JPH04354611A - エンドミル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エンドミルに係り、特
に深溝加工に適したエンドミルに関する。

【０００２】

【従来の技術・発明の解決課題】一般に、エンドミルは
片持ち状態で使用される回転軸状工具であり、被削物に
対して溝などを切削形成させるため、切削抵抗は工具軸
に直交する方向へ作用することになり、まさに片持ちは
りの曲げ試験のような状況にて使用される。そのため工
具剛性が性能に極めて大きく影響する。このような使用
上の特性を考慮し、従来のエンドミルでは、切り屑排出
のためのチップポケットの肉部に対する断面積比が例え
ばドリルに比べて非常に小さくされており、このことに
よって必要な工具剛性を達成している。

【０００３】しかしながら、深い溝、通常はエンドミル
の工具径の０．５倍以上の深さの溝を切削加工する場合
、切り屑の量が多くなるため、上述のような小さいチッ
プポケットのエンドミルでは切り屑が工具と仕上げ面と
の間で噛み込みが激しくなり、仕上げ面のキズやムシレ
、あるいは工具切刃のチッピング等の不具合を生じる。 このように、工具剛性と切り屑排出性という相矛盾した
性質が要求される。

【０００４】そこで、上述のような深溝加工を行う場合
の対策として、従来では心厚を小さくしてチップポケッ
トを大きくしたものが、アルミや銅のような切削抵抗の
小さいものに被削材を限定して使用されたり、あるいは
先端部側の心厚を小さくして、根元側の心厚を大きくし
た、心厚テーパを持たせたものが採用されたりしている
。

【０００５】ところが心厚テーパ型のエンドミルでは、
すくい面から溝そこの丸みにかけての、切削に最も関与
する領域である切刃部の形状が心厚と共に変化すること
になり、切刃の切れ味が先端部から根元側にかけて一様
でなくなってしまう。また、再研磨においても心厚のテ
ーパを考慮しなければならず、外径の精度（ストレート
度）や捩れ角が一定しなくなるという問題がある。

【０００６】本発明は上述のごとき従来の技術的課題に
鑑み、これを有効に解決すべく創案されたものである。 したがって本発明の目的は、切り屑排出性と工具剛性と
のバランスが良く、また加工能率も良く、特に深溝加工
に優れたエンドミルを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るエンドミル
は、上述のごとき従来技術の課題を解決し、その目的を
達成するために以下のような構成を備えている。即ち、
刃長部の全域にわたって心厚が一定であり、チップポケ
ットの溝底部からヒール部にかけての肉部に、該刃長部
の根元側から先端側へ向かって漸次削減されるようにテ
ーパが付されている。上記テーパが付される肉部は、上
記刃長部の途中から先端側へ向かう領域に形成されても
よい。

【０００８】

【作用および発明の効果】本発明に係るエンドミルでは
、心厚が刃長部の全域にわたって一定であるので、外周
切刃の刃裏からチップポケットの底部に至るすくい面の
形状は刃長部の全域にわたって一定となり、その切れ味
を全刃長域にわたって一定にする。しかも軸直角断面形
状におけるチップポケットの大きさは、刃長部の先端側
ほどヒール部側の箇所において大きくなるので、切り屑
の排出性が高められ、且つテーパ形状により工具剛性も
高められる。特にチップポケットの大きさは切り屑が最
もたまる底刃側、すなわち先端側で最大になるので、切
り屑詰まりを有効に防止できる。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の一実施例に係るエンドミルに
ついて、図１から図４を参照して説明する。一実施例と
して、全長１００ｍｍ、刃部長３２ｍｍ、工具径１６ｍ
ｍ、の２枚刃エンドミルの場合を示す。本実施例のエン
ドミルでは、図１および図２にハッチングで示す部分は
、通常のエンドミルの肉部から削除されて新たに残され
た肉部１（以下、削除肉部と称す）である。この削除肉
部１は全刃長領域２にわたって形成されており、軸直角
断面形状で見ると、チップポケット３の溝底部４からヒ
ール部５にいたる部分である。この削除肉部１は、軸直
角断面形状として表されるチップポケツト３の大きさが
根元側ほど小さくなるように、すなわち削除量が徐々に
少なくなるようにしてテーパが付されている。削除肉部
１は、先端側で僅かに心厚部分６にかかっている程度で
あり、実質的な心厚部分６は大略完全に残されているの
で、工具剛性の低下は従来の心厚テーパ型に比して遜色
はなく、むしろ良好である。なお、図２において破線で
示す形状は、図１における刃長部２の最も根元側の部分
の肉部の軸直角断面形状である。

【００１０】外周切刃７のすくい面８から溝底部４にい
たる部分の溝内周面形状は、全刃長領域２にわたって従
来のエンドミルのままに残されて一定している。その結
果、外周切刃７の切削性も全刃長領域２にわたって一定
している。しかもチップポケット３の大きさは先端側ほ
ど大きくされており、切り屑の排出性は高められている
。

【００１１】上述の実施例では、全刃長領域２にわたっ
て削除肉部１を形成しているが、深溝加工であっても溝
深さが決まっている場合には、例えば図３および図４に
示すように、その溝深さに合わせた軸方向長さの領域２
’にのみ削除肉部１１を形成することも可能である。 この実施例では、削除される領域は先端から切り上げ部
に向かって１６ｍｍの軸方向長さの部分２’であり、切
刃長の半分、工具径に対しては同寸法である。このよう
に構成することで、削除肉部１１を不必要に大きくする
ことなく、工具剛性を最大限に高くできる。なお、図４
において破線で示す形状は、図３における領域２’の最
も根元側の部分の肉部の軸直角断面形状である。図中１
３はチップポケット、１４は溝底部、１５はヒール部、
１６は心厚部分、１７は外周切刃、１８はすくい面であ
る。

【００１２】なお、上述の削除領域が１６ｍｍの実施例
について、従来のエンドミルと切削性能の比較を行った
が、本実施例のエンドミルは送り速度で約１．７倍の加
工能率向上を図り、しかも加工した溝の側面のキズやム
シレ等の仕上げ面粗さについても従来品よりはるかに良
好であった。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の一実施例に係るエンドミルの側面
図である。

【図２】　　図１のエンドミルを軸方向に見てそのチッ
プポケット形状および肉部形状を説明する図である。

【図３】　　本発明の他の一実施例に係るエンドミルの
側面図である。

【図４】　　図３のエンドミルを軸方向に見てそのチッ
プポケット形状および肉部形状を説明する図である。

【符号の説明】

１　　肉部 ２　　刃長部 ３　　チップポケット ４　　溝底部 ５　　ヒール部 ６　　心厚

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　刃長部（２）の全域にわたって心厚（
   ６）が一定であり、チップポケット（３）の溝底部（４
   ）からヒール部（５）にかけての肉部（１）に、該刃長
   部（２）の根元側から先端側へ向かって漸次削減される
   ようにテーパが付されていることを特徴とするエンドミ
   ル。
2. 【請求項２】　　上記テーパが付される肉部（１）は、
   上記刃長部（２）の途中から先端側へ向かう領域（２’
   ）に形成される請求項１記載のエンドミル。