JPH04355339A - 微量検体採取用具 - Google Patents

微量検体採取用具

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JPH04355339A
JPH04355339A JP3157724A JP15772491A JPH04355339A JP H04355339 A JPH04355339 A JP H04355339A JP 3157724 A JP3157724 A JP 3157724A JP 15772491 A JP15772491 A JP 15772491A JP H04355339 A JPH04355339 A JP H04355339A
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JP
Japan
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strain
water
biological test
test substance
collection
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Application number
JP3157724A
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English (en)
Inventor
Kenji Yasuda
憲司 安田
Hidesaburo Kitaguni
北國 秀三郎
Takao Ogawa
孝雄 小川
Saeko Itou
伊藤 佐枝子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meito Sangyo KK
Original Assignee
Meito Sangyo KK
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L3/00Containers or dishes for laboratory use, e.g. laboratory glassware; Droppers
    • B01L3/50Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes
    • B01L3/502Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures
    • B01L3/5023Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures with a sample being transported to, and subsequently stored in an absorbent for analysis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2300/00Additional constructional details
    • B01L2300/08Geometry, shape and general structure
    • B01L2300/0832Geometry, shape and general structure cylindrical, tube shaped
    • B01L2300/0838Capillaries
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2400/00Moving or stopping fluids
    • B01L2400/04Moving fluids with specific forces or mechanical means
    • B01L2400/0403Moving fluids with specific forces or mechanical means specific forces
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  • Hematology (AREA)
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物学的被検物質、例
えば口腔内の歯周病原性細菌又は口腔内の歯周病原性細
菌に対する特異抗体の検出に使用しうる微量検体採取用
具並びにそれを用いる検体中の生物学的被検物質の測定
方法及び測定用キツトに関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】歯周病は、歯肉炎と歯周炎に
分けられ、更に、歯周炎には、成人性歯周炎、限局性若
年性歯周炎などがある。これらの歯周病は、歯肉の炎症
、出血、排膿、歯周ポケツトの形成、歯根膜の破壊、歯
槽骨の吸収、歯牙の動揺、歯牙の喪失にまで至る疾患で
ある。
【0003】しかしながら、現在、歯周病の治療法は、
まだ完全に確立されていないのが現状であり、できるだ
け早期に歯周病を発見し、予防的処置を施すことが最も
重要であると考えられている。上記の歯周病の病巣局所
には、種々の細菌が存在するが、全細菌のうちの3〜4
割がグラム陰性の嫌気性細菌によつて占められていると
言われ、Porphyromonas gingiva
lis(以下 P. gingivalis)、Pre
votella intermedia(以下 P. 
intermedia)、Actinobacillu
s actinomycetemcomitans(以
下 A. actinomycetemcomitan
s)、Treponema denticola(以下
 T. denticola)、Bacteroide
s forsythus(以下 B. forsyth
us)、Capnocytophaga gingiv
alis(以下 C. gingivalis)、Fu
sobacterium nucleatum(以下 
F. nucleatum)、Wolinella r
ecta(以下 W. recta)などが歯周病原性
細菌であるとされている。そして、歯周病の病巣局所で
は、これらの歯周病原性細菌の顕著な増加が認められる
。なお、Porphyromonas gingiva
lis、Prevotella intermedia
 は、従来の Bacteroides gingiv
alis、Bacteroides intermed
ius に相当し、最近の新しい分類(1990年の 
International Conference 
on Periodontal Disease での
 T.J.M. van Steenbergen に
よる)では、このように呼ばれている。
【0004】そこで、これらの歯周病原性細菌に注目し
、歯周病の診断の補助的手段として、その歯周病原性細
菌の存否及びその多寡を知るために種々の方法が提案さ
れている。
【0005】例えば、歯周病患者の歯肉溝液や歯肉緑下
プラーク(歯垢)等の歯周ポケツトからの検体に棲息す
る歯周病原性細菌を血液寒天培地で嫌気的条件下で培養
し、得られた種々のコロニーの詳細な生化学的性状を調
べることにより、歯周病原性細菌を検出することが報告
されている(Loesche,W.J.,Syed,S
.A.,Schmidt,E.and Morriso
n,E.C.:J.Periodont.56、447
−456、1985など参照)。
【0006】また、歯周ポケツトに棲息する歯周病原性
細菌をグラム染色後に顕微鏡下で調べたり、暗視野顕微
鏡によつて調べたり(Listgarten,M.A.
et al.:J.Clin.Periodontol
.5、115−132、1978参照)、歯周病原性細
菌に対する抗体と蛍光色素を組み合わせて、歯周病原性
細菌を検出することも行われている(Zambon,J
.J.,Bochacki,V.and Genco,
R.J.:Oral Microbiol.Immun
ol.1,39−44、1986参照)。
【0007】また、酵素抗体法(ELISA 法)を用
いて、歯周ポケツトに棲息する歯周病原性細菌を、それ
ぞれの歯周病原性細菌に対する抗体で検出することも行
われている(Zambon,J.J.,Bochack
i,V.and Genco,R.J.:Oral M
icrobiol.Immunol.1、39−44、
1986参照)。
【0008】また、歯周病原性細菌に非常に特徴的な酵
素に着目し、その酵素活性を指標にして、歯周ポケツト
に棲息する歯周病原性細菌を検出することも報告されて
いる(Loesche,W.J.:Oral Micr
obiol.Immunol.1、65−70、198
6参照)。
【0009】更に、最近では、歯周病原性細菌の遺伝子
に注目し、DNA プローブ法を用いて、歯周ポケツト
に棲息する歯周病原性細菌を検出することも行われてい
る(Biotechnica Diagnostics
 社)。更に、PCR(Polymerase cha
in reaction)法により、極微量の菌体をも
検出することが可能となつてきている。
【0010】一方、成人性歯周炎患者の歯周病原性細菌
に対する抗体価については、成人性歯周炎患者の歯肉組
織での歯周病原性細菌に対する抗体産生細胞の増加、つ
まり、特異抗体の上昇が、ELISPOT 法を用いて
報告されている(Tomohiko Ogawa an
dShigeyuki Hamada:Clin.ex
p.Immunol.76、103−110、1989
参照)。
【0011】しかしながら、これらの方法は、いずれも
検出感度が低かつたり、特異性に問題があつたり、長時
間にわたる煩雑な操作と高価で特殊な装置を必要とする
ために、広く普及することは難しく、迅速かつ簡便な歯
周病診断用試薬及び診断方法の開発が望まれている。
【0012】
【問題を解決するための手段】本発明者は、歯周病を含
むあらゆる疾患において、その診断の指標となる検体中
の生物学的被検物質をそれが極微量であつても効率よく
採取することのできる用具、それを用いて検体中の生物
学的被検物質を直接的かつ迅速、簡便に検出することの
できる測定方法及び測定用キツト等について鋭意研究を
行ない、今回、本発明を完成するに至つた。
【0013】かくして、本発明は、実質的に水不溶性か
つ透水性の多孔性フイルムでコーテイングされた吸水性
材料からなる生物学的被検物質採取部分を有することを
特徴とする検体中の生物学的被検物質採取用具を提供す
るものである。
【0014】本発明はまた、ステイツク状又は短冊状の
吸水性材料からなり、該吸水性材料の先端1〜5mm 
の長さからなる生物学的被検物質採取部分に隣接する少
なくとも検体と接触する可能性のある部分の表面が防水
処理されていることを特徴とする生物学的被検物質採取
用具を提供するものである。
【0015】本発明はさらに、上記の採取用具の生物学
的被検物質採取部分を検体と接触させた後、該生物学的
被検物質と特異的に結合しうる標識された物質からなる
試薬と接触させ、該採取部分に結合した標識された試薬
を定性的又は定量的に検出することを特徴とする検体中
の生物学的被検物質の測定方法を提供するものである。
【0016】本発明はさらに、上記の採取用具と、検体
中の検出すべき生物学的被検物質と特異的に結合しうる
標識された物質からなる試薬との組合わせよりなる検体
中の生物学的被検物質の測定用キツトを提供するもので
ある。
【0017】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0018】本発明の採取用具は、対象となる検体の種
類等に応じて種々の形態をとりうるが、一般にはステイ
ツク状(先細りとなつていてもよい細い棒状のもの)や
短冊状(幅の狭いシート状ないしフイルム状のもの)で
あることが望ましい。また、該採取用具は、全体又は少
なくともその生物学的被検物質採取部分が吸水性材料か
ら構成され、その材質は吸水性の高いものであれば、天
然、半合成及び合成のいずれのタイプのものであつても
よく、例えば、高吸水性デンプン系ポリマー、高吸収性
セルロース系ポリマー、デキストラン系ポリマー、高吸
水性合成ポリマー(例えばポリアクリル酸塩系、ポリビ
ニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリオキシ
エチレン系のポリマー)などが挙げられ、中でも高吸水
性セルロース系ポリマー及び高吸水性合成ポリマーが好
適である。
【0019】具体的には、歯科分野において「ペーパー
ポイント」として知られている紙製ステイツク(例えば
紙製コヨリ)が素材として好適であり、また、濾紙を幅
の狭い短冊状にカツトしたものも素材として便利に使用
することができる。
【0020】本発明の一態様によれば、上記の如き吸収
性材料の少なくとも生物学的被検物質採取部分、例えば
、ステイツク状又は短冊状の吸収性材料の少なくとも先
端部分の表面が、実質的に水不溶性かつ透水性の多孔性
フイルムでコーテイングされる。このように吸水性材料
の表面を実質的に水不溶性かつ透水性の多孔性フイルム
でコーテイングすることにより、検体中の水分を該フイ
ルムの孔を通過して内部の吸水性材料に吸収させると同
時に、検体中の生物学的被検物質を多孔性フイルムコー
テング上に濃縮されながら吸着、固定化させることが可
能となり、後の標識された試薬による検出の際の判定が
極めて容易になるという顕著な作用効果があることが判
明した。
【0021】従つて、コーテイングされる多孔性フイル
ムの孔径は、検体中の水分の透過は許すが、検出すべき
生物学的被検物質は実質的に通過しない程度の大きさに
設定することが望ましく、例えば、歯周病原性細菌など
の細菌の検出を目的とする場合には、コーテイングされ
た多孔性フイルムの平均孔径は一般に10ミクロン以下
、特に0.45〜5.0ミクロン程度とすることが望ま
しい。
【0022】コーテイングするフイルムの材質としては
、実質的に水不溶性のものであれば特に制限されるもの
ではなく各種のポリマーを使用することができるが、具
体的には例えば、多糖の有機酸又は無機酸エステル(例
えば、セルロースの酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪
酸エステル又は硝酸エステル)、多糖の低級アルキルエ
ーテル誘導体(例えば、エチルセルロース、プロピルセ
ルロース、ブチルセルロースなど)、ポリアミド系樹脂
などが挙げられる。
【0023】前記吸収性材料にかかる材質の多孔性フイ
ルムのコーテイングを形成する方法としては、それ自体
既知の方法を採用することができ、例えば、セルロース
系膜は相分離法で製膜することができ、具体的には、セ
ルロースをアセトンや塩化メチレンなどの良溶媒に溶解
し、更に、これよりも沸点の高いエタノールや水などの
非良溶媒を加え、均一に混合した溶液を作り、その溶液
を支持体の上に流延し、良溶媒と非良溶媒との沸点の差
を利用して、良溶媒を選択的に乾燥除去し、更に、非良
溶媒を乾燥除去することによつて、均一で微細な多孔質
膜を作ることができる。
【0024】吸収性材料上の多孔性フイルムコーテング
は、少なくとも採取用具の生物学的被検物質採取部分全
体を覆うようにして施すことができ、例えばステイツク
状又は短冊状の吸水性材料の場合には、少なくともその
先端部分を覆うように施され、そのコーテング部分の長
さは先端から少なくとも1mm 、好ましくは2mm 
以上とすることができる。
【0025】また、本発明の採取用具の生物学的被検物
質採取部分は必要以上に大きくする必要はなく、後の検
出操作に支障をきたさない範囲でできるだけ最小限にと
どめることが望ましい。そのための一手段として、採取
用具の生物学的被検物質の採取に必要とされる部分(生
物学的被検物質採取部分)以外の少なくとも検体と接触
する可能性のある部分の表面を防水処理する方法が挙げ
られる。或いはまた別法としてコーテイングが施された
吸水性材料の小片を適当な支持具に固定することも可能
である。これにより、採取具の多孔性フイルムでコーテ
イングされた限られた部分でのみ、検体が集中的に吸収
されるようになるので、その部分における生物学的被検
物質の吸着、固定化がより一層効果的に行なわれ、標識
された試薬による判定がより一層容易になる。
【0026】防水処理は例えば、コーテイングしたステ
イツク状又は短冊状の吸水材料の先端1〜5mm 、好
ましくは2〜4mm の長さからなる生物学的被検物質
採取部分に隣接する少なくとも検体と接触する可能性の
ある部分の表面に施すことができる。
【0027】防水処理の方法としては、多孔性フイルム
のコーテングの生物学的被検物質採取部分を除いた部分
を該フイルムを溶解しうる溶剤で処理して該コーテイン
グの孔をふさぐ方法;実質的に水に不溶性かつ非吸水性
のポリマー(例えば、フツ素樹脂、シリコーン樹脂、塩
化ビニル樹脂、メタアクリール樹脂、ポリエステル樹脂
、セルロイド、パラフイン、ゴム、木ろう、牛脂など)
からなる防水コーテイングを施す方法等が挙げられる。
【0028】以上に述べた本発明の採取用具の一例を添
付の第1図に示す。この図は本発明の採取用具の概略断
面図であり、本図において(1)はステイツク状の吸水
性材料(これは短冊状の吸水性材料であつてもよい)で
あり、その先端部分には、ニトロセルロース、セルロー
スアセテート等の水に実質的に不溶性かつ透水性の多孔
性フイルム(2)がコーテイングされており、そしてさ
らに、先端の所定長さの生物学的被検物質採取部分(3
)を残して、検体と接触する可能性のある部分には防水
処理(4)が施されている。
【0029】また、本発明の採取用具の別の簡略化した
態様として多孔性フイルムのコーテイングを施すことな
く、単に、ステイツク状又は短冊状の吸水性材料の先端
1〜5mm 、好ましくは2〜4mm の長さからなる
生物学的被検物質採取部分を残し、該吸水性材料のそれ
以外の部分の少なくとも検体と接触する可能性のある部
分に前述した如くして防水コーテイングを施すことによ
り、本発明の採取用具を構成することもできる。
【0030】この態様の採取用具は、生物学的被検物質
採取部分に、実質的に水不溶性かつ透水性の多孔性フイ
ルムのコーテイングが存在せず、従つて該コーテイング
によつて達成される前述した如き作用効果は享受しえな
いが、しかし、この態様の採取用具にあつても、局限さ
れた先端部でのみ集中的に検体が吸収され、そこに生物
学的被検物質をかなりの濃度で吸着、固定化することが
可能となる。
【0031】以上に述べた本発明の採取用具を用いれば
、各種の体液、例えば、血液、唾液、涙、汗、鼻水、尿
、便、***、膣分泌液、膿、喀痰などに含まれる血液成
分、血清、各種細胞、サイトカイン、ホルモン、ペプチ
ド、代謝産物、酵素、生理活性物質、腫瘍マーカー、遺
伝子(DNA、RNA)、レセプター、抗体、抗原、微
生物、ウイルス等の生物学的被検物質を、極めて簡単な
操作で効率よく採取することができる。例えば歯周病に
関していえば、本発明のステイツク状の採取用具を被検
者の歯と歯の間、歯と歯茎の間、歯周ポケツトなどに挿
入することによつて、歯肉溝液、唾液などから、歯周病
原性細菌又はその特異抗原、或いは歯周病原性細菌又は
その特異抗原に対する抗体を簡単に採取することができ
る。
【0032】また、検体中の生物学的被検物質を採取す
る場合に、必要に応じて、採取用具を適当な吸引源(又
は真空源)に接続することも可能であり、それにより、
生物学的被検物質の採取をより効果的に行なうことがで
きることもある。
【0033】次に、本発明の採取用具を用いる検体中の
生物学的被検物質の測定方法について説明する。
【0034】本発明の採取用具を用いての生物学的被検
物質の採取は、本発明の採取用具の生物学的被検物質採
取部分を前記の如き検体と接触させることにより行なわ
れる。
【0035】本発明の採取用具を検体と接触させると、
前述したように、その採取部分に生物学的被検物質が濃
縮されて吸着、固定化される。
【0036】このように生物学的被検物質が吸着、固定
化された採取用具は、次いで検出すべき生物学的被検物
質と特異的に結合しうる標識された物質からなる試薬溶
液と接触させる。
【0037】生物学的被検物質と特異的に結合する物質
(以下、これを「特異的結合性物質」という)としては
、免疫学的又は化学的に生物学的被検物質と特異的に結
合する抗体、抗原、核酸などが挙げられる。例えば、歯
周病に関していえば、歯周病原性細菌又はその特異抗原
に対する抗体、あるいは歯周病原性細菌の特異抗原など
が挙げられる。
【0038】これらの特異的結合物質は標識される。標
識用の物質としては、免疫学的測定又は、化学的測定の
分野で屡々使用される各種の標識用物質を使用すること
ができ、例えば、着色物質、着色コロイド粒子、蛍光色
素、放射性同位元素、酵素などが挙げられる。
【0039】着色物質としては、例えば、無機顔料、有
機顔料などが挙げられる。着色コロイド粒子としては、
例えば、全コロイド粒子などの金属コロイド粒子、着色
されたポリマーラテツクス粒子などのポリマー粒子、着
色したゼラチン粒子などの蛋白系粒子、着色したコロイ
ダルシリカ粒子、着色したコロイダルアルミナ粒子、着
色した多糖粒子などが挙げられ、これら粒子の粒径は一
般に1〜100nm 、好ましくは5〜40nm の範
囲内にあることが望ましい。このような金属コロイド粒
子、例えば金コロイド粒子は、通常、塩化金酸(HAu
Cl・2H2O)10mg を沸騰超蒸留水100ml
に溶かし、調製直後の1%クエン酸3ナトリウム水溶液
を素早く適当量加え、5〜10分間沸騰すると赤色の透
明な液となり、2〜3分後に緩やかに冷却することによ
り金コロイド粒子を調製することができる。
【0040】また標識用物質としての蛍光色素としては
、例えばフルオレセインイソチアネート(FITC)、
テトラローダミンイソチアネート(TRITC)などが
挙げられ、放射性同位元素としては、例えば3H、14
C、32P、125Iなどが包含され、酵素としては、
例えばペルオキシダーゼ、アルカリフオスフアターゼな
どの基質を分解して発色させる酵素が好適である。
【0041】特に、アルカリフオスフアターゼは、その
基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル
フオスフエイト又はp−ニトロブル−テトラゾリウムク
ロリドとの組み合わせが挙げられる。これらの基質は無
色透明で水可溶性であるが、酵素の働きにより分解され
、それぞれ固有の色を呈し、水不溶性になり、標識した
物質の存在を知ることができる。
【0042】このような物質による特異結合性物質の標
識付けの方法には、物理的結合法と化学的結合法とがあ
る。前者は、特異的結合性物質と標識用物質を混合する
だけで物理的に吸着結合させる方法であり、後者は、特
異的結合性物質と標識用物質の各々が有する官能基との
間で直接的に共有結合をするか、又はカルボジイミド、
グルタルアルデヒドなどの二価性試薬を用い、特異的結
合性物質と標識用物質を間接的に共有結合させる方法で
ある。
【0043】前述した検体と接触させた採取用具を以上
に述べた如き標識された特異結合物質からなる試薬と接
触させ、必要により洗浄して余分の試薬を除去した後、
用いた標識の種類に応じて、目視、デンシトメーター、
比色計、放射線測定装置等により採取用具に結合してい
る標識の量を測定し、そしてさらにその測定結果を必要
に応じて予め作成した標準曲線などと対比することによ
り、検体中の生物学的被検物質の量を定性的又は定量的
に検出することができる。
【0044】以上に述べた測定系で使用される本発明の
採取用具と、標識された特異結合性物質からなる試薬と
は、組合わせてキツト化することにより、検体中の生物
学的被検物質の測定用キツトとすることができる。
【0045】以下、本発明の採取用具を用いる検体中の
生物学的被検物質の測定方法を、歯肉溝液、唾液又は歯
垢処理液等の検体中の歯周病原性細菌もしくはその特異
抗原又はそれらに対する抗体等を検出する場合について
さらに詳細に説明する。
【0046】(1) 歯周病原性細菌の培養歯周病診断
用キツトを調製するために、まず、歯周病原性細菌であ
るとされている P. gingivalis、例えば
、P. gingivalis 381株、P. gi
ngivalis 1021株、P. gingiva
lis ATCC 33277株、P. gingiv
alis RB22D−1株、P. gingival
is RB24M−2株、P. gingivalis
 RB46D−1株、P. gingivalis 6
/26株、P. gingivalis W 1株、P
. gingivalis W 50株、P. gin
givalis W 83株、P. gingival
is HW11D−5株、P. gingivalis
 HW24D−1株、P. gingivalis B
H18/10株、P. gingivalis 19A
4株、P. gingivalis 22B4株、P.
 gingivalis 23A4株、P. ging
ivalis HG 379株、P. gingiva
lis HG 405株、P. gingivalis
 OMZ 314株、P. gingivalis O
MZ 369株、P. gingivalis OMZ
 409株、P. gingivalis LB13D
−3株;または、P. intermedia、例えば
、P. intermedia ATCC 25261
株、P. intermediaATCC 25611
株、P. intermedia OMZ 227株、
P. intermedia OMZ 248株、P.
 intermediaOMZ 277株、P. in
termedia OMZ 311株、P. inte
rmedia OMZ 326株、P.interme
dia OMZ 327株、P. intermedi
a BH 18/23株、P. intermedia
 BH 20/30株、P. intermedia 
H 187株、P. intermedia M 10
7−74株;または、 A. actinomycet
emcomitans、例えば、A. actinom
ycetemcomitans ATCC 29522
株、A. actinomycetemcomitan
s ATCC 29523株、A. actinomy
cetemcomitans ATCC 29524株
、A. actinomycetemcomitans
 Y 4株、A. actinomycetemcom
itans NCTC 9709株、A. actin
omycetemcomitans NCTC 971
0株、A. actinomycetemcomita
ns 1株、A. actinomycetemcom
itans 15株、A.actinomycetem
comitans 27株、A. actinomyc
etemcomitans 29株 、A. acti
nomycetemcomitans 32株、A. 
actinomycetemcomitans 39株
、A. actinomycetemcomitans
 42株、A.  actinomycetemcom
itans 67株 、A. actinomycet
emcomitans 75株、A. actinom
ycetemcomitans 85株;または、 T
. denticola、例えば、T. dentic
ola ATCC 35405;または、B. for
sythus、例えば、 B. forsythus 
ATCC 43037;または、C. gingiva
lis、例えば、C. gingivalisATCC
 33624;または、F. nucleatum、例
えば、F. nucleatum ATCC 2558
6;または、W. recta、例えば、W. rec
ta ATCC 33238などを、例えば、GAM 
ブイヨン、Brain − Heart Infusi
on ブロスなどにヘミン、メナジオンを添加した培地
、または、Todd − Hewitt broth 
に酵母エキスを添加した培地などに接種して、嫌気的条
件下で約37℃で約20時間培養した後、これらを集菌
して、生理食塩水にて洗浄し、凍結乾燥菌体にする。こ
のようにして得られる菌体を標識物質に結合させるか、
あるいはその特異抗体を得るための免疫抗原として使用
する。
【0047】(2) 線毛抗原の調製歯周病原性細菌の
特異抗原に対する抗体を得るために、まず、特異抗原の
調製として、特異的抗原性を持つ線毛を有している歯周
病原性細菌、例えば、P. gingivalis を
、例えば、GAM ブイヨン、Brain − Hea
rt Infusion ブロスなどにヘミン、メナジ
オンを添加した培地に接種して、嫌気的条件下で約37
℃で培養すれば、約20時間またはそれ以後に多数の菌
体が得られる。これを集菌して、ピペツテイングにより
物理的に線毛を剥離する。次に、線毛を硫安分画、イオ
ン交換クロマトグラフイーを経て精製すれば、P.gi
ngivalis の線毛抗原が得られる。このように
して得られる線毛抗原を標識物質に結合させるか、ある
いはその特異抗体を得るための免疫原として使用する。
【0048】(3) 多糖抗原の調製歯周病原性細菌、
例えば、A. actinomycetemcomit
ans を、例えば、Todd − HeWitt b
roth に酵母エキスを添加した培地に接種して、嫌
気的条件下で約37℃で培養すれば約20時間、または
、それ以後に多数の菌体が得られる。これを集菌して、
凍結乾燥菌体にする。得られた凍結乾燥菌体を生理食塩
水に懸濁した後、オートクレイブにかけ熱抽出し、その
抽出液を例えば、イオン交換クロマトグラフイー、ゲル
濾過クロマトグラフイーなどで分離、精製して、A. 
actinomycetemcomitans の多糖
抗原を得ることができる。このようにして得られる多糖
抗原を標識物質に結合させるか、あるいはその特異抗体
を得るための免疫原として使用する。
【0049】(4) 抗体の調製上記のごとくして得ら
れる歯周病原性細菌の凍結乾燥菌体を、種々の動物に免
疫する。例えば、この歯周病原性細菌の凍結乾燥菌体を
フロイントの完全アジユバントと共にウサギ、ヤギなど
の動物の皮下または筋肉内に注射して免疫した後、これ
らの動物の血液からそれ自体既知の方法に従つて歯周病
原性細菌に対する抗血清を得ることができる。更に、必
要に応じて、得られる抗血清を常法に従い硫安分画、イ
オン交換クロマトグラフイーで精製する。
【0050】一方、上記のごとくして得られる歯周病原
性細菌の凍結乾燥菌体をマウスに免疫し、この脾細胞を
取り出し、マウス骨髄腫瘍細胞とポリエチレングリコー
ル等を用いて細胞融合させ、クローニングした後、歯周
病原性細菌に特異的に反応するモノクローナル抗体を分
泌するハイブリドーマを選択する。これらのハイブリド
ーマをあらかじめプリスタン処置しておいたマウスの腹
腔内に移植し、その腹水よりモノクローナル抗体を得る
か、またはハイブリドーマを無血清培地で大量培養し、
その培養上清中よりモノクローナル抗体を得ることがで
きる。更に、得られるモノクローナル抗体を常法に従い
、硫安分画、イオン交換クロマトグラフイーで精製する
【0051】また、上記のごとくして得られる P. 
gingivalis の線毛抗原又は A. act
inomycetemcomitans の多糖抗原を
動物に免疫する。例えば、これらの特異抗原をフロイン
トの完全アジユバントと共にウサギ、ヤギなどの動物の
皮下又は筋肉内に注射して免疫した後、これらの動物の
血液からそれ自体既知の方法に従つてP. gingi
valis の線毛抗原又は A. actinomy
cetemcomitans の多糖抗原に対する抗血
清を得ることができる。更に、必要に応じて、得られる
抗血清を常法に従い硫安分画、イオン交換クロマトグラ
フイーで精製する。
【0052】一方、上記のごとくして得られる P. 
gingivalis の線毛抗原又は A. act
inomycetemcomitans の多糖抗原を
マウスに免疫し、この脾細胞を取り出し、マウス骨髄腫
瘍細胞とポリエチレングリコール等を用いて細胞融合さ
せ、クローニングした後、P. gingivalis
 の線毛抗原又は A. actinomycetem
comitans の多糖抗原に特異的に反応するモノ
クローナル抗体を分泌するハイブリドーマを選択する。 これらのハイブリドーマをあらかじめプリスタン処置し
ておいたマウスの腹腔内に移植し、その腹水よりモノク
ローナル抗体を得るか又はハイブリドーマを無血清培地
で大量培養し、その培養上清中よりモノクローナル抗体
を得ることができる。更に、得られたモノクローナル抗
体を常法に従い硫安分画、イオン交換クロマトグラフイ
ーで精製する。
【0053】(5) 着色コロイド粒子による抗体の標
識上記のごとくして得られる歯周病原性細菌の全菌体又
はその特異抗原、例えば、P. gingivalis
 の線毛抗原、A. actinomycetemco
mitans の多糖抗原などに対する抗血清又はモノ
クローナル抗体に着色コロイド粒子を結合させる。その
ためにはそれ自体既知の方法を用いることができる。
【0054】一般的には、着色コロイド粒子を pH 
7〜9の炭酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液
又はグリシン緩衝液などに浮遊させ、そこに前記抗体を
加え、室温ないし約37℃で15分〜90分間撹拌し、
着色コロイド粒子で抗体を標識する。次に、着色コロイ
ド粒子で標識した抗体を安定化、保護するために、ウシ
血清アルブミン、ポリエチレングリコール、シヨ糖、塩
化コリンなどを加え、更に、室温ないし約37℃で15
分〜90分間撹拌する。このようにして抗体を着色コロ
イド粒子で標識することができる。これを以下着色コロ
イド標識抗体溶液という。
【0055】(5′) 酵素による抗体の標識上記のご
とくして得られる歯周病原性細菌の全菌体又はその特異
抗原、例えば、P. gingivalis の線毛抗
原、A. actinomycetemcomitan
s の多糖抗原などに対する抗血清又はモノクローナル
抗体に酵素を結合させる。そのためには、それ自体既知
の方法を用いることができる。
【0056】一般的には、抗体を20mg/ml にな
るように0.1 M リン酸緩衝生理食塩水に溶解する
。この抗体溶液2ml に、標識用物質としての酵素、
例えば、アルカリフオスフアターゼ40mg を加えて
よく溶解する。静かに撹拌しながら、1%グルタルアル
デヒド0.1ml を滴下する。室温で2時間反応させ
、ゲル濾過により、未結合の抗体及びアルカリフオスフ
アターゼから、アルカリフオスフアターゼ標識抗体を分
離・精製する。このようにして、抗体をアルカリフオス
フアターゼで標識することができる。これを以下、アル
カリフオスフアターゼ標識抗体溶液という。
【0057】(6) 着色コロイド標識抗体による抗原
の検出歯周病患者の歯肉溝液、唾液又は歯垢処理液を本
発明の採取用具と接触させて、採取用具に検体を採取す
る。次に、この採取用具の生物学的被検物質採取部分を
前述の着色コロイド標識抗体溶液に浸漬し、室温ないし
約37℃で静置又は撹拌しながら5〜15分間反応させ
る。しかる後採取用具を取り出して、蒸留水で洗浄した
後に、肉眼又はデンシトメーターなどの測定機器を用い
て判定することができる。歯周病患者の検体が付着して
いたところが着色コロイド粒子の色に染まつていたら、
陽性であると判定する。この時、その色の程度は歯周病
原性細菌の存否並びに多寡と相関しているので菌体の数
を定量することもできる。
【0058】更に、着色コロイド粒子が金コロイド粒子
の場合、銀染色により感度を増すことができる。
【0059】(6′) アルカリフオスフアターゼ標識
抗体による抗原の検出歯周病患者の歯肉溝液、唾液又は
歯垢処理液を本発明の採取用具と接触させて、採取用具
に検体を採取する。次に、この採取用具の生物学的被検
物質採取部分を前述のアルカリフオスフアターゼ標識抗
体溶液に浸漬し、室温ないし約37℃で、静置又は撹拌
しながら5〜10分間反応させる。次に Tween 
20を含むリン酸緩衝生理食塩水でよく洗浄した後、5
−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフオスフエイト
を含む基質溶液へ浸漬し、室温ないし約37℃で、静置
又は撹拌しながら5〜10分間反応させる。しかる後、
採取用具を取り出して、蒸留水で洗浄した後に、肉眼又
はデンシトメーターなどの測定機器を用いて判定するこ
とができる。歯周病患者の検体が付着していたところが
青色に染まつていたら、陽性であると判定する。この時
、その色の程度は歯周病原性細菌の存否並びに多寡と相
関しているので菌体の数を定量することもできる。
【0060】(7) 着色コロイド粒子による抗原の標
識上記のごとくして得られる歯周病原性細菌の特異抗原
、例えば、P. gingivalis の線毛抗原、
A. actinomycetemcomitans 
の多糖抗原などに着色コロイド粒子を結合させるには、
それ自体既知の方法を用いることができる。
【0061】一般的には、着色コロイド粒子を pH 
7〜9の炭酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液
又はグリシン緩衝液などに浮遊させ、そこに前記抗原を
加え、室温ないし約37℃で15分〜90分間撹拌し、
着色コロイド粒子で抗原を標識する。次に、着色コロイ
ド粒子で標識した抗原を安定化、保護するために、ウシ
血清アルブミン、ポリエチレングリコール、シヨ糖、塩
化コリンなどを加え、更に、室温ないし約37℃で15
分〜90分間撹拌する。このようにして抗原を着色コロ
イド粒子で標識することができる。これを以下着色コロ
イド標識抗原溶液という。
【0062】(7′) 酵素による抗原の標識上記のご
とくして得られる歯周病原性細菌の特異抗原、例えば、
P. gingivalis の線毛抗原、A. ac
tinomycetemcomitans の多糖抗原
などに酵素を結合させるには、それ自体既知の方法を用
いることができる。
【0063】一般的には、抗原を20mg/ml にな
るように0.1 M リン酸緩衝生理食塩水に溶解する
。この抗原溶液2ml に、標識用物質としての酵素、
例えば、アルカリフオスフアターゼ40mg を加えて
よく溶解する。静かに撹拌しながら、1%グルタルアル
デヒド0.1ml を滴下する。室温で2時間反応させ
、ゲル濾過により、未結合の抗原及びアルカリフオスフ
アターゼから、アルカリフオスフアターゼ標識抗原を分
離・精製する。このようにして、抗原をアルカリフオス
フアターゼで標識することができる。これを以下、アル
カリフオスフアターゼ標識抗原溶液という。
【0064】(8) 着色コロイド標識抗原による抗体
の検出歯周病患者の歯肉溝液、唾液又は歯垢処理液を本
発明の採取用具と接触させて、採取用具に検体を採取す
る。次に、この採取用具の生物学的被検物質採取部分を
前述の着色コロイド標識抗原溶液に浸漬し、室温ないし
約37℃で静置又は撹拌しながら5〜10分間反応させ
る。しかる後採取用具を取り出して、蒸留水で洗浄した
後に、肉眼又はデンシトメーターなどの測定機器を用い
て判定することができる。歯周病患者の検体が付着して
いたところが着色コロイド粒子の色に染まつていたら、
陽性であると判定する。この時、その色の程度は歯周病
原性細菌に対する抗体の有無並びに多寡と相関している
ので、菌周病原性細菌に対する抗体価を定量することも
できる。
【0065】更に、着色コロイド粒子が金コロイド粒子
の場合、銀染色により感度を増すことができる。
【0066】(8′) アルカリフオスフアターゼ標識
抗体による抗体の検出歯周病患者の歯肉溝液、唾液又は
歯垢処理液を本発明の採取用具と接触させて、採取用具
に検体を採取する。次に、この採取用具の生物学的被検
物質採取部分を前述のアルカリフオスフアターゼ標識抗
原溶液に浸漬し、室温ないし約37℃で、静置又は撹拌
しながら5〜10分間反応させる。次に Tween 
20を含むリン酸緩衝生理食塩水でよく洗浄した後、5
−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフオスフエイト
を含む基質溶液へ浸漬し、室温ないし約37℃で、静置
又は撹拌しながら5〜10分間反応させる。しかる後、
採取用具を取り出して、蒸留水で洗浄した後に、肉眼又
はデンシトメーターなどの測定機器を用いて判定するこ
とができる。歯周病患者の検体が付着していたところが
青色に染まつていたら、陽性であると判定する。この時
、その色の程度は歯周病原性細菌に対する抗体の有無並
びに多寡と相関しているので、歯周病原性細菌に対する
抗体価を定量することもできる。
【0067】(9) 血液などによる汚れの脱色検体採
取の際に採取用具が血液や膿などによつて汚れた場合に
は、過酸化水素水などの酸化剤で脱色した後に、着色コ
ロイド標識抗体溶液又は着色コロイド標識抗原溶液と反
応させることが好ましい。
【0068】以上に述べた本発明によれば、歯周病の患
者の歯周病巣部における歯周病原性細菌の存否並びに多
寡又は歯周病の患者の歯周病巣部における歯周病原性細
菌に対する特異抗体の有無並びに多寡を、極めて簡単な
操作で迅速に検出可能であり、短時間内に本疾患を診断
しまた病態の程度を把握できる。しかも、歯周病原性細
菌の存否並びに多寡と、歯周病原性細菌に対する特異抗
体の有無並びに多寡を組み合わせて調べることにより、
歯周病の病態の様々な段階や治癒の状態を時間を追つて
知ることができ、治療や再発防止に役立てることが可能
となる。
【0069】次に、本発明を調製例、試験例及び実施例
によつて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0070】
【実施例】調製例1 歯周病原性細菌の凍結乾燥菌体の調製 P. gingivalis と P. interm
edia を、ヘミン(5mg/l)及びメナジオン(
1mg/l)添加 GAM ブイヨン培地(日水製薬)
に接種し、37℃、80% N2、10% H2、10
% CO2という嫌気的条件下で大量培養後、遠心分離
により集菌した。また、A. actinomycet
emcomitans は、Todd − Hewit
t broth(Difco Laboratorie
s)に1%酵母エキスを添加した培地で、37℃、5%
 CO2という嫌気的条件下で大量培養後、遠心分離に
より集菌した。これらの菌体を生理食塩水にて洗浄した
後、減圧下凍結乾燥した。
【0071】調製例2P. gingivalis 3
81株、及び、HW24D−1株からの線毛抗原の調製
P. gingivalis 381株、及び、HW2
4D−1株を、ヘミン(5mg/l)及びメナジオン(
1mg/l)添加 GAM ブイヨン培地(日水製薬)
に接種し、37℃、80% N2、10% H2、10
% CO2という嫌気的条件下で大量培養後、遠心分離
により集菌した。その菌体を20 mM トリス塩酸緩
衝液(pH 7.4)+0.15M NaCl + 1
0mM MgCl2に懸濁し、ピペツテイング後、マグ
ネテイツクスターラーで撹拌して、物理的に線毛を剥離
した。
【0072】遠心分離により菌体を除去し、その上清を
40%飽和硫安分画し、得られた沈渣を20mM トリ
ス塩酸緩衝液(pH 8.0)に溶解後、透析により脱
塩した。
【0073】次に、DEAE − Sepharose
(Pharmacia)を用いたイオン交換クロマトグ
ラフイーにより、NaCl の濃度勾配をかけ、0.1
5 M  NaCl で溶出してくる画分を線毛抗原と
した。
【0074】更に、これを Sephacryl S 
− 500(Pharmacia)を用いたゲル濾過ク
ロマトグラフイーにかけ、単一ピークであることを確認
した。
【0075】調製例3A. actinomycete
mcomitans ATCC 29523株、Y 4
株、及び、NCTC 9710株からの多糖抗原の調製 A. actinomycetemcomitans 
ATCC 29523株、Y 4株、及び、NCTC 
9710株を Todd − Hewitt brot
h(Difco Laboratories)に1%酵
母エキスを添加した培地に接種して、37℃、5% C
O2という嫌気的条件下で大量培養後、遠心分離により
集菌した。得られた菌体を凍結乾燥し、生理食塩水に懸
濁した後、オートクレイブにかけ、熱抽出し、抽出液を
、例えば、DEAE − Sephadex A−25
(Pharmacia)を用いたイオン交換クロマトグ
ラフイーで分画し、その素通り画分をさらに Seph
acryl S − 200(Pharmacia)を
用いたゲル濾過クロマトグラフイーで精製し、多糖画分
を分取した。
【0076】調製例4 歯周病原性細菌 P. gingivalis、P. 
intermedia と A. actinomyc
etemcomitans の全菌体、P. ging
ivalis 381株及び HW24D−1株の線毛
抗原、A. actinomycetemcomita
ns ATCC 29523株、Y 4株及び NCT
C 9710株の多糖抗原に対する精製抗血清の調製調
製例1の菌周病原性細菌 P. gingivalis
、P. intermedia と A. actin
omycetemcomitans の凍結乾燥菌体、
調製例2の P. gingivalis 381株及
び HW24D−1株の線毛抗原、調製例3の A. 
actinomycetemcomitans ATC
C 29523株、Y 4株及び NCTC 9710
株の多糖抗原の各1mg をウサギ1匹当たり1ml 
のフロイントの完全アジユバントと共に油中水滴型乳剤
として、皮下に3週間おきに合計3回注射して免疫し、
最終追加免疫から7日目に全採血し、常法通り抗血清を
分離した。得られた抗血清の全量の 1/2 容の飽和
硫安を4℃で撹拌しながら加えて、硫安分画( 1/3
 飽和)を行う。遠心分離により、得られた沈渣に 1
/3 飽和硫安を加え撹拌した。この操作を2〜3回繰
り返し、最終的に得られた沈渣をリン酸緩衝液に溶解し
、リン酸緩衝液で透析し脱塩した。次に、DEAE −
 Sepharose A −25(Pharmaci
a)を用いたイオン交換クロマトグラフイーで、NaC
lの濃度勾配をかけ、0.015 M NaCl で溶
出してくる画分を回収し、同様にして 1/3 飽和硫
安分画を行い、歯周病原性細菌の全菌体、P. gin
givalis 381株の線毛抗原、A. acti
nomycetemcomitans Y 4株の多糖
抗原に対する精製抗血清を得た。
【0077】調製例5 歯周病原性細菌 P. gingivalis、P. 
intermedia と A. actinomyc
etemcomitans の全菌体、P. ging
ivalis 381株及び HW24D−1株の線毛
抗原、A. actinomycetemcomita
ns ATCC 29523株、Y 4株及び NCT
C 9710株の多糖抗原に対するモノクローナル抗体
の調製調製例1の歯周病原性細菌 P. gingiv
alis、P. intermedia と A. a
ctinomycetemcomitans の凍結乾
燥菌体、調製例2の P. gingivalis 3
81株及び HW24D−1株の線毛抗原、調製例3の
 A. actinomycetemcomitans
 ATCC 29523株、Y 4株及び NCTC 
9710株の多糖抗原の各100μg をマウス1匹当
たり0.1ml のフロイントの完全アジユバントと共
に油中水滴型乳剤として、BALB/cマウス(雌)の
皮下に3週間おきに合計3回注射して免疫し、最終追加
免疫から3日目に BALB/cマウス(雌)から脾細
胞を採取し、Eagle′s MEM で3回洗浄した
【0078】一方、BALB/cマウス由来のミエロー
マ細胞(SP 2/0)を Eagle′s MEM 
で3回洗浄した。ミエローマ細胞と脾細胞を Eagl
e′s MEM 中で、1:10に混合し、1,200
rpm、10min.遠心分離後、上清を除去し沈渣を
よくほぐして、0.5ml のポリエチレングリコール
(0.5ml)+ Eagle′s MEM(0.5m
l)+DMSO(0.35ml)の混合溶液を37℃下
で沈渣に静かに滴下しながら1分間混合した。
【0079】次に、Eagle′s MEM 10ml
 を少しずつ加え、1,200rpm、10min.遠
心分離し、上清を除去し、その沈渣に10%ウシ胎児血
清を含む RPMI−1640培地を加え、5×105
 cells/ml 位になるように浮遊させ、96穴
マイクロタイタープレートに100μl ずつ分注した
。その後、HAT 培地、HT 培地によりハイブリド
ーマを選択し、15日目頃に調製例1の歯周病原性細菌
 P. gingivalis、P. interme
dia と A. actinomycetemcom
itans の凍結乾燥菌体、調製例2のP. gin
givalis 381株及び HW24D−1株の線
毛抗原、調製例3の A. actinomycete
mcomitans ATCC 29523株、Y 4
株及び NCTC 9710株の多糖抗原をコーテイン
グした96穴マイクロタイタープレートを用いて、EL
ISA 法により歯周病原性細菌の全菌体、P. gi
ngivalis 381株及び HW24D−1株の
線毛抗原、A. actinomycetemcomi
tans ATCC 29523株、Y 4株及び N
CTC 9710株の多糖抗原に対する抗体産生ハイブ
リドーマをスクリーニングした。
【0080】スクリーニングしたハイブリドーマは限界
稀釈法によりクローニングした。限界稀釈法は、10%
ウシ胎児血清を含む RPMI−1640培地に、ハイ
ブリドーマ5cells/ml、BALB/cマウス胸
腺細胞5×106 cells/ml になるように加
え、96穴マイクロタイタープレートに0.2ml ず
つ分注し、調製例1の歯周病原性細菌 P .ging
ivalis、P. intermedia と A.
 actinomycetemcomitans の凍
結乾燥菌体、調製例2の P. gingivalis
 381株及び HW24D−1株の線毛抗原、調製例
3の A. actinomycetemcomita
ns ATCC 29523株、Y 4株及び NCT
C9710株の多糖抗原に反応するモノクローナル抗体
を分泌するコロニーを選び出した。この操作を2回繰り
返しクローニングを終了した。
【0081】次いで、あらかじめプリスタン処置された
 BALB/cマウスの腹腔内にハイブリドーマを移植
し、その腹水中で増殖させて抗体を採取するか、又は、
ハイブリドーマを無血清培地にて培養し、その培養上清
から抗体を採取することにより目的のモノクローナル抗
体を調製した。
【0082】得られたモノクローナル抗体を 1/3 
飽和硫安分画を行い、DEAE−イオン交換クロマトグ
ラフイーならびにゲルロ過クロマトグラフイー又はプロ
テインAカラムで精製した。
【0083】実施例1 生物学的被検物質採取用具の作成市販の紙製コヨリ(ペ
ーパーポイント)、例えば、ZIPPERER 社製の
 Absorbent Paper Points(長
さ30mm;Size 15、25、35、45)の先
端から約20mm をニトロセルロース又はセルロース
アセテートの水−有機溶剤混合溶媒溶液に浸漬した後、
溶剤を乾燥除去して、その表面に多孔性フイルムをコー
トした。これらは、10ミクロン以下の孔径の孔を有す
る。更に、先端部分約2mm 程はそのまま残し、それ
以外のフイルム表面をアセトン処理してその孔をふさぐ
ことにより、その部分を防水性(非透水性)とした。こ
れにより第1図に示す如き採取用具を作成した。
【0084】実施例2 金コロイド標識抗体溶液の調製E.Y Laborat
ory, Inc.の金コロイド粒子(G−20:粒径
20nm)1ml に、0.07 M 炭酸緩衝液(p
H 9.0)を111μl 加えた。一方、調製例4で
得た各抗血清又は調製例5で得た各モノクローナル抗体
の20μg/ml の抗体溶液500μl に0.07
M 炭酸緩衝液(pH 9.0)を56μl 加えた。 そして、両者を混合し、室温で15分間撹拌した。
【0085】次に、ウシ血清アルブミンを10%、ポリ
エチレングリコールを1%含有する0.007 M 炭
酸緩衝液(pH 9.0)を185μl 添加し、室温
で15分間撹拌して、金コロイド標識抗体溶液を得た。
【0086】試験例1in vitro での歯周病原
性細菌の検出1) P. gingivalis の検
出P. gingivalis 381株及び HW2
4D−1株を、ヘミン(5mg/l )及びメナジオン
(1mg/l )添加 GAM ブイヨン培地(日水製
薬)で、37℃、80% N2、10% H2、10%
 CO2という嫌気的条件下で大量培養後、遠心分離に
より集菌した。この菌体をリン酸緩衝生理食塩水に懸濁
し、550nm における吸光度を0.5に合わせ、こ
の菌体浮遊液の菌体濃度をPETROFF − HAU
SSER and HELBERCounting c
hamber(Hausser,Scientific
 Partnership Horsham 社製)を
用いて求めた。このようにして得られた菌体浮遊液を稀
釈していき、その各稀釈液の2μl を実施例1で作成
した生物学的被検物質採取用具に吸着させた。そこで、
実施例2で得られた金コロイド粒子で標識した P. 
gingivalis 381株及び HW24D−1
株の線毛抗原に対するモノクローナル抗体溶液に浸漬し
、反応させた。 反応終了後、金コロイド粒子の着色が認められる菌体数
を求めた。その結果を表1に示すが、金コロイド粒子で
標識した P. gingivalis 381株及び
 HW24D−1株の線毛抗原に対するモノクローナル
抗体溶液で検出できる P. gingivalis 
381株及び HW24D−1株の菌体数は2×105
個及び1.0×105個であつた。
【0087】
【表1】                    表1:P. 
gingivalis の検出           
   ──────────────────────
                菌体数(個/テスト
)        判定              
                      ───
────────                 
                    381 株
  HW24D−1 株              
──────────────────────   
                 1.2×107 
          +++      +++   
                 6.4×106 
          +++      +++   
                 3.2×106 
           ++       ++   
                 1.6×106 
           ++       ++   
                 8.0×105 
           ++       ++   
                 4.0×105 
            +        +   
                 2.0×105 
            +        +   
                 1.0×105 
            −        +   
                 5.0×104 
            −        −   
           ──────────────
────────2) P. intermedia 
の検出  P. intermedia ATCC 2
5611株を、ヘミン(5mg/l)及びメナジオン(
1mg/l)添加 GAM ブイヨン培地(日水製薬)
で、37℃、80% N2、10% H       
       ──────────────────
────2、10% CO2という嫌気的条件下で大量
培養後、遠心分離により集菌した。この菌体をリン酸緩
衝生理食塩水に懸濁し、550nm における吸光度を
0.5に合わせ、この菌体浮遊液の菌体濃度を PET
ROFF − HAUSSER and HELBER
 Counting,chamber(Hausser
 Scientific Partnership H
orsham 社製)を用いて求めた。このようにして
得られた菌体浮遊液を稀釈していき、その各稀釈液の2
μlを実施例1で作成した生物学的被検物質採取用具に
吸着させた。そこで、実施例2で得られた金コロイド粒
子で標識した P. intermedia ATCC
 25611株の全菌体に対するモノクローナル抗体溶
液に浸漬し、反応させた。反応終了後、金コロイド粒子
の着色が認められる菌体数を求めた。その結果を表2に
示すが、金コロイド粒子で標識した P. inter
media ATCC 25611株の全菌体に対する
モノクローナル抗体溶液で検出できる P. inte
rmedia ATCC 25611株の菌体数は2×
105個であつた。
【0088】
【表2】                        表2
:P. intermedia の検出       
           ──────────────
──────                   
菌体数(個/テスト)          判定   
               ──────────
──────────               
         1.2×107         
         +++             
           6.4×106       
           +++           
             3.2×106     
              ++         
               1.6×106   
                ++       
                 8.0×105 
                  ++     
                   4.0×10
5                    +   
                     2.0×
105                    + 
                       1.
0×105                    
−                  ──────
──────────────3) A. actin
omycetemcomitans の検出  A. 
actinomycetemcomitans ATC
C 29523株、Y 4株、及び、NCTC 971
0株は、Todd − Hewitt broth(D
ifco Laboratories)に1%酵母エキ
スを添加                  ───
────────────────した培地で、37℃
、5% CO2という嫌気的条件下で大量培養後、遠心
分離により集菌した。この菌体をリン酸緩衝生理食塩水
に懸濁し、550nm における吸光度を0.5に合わ
せ、この菌体浮遊液の菌体濃度をPETROFF − 
HAUSSER andHELBER Countin
g chamber(Hausser Scienti
fic Partnership Horsham 社
製)を用いて求めた。 このようにして得られた菌体浮遊液を稀釈していき、そ
の各稀釈液の2μl を実施例1で作成した生物学的被
検物質採取用具に吸着させた。そこで、実施例2で得ら
れた金コロイド粒子で標識した A. actinom
ycetemcomitansATCC 29523株
、Y 4株及び NCTC 9710株の多糖抗原に対
するモノクローナル抗体溶液に浸漬し、反応させた。反
応終了後、金コロイド粒子の着色が認められる菌体数を
求めた。その結果を表3に示すが、金コロイド粒子で標
識したA. actinomycetemcomita
ns ATCC 29523株、Y 4株及び NCT
C 9710株の多糖抗原に対するモノクローナル抗体
溶液で検出できる A. actinomycetem
comitans ATCC 29523株・Y 4株
及び NCTC 9710株の菌体数はいずれも2×1
05個であつた。
【0089】
【表3】                  表3:A. ac
tinomycetemcomitans の検出  
    ─────────────────────
──────────        菌体数(個/テ
スト)                 判定   
                       ──
───────────────────      
                      ATC
C 29523 株   Y 4 株   NCTC 
9710 株      ─────────────
──────────────────       
      1.2×107            
+++         +++        ++
+             6.4×106    
        +++         +++  
      +++             3.2
×106             ++      
    ++         ++        
     1.6×106             
++          ++         ++
             8.0×105     
        ++          ++   
      ++             4.0×
105              +       
    +          +         
    2.0×105              
+           +          + 
            1.0×105      
        −           −    
      −      ────────────
───────────────────実施例3   金コロイド標識抗原溶液の調製   E.Y Laboratory, Inc.の金コ
ロイド粒子(G−20:粒径20nm)1ml に0.
      ───────────────────
────────────07 M 炭酸緩衝液(pH
 9.0)を111μl 加えた。 一方、調製例2で得た線毛抗原又は調製例3で得た多糖
抗原各20μg/ml の抗原溶液500μl に0.
07 M 炭酸緩衝液(pH 9.0)を56μl 加
えた。そして、両者を混合し、室温で15分間撹拌した
【0090】次に、ウシ血清アルブミンを10%及びポ
リエチレングリコールを1%含有する0.007 M 
炭酸緩衝液(pH 9.0)を185μl 添加し、室
温で15分間撹拌して、金コロイド標識抗原溶液を得た
【0091】試験例2in vitro での歯周病原
性細菌に対する特異抗体の検出1) P. gingi
valis に対する抗体の検出調製例4で得られた 
P. gingivalis 381株及び HW24
D−1株の線毛抗原に対する抗血清の各稀釈液の2μl
 を、実施例1で作成した生物学的被検物質採取用具に
吸着させた。そこで、実施例3で得られた金コロイド粒
子で標識した P. gingivalis 381株
及び HW24D−1株の線毛抗原溶液に浸漬し、反応
させた。反応終了後、金コロイド粒子の着色が認められ
る抗体の稀釈率を求めた。その結果を表4に示すが、金
コロイド粒子で標識した  P. gingivali
s 381株及び HW24D−1株の線毛抗原溶液で
検出できるP. gingivalis 381株及び
 HW24D−1株の線毛抗原に対する抗体の稀釈率は
血清レベルの 1/1000 であつた。
【0092】
【表4】                   表4:P. g
ingivalis に対する抗体の検出      
        ─────────────────
───────               抗血清
の稀釈率             判定      
                         
                         
 ───────────────         
                        3
81 株    HW24D−1株         
     ────────────────────
────                   1/
10            +++        
 +++                   1/
100            ++        
  ++                   1/
1000            +        
   +                   1/
10000           −        
   −              ───────
─────────────────2)  A. a
ctinomycetemcomitans に対する
抗体の検出調製例4で得られた A. actinom
ycetemcomitans ATCC 29523
株、Y 4株、及び、NCTC 9710株の多糖抗原
に対する抗血清の各稀釈液の2μl を、実施例1で作
成した生物学的被検物質採取用具に吸着させた。そこで
、実施例3で得られた金コロイド粒子で標識した A.
 actinomycetemcomitans AT
CC 29523株、Y 4株及び NCTC 971
0株の多糖抗原溶液に浸漬し、反応させた。反応終了後
、金コロイド粒子の着色が認められる抗体の稀釈率を求
めた。その結果を表5に示すが、金コロイド粒子で標識
した  A. actinomycetemcomit
ans ATCC 29523株、Y 4株及び NC
TC 9710株の多糖抗原溶液で検出できる A. 
actinomycetemcomitans ATC
C 29523株、Y 4株及びNCTC 9710株
の多糖抗原に対する抗体の稀釈率は血清ラベルの1/1
000であつた。
【0093】
【表5】             表5:A. actinom
ycetemcomitans に対する抗体の検出 
     ────────────────────
───────────        抗血清の稀釈
率                    判定  
                      ───
───────────────────      
                    ATCC 
29523 株    Y 4株    NCTC 9
710 株      ──────────────
─────────────────        
    1/10              +++
           +++          +
++            1/100      
        ++            ++ 
          ++            1
/1000              +     
        +            +   
         1/10000         
    −             −      
      −      ────────────
───────────────────実施例4   金コロイド標識抗体による成人性歯周炎患者菌肉溝
液中の P. gingivalis の      
─────────────────────────
──────検出健常者3名と成人性歯周炎患者6名の
歯肉溝液を、実施例1で作成した生物学的被検物質採取
用具で採取し、まず、実施例2で得た金コロイド粒子で
標識したP. gingivalis 381株の線毛
抗原に対するモノクローナル抗体溶液に浸漬し、室温で
5〜15分間反応させた後、採取用具を取り出し、蒸留
水で洗浄した。そこで、採取用具の歯肉溝液が吸着した
部分が、金コロイド粒子の色である赤紫色に染まつた場
合を陽性、染まらなかつた場合を陰性と判定した。次に
、同様にして、実施例2で得た金コロイド粒子で標識し
たP. gingivalis HW24D−1株の線
毛抗原に対するモノクローナル抗体溶液と反応させ、判
定した。
【0094】また、同時に、健常者3名と成人性歯周炎
患者6名の歯肉溝液中の P. gingivalis
 の同定を下記のようにして行つた。
【0095】即ち、市販の紙製コヨリ(ペーパーポイン
ト)に吸収させた歯肉溝液を輸送培地(RTF:Red
uced Transfer Fluid)に懸濁して
回収し、ウサギ脱繊血、ヘミン及びメナジオンを含む 
CDC 培地(Control Disease Ce
nter 開発)に播種し、嫌気条件下で数日間培養し
た。生育の見られたコロニーのうち、黒色化したコロニ
ーを選び、これを分離し、純培養後、Rap ID A
NA System(McDONNELL DOUGL
AS社製)により、同定試験を行つた。更に、P. g
ingivalis と同定されたものの培養上清をガ
スクロマトグラフイーにかけ、フエニル酢酸の産生を調
べることにより、P. gingivalis である
ことの再認識を行つた。
【0096】以下にその結果を示す。表6に示すように
、健常者(3名)の歯肉溝液では、金コロイド粒子によ
る着色は認めず、すべて陰性の結果を示した。また、歯
肉溝液中に存在する細菌の同定試験では P. gin
givalis は認められなかつた。一方、成人性歯
周病患者(6名)の歯肉溝液では、6名中4名に金コロ
イド粒子で標識した P. gingivalis 3
81株の線毛抗原に対するモノクローナル抗体溶液との
反応が見られ、更に、金コロイド粒子で標識した P.
 gingivalis HW24D−1株の線毛抗原
に対するモノクローナル抗体溶液と反応させるとすべて
の成人性歯周炎患者で、金コロイド粒子による着色が認
められ、すべて陽性の結果を示した。また、歯肉溝液中
に存在する細菌の同定試験では、P. gingiva
lis を認めた。
【0097】
【表6】               表6:歯肉溝液中の P
. gingivalis の検出  ───────
─────────────────────────
─    被検者No.   金コロイド標識抗体との
反応      培養法による同定         
     ────────────────    
               381 株   HW
24D−1 株  ────────────────
─────────────────    健常者 
 1        −            − 
                    無    
                      2  
      −            −     
                無        
                  3      
  −            −         
            無    患者    1 
       −            +    
                 有       
     2       ++          
 ++                     有
                        3
       ++           ++   
                  有      
              4        − 
          ++             
        有                
    5        +           
++                     有 
                   6     
   +            +        
             有           
     ────────────────────
─────────────実施例5     金コロイド標識抗体による成人性歯周炎患者歯肉溝
液中の P. intermedia の  検出   ───────────────────────
──────────健常者3名と成人性歯周炎患者6
名の歯肉溝液を、実施例1で得た生物学的被検物質採取
用具で採取し、実施例2で得た金コロイド粒子で標識し
た P.intermedia ATCC 25611
株の全菌体に対する抗血清溶液に浸漬し、反応させた。 室温で5〜15分間反応させた後、採取用具を取り出し
、蒸留水で洗浄した。そこで、採取用具の歯肉溝液が吸
着した部分が、金コロイド粒子の色である赤紫色に染ま
つた場合を陽性、染まらなかつた場合を陰性と判定した
【0098】また、同時に、健常者3名と成人性歯周炎
患者6名の歯肉溝液中の P. intermedia
 の同定を実施例4の P.gingivalis の
検出と同様にして行つた。
【0099】即ち、市販の紙製コヨリ(ペーパーポイン
ト)に吸収させた歯肉溝液を輸送培地(RTF:Red
uced Transfer Fluid)に懸濁して
回収し、ウサギ脱繊血、ヘミン及びメナジオンを含む 
CDC 培地(Control Disease Ce
nter 開発)に播種し、嫌気条件下で数日間培養し
た。生育の見られたコロニーのうち、黒色化したコロニ
ーを選び、これを分離し、純培養後、Rap ID A
NA System(McDONNELL DOUGL
AS社製)により、同定試験を行つた。
【0100】以下にその結果を示す。表7に示すように
、健常者(3名)の歯肉溝液では、金コロイド粒子によ
る着色は認めず、すべて陰性の結果を示した。また、歯
肉溝液中に存在する細菌の同定試験では、P. int
ermedia 認められなかつた。一方、成人性歯周
病患者(6名)の歯肉溝液では、金コロイド粒子による
着色が認められ、すべて陽性の結果を示した。また、歯
肉溝液中に存在する細菌の同定試験では、P. int
ermedia を認めた。
【0101】
【表7】                 表7:歯肉溝液中の
 P. intermedia の検出  ─────
─────────────────────────
─    被検者No.   金コロイド標識抗体との
反応   培養法による同定  ──────────
─────────────────────    
健常者 1                −   
                    無    
       2                −
                       無 
          3              
  −                      
 無    患  者 1             
  ++                     
  有           2          
      +                  
     有           3       
         +               
        有           4    
           ++            
           有           5 
              ++         
              有          
 6               ++      
                 有  ─────
─────────────────────────
─実施例6     金コロイド標識抗体による限局性若年性歯周炎患者
歯肉溝液中の A. actinomy  cetem
comitans の検出  ───────────
────────────────────健常者3名
と限局性若年性歯周炎患者6名の歯肉溝液を、実施例1
で得た生物学的被検物質採取用具で採取し、実施例2で
得た金コロイド粒子で標識した A.actinomy
cetemcomitans ATCC 29523株
、Y 4株及び NCTC 9710株の多糖抗原に対
するモノクローナル抗体溶液を混合後、浸漬し、反応さ
せた。室温で5〜15分間反応させた後、採取用具を取
り出し、蒸留水で洗浄した。そこで、採取用具の歯肉溝
液が吸着した部分が、金コロイド粒子の色である赤紫色
に染まつた場合を陽性、染まらなかつた場合を陰性と判
定した。
【0102】また、同時に、健常者3名と限局性若年性
歯周炎患者6名の歯肉溝液中の A.actinomy
cetemcomitans の同定を実施例4の P
. gingivalis の検出と同様にして行つた
【0103】即ち、市販の紙製コヨリ(ペーパーポイン
ト)に吸収させた歯肉溝液を輸送培地(RTF:Red
uced Transfer Fluid)に懸濁して
回収し、ウサギ脱繊血、ヘミン及びメナジオンを含む 
CDC 培地(Control Disease Ce
nter 開発)に播種し、嫌気条件下で数日間培養し
た。生育の見られたコロニーを選び、これを分離し、純
培養後、Rap ID ANA System(McD
ONNELL DOUGLAS 社製)により、同定試
験を行つた。
【0104】以下にその結果を示す。表8に示すように
、健常者(3名)の歯肉溝液では、金コロイド粒子によ
る着色は認めず、すべて陰性の結果を示した。また、歯
肉溝液中に存在する細菌の同定試験では、A. act
inomycetemcomitans は認められな
かつた。一方、限局性若年性歯周病患者(6名)の歯肉
溝液では、金コロイド粒子による着色が認められ、すべ
て陽性の結果を示した。 また、歯肉溝液中に存在する細菌の同定試験では、A.
 actinomycetemcomitans を認
めた。
【0105】
【表8】表8:歯肉溝液中の A. actinomy
cetemcomitans の検出     ─────────────────────
───────────      被検者No.  
 金コロイド標識抗体との反応   培養法による同定
    ─────────────────────
───────────      健常者 1   
             −           
             無           
  2                −     
                   無     
        3                
−                        
無      患  者 1            
    +                    
    無             2      
          +              
          有             3
                +        
                有        
     4                +  
                      有  
           5             
   +                     
   有             6       
         +               
         有    ───────────
─────────────────────実施例7
     金コロイド標識線毛抗原による成人性歯周病患者歯
肉溝液中の P. gingivalis  に対する
抗体の検出     ─────────────────────
───────────健常者3名と成人性歯周炎患者
6名の歯肉溝液を、実施例1で得た生物学的被検物質採
取用具で採取し、実施例3で得た金コロイド粒子で標識
した P.gingivalis 381株及び HW
24D−1株の線毛抗原溶液を混合後、浸漬し、反応さ
せた。室温で5〜15分間反応させた後、採取用具を取
り出し、蒸留水で洗浄した。そこで、採取用具の歯肉溝
液が吸着した部分が、金コロイド粒子の色である赤紫色
に染まつた場合を陽性、染まらなかつた場合を陰性と判
定した。
【0106】また、同時に、健常者3名と成人性歯周炎
患者6名の歯肉溝液中の P. gingivalis
 の線毛抗原に対する抗体の検出を ELISA 法を
用いて、下記のようにして行つた。
【0107】まず、炭酸緩衝液(pH 9.0)に溶解
した P. gingivalis 381株、及び、
HW24D−1株の線毛抗原を、ELISA 用プレー
トの各ウエルに1μg ずつ分注し、4℃で一晩放置し
た。翌日、Tween 20を含むリン酸緩衝生理食塩
水(PBST)で洗浄した後、10%ヤギ血清を含む 
PBST で、室温、1時間放置し、ブロツキングをし
た。次に、市販の紙製コヨリ(ペーパーポイント)にあ
らかじめ採取しておいた歯肉溝液を、PBST に溶か
し出して回収したものを加えた。37℃で1時間反応さ
せた後、アルカリフオスフアターゼ標識抗ヒトIg (
G+M+A)を加え、37℃で1時間反応させた。次に
、PBST でよく洗浄した後に、p−Nitroph
enylphosphate を含む基質溶液を加え、
37℃で30分間反応させた。 そこで、吸光度を測定し、その発色の程度により、被検
体中の P. gingivalis の線毛抗原に対
する抗体の検出をした。
【0108】以下にその結果を示す。表9に示すように
、健常者(3名)の歯肉溝液では、金コロイド粒子によ
る着色は認めず、すべて陰性の結果を示した。また、E
LISA法による歯肉溝液中に存在する P. gin
givalis の線毛抗原に対する抗体の検出では、
P.  gingivalis の線毛抗原に対する抗
体は認められなかつた。一方、成人性歯周炎患者(6名
)の歯肉溝液では、金コロイド粒子による着色が認めら
れ、すべて陽性の結果を示した。また、ELISA 法
による歯肉溝液中に存在する P. gingival
is の線毛抗原に対する抗体の検出では、P. gi
ngivalis の線毛抗原に対する抗体を認めた。
【0109】
【表9】           表9:歯肉溝液中の P. gi
ngivalis に対する抗体の検出    ───
─────────────────────────
──      被検者No.   金コロイド標識線
毛抗原との反応    ELISA 法    ───
─────────────────────────
──      健常者 1            
       −                 
    −             2      
             −           
          −             3
                   −     
                −      患 
 者 1                  ++ 
                   ++    
         2               
    +                    
 +             3         
          +              
       +             4   
               ++        
            ++           
  5                   +  
                  ++     
        6                
   +                    +
+    ────────────────────
──────────実施例8 金コロイド標識多糖抗原による限局性若年性歯周炎患者
歯肉溝液中の A. actinomycetemco
mitans に対する抗対の検出健常者3名と限局性
若年性歯周炎患者6名の歯肉溝液を、実施例1で得た生
物学的被検物質採取用具で採取し、実施例3で得た金コ
ロイド粒子で標識した A. actinomycet
emcomitans ATCC29523株、Y 4
株及び NCTC 9710株の多糖抗原溶液を混合後
、浸漬し、反応させた。室温で5〜15分間反応させた
後、採取用具を取り出し、蒸留水で洗浄した。そこで、
採取用具の歯肉溝液が吸着した部分が、金コロイド粒子
の色である赤紫色に染まつた場合を陽性、染まらなかつ
た場合を陰性と判定した。
【0110】また、同時に、健常者3名と限局性若年性
歯周炎患者6名の歯肉溝液中の A. actinom
ycetemcomitans の多糖抗原に対する抗
体の検出を ELISA 法を用いて、下記のようにし
て行つた。
【0111】まず、炭酸緩衝液(pH 9.0)に溶解
した A. actinomycetemcomita
ns ATCC29523株、Y 4株及び NCTC
 9710株の多糖抗原を、ELISA用プレートの各
ウエルに1μg ずつ分注し、4℃で一晩放置した。 翌日、PBST で洗浄いた後、10%ヤギ血清を含む
 PBST で、室温、1時間放置し、ブロツキングを
した。次に、市販の紙製コヨリ(ペーパーポイント)に
あらかじめ採取しておいた歯肉溝液を、PBST に溶
かし出して回収したものを加えた。37℃で1時間反応
させた後、アルカリフオスフアターゼ標識抗ヒトIg(
G+M+A)を加え、37℃で1時間反応させた。次に
、PBST でよく洗浄した後に、p−Nitroph
enylphosphate を含む基質溶液を加え、
37℃で30分間反応させた。そこで、吸光度を測定し
、その発色の程度により、被検体中の A. acti
nomycetemcomitans に対する抗体の
検出をした。
【0112】以下にその結果を示す。表10に示すよう
に、健常者(3名)の歯肉溝液では、金コロイド粒子に
よる着色は認めず、すべて陰性の結果を示した。また、
ELISA 法による歯肉溝液中に存在する A. a
ctinomycetemcomitans の多糖抗
原に対する抗体の検出では、A. actinomyc
etemcomitans の多糖抗原に対する抗体は
認められなかつた。一方、限局性若年性歯周炎患者(6
名)の歯肉溝液では、金コロイド粒子による着色が認め
られ、すべて陽性の結果を示した。また、ELISA 
法による歯肉溝液中に存在する A. actinom
ycetemcomitans の多糖抗原に対する抗
体の検出では、A. actinomycetemco
mitans の多糖抗原に対する抗体を認めた。
【0113】
【表10】     表10:歯肉溝液中の A. actinom
ycetemcomitans に対する抗体の検出 
 ────────────────────────
───────────      被検者No.  
 金コロイド標識多糖抗原との反応    ELISA
 法  ─────────────────────
──────────────      健常者 1
                  −      
                  −      
       2                 
 −                       
 −             3         
         −               
         −      患  者 1   
               +         
               +         
    2                  + 
                      ++ 
            3            
     ++                  
     ++             4    
              +          
              +          
   5                  +  
                      +  
           6             
     +                   
     +  ─────────────────
────────────────── 実施例9 アルカリフオスフアターゼ標識抗体調製例4で得た各抗
血清又は調製例5で得た各モノクロナール抗体を20m
lになるように0.1 M リン酸緩衝生理食塩水に溶
解する。この抗体溶液2ml に、ZYMED 社製の
アルカリフオスフアターゼ(EIA Grade:01
−2201)40mg を加えて良く溶解する。静かに
撹拌しながら1%グルタルアルデヒドを0.1ml 滴
下し、室温で2時間反応させる。次に、飽和硫安を等量
加えて撹拌する。遠心分離により得られた沈澱を最少量
のリン酸緩衝生理食塩水に溶解し、リン酸緩衝生理食塩
水に透析する。透析終了後、Sephadex G −
200を用いてゲル濾過し、アルカリフオスフアターゼ
標識抗体を得た。
【0114】実施例10アルカリフオスフアターゼ標識
抗原による成人性歯周炎患者歯肉溝液中の P. gi
ngivalis の検出健常者3名と成人性歯周炎患
者6名の歯肉溝液を、実施例1で作成した生物学的被検
物質採取用具で採取し、まず、実施例9で得たアルカリ
フオスフアターゼで標識した P. gingival
is 381株と P. gingivalis HW
24D−1株の線毛抗原に対するモノクロナール抗体溶
液に浸漬し、室温で5〜15分間反応させた後、採取用
具を取り出し、Tween 20を含むリン酸緩衝生理
食塩水で洗浄した。次に、5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドリルフオスフエイトを含む基質溶液に浸漬し、
5〜15分間反応させた。そこで、採取用具の歯肉溝液
が吸着した部分が、青色に染まつた場合を陽性、染まら
なかつた場合を陰性と判定した。
【0115】また、同時に、健常者3名と成人性歯周炎
患者6名の歯肉溝液中の P. gingivalis
 の同定を下記のようにして行つた。
【0116】即ち、市販の紙製コヨリ(ペーパーポイン
ト)に吸収させた歯肉溝液を輸送培地(RTF:Red
uced Transfer Fluid)に懸濁して
回収し、ウサギ脱繊血、ヘミン及びメナジオンを含む 
CDC 培地(Control Disease Ce
nter 開発)に播種し、嫌気条件下で数日間培養し
た。生育の見られたコロニーのうち、黒色化したコロニ
ーを選び、これを分離し、純培養後、Rap ID A
NA System(McDONNELL DOUGL
AS社製)により、同定試験を行つた。更に、P. g
ingivalis と同定されたものの培養上清をガ
スクロマトグラフイーにかけ、フエニル酢酸の産生を調
べることにより、P. gingivalis である
ことの再認識を行つた。
【0117】以下にその結果を示す。表11に示すよう
に、健常者(3名)の歯肉溝液では、着色は認めず、す
べて陰性の結果を示した。また、歯肉溝液中に存在する
細菌の同定試験では、P. gingivalis は
認められなかつた。一方、成人性歯周病患者(6名)の
歯肉溝液では、6名中6名に P. gingival
is の線毛抗原に対するモノクローナル抗体溶液との
反応が見られ、すべて陽性の結果を示した。また、歯肉
溝液中に存在する細菌の同定試験では、P. ging
ivalis を認めた。
【0118】
【表11】                表11:歯肉溝液中の
 P. gingivalis の検出    ───
─────────────────────────
───      被検者No.  アルカリフオスフ
アターゼ    培養法による同定         
            標識抗原との反応     
─────────────────────────
──────      健常者 1        
       −                 
      無             2    
           −             
          無             3
               −         
              無      患  者
 1              ++       
                有        
     2              ++   
                    有    
         3               
+                       有
             4           
    +                    
   有             5       
        +                
       有             6   
           ++            
           有    ─────────
──────────────────────
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の採取用具の一例の概略断面図
である。
【符号の説明】
1  吸収性材料 2  多孔性フイルムコーテイング 3  生物学的被検物質採取部分 4  防水処理部分

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  実質的に水不溶性かつ透水性の多孔性
    フイルムでコーテイングされた吸水性材料からなる生物
    学的被検物質採取部分を有することを特徴とする検体中
    の生物学的被検物質採取用具。
  2. 【請求項2】  少なくとも先端部分が実質的に水不溶
    性かつ透水性の多孔性フイルムでコーテイングされたス
    テイツク状又は短冊状の吸水性材料からなる請求項1記
    載の採取用具。
  3. 【請求項3】  該吸水性材料の生物学的被検物質採取
    部分以外の部分のうち少なくとも検体と接触する可能性
    のある部分の表面が防水処理されている請求項1又は2
    記載の採取用具。
  4. 【請求項4】  吸水性材料が高吸水性セルロース系ポ
    リマー又は高吸水性合成ポリマーよりなるものである請
    求項1〜3のいずれかに記載の採取用具。
  5. 【請求項5】  多孔性フイルムが10ミクロン以下の
    平均孔径を有するものである請求項1〜4のいずれかに
    記載の採取用具。
  6. 【請求項6】  多孔性フイルムが多糖の有機酸もしく
    は無機酸エステル又は多糖の低級アルキルエーテル誘導
    体からなる請求項1〜5のいずれかに記載の採取用具。
  7. 【請求項7】  ステイツク状又は短冊状の吸水性材料
    からなり、該吸水性材料の先端1〜5mmの長さからな
    る生物学的な被検物質採取部分に隣接する少なくとも検
    体と接触する可能性のある部分の表面が防水処理されて
    いることを特徴とする生物学的被検物質採取用具。
  8. 【請求項8】  検体が歯肉溝液、唾液又は歯垢処理液
    であり、生物学的被検物質が歯周病原性細菌又はそれに
    対する抗体である請求項1〜7のいずれかに記載の採取
    用具。
  9. 【請求項9】  請求項1〜7のいずれかに記載の採取
    用具の生物学的被検物質採取部分を検体と接触させた後
    、該生物学的被検物質と特異的に結合しうる標識された
    物質からなる試薬と接触させ、該採取部分に結合した標
    識された試薬を定性的又は定量的に検出することを特徴
    とする検体中の生物学的被検物質の測定方法。
  10. 【請求項10】  検体が歯肉溝液、唾液又は歯垢処理
    液であり、生物学的被検物質が歯周病原性細菌又はそれ
    に対する抗体である請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】  標識された試薬が、着色コロイド粒
    子又は酵素で標識された、歯周病原性細菌の菌体もしく
    はその一部又はそれらに対する抗体である請求項10記
    載の方法。
  12. 【請求項12】  着色コロイド粒子が金コロイドであ
    る請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】  酵素がアルカリフオスフアターゼで
    あり、その基質が5−ブロモ−4−クロロ−3−インド
    リルフオスフエイトである請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】  請求項1〜7のいずれかに記載の採
    取用具と、検体中の検出すべき生物学的被検物質と特異
    的に結合しうる標識された物質からなる試薬との組合わ
    せよりなる検体中の生物学的被検物質の測定用キツト。
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