JPH04350670A - 平版印刷用原版の製造方法 - Google Patents

平版印刷用原版の製造方法

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JPH04350670A
JPH04350670A JP12378391A JP12378391A JPH04350670A JP H04350670 A JPH04350670 A JP H04350670A JP 12378391 A JP12378391 A JP 12378391A JP 12378391 A JP12378391 A JP 12378391A JP H04350670 A JPH04350670 A JP H04350670A
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JP
Japan
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group
resin particles
resin
monomer
original plate
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Pending
Application number
JP12378391A
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English (en)
Inventor
Eiichi Kato
栄一 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式で製版さ
れる電子写真式平版印刷用原版の製造方法に関するもの
であり、特に、光導電層形成用組成物を改良した平版印
刷用原版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在ダイレクト製版用のオフセット原版
には多種のものが提案され且つ実用化されているが、な
かでも、導電性支持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒
子及び結着樹脂を主成分とした光導電層を設けた感光体
を通常の電子写真工程を経て、感光体表面に親油性の高
いトナー画像を形成させ、続いて該表面をエッチ液と言
われる不感脂化液で処理し非画像部分を選択的に親水化
することによってオフセット原版を得る技術が広く用い
られている。
【0003】良好な印刷物を得るには、先ずオフセット
原版に画像が忠実に複写されると共に、感光体表面が不
感脂処理液となじみ易く、非画像部が充分に親水化され
ると同時に耐水性を有し、更に印刷においては画像を有
する表面導電層が離脱しないこと、及び湿し水とのなじ
みがよく、印刷枚数が多くなっても汚れが発生しないよ
うに充分に非画像部の親水性が保持されること等の性能
を有する必要がある。これらの性能には、光導電層中の
酸化亜鉛と結着樹脂の比率が影響することは、既に知ら
れており、例えば、光導電層の酸化亜鉛粒子に対する結
着樹脂の比率を小さくすれば、光導電層表面の不感脂化
性が向上し、地汚れは少なくなるが、他方で光導電層自
体の内部凝集力が低下し、機械的強度不足による耐刷力
の低下が生じる。逆に、結着樹脂の比率を大きくすると
、耐刷力は向上するが、地汚れが増大する。特に地汚れ
は光導電層表面の不感脂化性の良否に関係する現象であ
ることは言うまでもないが、光導電層表面の不感脂化性
は、光導電層中の酸化亜鉛と結着樹脂の比率のみによっ
て左右されるものではなく、結着樹脂の種類によっても
、大きく左右されることが明らかになってきている。
【0004】特に、オフセット原版としては、前記のよ
うに不感脂化性不充分による地汚れ発生が大きな問題で
あり、これを改良するために、不感脂化性を向上させる
酸化亜鉛結着用樹脂の開発が種々検討されてきている。 例えば、特公昭50−31011号公報では、フマル酸
存在下で(メタ)アクリレート系モノマーと他のモノマ
ーとを共重合させた、重量平均分子量(Mw)が1.8
×104 〜10×104 で、ガラス転移点(Tg)
が10℃〜80℃の樹脂と、(メタ)アクリレート系モ
ノマーとフマル酸以外の他のモノマーとから成る共重合
体とを併用したもの、また特開昭53−54027号公
報では、カルボン酸基をエステル結合から少なくとも原
子数7個離れた位置に置換基を有する(メタ)アクリレ
ート酸エステルを含む3元共重合体を用いるもの、また
特開昭54−20735、同57−202544各号公
報では、アクリル酸及びヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートを含む4元又は5元共重合体を用いるもの、ま
た特開昭58−68046号公報では、炭素数6〜12
のアルキル基を置換基とする(メタ)アクリル酸エステ
ル及びカルボン酸含有のビニルモノマーを含む3元共重
合体を用いるもの等が光導電層の不感脂化性の向上に効
果があると記載されている。
【0005】しかし、上記した不感脂化性向上に効果が
あるとされる樹脂であっても、現実に評価してみると、
地汚れ、耐刷力において未だ満足できるものではなかっ
た。一方、結着樹脂として、分解により親水性基を生成
する官能基を含有する樹脂を用いるものが検討されてお
り、例えば分解によりヒドロキシル基を生成する官能基
を含有するもの(特開昭62−195684、同62−
210475、同62−210476各号公報)や、分
解によりカルボキシル基を生成する官能基を含有するも
の(特開昭62−212669号公報)等が開示されて
いる。
【0006】更には、酸化亜鉛含有の光導電層中に、分
解により親水性基を生成する官能基を含有し、更に高次
の網目構造を形成した微小粒径の樹脂粒子を少量併用す
るものが検討されており、例えば分解によりカルボキシ
ル基を生成する官能基を含有するもの(特開平1−26
1658、同1−266547各号公報)、分解により
ヒドロキシル基を生成する官能基を含有するもの(特開
平1−284856号公報)、分解によりスルホ基、ホ
スホノ基等を生成する官能基を含有するもの(特開平1
−287571号公報)等が開示されている。
【0007】これらの結着樹脂あるいは樹脂粒子は不感
脂化液又は印刷時に用いる湿し水により加水分解又は加
水素分解されて親水性基を生成するものである。いずれ
の場合も、親水性基自身をはじめから含有した際に生じ
る電子写真特性の悪化(暗電荷保持量や光感度)等を回
避できると共に、不感脂化液により親水化される非画像
部の親水性が結着樹脂中あるいは樹脂粒子中において分
解により生成される上記親水性基によってより一層高め
られるため、画像部の親油性と非画像部の親水性が明確
となり、印刷時に非画像部に印刷インキが付着するのを
防止し、その結果として地汚れのない鮮明な画質の印刷
物を多数枚印刷することが可能となると記載されている
【0008】これら、光導電性組成物を改良することで
明らかに保水性は、著しく向上することが確認された。 しかし、平版印刷用原版として更に詳細に評価してみる
と、環境変動(高温・高湿あるいは低温・低湿)により
、特に電子写真特性(特に暗中電荷保持性、光感度等)
が変動し、安定した良好な複写画像ガ得られなくなる場
合が生じた。あるいはまた、ワラ判紙等白地に懸念のあ
る紙を用いた原稿、写真の様な細密な網点画像を含む原
稿等を用いたりすると、良好な複写画像が得られなくな
る場合も生じた。こうした点から、結果としてこれらを
印刷用原版として用いた印刷物の印刷画像の劣化あるい
は、地汚れ防止効果の減少となってしまった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の電子写真式平版印刷用原版の有する問題点を改
良するものである。すなわち、本発明の目的一つは、静
電特性(特に暗電荷保持性及び光感度)に優れ、原画に
対して忠実な複写画像を再現し、且つオフセット原版と
して全面一様な地汚れは勿論、点状に地汚れをも発生さ
せない、不感脂性の優れた平版印刷用原版を提供するこ
とである。
【0010】本発明の他の目的は、複写画像形成時の環
境が低温・低湿あるいは高温・高湿にように変動する場
合でも、鮮明で良質な画像を有する平版印刷用原版を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を導電
性支持体上に、光導電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有し
てなる光導電層を少なくとも1層設けてなる電子写真式
平版印刷用原版において、該光導電層中に前記光導電性
酸化亜鉛粒子の最大粒子径と同じかそれより小さい粒子
径を有する下記の非水溶媒系分散樹脂粒子を少なくとも
1種含有することを特徴とする電子写真感光体を、画像
露光してトナー画像を形成した後に、当該トナー画像部
以外の非画像部の光導電層を少なくともパーソンの求核
定数nが5.5以上の値を有する親水性化合物を含有す
る処理液で不感脂化処理することにより、印刷原版とす
ることを特徴とする平版印刷用原版の製造方法によって
達成される。
【0012】非水溶媒系分散樹脂粒子〔L〕としては、
非水溶媒系中で、ホルミル基及び下記一般式(1)で示
される官能基を少なくとも1種有する一官能性単量体〔
A〕とケイ素原子及び/又はフッ素原子を含有する置換
基を含み且つ該単量体〔A〕と共重合する一官能性単量
体〔B〕とを該非水溶媒に可溶性の分散安定用樹脂の存
在下に分散重合反応させることにより得られる共重合体
樹脂粒子であることを特徴とする。
【0013】
【化03】
【0014】(ただし、上記一般式(1)において、R
1 、R2は各々同じでも異なってよく、炭化水素基を
表すか、又はR1 、R2 はお互いに連結して環を形
成した有機残基を表す)又、上記非水溶媒系分散樹脂粒
子が高次の網目構造を形成している粒子であることが好
ましい。更には、上記分散安定用樹脂が、高分子鎖中に
、下記一般式(2)で示される重合性二重結合基部分を
少なくとも1種含有していることが好ましい。
【0015】
【化04】
【0016】
【作用】本発明は、光導電性酸化亜鉛を含有する光導電
層を最上層に設けた感光体であり、且つ該光導電層の非
画像部を不感脂化処理することで親水化し印刷用原版と
して用いる電子写真式製版システム用の原版を提供する
ものである。
【0017】本発明の光導電層は、少なくとも光導電性
酸化亜鉛粒子、結着樹脂及び非水溶媒系分散樹脂粒子(
以下、樹脂粒子〔L〕と称する場合もある)を各々含有
することを特徴とするものである。
【0018】本発明に供される樹脂粒子〔L〕は、その
平均粒子径が光導電性酸化亜鉛粒子の最大粒子径と同じ
か、それよりも小さくかつ粒子径の分布が狭く粒子径が
そろっているもので、樹脂粒子〔L〕の特徴として、重
要な性質を少なくとも2つ持つものである。その1つは
求核反応性の親水性化合物を少なくとも1種含有する処
理液で処理したときに、樹脂粒子のホルミル基及び上記
一般式(1)で示される官能基の末端に求核反応性の親
水性化合物が付加反応できるものであり、これにより該
粒子は親水性を発現できると同時に、樹脂粒子中に架橋
構造を有する場合には、このとき親水性を有しつつ水に
対しても不溶もしくは難溶で且つ水膨潤性を有する。
【0019】他の1つとしては、フッ素原子及び/又は
ケイ素原子を少なくとも1個以上含有する置換基を含む
繰り単位を含む重合体を結合して成ることで、該光導電
層表面部分に移行・濃縮現象を生じることを特徴とする
ものである。なお、これらフッ素原子及び/又はケイ素
原子含有の分散安定用樹脂としての重合体は、不溶性成
分と物理化学的に吸着して成る又は上記一般式(2)で
示される重合性二重結合基部分含有の分散安定用樹脂の
場合には、両重合体成分が化学結合して成ることを特徴
とするものである。
【0020】本発明の樹脂粒子〔L〕が、求核反応性の
親水性化合物による親水化されるメカニズムは求核性の
親水性化合物として亜硫酸イオンの場合を代表例として
、下記反応式(1)に示す。
【0021】
【化05】
【0022】
【化06】
【0023】すなわち、本発明の樹脂粒子は平版印刷用
原版として非画像部を不感脂化処理する際にのみ、処理
液中のパーソンの求核定数nが5.5以上という求核反
応性の親水性化合物と上記のように反応することによっ
て末端に親水性基を付加し、これにより親水性を発現す
る、このように処理液によって親水性化させることを特
徴としており、大気中の水分とは反応しないので保存性
に関しては全く懸念される問題はない。
【0024】一方、処理液中のパーソンの求核定数nが
5.5以下の場合には、親水化反応がまったく進行しな
いあるいは印刷原版としての親水性が不足し、地汚れが
著しくなってしまう。
【0025】そして、本発明に係るホルミル基は求核性
化合物と非常に速やかに反応する官能基であることから
、迅速な親水性の発現が可能となるものである。
【0026】更には、一般式(1)で示される官能基は
、反応式(1)で示される如く、酸処理により脱アセタ
ール化反応が容易に進行し、ホルミル基に変換すること
ができることから、又ホルミル基と同様に用いることが
できるものである。
【0027】更に、該樹脂粒子〔L〕における不溶性の
重合体成分には上記の求核反応により親水性を発現する
官能基含有成分とともに、フッ素原子及び/又はケイ素
原子を含有する置換基をもつ重合体成分を結合して成る
ことを特徴とするものである。好ましくはフッ素原子と
ケイ素原子は置換基中2個以上含有される。
【0028】平版印刷用原版としては、非画像部の表面
部分が充分に親水化されていることが重要であるのに対
して、前記の分解反応により親水性基を生成する型の公
知の樹脂あるいは樹脂粒子は、光導電層の全体に均一に
分散されたものである。従って、該公知の樹脂あるいは
樹脂粒子において、表面を充分に親水化するためには表
面層全体に且つ多くの存在割合で親水性基生成官能基が
存在して初めて印刷可能な親水化状態になる。
【0029】これらに対し、本発明の樹脂粒子〔L〕は
、表面層である光導電層中において、極めて親油性の高
いフッ素原子及び/又はケイ素原子含有成分を含むこと
から、表面層の表面部分に移行・濃縮して存在するよう
になる。
【0030】このことにより、不感脂化処理で求核反応
を生じ親水性を発現する樹脂粒子〔L〕が表面部分に存
在し、有効な表面層の親水性を発現することができる様
になった。更には架橋構造を有する粒子では吸水能を有
することから保水性がより高められる。ここでフッ素原
子及び/又はケイ素原子を含有する置換基を含む単量体
(B)中において、フッ素原子とケイ素原子の総数が2
個以上存在しないと該樹脂粒子の表面濃縮効果が充分に
果たされず、本発明の効果が有効とならない。更に好ま
しくは、フッ素原子のみを含有する場合は、その総数が
4個以上、ケイ素原子が存在する場合はケイ素原子の総
数が2個以上が有効となる。
【0031】又、本発明の樹脂粒子は、分散安定用樹脂
である重合体部分が不溶化している重合体部分と物理化
学的あるいは化学的に結合していることから該光導電層
の結着樹脂と相互作用する。更に光及び熱硬化性官能基
を含有する成分を分散安定用樹脂に含む場合には、それ
自身及び結着樹脂と化学結合すること等から不感脂化処
理で親水性に改質された樹脂粒子の該光導電層からの溶
出が抑制され、非画像部の保水性効果が充分に保持され
るようになる。
【0032】又、本発明の該非水溶媒系分散樹脂粒子は
その平均粒子径が光導電性酸化亜鉛粒子の最大径と同じ
か、それよりも小さく且つ粒子径が揃っていることも特
徴とするものである。
【0033】光導電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有する
光導電層の非画像部を不感脂化液で処理することにより
表面を親水化して平版印刷用原版とする方式の印刷用原
版において、本発明の樹脂粒子は上記のように表面部分
に濃縮して存在することから、少量(公知の親水性樹脂
粒子の技術に比べ50%〜10%の使用量)を分散させ
るだけで非画像部の保水性が飛躍的に向上するものであ
る。更に、光導電層中での存在量が微量で済むことから
、電子写真特性を全く阻害することもなく、且つ高温・
高湿あるいは低温・低湿という過酷な条件下でも良好な
性能を安定に維持できる様になった。
【0034】そして本発明の樹脂粒子は、上記した平均
粒子径を有し、且つ該樹脂を任意の可溶性溶媒に溶解し
たものを塗布して形成した該樹脂のフイルムが、蒸留水
に対する接触角(ゴニオメーターにて測定)50度以下
の値、好ましくは30度以下の値を示す親水性のもので
ある。
【0035】一方、本発明の樹脂粒子において、酸化亜
鉛粒子径よりも大きな粒径の該樹脂粒子が存在すると、
電子写真特性が劣化し、特に均一な帯電性が得られなく
なる。その結果、複写画像において画像部の濃度ムラ、
文字、細線の切れ、飛びあるいは非画像部の地カブリ等
が発生してしまう。
【0036】具体的には、本発明の樹脂粒子は最大粒子
の粒子径が3μm以下であり、好ましくは1μm以下で
ある。そして、粒子の平均粒子径は0.8μm以下であ
り、好ましは0.5μm以下である。なお、樹脂粒子は
、粒子径が小さいほど比表面積が大きくなり、上記の電
子写真特性上良好な作用をもたらし、コロイド粒子(0
.01μm以下)程度でも充分であるが、余り小さくな
り過ぎると分子分散の場合と類似してしまい、保水性向
上への粒子であることの効果が薄れてくるため、0.0
01μm以上で用いることが好ましい。これにより本発
明による製版用印刷原版は、原画に対して忠実な複写画
像を再現し、非画像部の親水性が良好であるため地汚れ
も発生せず、光導電層の平滑性および静電特性が良好で
あり、更に耐刷力が優れているという利点を有する。
【0037】更に、本発明の製版用印刷原版は製版処理
時の環境に左右されず、また処理前の保存性にも非常に
優れているとともに、親水化及び非画像部の溶出処理が
迅速に行われるという特徴を有する。
【0038】また、本発明において高次の網目構造を形
成している樹脂粒子であれば更に水での溶出性が抑えら
れ、他方水膨潤性が発現し、更に保水性が良好になる。
【0039】本発明において、上記のような高次の網目
構造を形成していない樹脂粒子又は高次の網目構造を形
成している樹脂粒子(以下、単に網目樹脂粒子)は、光
導電性酸化亜鉛100重量部に対して0.01〜20重
量部の使用量で用いることが好ましい。樹脂粒子又は網
目樹脂粒子が0.01重量部より少ないと非画像部の親
水性が充分とならず、逆に20重量%より多いと非画像
部の親水性の向上は図られるが、厳しい印刷条件下での
膜の強度が低下し印刷物の画質が劣化し、複写画像が悪
化してしまう。
【0040】以下に本発明に用いられる非水溶媒系分散
樹脂粒子について更に詳細に説明する。本発明の樹脂粒
子は、いわゆる非水溶媒系での分散重合によって製造さ
れたものである。該樹脂粒子〔L〕において、用いられ
る一官能性単量体〔A〕は少なくともホルミル基及び/
又は一般式(1)で示される官能基を含有するものであ
る。
【0041】
【化07】
【0042】ただし、上記一般式(1)において、R1
 、R2 は各々同じでも異なってよく、炭化水素基を
表すか、又はR1 、R2 はお互いに連結して環を形
成した有機残基を表す。
【0043】R1 、R2 が各々炭化水素基を表す場
合、R1 、R2 は好ましくは炭素数1〜12の置換
されてもよい脂肪族基(例えば炭素数1〜12の置換さ
れてもよいアルキル基:具体例としてメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、メトキ
シメチル基、エトキシメチル基、2−ヒドロキシエチル
基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シ
アノエチル基、2−メトキシメチル基、2−エトキシメ
チル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−メトキシプロ
ピル基等が挙げられる、炭素数2〜12の置換されても
よいアルケニル基:具体例としてはプロペニル基、ブテ
ニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ドセニル基、ド
デセニル基等が挙げられる、炭素数7〜12の置換され
てもよいアラルキル基:具体例としてベンジル基、フェ
ネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基
、2−ナフチルエチル基、メチルベンジル基、ジメチル
ベンジル基、トリメチルベンジル基、メトキシベンジル
基、ジメトキシベンジル基、クロロベンジル基、ブロモ
ベンジル基、フロロベンジル基、ジクロロベンジル基等
が挙げられる、炭素数3〜12の置換されてもよい脂環
式基:具体例としてシクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基、アダマンチル基等が挙げられる
)が挙げられる。
【0044】R1 、R2 がお互いに連結して環を形
成する有機残基を表す場合、好ましくは一般式(1a)
で示される官能基、すなわち環状アセタール基が挙げら
れる。
【0045】
【化08】
【0046】一般式(1a)において、R7 、R8 
は、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、炭素数
1〜12の置換されてもよい炭化水素基、又は−OR9
 基(R9 は炭素数1〜12の置換されてもよい炭化
水素基を表す)を表し、nは1〜4の整数を表す。
【0047】R7 、R8 、R9 が炭素数1〜12
の置換されてもよい炭化水素基である好ましい例として
は、脂肪族基(具体例にはR1 、R2 で例示したと
同一の内容を表す)、芳香族基(例えばフェニル基、ト
リル基、キシリル基、メトキシフェニル基、クロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、メトキシカルボニルフェニ
ル基、ジメトキシフェニル基、クロロメチルフェニル基
、ナフチル基等)等が挙げられる。
【0048】より好ましくは、一般式(1)および(1
a)において、R1,R2 ,R7 〜R9 が脂肪族
基の場合、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の
アルケニル基、炭素数7〜9のアラルキル基が好ましい
【0049】また、nはより好ましくは1〜3の整数を
表す。
【0050】本発明において用いられるホルミル基及び
一般式(1)で示される官能基を含有する共重合成分と
しては、下記一般式(3)の繰り返し単位で示すものが
挙げられる  。
【0051】
【化08】
【0052】一般式(3)を更に詳細に説明する。
【0053】
【化09】
【0054】ただし、r1 は水素原子、炭素数1〜8
の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基
、オクチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル
基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、2−
ヒドロキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素
数7〜9の置換されていてもよいアラルキル基(例えば
ベンジル基、フエネチル基、3−フェニルプロピル基、
クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル
基、クロロ−メチル−ベンジル基、ジブロモベンジル基
等)、置換されていてもよいアリール基(例えばフェニ
ル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、メトキシフ
ェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロ
ロ−メトキシ−フェニル基等)等が挙げられる。
【0055】Yは直接結合か、−Z−と−WO を連結
する有機残基を表す。Yが連結する有機残基を表す場合
、この連結基は、ヘテロ原子を介していてもよい炭素−
炭素結合を表し(ヘテロ原子としては、酸素原子、イオ
ウ原子、窒素原子を挙げられる)、
【0056】
【化10】
【0057】a3 、a4 は同じでも異なってもよく
水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子等
)、シアノ基、炭化水素基(例えばメチル基、エチル基
、プロピル基、ブチル基、メトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシ
カルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブ
トキシカルボニルメチル基等の置換されていてもよい炭
素数1〜12のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基
等のアラルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基
、クロロフェニル基等のアリール基等を表す。
【0058】
【化11】
【0059】以下に、本発明のホルミル基及び/又は一
般式(1)で表される官能基を含有する重合体成分の具
体例を示す。例(a−1)〜(a−15)において、a
は−H又は−CH3 を表す。但し、本発明はこれに限
定されるところはない。
【0060】
【化12】
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】また、本発明の一般式(1a)で示される
官能基の具体例も示すが、例(a′−1)〜(a′−9
)において、R10, R11は炭素数1〜4のアルキ
ル基又は−CH2 C6 H5 を表し、R12は炭素
数1〜4のアルキル基、−CH2 C6 H5 又はフ
ェニル基を表す。
【0064】但し、本発明の範囲はこれらの具体例に限
定されるものではない。
【0065】
【化15】
【0066】本発明の樹脂[L]におけるホルミル基及
び/又は一般式(1)の官能基を含有する重合体成分は
、該樹脂[L]が共重合体である場合には、全共重合体
中の30〜99重量%、特に50〜95重量%であるこ
とが好ましい。
【0067】また、該樹脂の重合体の分子量は103 
〜106 、特に5×103 〜5×105 であるこ
とが好ましい。以上のような本発明のホルミル基及び/
又は一般式(1)で表される官能基を有する一官能性単
量体[A]は、従来公知の合成方法によって合成するこ
とができる。
【0068】例えば、ホルミル基含有の化合物の合成法
としては、日本化学会編、新実験化学講座、第14巻、
636頁(1978年)丸善(株)刊、E.Mulle
r,「Methoden  der  Organis
chen  Chemie」13頁(1954年),G
eorg  Thieme  Verlag刊、日本化
学会編新実験化学講座、第19巻、231頁(1957
年)丸善(株)等にそれぞれ記載の方法が挙げられる。 上記した単量体合成における重合性官能基としては、通
常の重合性二重結合基、具体的には、
【0069】
【化16】
【0070】等を挙げることができる。
【0071】以上のようなホルミル基及び/又はアセタ
ール基を含有した一官能基単量体(A)と共に共重合し
得るフッ素原子及びケイ素原子を少なくとも2個以上含
有する置換基を含む一官能性単量体(B)について説明
すると、本発明の一官能性単量体(B)は、上記要件を
満たす化合物であればいずれでもよい。また、以下に具
体的な置換基の内容を説明するが、これらの化学構造に
限定されるものではない。
【0072】
【化17】
【0073】但し、R3 ,R4 ,R5 は、同じで
も異なってもよく、置換されていてもよい炭化水素基又
は−OR9 基(R9 は、R3 の炭化水素基と同一
の内容を表す)を表す。
【0074】R3 は、炭素数1〜18の置換されても
よいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、ヘキサデシル基、2−クロロエチル基、2−
ブロモエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、
2−シアノエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基、
2−メトキシカルボニルエチル基、2,2,2,2′,
2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピル基等)、炭素
数4〜18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、
2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−
ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペ
ンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4
−メチル−2−ヘキセニル基等)、炭素数7〜12の置
換されていてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基
、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメ
チル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブ
ロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基
、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキ
シベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されていてもよ
い脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘ
キシル基、2−シクロペンチルエチル基等)又は炭素数
6〜12の置換されていてもよい芳香族基(例えば、フ
ェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピ
ルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基
、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシ
フェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニ
ル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモ
フェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、
メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフ
ェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミ
ドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイ
ルアミドフェニル基等)が挙げられる。
【0075】−OR9 基において、R9 は、上記R
3の炭化水素基と同一の内容を表す。
【0076】R6 、R7 、R8 は同じでも異なっ
てもよく、R3 ,R4 ,R5 と同一の記号の内容
を表わす。
【0077】次に、以上の様なフッ素原子及び/又はケ
イ素原子を含有した置換基を有する一官能性単量体(B
)の具体例を以下に示す。しかし、本発明の範囲がこれ
らに限定されるものではない。
【0078】
【化18】
【0079】
【化19】
【0080】
【化20】
【0081】
【化21】
【0082】
【化22】
【0083】
【化23】
【0084】等を挙げることができる。
【0085】以上の様な特定の官能基含有の単量体(A
)及びフッ素原子及び/又はケイ素原子含有の単量体(
B)とともに、これら以外の共重合し得る他の単量体を
重合体成分として含有してもよい。
【0086】他の単量体としては後記する一般式(3)
の繰り返し単位に相当する単量体あるいは一般式(3)
で示される成分に相当する単量体と共重合するものが挙
げられる。
【0087】該樹脂中の重合成分として、単量体(A)
の存在割合は、30重量%以上好ましくは50重量%以
上であり、単量体(B)の存在割合は0.5重量%〜3
0重量%、好ましくは1重量%〜20重量%である。他
の共重合し得る単量体を含有する場合は、多くても20
重量%以下である。
【0088】この非水溶媒に不溶性となる重合成分とし
て重要なことは、前記した蒸留水に対する接触角で表さ
れる親水性が50度以下を満足できるものであればよい
【0089】次に本発明の分散安定用樹脂について説明
する。該分散安定用樹脂は非水溶媒と溶媒和し可溶性で
あることが重要であり、いわゆる非水溶媒系分散重合に
おける分散安定化作用を担うものであり、具体的には非
水溶媒100重量部に対し、温度25℃において少なく
とも5重量部溶解するものであればよい。
【0090】該分散安定用樹脂の重量平均分子量は1×
103 〜5×105 であり、好ましくは2×103
 〜1×105 、特に好ましくは3×103 〜5×
104 である。該樹脂の重量平均分子量が1×103
 未満になると、生成した分散樹脂粒子の凝集が発生し
、平均粒径が揃った微粒子が得られなくなってしまう。 一方5×105 を超えると、光導電層中に添加した時
に電子写真特性を満足しつつ保水性向上するという本発
明の効果が薄れてしまう。
【0091】本発明の分散安定用樹脂は、該非水溶媒に
可溶性の重合体であればいずれでもよいが、具体的には
、K.E.J.Barrett「Dispersion
  Polymerization  in  Org
anic  Media」JohnWiley  an
d  Sons(1975年刊)、R.Dowpenc
o,D.P.Hart,Ind.Eng.Chem.P
rod.Res.Develop.12巻,(No.1
)  14(1973)、丹下豊吉、日本接着協会誌 
 23(1),26(1987)、D.J.  Wal
bridge、NATO.Adv.Study  In
st.Ser.E.No.67,40(1983)、Y
.Sasaki  and  M.Yabuta,Pr
oc,10th,Int.Conf.Org.Coat
.Sci.Technol,10,263(1984)
等の総説に引用の各重合体が挙げられる。
【0092】例えばオレフィン重合体、変性オレフィン
重合体、スチレン−オレフィン共重合体、脂肪族カルボ
ン酸ビニルエステル共重合体、変性無水マレイン酸共重
合体、ポリエステル重合体、ポリエーテル重合体、メタ
クリレートホモ重合体、アクリレートホモ重合体、メタ
クリレート共重合体、アクリレート共重合体、アルキッ
ド樹脂等である。
【0093】より具体的には、本発明の分散安定用樹脂
の繰り返し単位として供される重合体成分としては、下
記一般式(3)で表される成分が挙げられる。
【0094】
【化24】
【0095】一般式(4)中、X2 は一般式(2)の
V0 と同一の内容を表し、詳細は一般式(2)のV0
 の説明に記載されている。
【0096】R21は、炭素数1〜22の置換されても
よいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、
ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テト
ラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドサコ
ニル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2
−(N−モルホリノ)エチル基、2−クロロエチル基、
2−ブロモエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シ
アノエチル基、2−(α−チエニル)エチル基、2−カ
ルボキシエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、
2,3−エポキシプロピル基、2,3−ジアセトキシプ
ロピル基、3−クロロプロピル基、4−エトキシカルボ
ニルブチル基等)、炭素数3〜22の置換されてもよい
アルケニル基(例えばアリル基、ヘキセニル基、オクテ
ニル基、ドセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、
オクタデセニル基、オレイル基、リノレイル基等)、炭
素数7〜22の置換されてもよいアラルキル基(例えば
ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、
2−ナフチルメチル基、2−(2’−ナフチル)エチル
基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベン
ジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、
メトキシベンジル基、ジメトキシベンジル基、ブチルベ
ンジル基、メトキシカルボニルベンジル基等)、炭素数
4〜12の置換されてもよい脂環式基(例えばシクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダ
マンチル基、クロロシクロヘキシル基、メチルシクロヘ
キシル基、メトキシシクロヘキシル基等)、炭素数6〜
22の置換されてもよい芳香族基(例えばフェニル基、
トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アン
トラニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ブ
チルフェニル基、ヘキシルフェニル基、オクチルフェニ
ル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキ
シフェニル基、エトキシフェニル基、オクチルオキシフ
ェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、アセチルフ
ェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、ブチルメチ
ルフェニル基、N,N−ジブチルアミノフェニル基、N
−メチル−N−ドデシルフェニル基、チエニル基、ヒラ
ニル基等)等が挙げられる。
【0097】c1 、c2 は一般式(2)中のa1 
、a2 と同一の内容を表し、詳細は一般式式(2)の
a1 、a2 の説明に記載される。
【0098】本発明の分散安定用樹脂中の重合体成分と
して、以上述べた成分とともに、他の重合体成分を含有
してもよい。
【0099】他の重合体成分としては、一般式(4)で
示される成分に相当する単量体と共重合するものであれ
ばいずれでもよく、相当する単量体としては、例えば、
α−オレフィン類、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、ビニル含有複素環類(複素環としては例えばピラ
ン環、ピロドリン環、イミダゾール環、ピリジン環等)
、ビニル基含有のカルボン酸類(例えばアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸等)
、ビニル基含有のカルボキシアミド類(例えばアクリル
アミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、イタコ
ン酸アミド、イタコン酸半アミド、イタコン酸ジアミド
等)等が挙げられる。
【0100】本発明の分散安定用樹脂において、一般式
(4)で示される重合体成分は、該樹脂の全重合体10
0重量部中30重量部以上、好ましくは50重量部以上
である。
【0101】又本発明の分散安定用樹脂において、光及
び/又は熱硬化性官能基を該樹脂の全重合体100重量
部中30重量部以下好ましくは20重量部以下の範囲で
含有してもよい。
【0102】含有される光及び/又は熱硬化性官能基と
しては、重合性官能基以外のものが挙げられ、具体的に
、後述する粒子の架橋構造形成用の官能基が挙げられる
【0103】更には、本発明の分散安定用樹脂が、高分
子鎖中に前記した一般式(2)で示される重合性二重結
合基部分を少なくとも1種含有して成ることが好ましい
【0104】以下に、該重合性二重結合基部分について
説明する。
【0105】
【化25】
【0106】ここでR1 は水素原子のほか、好ましい
炭化水素基としては、炭素数1〜18の置換されてもよ
いアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、
デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シ
アノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−
メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数
4〜18の置換されてもよいアルケニル基(例えば2−
メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペン
テニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテ
ニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メ
チル−2−ヘキセニル基、等)、炭素数7〜12の置換
されていてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、
フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチ
ル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロ
モベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、
メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシ
ベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されていてもよい
脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキ
シルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、等)、又
は、炭素数6〜12の置換されていてもよい芳香族基(
例えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基
、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフ
ェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、
エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキ
シフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基
、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェ
ニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカル
ボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、ア
セトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ド
デシロイルアミドフェニル基等)が挙げられる。
【0107】
【化26】
【0108】置換基としては、ハロゲン原子(例えば塩
素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基
、エチル基、プロピル基、ブチル基、クロロメチル基、
メトキシメチル基、等)、アルコキシ基(例えばメトキ
シ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基等)等
が挙げられる。
【0109】a1 及びa2 は、互いに同じでも異な
っていてもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(
例えば塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜
4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等)−COO−R2 又は炭化水素を介
したCOOR2 (R2 は、水素原子又は炭素数1〜
18のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環
式基又はアリール基を表し、これらは置換されていても
よく、具体的には、上記R1 について説明したものと
同様の内容を表わす)を表わす。
【0110】上記炭化水素を介した−COO−R2 基
における炭化水素としては、メチレン基、エチレン基、
プロピレン基等が挙げられる。
【0111】
【化27】
【0112】これらの重合性二重結合基含有部分は高分
子鎖の主鎖に直接結合されるか又は任意の連結基で結合
されたものである。連結する基として具体的には二価の
有機残基であって、
【0113】
【化28】
【0114】二価の脂肪族基として、例えば、
【011
5】
【化29】
【0116】が挙げられる{e1 及びe2 は、互い
に同じでも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原
子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等)又は炭
素数1〜12のアルキル基(例えばメチル基、エチル基
、プロピル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等
)を表わす。Qは−O−、−S−又は−NR20−を表
し、R20は炭素数1〜4のアルキル基、−CH2Cl
又は−CH2 Brを表わす}。
【0117】二価の芳香族基としては、例えばベンゼン
環基、ナフタレン環基及び5又は6員の複素環基(複素
環を構成するヘテロ原子として、酸素原子、イオウ原子
、窒素原子から選ばれたヘテロ原子を少なくとも1種含
有する)が挙げられる。これらの芳香族基は置換基を有
していてもよく、例えばハロゲン原子(例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜8のアルキル
基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
、ヘキシル基、オクチル基等)、炭素数1〜6のアルコ
キシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ
基、ブトキシ基等)が置換基の例として挙げられる。
【0118】複素環基としては、例えばフラン環、チオ
フェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピペラジン環、テ
トラヒドロフラン環、ピロール環、テトラヒドロピラン
環、1,3−オキサゾリン環等が挙げられる。
【0119】以上のような重合性二重結合基含有部分は
、具体的には高分子鎖中にランダム結合されている、又
は高分子鎖の主鎖の片末端にのみ結合されている。好ま
しくは、高分子鎖主鎖の片末端にのみ重合性二重結合基
含有部分が結合された重合体(以下、一官能性重合体〔
M〕と称す)が挙げられる。
【0120】上記一官能性重合体〔M〕の一般式(2)
で示される重合性二重結合基含有部分と、これに連結す
る有機残基で構成される部分の具体例として各々次のも
のが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 但し、以下の各例において、P1 は−H、−CH3 
、−CH2 COOCH3 、−Cl、−Br又は−C
Nを示し、P2 は−H又は−CH3 を示し、Xは−
Cl又は−Brを示し、nは2〜12の整数を示し、m
は1〜4の整数を示す。
【0121】
【化30】
【0122】
【化31】
【0123】
【化32】
【0124】
【化33】
【0125】
【化34】
【0126】好ましくは本発明の分散安定用樹脂は重合
性二重結合基部分を高分子中の側鎖に含有するが、この
重合体の合成は従来公知の方法によって製造することが
できる。
【0127】例えば、■重合反応性の異なる重合性二重
結合基を分子中に2個含有した単量体を共重合させる方
法、■分子中に、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ア
ミノ基、エポキシ基等の反応性基を含有した一官能性単
量体を共重合させて高分子を得た後、この高分子側鎖中
の反応基と化学結合しうる他の反応性基を含有した重合
性二重結合基を含む有機低分子化合物との反応を行う、
いわゆる高分子反応によって導入する方法、等が通常よ
く知られた方法として挙げられる。
【0128】上記■の方法として、例えば特開昭60−
185962号公報に記載の方法等が挙げられる。
【0129】上記■の方法として、具体的には岩倉義男
、栗田恵輔「反応性高分子」講談社(1977年刊)、
小田良平「高分子ファインケミカル」講談社(1976
年刊)、特開昭61−43757号公報、特願平1−1
49305号として出願した明細書等に詳細に記載され
ている。
【0130】例えば、下記表1のA群の官能基とB群の
官能基の組み合わせによる高分子反応が、通常よく知ら
れた方法として挙げられる。なお表1のR22,R23
は炭化水素基で、
【0131】
【化35】
【0132】
【表1】
【0133】本発明の分散安定用樹脂として更に好まし
い、重合性二重結合基部分を主鎖の片末端に含有する一
官能性重合体〔M〕は、従来公知の合成方法によって製
造することができる。例えば、イ)アニオン重合あるい
はカチオン重合によって得られるリビングポリマーの末
端に種々の試薬を反応させて一官能性重合体〔M〕を得
る、イオン重合法による方法、ロ)分子中にカルボキシ
ル基、ヒドロキシル基、アミノ基等の反応性基を含有し
た重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を用いて、ラジカル
重合して得られる末端反応性基結合の重合体と種々の試
薬を反応させて一官能性重合体〔M〕を得るラジカル重
合法による方法、ハ)重付加あるいは重縮合反応により
得られた重合体に上記ラジカル重合法と同様にして、重
合性二重結合基を導入する重付加縮合法による方法等が
挙げられる。
【0134】具体的には、P.Dreyfuss  &
  R.P.Quirk,Encycl.Polym.
Sci.Eng.,Vol.7,551(1987)、
P.F.Rempp,  E.Franta,  Ad
v.Polym.Sci.,Vol.58,1(198
4)、V.Percec,  Appl.Poly.S
ci.,Vol.285,95(1984)、R.As
ami,M.Takari,Macromol.Che
m.Suppl.,Vol.12,163(1985)
、P.Rempp.,et  al,Macromol
.Chem.Suppl.,Vol.8,3(1984
)、川上雄資,化学工業,Vol.38,56(198
7)、山下雄也,高分子,第31巻,988(1982
)、小林四郎,高分子,第30巻,625(1981)
、東村敏延,日本接着協会誌,第18巻,536(19
82)、伊藤浩一,高分子加工,第35巻,262(1
986)、東貴四郎,津田隆,機能材料,No.10,
5(1987)等の総説及びそれに引用の文献、特許等
に記載の方法にしたがって合成することができる。
【0135】以上の如き一官能性重合体〔M〕の合成方
法として更に具体的には、ラジカル重合性単量体に相当
する繰り返し単位を含有する重合体〔M〕は、特開平2
−67563号公報および特願昭63−64970号、
特願平1−206989号、特願平1−69011号と
して出願の明細書等に記載されており、またポリエステ
ル構造またはポリエーテル構造を繰り返し単位として含
有する重合体〔M〕は、特願平1−56379号、特願
平1−58989号、特願平1−56380号として出
願の明細書等に各々記載されている方法と同様にして得
られる。
【0136】本発明の分散樹脂粒子は以上説明したよう
に、特定の官能基含有の一官能性単量体〔A〕、ケイ素
原子及び/又はフッ素原子を含有の一官能性単量体〔B
〕を上記分散安定用樹脂の存在下で分散重合させて得ら
れる共重合体樹脂粒子である。更に、本発明の分散樹脂
粒子が網目構造を有する場合は、上記した一官能性単量
体〔A〕とフッ素原子及び/又はケイ素原子を含有の一
官能性単量体〔B〕とを重合体成分(重合体成分〔A〕
と称す)として成る重合体の重合体間が橋かけされてお
り、高次の網目構造を形成している。すなわち、本発明
の分散樹脂粒子は、重合体成分〔A〕から構成される非
水分散溶媒に不溶な部分と、該溶媒に可溶となる重合体
とで構成される、非水系ラテックスであり、網目構造を
有する場合は、この該溶媒に不溶な部分を形成している
重合体成分〔A〕の分子間が橋かけされているものであ
る。
【0137】これにより、網目樹脂粒子は水に対して難
溶性あるいは不溶性となるものである。具体的には、該
樹脂の水への溶解性は、80重量%以下好ましくは50
重量%以下である。本発明の架橋は、従来公知の架橋方
法によって行うことができる。すなわち、(a)該重合
体成分〔A〕を含有する重合体を種々の架橋剤あるいは
硬化剤によって架橋する方法、(b)該重合体成分〔A
〕に相当する単量体を少なくとも含有させて重合反応を
行う際に、重合性官能基を2個以上含有する多官能性単
量体あるいは多官能性オリゴマーを共存させることによ
り分子間に網目構造を形成する方法、および(c)該重
合体成分〔A〕と反応性基を含有する成分を含む重合体
類とを重合反応あるいは高分子反応によって架橋させる
等の方法によって行うことができる。
【0138】上記(a)の方法の架橋剤としては、架橋
剤として通常用いられる化合物を挙げることができる。 具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブッ
ク」大成社刊(1981年)、高分子学会編「高分子デ
ータハンドブック基礎編」培風館(1986年)等に記
載されている化合物を用いることができる。
【0139】例えば、有機シラン系化合物(例えば、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等)
、ポリイソシアナート系化合物(例えば、トルイレンジ
イソシアナート、o−トルイレンジイソシアナート、ジ
フェニルメタンジイソシアナート、トリフェニルメタン
トリイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシ
アナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロ
ンジイソシアナート、高分子ポリイソシアナート等)、
ポリオール系化合物(例えば、1,4−ブタンジオール
、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキ
レングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン
等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレンジアミン
、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミン、フェニ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノエ
チルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類等)、ポリエ
ポキシ基含有化合物及びエポキシ樹脂(例えば、垣内弘
編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本
邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)等に記載された化合物類)、メラミン樹脂(例えば
、三輪一郎、松永英夫編著「ユリア・メラミン樹脂」日
刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類
)、ポリ(メタ)アクリレート系化合物(例えば、大河
原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴマー」講談社(1
976年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」テク
ノシステム(1985年刊)等に記載された化合物類が
挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1
,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールポ
リアクリレート、ビスフェノールA−ジグリシジルエー
テルジアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び
これらのメタクリレート体等がある。
【0140】また、上記(b)の方法で共存させる重合
性官能基を2個以上含有する多官能性単量体〔多官能性
単量体(D)とも称する〕あるいは多官能性オリゴマー
の重合性官能基としては、具体的には
【0141】
【化36】
【0142】等を挙げることができる。これらの重合性
官能基の同一のものあるいは異なったものを2個以上有
した単量体あるいはオリゴマーであればよい。
【0143】重合性官能基を2個以上有した単量体の具
体例は、例えば同一の重合性官能基を有する単量体ある
いはオリゴマーとして、ジビニルベンゼン、トリビニル
ベンゼン等のスチレン誘導体;多価アルコール(例えば
、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール#200、
#400、#600、1,3−ブチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、ペンタエリスリトールなど)、また
はポリヒドロキシフェノール(例えばヒドロキノン、レ
ゾルシン、カテコールおよびそれらの誘導体)のメタク
リル酸、アクリル酸又はクロトン酸のエステル類、ビニ
ルエーテル類又はアリルエーテル類;二塩基酸(例えば
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等)のビニル
エステル類、アリルエステル類、ビニルアミド類または
アリルアミド類;ポリアミン(例えばエチレンジアミン
、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジア
ミン等)とビニル基を含有するカルボン酸(例えば、メ
タクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、アリル酢酸等)
との縮合体などが挙げられる。
【0144】また、異なる重合性官能基を有する単量体
あるいはオリゴマーとしては、例えば、ビニル基を含有
するカルボン酸(例えばメタクリル酸、アクリル酸、メ
タクリロイル酢酸、アクリロイル酢酸、メタクリロイル
プロピオン酸、アリルロイルプロピオン酸、イタコニロ
イル酢酸、イタコニロイルプロピオン酸、カルボン酸無
水物等)とアルコールまたはアミンの反応体(例えばア
リルオキシカルボニルプロピオン酸、アリルオキシカル
ボニル酢酸、2−アリルオキシカルボニル安息香酸、ア
リルアミノカルボニルプロピオン酸等)等のビニル基を
含有したエステル誘導体またはアミド誘導体(例えばメ
タクリル酸ビニル、アクリル酸ビニル、イタコン酸ビニ
ル、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、イタコン
酸アリル、メタクリロイル酢酸ビニル、メタクリロイル
プロピオン酸ビニル、メタクリロイルプロピオン酸アリ
ル、メタクリル酸ビニルオキシカルボニルメチルエステ
ル、アクリル酸ビニルオキシカルボニルメチルオキシカ
ルボニルエチレンエステル、N−アリルアクリルアミド
、N−アリルメタクリルアミド、N−アリルイタコン酸
アミド、メタクリロイルプロピオン酸アリルアミド等)
又はアミノアルコール類(例えばアミノエタノール、1
−アミノプロパノール、1−アミノブタノール、1−ア
ミノプロパノール、1−アミノブタノール、1−アミノ
ヘキサノール、2−アミノブタノール等)とビニル基を
含有したカルボン酸との縮合体などが挙げられる。
【0145】本発明に用いられる2個以上の重合性官能
基を有する単量体あるいはオリゴマーは、単量体〔A〕
および〔A〕と共存する他の単量体との総量に対して1
0モル%以下、好ましくは5モル%以下用いて重合し、
樹脂を形成する。
【0146】更には、上記(c)の方法の高分子間の反
応性基同士の反応により化学結合を形成し、高分子間の
橋かけを行う場合には、通常の有機低分子化合物の反応
と同様に行うことができる。具体的には、分散安定用樹
脂の合成法において記載したと同様の方法にしたがって
合成することができる。
【0147】分散重合において、粒子の粒径が揃った単
分散性の粒子が得られることおよび0.5μm以下の微
小粒子が得られ易いこと等から、網目構造形成の方法と
しては、多官能性単量体を用いる(b)の方法が好まし
い。
【0148】以上の如く、本発明の網目分散樹脂粒子は
、極性基を含有する繰り返し単位と、フッ素原子及び/
又はケイ素原子含有置換基を有する繰り返し単位とを含
む重合体成分と、該非水溶媒に可溶性の重合体成分とを
含有し、且つ分子鎖間が高次に橋かけされた構造を有す
る重合体の粒子である。
【0149】非水溶媒系分散樹脂粒子の製造に用いられ
る非水溶媒としては、沸点200℃以下の有機溶媒であ
ればいずれでもよく、それは単独であるいは2種以上を
混合して使用してもよい。
【0150】この有機溶媒の具体例は、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、フッ素化アルコ
ール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン
、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケ
トン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸
エステル類、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、
トリデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の炭素
数6〜14の脂肪族炭化水素等、ベンゼン、トルエン、
キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチ
レンクロリド、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、
クロロホルム、メチルクロロホルム、ジクロロプロパン
、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げ
られる。ただし、以上述べた化合物例に限定されるもの
ではない。
【0151】これらの非水溶媒系で分散樹脂粒子を分散
重合法で合成することにより、樹脂粒子の平均粒子径は
容易に1μm以下となり、しかも粒子径の分布が非常に
狭く且つ単分散の粒子とすることができる。
【0152】具体的には、K.E.J.Barrett
  「Dispersion  Polymeriza
tion  in  Organic  Media」
John  Wiley(1975年)、村田耕一郎、
高分子加工、第23巻、20(1974)、松本恒隆、
丹下豊吉、日本接着協会誌、第9巻、183(1973
)、丹下豊吉、日本接着協会誌、第23巻、26(19
87)、D.J.  Walbridge、NATO.
Adv.study.Inst.Ser.B.  No
.67、40(1983)、英国特許第893,429
号明細書、英国特許第934,038号明細書、米国特
許第1,122,397号明細書、米国特許第3,90
0,412号明細書、米国特許第4,606,989号
明細書、特開昭60−179751号公報、特開昭60
−185963号公報等にその方法が開示されている。
【0153】本発明の分散樹脂は、単量体〔A〕及び単
量体〔B〕と分散安定用樹脂の少なくとも各々1種以上
から成り、網目構造を形成する場合には必要に応じて多
官能性単量体〔D〕を共存させて成り、いずれにしても
重要な事は、これら単量体から合成された樹脂が該非水
溶媒に不溶であれば、所望の分散樹脂を得ることができ
る。より具体的には、不溶化する単量体〔A〕および単
量体〔B〕に対して、分散安定用樹脂を1〜50重量%
使用することが好ましく、さらに好ましくは2〜30重
量%である。また、本発明の分散樹脂の重合の条件は温
度は30℃〜180℃程度であり、好ましくは40〜1
20℃である。反応時間は1〜15時間が好ましい。
【0154】以上の如くして本発明により製造された非
水系分散樹脂は、微細でかつ粒度分布が均一な粒子とな
る。該樹脂粒子の分子量は104 〜106 であり、
好ましくは104 〜5×105である。
【0155】以上の如き本発明で用いられる分散樹脂粒
子を製造するには、一般に、単量体〔A〕、単量体〔B
〕、分散安定用樹脂、更には多官能性単量体〔D〕とを
非水溶媒中で過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニ
トリル、ブチルリチウム等の重合開始剤の存在下に加熱
重合させればよい。具体的には、(i)単量体〔A〕、
単量体〔B〕、分散安定用樹脂および多官能性単量体〔
D〕の混合溶媒中に重合開始剤を添加する方法、(ii
)非水溶媒中に、上記重合性化合物及び重合開始剤の混
合物を滴下又は任意に添加する方法等があり、これらに
限定されずいかなる方法を用いても製造することができ
る。
【0156】重合性化合物の総量は非水溶媒100重量
部に対して5〜80重量部程度であり、好ましくは10
〜50重量部である。重合開始剤の量は、重合性化合物
の総量の0.1〜5重量%である。
【0157】以上の如くして本発明により製造された非
水溶媒系分散樹脂は、微細でかつ粒度分布が均一な粒子
となる。本発明の光導電層の結着樹脂としては、従来公
知の樹脂の説明において引用した如き、アルキッド樹脂
、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタ
ジエン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、具体的には栗
田隆治・石渡次郎、高分子、第17巻、第278頁(1
968年)、宮本晴視、武井秀彦、イメージング、19
73(No.8)第9頁等の総説に引用の公知材料等が
挙げられる。
【0158】供される樹脂の分子量は、好ましくは10
3 〜106 、より好ましくは5×103 〜5×1
05 である。又この樹脂のガラス転移点は好ましくは
−10℃〜120℃、より好ましくは0℃〜85℃であ
る。
【0159】好ましくは、無機光導電体として光導電性
酸化亜鉛を用いる電子写真感光体の結着樹脂として知ら
れるメタクリレートを重合体成分として含有するランダ
ム共重合体群がその1つとして挙げられる。例えば特公
昭50−2242号、特公昭50−31011号、特開
昭50−98324号、特開昭50−98325号、特
公昭54−13977号、特公昭59−35013号、
特開昭54−20735号、特開昭57−202544
号等に記載の樹脂が挙げられる。
【0160】本発明に係わる光導電性酸化亜鉛としては
、この種の技術分野で従来公知のものを使用すればよく
、いわゆる酸化亜鉛のみならず、酸化亜鉛を酸処理した
もの、色素と前処理したもの、練り込み再度粉砕したも
の(いわゆるプレス処理)等のいずれでもよく、特に限
定されるところはない。
【0161】本発明の平版印刷用原版は光導電性酸化亜
鉛100重量部に対して上記した結着樹脂を10重量部
〜100重量部なる割合、特に好ましくは15重量部〜
50重量部なる割合で使用する。
【0162】本発明では、必要に応じて各種の色素を分
光増感剤として併用することができる。例えば、宮本晴
視、武井秀彦「イメージング」1973巻(No.8)
第12頁、C.J.Young等、RCA  Revi
ew  VOL.15,469(1954年)、清田航
平等、電気通信学会論文誌  J63−C(No.2)
,97(1980年)、原崎勇次等、工業化学雑誌、第
66巻,第78ページ及び188ページ(1963年)
、谷忠昭、日本写真学会誌、第35巻,第208ページ
(1972年)等の総説に引用のカーボニウム系色素、
ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサ
ンテン系色素、フタレイン系色素(例えばオキソノール
色素、メロシアニン色素、シアニン色素、ロダシアニン
色素、スチリル色素等)、フタロシアニン色素(金属を
含有してもよい)等が挙げられる。
【0163】更に具体的には、カーボニウム系色素、ト
リフニルメタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系
色素を中心に用いたものとして、特公昭51−452、
特開昭50−90334、同50−114227、同5
3−39130、同53−82353各号公報、米国特
許第3,052,540、同第4,054,450各号
明細書、特開昭57−16456号公報等に記載のもの
が挙げられる。
【0164】オキソノール色素、メロシアニン色素、シ
アニン色素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素とし
ては、F.M.Harmmer「The  Cyani
neDyes  and  Related  Com
pounds」等に記載の色素類が使用可能であり、更
に具体的には、米国特許第3,047,384、同第3
,110,591、同第3,121,008、同第3,
125,447、同第3,128,179、同第3,1
32,942、同第36,22,317各号明細書、英
国特許第1,226,892、同第1,309,274
、同1,405,898各号明細書、特公昭48−78
14、同55−18892各号公報等に記載の色素等が
挙げられる。
【0165】更に、700nm以上の長波長の近赤外〜
赤外光域を分光増感するポリメチン色素として、特開昭
47−840、同47−44180、特公昭51−41
061、特開昭49−5034、同49−45122、
同57−46245、同56−35141、同57−1
57254、同61−26044、同61−27551
各号公報、米国特許第3,619,154、同第4,1
75,956各号明細書、「Reserch  Dis
closure」1982年,216,第117〜11
8頁等に記載のものが挙げられる。
【0166】本発明の感光体は、種々の増感色素を併用
させてもその性能が増感色素により変動しにくい点にお
いて優れている。
【0167】更には、必要に応じて、化学増感剤等の従
来知られている電子写真感光層用各種添加剤を併用する
こともできる。例えば、前記した総説である「イメージ
ング」1973第12頁等の総説に引用の電子受容性化
合物(例えば、ハロゲン、ベンゾキノン、クロラニル、
酸無水物、有機カルボン酸等)、小門宏等「最近の光導
電材料と感光体の開発・実用化」第4章〜第6章、日本
科学情報(株)出版部(1986年)の総説に引用のポ
リアリールアルカン化合物、ヒンダートフェノール化合
物、p−フェニレンジアミン化合物等が挙げられる。こ
れら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではないが、通
常光導電体100重量部に対して、0.0001〜2.
0重量部である。
【0168】光導電層の厚さは1μm〜100μm、特
には10μm〜50μmが好適である。また、電荷発生
層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷発生層として光導
電層を使用する場合は、電荷発生層の厚さは0.01μ
m〜1μm、特には0.05μm〜0.5μmが好適で
ある。
【0169】積層型感光体の電荷輸送材料としては、ポ
リビニルカルバゾール、オキサゾール系色素、ビラゾリ
ン系色素、トリフェニルメタン系色素等がある。電荷輸
送層の厚さとしては5μm〜40μm、特には10μm
〜30μmが好適である。
【0170】電荷輸送層の形成に用いる樹脂として代表
的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セ
ルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体樹脂、ポリアクリル
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂の
熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
【0171】本発明による光導電層は、従来公知の支持
体上に設けることができる。一般に言って、電子写真感
光層の支持体は導電性であることが好ましく、導電性支
持体としては、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プ
ラスチックシート等の基体に低抵抗性物質を含浸させる
などして導電処理したもの、基体の裏面(感光層を設け
る面と反対面)に導電性を付与し、更にはカール防止を
図る等の目的で少なくとも1層以上をコートしたもの、
前記支持体の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支
持体の表面層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレ
コート層が設けられたもの、アルミニウム等を蒸着して
導電化したプラスチックを紙にラミネートしたもの等が
使用できる。
【0172】具体的に、導電性基体あるいは導電化材料
の例として、坂本幸男「電子写真」第14巻、No.1
,第2ページ〜第11ページ(1975)、森賀弘之「
入門特殊紙の化学」高分子刊行会(1975)、M.F
.Hoover,J.Macromol.Sci.Ch
em.A−4(6),第1327〜1417頁(197
0)等に記載されているもの等を用いる。本発明の電子
写真式平版印刷用原版の作成は上記の構成材料を用いて
、この種の技術分野で通常の方法により作成される。
【0173】本発明の電子写真式平版印刷用原版を用い
た印刷物の作成は、上記した構成から成る電子写真式平
版印刷用原版に常法により複写画像を形成後、非画像部
を不感脂化処理することで作成される。
【0174】本発明に供される不感脂化処理は、酸化亜
鉛の不感脂化反応(以下A反応という)と、樹脂粒子の
不感脂化反応(以下B反応という)の両者が進行する。 不感脂化の方法としては、例えば■A反応処理をした後
、B反応処理する方法、■B反応処理をした後に、A反
応処理する方法あるいは、■A反応とB反応を同時に処
理する方法、等があり、これらのいずれを用いてもよい
【0175】酸化亜鉛の不感脂化方法としては、従来公
知の処理液のいずれをも用いることができる。例えば、
フェロシアン系化合物を不感脂化の主剤として用いた、
特開昭62−239158、同62−292492、同
63−99993、同63−9994、特公昭40−7
334、同45、33683、特開昭57−19788
9、特公昭46−21244、同44−9045、同4
7−32681、同55−9315、特開昭52−10
1102各号公報等が挙げられる。
【0176】また、フィチン酸系化合物を主剤として用
いた、特公昭43−28408、同45−24609、
特開昭51−103501、同54−10003、同5
3−83805、同53−83806、同53−127
002、同54−44901、同56−2189、同5
7−2796、同57−20394、同59−2072
90各号公報に記載のもの、金属キレート形成可能な水
溶性ポリマーを主剤として用いた、特公昭38−966
5、同39−22263、同40−763、同43−2
8404、同47−29642、特開昭52−1263
02、同52−134501、同53−49506、同
53−59502、同53−104302各号公報等に
記載のもの、金属錯体系化合物を主剤として用いた、特
開昭53−104301、特公昭55−15313、同
54−41924各号公報等に記載のもの、あるいは無
機及び有機酸系化合物を主剤として用いた、特公昭39
−13702、同40−10308、同46−2612
4、特開昭51−118501、同56−111695
各号公報等に記載されたもの等が挙げられる。
【0177】本発明に供される樹脂粒子〔L〕の不感脂
化処理は、ホルミル基に容易に求核反応する親水性基含
有の化合物を含有する溶液(水溶液あるいは水溶性有機
溶媒含有の混合溶液)で処理することによって達成され
る。
【0178】ホルミル基に求核置換反応を生ずる親水性
化合物としては、Person等の求核性定数n〔R.
G.Person,H.Sobel,J.Songst
ad,J.Amer.Chem.Soc.,VOL.9
0,319(1968)〕が5.5以上の値を有する置
換基を含有し、且つ蒸留水100重量部中に1重量部以
上溶解する親水性化合物が挙げられる。
【0179】具体的な化合物としては、例えばヒドラジ
ン、ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩(アンモニウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩等)、チオ硫酸塩等
が挙げられ、また、分子内にヒドロキシル基、カルボキ
シル基、スルホ基、ホスホノ基、アミノ基から選ばれた
少なくとも1つの極性基を含有するメルカプト化合物、
ヒドラジド化合物、スルフィン酸化合物、第1級アミン
化合物あるいは第2級アミン化合物等が挙げられる。
【0180】例えばメルカプト化合物として、2−メル
カプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン、N−
メチル−2−メルカプトエチルアミン、N−(2−ヒド
ロキシエチル)2−メルカプトエチルアミン、チオグリ
コール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、メカプトベ
ンゼンジカルボン酸、2−メルカプトエタンスルホン酸
、2−メルカプトエチルホスホン酸、メルカプトベンゼ
ンスルホン酸、2−メルカプトプロピオニルアミノ酢酸
、2−メルカプト−1−アミノ酢酸、1−メルカプトプ
ロピオニルアミノ酢酸、1,2−ジメルカプトプロピオ
ニルアミノ酢酸、2,3−ジヒドロキシプロピルメルカ
プタン、2−メチル−2−メルカプト−1−アミノ酢酸
等を、スルフィン酸化合物として、2−ヒドロキシエチ
ルスルフィン酸、3−ヒドロキシプロパンスルフィン酸
、4−ヒドロキシブタンスルフィン酸、カルボキシベン
ゼンスルフィン酸、ジカルボキシベンゼンスルフィン酸
等を、ヒドラジド化合物として、2−ヒドラジノエタン
スルホン酸、4−ヒドラジノブタンスルホン酸、ヒドラ
ジノベンゼンスルホン酸、ヒドラジノベンゼンジスルホ
ン酸、ヒドラジノ安息香酸、ヒドラジノベンゼンジカル
ボン酸等を、第1級あるいは第2級アミン化合物として
、例えばN−(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N
−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N−ジ(2
−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、トリ(2−ヒ
ドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2,3−ジ
ヒドロキシプロピル)アミン、N,N−ジ(2,3−ジ
ヒドロキシプロピル)アミン、2−アミノプロピオン酸
、アミノ安息香酸、アミノピリジン、アミノベンゼンジ
カルボン酸、2−ヒドロキシエチルモルホリン、2−カ
ルボキシエチルモルホリン、3−カルボキシピペラジン
等を挙げることができる。
【0181】これらの求核性化合物を前記した光導電体
の不感脂化処理液中に含有させて用いるか、あるいは、
樹脂粒子を別に処理するための処理液に含有させて用い
る。これら処理液中の該求核性化合物の存在量は0.1
モル/l〜10モル/lで、好ましくは0.5モル/l
〜5モル/lである。また、処理液のpHは4以上が好
ましい。処理の条件は、温度15℃〜60℃で浸漬時間
は10秒〜5分間が好ましい。該処理液は、上記した求
核性化合物及びpH調整剤以外に、他の化合物を含有し
てもよい。例えば水に可溶性の有機溶媒を水100重量
部中に1〜50重量部含有してもよい。このような水に
可溶性の有機溶媒としては、例えばアルコール類(メタ
ノール、エタノール、プロパノール、プロパギルアルコ
ール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)
、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、アセトフ
ェノン等)、エーテル類(ジオキサン、トリオキサン、
テトラヒドロフラン、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒド
ロピラン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸
エチル、ギ酸エチル等)等が挙げられ、これらは単独又
は2種以上を混合して用いてもよい。
【0182】また、界面活性剤を水100重量部中に0
.1〜20重量部含有してもよい。界面活性剤としては
、従来公知のアニオン性、カチオン性あるいはノニオン
性の各界面活性剤が挙げられる。例えば、堀口博「新界
面活性剤」三共出版(株)、(1975年刊)、小田良
平、寺村一広「界面活性剤の合成とその応用」槙書店(
1980年刊)等に記載される化合物を用いることがで
きる。本発明の範囲は、上記した具体的化合物例に限定
されるものではない。
【0183】一般式(1)で示される官能基含有の本発
明の樹脂を不感脂化する方法は、前記反応式(1)で示
した如く、脱ハロゲン化水素反応を行った後、生成した
二重結合に求核試薬が求核反応をすることで親水化され
ることを特徴とするものである。該脱ハロゲン化水素反
応はpH6以上の処理液中で容易に進行することから、
前記した求核性化合物を少なくとも含有した不感脂化処
理液のpHを6以上に設定することにより、脱ハロゲン
化水素及び求核反応による親水化が達成される。より好
ましくは、該処理液のpHは8以上が好ましい。更には
、脱ハロゲン化水素反応をpH6以上の溶液で進行させ
た後、求核性化合物含有の処理液で不感脂化処理しても
何等差し支えない。更に、該求核性化合物含有の親水化
処理は、印刷時の湿し水液に該求核性化合物を含有させ
て用いても同様の効果を得ることができる。
【0184】
【実施例】以下に本発明の実施例を例示するが、本発明
の内容がこれらに限定されるものではない。 分散安定用樹脂の製造例1:〔P−1〕ドデシルメタク
リレート97g、グリシジルメタクリレート3g及びト
ルエン200gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら
、温度75℃に加温した。2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル(略称AIBN)1.0gを加え4時間攪拌
し、更にAIBN  0.5gを加え4時間攪拌した。 次に、この反応混合物にメタアクリル酸5g、N,N−
ジメチルドデシルアミン1.0g、t−ブチルハイドロ
キノン0.5gを加え、温度110℃にて、8時間攪拌
した。冷却後、メタノール2000ml中に再沈し、や
や褐色気味の油状物を捕集後、乾燥した。収量73gで
重量平均分子量(Mw)3.6×104 であった。
【0185】
【化37】
【0186】分散安定用樹脂の製造例2:〔P−2〕2
−エチルヘキシルメタクリレート100g、トルエン1
50g及びイソプロパノール50gの混合溶液を、窒素
気流下攪拌しながら温度75℃に加温した。2,2’−
アゾビス(4−シアノ吉草酸)(略称ACV)2g加え
4時間反応し、更にACV  0.8gを加えて4時間
反応した。冷却後、メタノール2000ml中に再沈し
、油状物を捕集し乾燥した。
【0187】得られた油状物50g、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート6g、テトラヒドロフラン150g
の混合物を溶解し、これにジシクロヘキシルカルボンジ
イミド(DCC)8g、4−(N,N−ジメチルアミノ
)ピリジン0.2g及び塩化メチレン20gの混合溶液
を温度25〜30℃で滴下し、更にそのまま4時間攪拌
した。次にこの反応混合物にギ酸5gを加え1時間攪拌
した。析出した不溶物を濾別した後、濾液をメタノール
1000ml中に再沈し油状物を濾集した。更に、この
油状物をテトラヒドロフラン200gに溶解し、不溶物
を濾別後再びメタノール1000ml中に再沈し、油状
物を捕集し乾燥した。収量32gでMw4.2×104
 であった。
【0188】
【化38】
【0189】分散安定用樹脂の製造例3:〔P−3〕ブ
チルメタクリレート96g、チオグリコール酸4g及び
トルエン200gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しなが
ら、温度70℃に加温した。AIBNを1.0gを加え
8時間反応した。次にこの反応溶液にグリシジルメタク
リレート8g、N,N−ジメチルドデアルアミン1.0
g及びt−ブチルハイドロキノン0.5gを加え、温度
100℃にて、12時間攪拌した。冷却後この反応溶液
をメタノール2000ml中に再沈し、油状物を82g
得た。重合体の数平均分子量は5,600であった。
【0190】
【化39】
【0191】分散安定用樹脂の製造例4:〔P−4〕n
−ブチルメタクリレート100g、β−メルカプトプロ
ピオン酸4g及びトルエン200gの混合溶液を、窒素
気流下攪拌しながら、温度70℃に加温した。これにA
IBNを1.0gを加え6時間反応した。この反応混合
物を冷却し、温度25℃に設定した後2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート10g及びジカルボキシカルボンジ
イミド(DCC)8g、4−(N,N−ジメチルアミノ
)ピリジン0.2g及び塩化メチレン20gの混合溶液
を温度25〜30℃で滴下し、更にそのまま4時間攪拌
した。次にこの反応混合物にギ酸5gを加え1時間攪拌
した。析出した不溶物を濾別した後、濾液をメタノール
1000ml中に再沈し油状物を濾集した。更に、この
油状物をテトラヒドロフラン200gに溶解し、不溶物
を濾別後再びメタノール2000ml中に再沈し、油状
物を補集し乾燥した。収量68gでMw  6.6×1
03 であった。
【0192】
【化40】
【0193】 分散安定用樹脂の製造例5〜12:〔P5〜P12〕製
造例4において、n−ブチルメタクリレート100gの
代わりに下記表2に相当する単量体群に代えた他は、製
造例4と同様にして各樹脂を製造した。各樹脂のFwは
5.5×103 〜7×103 の範囲であった。
【0194】
【表2】
【0195】分散安定用樹脂の製造例13〜16:〔P
13〜P16〕 製造例4において、2−ヒドロキシメタクリレートの代
わりに表−  に相当する化合物を用いた他は、製造例
4と同様に操作して各樹脂を製造した。各樹脂のFwは
6×103 〜7×103 の範囲であった。
【0196】
【表3】
【0197】 分散安定用樹脂の製造例17:〔P−17〕ヘキシルメ
タクリレート80g,グリシジルメタクリレート20g
、2−メルカプトエタノール2g及びテトラヒドロフラ
ン300gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら温度
60℃に加温した。これに2,2’−アゾビス(イソバ
レロニトリル)(略称:AIVN)0.8gを加え4時
間反応し、更にAIVN  0.4gを加え4時間反応
した。反応物を温度25℃に冷却した後、メタクリル酸
4gを加え、攪拌下にDCC  6g、4−(N,N−
ジメチルアミノピリジン)0.1g及び塩化メチレン1
5gの混合溶液を1時間で滴下し、そのまま更に3時間
攪拌した。次に、水10gを加え1時間攪拌し析出した
不溶物を濾別後、濾液をメタノール1000ml中に再
沈し、油状物を補集した。更に、この油状物をベンゼン
150gに溶解し、不溶物を濾別後、再びメタノール1
000ml中に再沈し、油状物を捕集し乾燥した。収量
56gでMw8×103 であった。
【0198】
【化41】
【0199】分散安定用樹脂の製造例18〜22:〔P
−18〜P−22〕 製造例17に示した様な反応を行うことで、下記表4の
分散安定用樹脂を各々合成した各樹脂のMwは6×10
3 〜9×103 の範囲であった。
【0200】
【表4】
【0201】樹脂粒子の製造例1:〔L−1〕分散安定
用樹脂〔P−17〕10g及びジプロピルケトン200
gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら、温度60℃
に加温した。これに、アカロレイン〔A−1〕47g、
下記単量体〔B−1〕3g、エチレングリコールジメタ
クリレート2g、AIVN  0.5g及びビプロロピ
ルケトン235gの混合溶液を、2時間で滴下し、その
まま2時間反応した。更に、A.I.V.N.0.3g
を加え2時間反応した。
【0202】冷却後、200メッシュのナイロン布を通
して白色分散物を得た。平均粒径0.18μmのラテッ
クスであった。(CAPA−500(堀場製作所(株)
製で粒径測定)。
【0203】
【化42】
【0204】 樹脂粒子の製造例2〜11:〔L−2〕−〔L−11〕
樹脂粒子の製造例1において、単量体〔A−1〕及び〔
B−1〕の代わりに下記表5および表6の各単量体に代
えた他は、製造例1と同様にして樹脂粒子を製造した。 各粒子の平均粒径は0.15〜0.30の範囲内であっ
た。
【0205】
【表5】
【0206】
【表6】
【0207】樹脂粒子の製造例12:〔L−12〕分散
安定用樹脂AA−6〔東亞合成(株)製マクロモノマー
:メチルメタクリレートを繰り返し単位とするマクロモ
ノマー:重量平均分子量Mw1.5×104 〕7.5
gおよびメチルエチルケトン133gの混合溶液を窒素
気流下攪拌しながら60℃に加温した。これに、下記単
量体〔A−12〕50g、下記単量体〔B−11〕4g
、ジエチレングリコールジメタクリレート5g、AIV
Nを0.5gおよびメチルエチルケトン150gの混合
溶液を1時間で滴下し更にAIVNの0.25gを加え
て2時間反応した。冷却後、200メッシュのナイロン
布を通して得られた分散物の平均粒径は0.25μmで
あった。
【0208】
【化43】
【0209】樹脂粒子の製造例13:〔L−13〕分散
安定用樹脂P−5の7.5gおよびメチルエチルケトン
235gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら60℃に
加温した。これに、下記構造の単量体〔A−13〕22
g、単量体〔B−7〕3g、アクリルアミド15g、A
IVNを0.5gおよびメチルエチルケトン200gの
混合溶液を2時間で滴下し、更にそのまま1時間反応し
た。
【0210】更に、AIVNの0.25gを加え、2時
間反応した後、冷却し、200メッシュナイロンを通し
て得られた分散物の平均粒径は0.28μmであった。
【0211】
【化44】
【0212】樹脂粒子の製造例14:〔L−14〕下記
構造の単量体〔A−14〕40g、単量体〔B−2〕4
g、エチレングリコールジアクリレート2g、分散安定
用樹脂P−7の10gおよびメチルエチルケトン235
gを窒素気流下温度60℃に加温した。これにメチルエ
チルケトン200gの溶液中に撹拌しながら2時間で滴
下した。そのまま1時間反応後、更にAIVNの0.3
gを加え2時間反応した。冷却後200メッシュナイロ
ン布を通して得られた分散物の平均粒径は0.20μm
であった。
【0213】
【化45】
【0214】 樹脂粒子の製造例15〜25:〔L−15〜L−25〕
樹脂粒子の製造例1において、エチレングリコールジメ
タクリレート2gに代えて、下記表7の多官能性化合物
を用いた他は製造例14と同様にして樹脂粒子〔L−1
5〕〜〔L−25〕を製造した。各粒子とも重合率は9
5〜98%で平均粒径は0.15〜0.25μmであっ
た。
【0215】
【表7】
【0216】 樹脂粒子の製造例26〜31:〔L−26〜L−31〕
樹脂粒子の製造例12において、分散安定用樹脂AA−
6の代わりに、下記表8の各分散安定用樹脂を用いた他
は、製造例12と同様にして、各粒子を製造した。
【0217】各粒子の平均粒径は0.20〜0.25の
範囲であった。
【0218】
【表8】
【0219】 樹脂粒子の製造例32〜35:〔L−32〜L−35〕
樹脂粒子の製造例13において、単量体〔A−13〕、
アクリルアミド及び反応溶媒:メチルエチルケトンの代
わりに下記表9の各々の化合物を用いた他は、製造例1
3と同様にして各粒子を製造した。各粒子の平均粒径は
0.15〜0.30の範囲であった。
【0220】
【表9】
【0221】実施例1 下記構造の結着樹脂〔C−1〕40g、光導電性酸化亜
鉛200g、ウラニン0.03g、ローズベンガル0.
06g:テトラブロムフェノールブルー0.02g、無
水マレイン酸0.20g及びトルエン300gの混合物
を、ボールミル中で4時間分散した。これに分散樹脂粒
子〔L−1〕2g(固形分量として)無水フタル酸0.
05g、フェルール0.001gを添加し、更に10分
間分散した。この感光層形成用分散物を導電処理した紙
に乾燥付着量が25g/m2 となるようにワイヤーバ
ーで塗布し、100℃で30秒間乾燥した。後、更に1
20℃で1時間加熱した。ついで、暗所で20℃、65
%RHの条件下で24時間放置することにより、電子写
真感光材料を作製した。
【0222】
【化46】
【0223】比較例A 実施例1において、分散樹脂粒子〔L−1〕2gを加え
ない他は、実施例1と同様に操作して電子写真感光材料
を作製した。
【0224】比較例B 比較用樹脂粒子の製造:〔LR−1〕 樹脂粒子の製造例1において、単量体〔B〕を除いた他
は、製造例1と同様にしてラテックスを合成し、平均粒
径0.21μmの粒子を得た。
【0225】比較用感光体の製造 実施例1において、樹脂粒子〔L−1〕2gの代わりに
、上記樹脂粒子〔LR−1〕2g(固形分量として)を
用いた他は、実施例1と同様に操作して感光体を作製し
た。
【0226】これらの感光材料の撮像性、光導電層の不
感脂化性(不感脂化処理後の光導電性層の水との接触角
で表わす)及び印刷性を調べた。印刷性は全自動製版機
ELP404V(富士写真フイルム(株)製)に現像剤
ELP−Tを用いて、露光・現像処理して画像を形成し
、不感脂化処理をして得られた平版印刷版を用いて調べ
た。なお、印刷機にはハマダスター(株)製ハマダスタ
ー800SX型を用いた。
【0227】以上の結果をまとめて、表10に示す。
【0228】
【表10】
【0229】表10に記した評価項目の実施の態様は以
下の通りである。
【0230】注1)撮像性:各感光材料及び全自動製版
機ELP404V(富士写真フイルム(株)製)を1昼
夜常温・常湿(20℃、65%RH)に放置した後、製
版して複写画像を形成し、得られた複写原版の画像(カ
ブリ、画像の画質)を目視で観察する(これをA)とす
る)。複写画像の画質Bは、製版を高温・高湿(30℃
、80%RH)で行う他は、前記Aと同様の方法で試験
する。
【0231】注2)生版保水性:各感光材料そのもの(
製版しない原版:すなわち、生版と称す)を、富士写真
フイルム(株)製不感脂化処理液ELP−EXを蒸留水
で5倍に希釈した水溶液を用いて、エッチングマシーン
を1回通した。次に、これらの版を下記処方で調整され
た不感脂化処理液(E−1)用いて、三分間この液に浸
した後水洗した。 不感脂化処理液  E−1 セリン                      
  70gネオソープ(竹本油脂(株)製)  8gベ
ンジルアルコール            80gこれ
を蒸留水に溶解し、全量を1000mlとし、水酸化カ
リウムでpH10.5に調整した。
【0232】これらをハマダスター(株)製ハマダスタ
ー8005X型を用いて印刷し、刷り出しから50枚目
の印刷物の地汚れの有無を目視で評価した。
【0233】注3)印刷物の地汚れ:各感光材料を、上
記注1)と同一の操作で製版した後、注2)と同一の操
作で不感脂化処理をして、オフセットマスター用原版を
作製した。次に、これらオフセットマスター用原版を印
刷し、印刷物の地汚れが目視で判別できるまで印刷枚数
を調べた。
【0234】本発明及び比較例A、Bの撮像性は、複写
画像がいずれも鮮明な画質であった。
【0235】これら各感光体を不感脂化処理して、非画
像部の親水化の度合を評価したところ、比較例A及びB
は、ともに印刷インキ付着による地汚れが著しく、非画
像部の親水化が充分に行われなかった。
【0236】更に実際に製版した後不感脂化処理して印
刷したところ、本発明の平版は地汚れの発生も見られず
且つ鮮明な画像の印刷画質の印刷物が6000枚得られ
た。他方、比較例A、Bは、刷り出しから非画像部の地
汚れが著しくなった。
【0237】以上のように、非画像部の親水性が充分進
行し地カブリを発生しない電子写真式平版印刷用原版は
、本発明のもののみであった。
【0238】また、本発明の感光材料は(45℃、75
%RH)の条件下に2週間放置後も、経時前と殆ど変わ
らない性能を示した。
【0239】実施例2〜17 実施例1において分散樹脂粒子〔L−1〕の代わりに、
下記表11の樹脂粒子0.5(固形分量として)を用い
た他は、実施例1と同様に操作して各感光材料を作製し
た。
【0240】
【表11】
【0241】本発明の各感光材料は、いずれも実際の複
写画像及び高温高湿(30℃、80%RH)の過酷な条
件においても、地カブリの発生のない鮮明な画像を得た
【0242】また、不感脂化処理してオフセット平版原
版の性能を評価したところ、いずれも生版保水性は良好
で実際の製版後の印刷結果でも5千枚印刷できた。
【0243】実施例18.下記構造の結着樹脂〔C−2
〕39.1g、光導電性酸化亜鉛200g、ウラニン0
.03g、下記構造の色素〔1〕0.04g、ブロムフ
ェノールブルー0.025g、サチリル酸0.18g:
及びトルエン300gの混合物をホモジナイザー中、回
転数6×103 rpmで10分間分散した。この分散
物に樹脂粒子〔L−33〕1.5g(固形分量として)
、3.3’,5,5’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸ジ無水物0.01g及びo−クロロフェノール0.0
05gを加えて、回転数1×103 rpmで1分間分
散した。この感光層形成用分散物を、導電処理した紙に
乾燥付着量が25g/m2 となる様にワイヤーバーで
塗布し100℃で30秒間乾燥し、更に120℃で1時
間加熱した。
【0244】ついで暗所で20℃、65%RHの条件下
で24時間放置することにより電子写真感光材料を作製
した。
【0245】
【化47】
【0246】
【化48】
【0247】この感光材料をELP−FX(富士写真フ
イルム(株)製)を用いてエッチングプロセッサー中を
1回通した後、下記処方で調整した不感脂化処理液(E
−2)に5分間浸して不感脂化処理した。
【0248】 不感脂化処理液〔E−2〕 チオグリコール酸                 
           75gニューコールB4SN(
日本乳化剤(株)製)  10gメチルエチルケトン 
                         
80gこれらを蒸留水に水酸化ナトリウムでpH10.
5に調整し、全量1000mlとした。不感脂化した感
光材料に蒸留水2μlの水滴を乗せ、形成された水との
接触角をゴニオメーターで測定したところ10度以下で
あった。なお、不感脂化処理前の接触角は108度であ
り、明らかに、本感光材料の表面層が非常に良好に親水
化されたことを示す。
【0249】一方、この電子写真感光材料をELP−T
を現像剤を用いて全自動製版機ELP404V(富士写
真フイルム(株)製)で製版して、トナー画像を形成し
、上記と同条件で不感脂化処理しこれをオフセットマス
ターとして浸し水として上記E−2  で50倍に希釈
した溶液を用いて、オフセット印刷機(桜井製作所(株
)製、52型)にかけ上質紙上に印刷した。
【0250】印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画
質に問題を生じないで印刷できる枚数は、5000枚で
あった。
【0251】実施例19〜26 実施例1において、樹脂粒子〔L−1〕0.8gの代わ
りに、下記表12の各樹脂粒子〔L〕を5g(固形分量
として)とした他は、実施例1と同様にして電子写真感
光材料を作製した。
【0252】
【表12】
【0253】これらを実施例1と同様に、全自動製版機
ELP404Vで、アイソパーH(エッソスタンダード
社)1000ml中に、ポリメチルメタクリレート粒子
(粒子サイズ0.3μm)5gをトナー粒子として分散
し、荷電調節剤として大豆油レシチン0.01gを添加
して作製した液体現像剤を用いて製版したところ、得ら
れたオフセット印刷用のマスター用原版の濃度は1.0
以上で画質は鮮明であった。
【0254】更に、下記処方で調製した不感脂化処理液
(E−3)中にこの製版後のマスター用原版を30秒間
浸した後水洗して、不感脂化処理をした。
【0255】 不感脂化処理液〔E−3〕 チオグリコール酸                 
           75gニューコールB4SN(
日本乳化剤(株)製)  10gメチルエチルケトン 
                         
80gこれらを蒸留水に溶解し、全量で1000mlと
し更に水酸化ナトリウムでこの液がpH11.0となる
様に調製した。非画像部の蒸留水での接触角は10度以
下で充分に親水化されていた。
【0256】これらのオフセット印刷用原版を印刷機で
印刷したところ、5千枚印刷後の印刷物は、非画像部の
カブリがなく、画像も鮮明であった。 実施例27〜38 実施例1〜26で作製した各感光材料を用い、エッチン
グ処理を下記のように操作して、オフセット印刷用マス
タープレートを作製した。
【0257】原版を、ELP−EXを用いてエッチング
マシーンを1回通した後、下記表13および14の求核
性化合物0.5モル、有機溶媒100g及びニューコー
ルB4SN(日本乳化剤(株)製)10gに蒸留水を加
え1000mlとした後、各混合物のpHを10.0に
調整した。各感光材料を上記処理液中に30℃で2分間
浸した。
【0258】得られたプレートを実施例1と同様の印刷
条件で印刷した。
【0259】
【表13】
【0260】
【表14】
【0261】各材料とも、非画像部の水との接触角は1
0度以下で充分に親水化されていた。また、印刷枚数は
5千枚でも印刷物の印刷画質は、地カブリもなく鮮明な
画像で、良好であった。
【0262】実施例39〜42 実施例1において、樹脂粒子〔L−1〕の代わりに下記
表15の樹脂粒子〔L〕を用いた他は、実施例1と同様
にして各感光材料を作製した。
【0263】
【表15】
【0264】各感光材料を実施例1と同様に製版した後
、得られた原版を、ELP−FX中に3分間浸漬し、更
に不感脂化処理液E−2中に1分間浸漬して不感脂化処
理した後、実施例1と同様にして印刷したところ、地汚
れの発生のない鮮明な画質の印刷物が各々1万枚得られ
た。
【0265】
【発明の効果】本発明によれば、静電特性、特に高温高
湿度等の条件下での静電特性に優れた鮮明で良質な画像
を有し、電子写真方式で画質の良好なオフセットマスタ
ー用原版として保水性が良好で耐刷性に優れた印刷原版
を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  導電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛
    と結着樹脂とを含有してなる光導電層を少なくとも1層
    設けてなる電子写真式平版印刷用原版において、該光導
    電層中に前記光導電性酸化亜鉛粒子の最大粒子径と同じ
    かそれより小さい粒子径を有する下記の非水溶媒系分散
    樹脂粒子を少なくとも1種含有することを特徴とする電
    子写真体を、画像露光してトナー画像を形成した後に、
    当該トナー画像部以外の非画像部の光導電層を少なくと
    もパーソンの求核定数nが5.5以上の値を有する親水
    性化合物を含有する処理液で不感脂化処理することによ
    り、印刷原版とすることを特徴とする平版印刷用原版の
    製造方法。 非水溶媒系分散樹脂粒子(L):非水溶媒系中で、ホル
    ミル基及び/又は下記一般式(1)で示される官能基を
    少なくとも1種有する一官能性単量体(A)とケイ素原
    子及び/又はフッ素原子を含有する置換基を含み且つ単
    量体(A)と共重合する一官能性単量体(B)とを該非
    水溶媒に可溶性の分散安定用樹脂の存在下に分散重合反
    応させることにより得られる共重合体樹脂粒子。 【化01】 (ただし、上記一般式(1)において、R1 、R2 
    は各々同じでも異なってよく、炭化水素基を表すか、又
    はR1 、R2 はお互いに連結して環を形成した有機
    残基を表す)
  2. 【請求項2】  非水溶媒系分散樹脂粒子が高次の網目
    構造を形成していることを特徴とする請求項1記載の平
    版印刷用原版の製造方法。
  3. 【請求項3】  分散安定用樹脂が、高分子鎖中に、下
    記一般式(2)で示される重合性二重結合基部分を少な
    くとも1種含有していることを特徴とする請求項1記載
    の電子写真式平版印刷用原版の製造方法。 【化02】
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