクロルメチル化重合体は、好まし
くは以下の方法にて弱塩基性と強塩基性陰イオン交換基
とを導入した陰イオン交換体層とすることができる。
【0027】(1)クロルメチル化重合体を溶液化せし
め、クロルメチル基の5〜80モル%の3級アミンを添
加、強塩基性陰イオン交換樹脂溶液とした後、流延し、
膜状に成形せしめた後、アンモニアまたは1〜2級アミ
ンに接触させ、残余のクロルメチル基を弱塩基性陰イオ
ン交換基に変換する。
【0028】(2)クロルメチル化重合体を溶液化せし
め、クロルメチル基の20〜95モル%のアンモニアま
たは1〜2級アミンを添加し、弱塩基性陰イオン交換樹
脂溶液とした後、流延し、膜状に成形せしめた後、3級
アミンと接触させ、残余のクロルメチル基を強塩基性陰
イオン交換基に変換する。
【0029】(3)クロルメチル化重合体を溶液化せし
め、クロルメチル基の5〜80モル%の3級アミンを添
加し、強塩基性陰イオン交換樹脂溶液とした後、アンモ
ニアまたは1〜2級アミンを添加し残余のクロルメチル
基を弱塩基性イオン交換基に転換し、強塩基と弱塩基が
導入された陰イオン交換樹脂溶液とした後、流延し、膜
状に成形せしめる。
【0030】(4)クロルメチル化重合体溶液を流延し
、膜状に成形せしめた後、アンモニアもしくは1〜2級
アミン及び3級アミンの混合溶液に接触せしめ、弱塩基
と強塩基を導入せしめる。
【0031】上記のうち、(2),(3)の弱塩基性陰
イオン交換樹脂溶液は液の安定性に欠けること、また(
4)の混合アミノ化剤と接触する方法は、反応性の差に
より、弱塩基性と強塩基性陰イオン交換基との比率の制
御が難しく、また、混合アミノ化液組成の変化により弱
塩基性と強塩基性陰イオン交換基との比率が安定しない
ことから、好ましくは(1)の方法が使用される。
【0032】本発明に使用される弱塩基性陰イオン交換
基導入用のアミノ化剤としては、アンモニアの他、メチ
ルアミン,エチルアミン,プロピルアミン,ブチルアミ
ン,エタノールアミンなどの1級アミン、ジメチルアミ
ン,ジエチルアミンといったジアルキルアミン,ジエタ
ノールアミンなどの2級アミンが例示される。
【0033】また、強塩基性陰イオン交換基導入用の3
級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン等のトリアルキルアミンの他トリエタノールアミンが
例示される。
【0034】本発明を構成する第1の陰イオン交換体層
の弱塩基性と強塩基性陰イオン交換基との共存割合は、
弱塩基性が両者の合計量の20〜95%、好ましくは5
0〜80%であり、そして全イオン交換容量を、0.5
〜4.5mg当量/g乾燥樹脂、好ましくは、1.0〜
3.5mg当量/g乾燥樹脂、特には1.6〜3.0m
g当量/g乾燥樹脂とすることが、高い選択性と透過性
が大きいので好ましい。弱塩基性と強塩基性陰イオン交
換基の共存が、なぜ膜の選択透過性に好ましいかは解明
されていないが、後で述べる実施例に示されるようにそ
の効果は明らかである。
【0035】かくして本発明に使用する弱塩基性と強塩
基性陰イオン交換基が共存した第1の陰イオン交換体層
は、第2の陰イオン交換体層と複層化される。複層化す
る方法としては、第2の陰イオン交換体層に対して、第
1の陰イオン交換体層を形成する重合体溶液をコーティ
ングし、乾燥により複層化する方法、第1の陰イオン交
換体層に対して、第2の陰イオン交換体層を形成する重
合体溶液をコーティングし、乾燥により複層化する方法
、または、各陰イオン交換体層を形成させた後、張り合
わせる方法など、なんら制限なく使用できる。
【0036】本発明に使用する第2の陰イオン交換体層
としては、第1の陰イオン交換体層に比べて陰イオンの
透過性が大きいことが必要であり、その限りにおいて第
1の陰イオン交換体層と同種類の重合体でも、スチレン
系等の異なる重合体でもなんら制限なく使用される。な
かでも、好ましくは、膜の選択透過性や機械的性質が優
れ、かつ第1の陰イオン交換体層との接着性の点で、第
1の陰イオン交換体層と同種類の重合体が使用される。
【0037】かかる第2の陰イオン交換体層は、全イオ
ン交換容量が1.0〜4.5mg当量/g乾燥樹脂、特
には、1.6〜3.5mg当量/g乾燥樹脂とされる。 また、透過性を大きくするために強塩基性陰イオン交換
基のみで弱塩基性陰イオン交換基は含有しないか、含有
する場合でも、第1の陰イオン交換体層と比較して、全
陰イオン交換基に対する弱塩基性陰イオン交換基の比率
が小さいものが使用される。
【0038】かくして得られる複層陰イオン交換膜は、
第1の陰イオン交換体層の膜厚が、0.01〜100μ
m、好ましくは、0.1〜50μmで、第2の陰イオン
交換体層は、1〜200μm、好ましくは10〜100
μmにせしめ、全膜厚が1〜300μm、好ましくは、
10〜150μmからなるようにせしめる。
【0039】また複層陰イオン交換膜は、寸法安定性、
取扱性等の実用的な強度を付与するために、多孔性基材
により、補強することができる。かかる多孔性基材は、
イオン交換体層に埋め込んで、補強された陰イオン交換
膜として使用できる他、膜の透過性を増加する目的で、
陰イオン交換体の薄膜層と他の多孔性基材層との複層陰
イオン交換膜とすることができる。
【0040】膜の形状は、一般的な平面状だけはなく、
特に拡散透析用として袋状、スパイラル状、中空糸、中
空管などとして使用される。
【0041】なお、本発明の複層陰イオン交換膜を電気
透析や拡散透析において使用する場合、膜の表裏は問わ
ず、即ち、膜の第1の陰イオン交換体層は、いずれの側
にも面するように配置することができる。
【0042】
【実施例】
[実施例1]特開昭61−168629に記載された合
成法と同様にして4,4−ジフェノールとジクロロジフ
ェニルスルホンとを反応せしめ、芳香族ポリスルホンの
ユニットからなる固有粘度0.22のプリカーサーを合
成し、ついで該プリカーサーとジクロロジフェニルスル
ホンと硫化ナトリウムを反応せしめて、芳香族ポリスル
ホンとポリチオエーテルスルホンが等モルで、固有粘度
0.65のブロック共重合体Aを得た。
【0043】次に、該共重合体Aを、1,1,2,2−
テトラクロルエタンに溶解した後、クロルメチルメチル
エーテル、無水塩化スズを添加し、110℃、4時間反
応せしめた後、メチルアルコールで沈澱、洗浄し、クロ
ルメチル化共重合体Bを得た。共重合体BのNMR測定
から、ジフェノールの芳香環の95%にクロルメチル基
が導入されていた。
【0044】得られた共重合体Bをジメチルホルムアミ
ドに溶解し、次いでトリメチルアミンを添加し、イオン
交換容量1.0mg当量/g樹脂の陰イオン交換樹脂溶
液Cを得た。該C溶液を流延した後、50℃2時間加熱
乾燥せしめ、膜厚5μmの第1キャスト膜を作成した。
【0045】一方、上記共重合体Bに対するトリメチル
アミンの添加量を変えた以外は上記C溶液を製造するの
と同様な方法で、イオン交換容量2.0mg当量/g樹
脂の陰イオン交換樹脂溶液Dを得て、該溶液Dを第1の
キャスト膜上に流延、乾燥せしめ、膜厚25μmの複層
膜E(第1及び第2の陰イオン交換体層はそれぞれ溶液
C及びDから形成)を得た。
【0046】得られた強塩基性複層膜Eをジメチルアミ
ンのメタノール溶液に浸漬せしめ、残余のクロルメチル
基を弱塩基性イオン交換基に変換し、全イオン交換容量
2.3mg当量/g乾燥樹脂の複層イオン交換膜Fを得
た。
【0047】かくして得られた陰イオン交換膜Fにより
2室に区画され、膜Fの第1の陰イオン交換体層に面す
る一方の室に7Nの硫酸と0.7Mの鉄イオンを含有す
る溶液を満たし、他方の室に純水を供給して、純水側に
透過する酸と鉄イオンの透過速度の比を測定した。酸の
透過速度は、14モル/m2 ・hr・Δc、鉄イオン
と酸の透過速度の比は、0.0008であった。なお、
Δcはモル濃度差である。
【0048】 [実施例2]実施例1において、溶液Cの代りに、共重
合体Bに対するトリメチルアミンの添加量を変えて調製
したイオン交換容量0.5mg当量/g乾燥樹脂のイオ
ン交換樹脂溶液Gを使用した以外全く同様にして、製造
した複層陰イオン交換膜を使用して、拡散透析をした結
果、酸の透過速度は、10モル/m2 ・hr・Δc、
鉄イオンと酸の透過速度の比は、0.0003であった
【0049】 [実施例3]実施例1において、溶液Cの代りに、共重
合体Bに対するトリメチルアミンの添加量を変えて調製
した。イオン交換容量1.6mg当量/g乾燥樹脂のイ
オン交換樹脂溶液Hを使用した以外全く同様にして、製
造した複層陰イオン交換膜を使用して、拡散透析をした
結果、酸の透過速度は、20モル/m2 ・hr・Δc
、鉄イオンと酸の透過速度の比は、0.0006であっ
た。
【0050】 [比較例1]実施例1で得たジメチルアミンで処理する
前の強塩基性イオン交換基のみからなる複層膜Eを使用
して拡散透析をした結果、酸の透過速度は、3モル/m
2 ・hr・Δc、鉄イオンと酸の透過速度の比は、0
.0003であった。
【0051】 [比較例2]実施例1において、陰イオン交換樹脂溶液
Cの調製過程でトリメチルアミンを反応させずに第1の
イオン交換体層のクロルメチル基を全て弱塩基性イオン
交換基に変換せしめたイオン交換樹脂溶剤Iを使用した
以外は全く同様にして複層陰イオン交換膜を得た。同様
にして拡散透析性能を求めた結果、酸の透過速度は、6
モル/m2 ・hr・Δc、鉄イオンと酸の透過速度の
比は、0.0008であった。
【0052】
【発明の効果】本発明の陰イオン交換膜は、選択性、透
過性、機械的強度に優れており、既知の用途、例えば陽
イオン交換膜と組み合わせて、電気透析として使用する
ことにより、少ないエネルギーで電解質の濃縮、脱塩で
きる。また、拡散透析用隔膜として使用することにより
、酸を含有する廃液から高純度の酸を効率よく回収する
ことができることから、公害防止と省資源を兼ねた回収
プロセスに適用できるメリットを有する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の陰イオン交換体層と第2の陰イオン
    交換体層との少なくとも2層からなる陰イオン交換膜に
    おいて、第1の陰イオン交換体層が、強塩基性陰イオン
    交換基と弱塩基性陰イオン交換基を共存させた陰イオン
    交換体層からなることを特徴とする複層陰イオン交換膜
  2. 【請求項2】第1の陰イオン交換体層が、実質的に芳香
    族環と連結基から構成された重合体からなり、その芳香
    族環に導入された弱塩基性陰イオン交換基の交換容量が
    、全陰イオン交換基の交換容量の20〜95%であり、
    かつ膜内に平均的に分布されている請求項1の複層陰イ
    オン交換膜。
  3. 【請求項3】実質的に芳香族環と連結基から構成された
    重合体が、少なくとも、繰り返し単位内に、一般式(1
    )−X−Ar−Y−(ただし、X,Yは、互いに同一ま
    たは異なる−O−または−S−であり、Arは、【化1
    】 である。ここで、Wは、単結合、−O−,−S−または
    −CR6 R7 −であり、R1 〜R5 は、互いに
    同一または異なる炭素数1〜8の炭化水素基、aは0〜
    3、b+cは0〜7、d+eは0〜5である。R6 ,
    R7 は水素または炭素数1〜6の炭化水素基を示す。 )を有する芳香族重合体からなる請求項2の複層陰イオ
    ン交換膜。
  4. 【請求項4】実質的に芳香族環と連結基から構成された
    重合体が、一般式(2) 【化2】 (ただし、X,Y,Arは一般式(1)と同じ。Zは、
    −SO2 −,−O−または−S−。R8 〜R11は
    、互いに同一または異なる炭素数1〜8の炭化水素基。 f〜iは0〜4。kは0〜1、m,nは2〜200の整
    数。m/nは0.1〜100。)で表わされる芳香族ブ
    ロック共重合体からなる請求項3の複層陰イオン交換膜
  5. 【請求項5】一般式(2)において、XおよびYが−O
    −であり、Zが−S−である請求項4の複層陰イオン交
    換膜。
  6. 【請求項6】第2の陰イオン交換体層が、弱塩基性陰イ
    オン交換基を有し、第1の陰イオン交換体層と比較して
    、全陰イオン交換基に対する弱塩基性イオン交換基の比
    率が小さく、かつ膜厚が大きい請求項1〜5のいずれか
    一つの複層陰イオン交換膜。
  7. 【請求項7】陰イオン交換膜で区画された一方の室に、
    酸と金属イオンを含有する溶液を導入し、他方の室に水
    を供給することにより、酸を選択的に透過せしめる酸の
    回収方法において、陰イオン交換膜として請求項1〜6
    のいずれか一つの複層陰イオン交換膜を使用する酸の回
    収方法。
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JP (1) JPH04359030A (ja)

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