JPH04333897A - 吸音パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、板状に成形されて例え
ば防音塀の壁材として用いられる吸音パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の吸音パネルとして、従来一般に
知られているものには、アルミニウム系の多孔質材を主
体とするものと、グラスウール等の綿状の繊維質吸音材
を主体とするものとがある。前者のアルミニウム系の多
孔質材を主体とした吸音パネルは、アルミニウム粉末を
焼結して成形したり、アルミニウムを発泡させて成形し
たり、アルミニウム繊維を一対のエキスパンドメタルで
挟んでサンドイッチ構造としたりしたものである。一方
、後者のグラスウール等の繊維質吸音材を主体とした吸
音パネルは、繊維質吸音材層の表面を布やフィルムで覆
うとともに、表面を保護し保形性を持たせるためにパン
チングメタル等の金属製のケーシングを付設したもので
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の吸音パネルには、次のような問題があった。まず、前
者のアルミニウム系の多孔質板による場合、比較的剛性
が高くて保形性はあるものの、板振動型の吸音機構に近
くなるので、単体では、高い吸音率を示す周波数帯域が
比較的狭いものである。そこで、より広い帯域で優れた
吸音率を得ることができるように、その吸音パネルの背
後に空気層を設けることが考えられるが、その場合には
、吸音パネルを含めた吸音構造の設置に大きな空間を要
することとなる。一方、後者のグラスウール等を主体と
する吸音パネルでは、多孔質型の吸音機構であることか
ら、アルミニウム系の多孔質板よりも若干広い周波数帯
域において高い吸音率を示すものの、未だ充分広い帯域
で優れた吸音特性が得られるものではなく、しかも、繊
維質吸音材の単体では剛性が低く、金属製のケーシング
を付設することが不可欠である。本発明の目的は、上記
実情に鑑み、より広い周波数帯域で優れた吸音特性が得
られる吸音パネルを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の吸音パネルの特
徴構成は、グラスウール等の綿状繊維質吸音材層とアル
ミニウム系多孔質板とを積層させたことにある。

【０００５】

【作用】つまり、自身でも吸音機能を有しながら比較的
剛性のあるアルミニウム系多孔質板を、綿状繊維質吸音
材層に積層することによって、単体では剛性の低い綿状
繊維質吸音材層に保形性を与えながら、綿状繊維質吸音
材層の有する吸音機能とアルミニウム系多孔質板の有す
る吸音機能とが補い合い増加し合って、吸音パネル全体
としての吸音率を高めることができ、広い帯域での吸音
特性の改善が可能になる。従って、綿状繊維質吸音材層
に保形性を与えるために不可欠な金属性のケーシング自
体に吸音性を持たせた構成とすることで吸音率を全体的
に高め、広い周波数帯域にわたってより優れた吸音特性
を得ることができた。他方、アルミニウム系多孔質板に
空気層を付設して吸音特性の改善を図ることに比して、
専有領域が空気層よりも少なくても済む綿状繊維質吸音
材を積層することで、設置空間の大幅な増加を回避しな
がら、吸音特性の改善ができた。その結果、全体として
、コンパクトで吸音性能の優れた吸音パネルを提供でき
た。

【０００６】

【実施例】以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説
明する。

【０００７】図１に示すように、綿状繊維質吸音材の一
例であるグラスウール１Ａを主体に成形したグラスウー
ル層１と、アルミニウム系多孔質板２とを積層させて吸
音パネルを構成してある。前記グラスウール層１は、グ
ラスウール１Ａの表面に、ガラス繊維からなる織布１Ｂ
を付設してなり、この織布１Ｂが水滴を撥水することで
、グラスウール１Ａへの水分の浸透に起因した吸音性能
の低下を防止するように構成してある。一方、前記アル
ミニウム系多孔質板２は、アルミニウム繊維からなる不
織布２Ａの両側に一対のアルミニウム製のエキスパンド
メタル２Ｂを配設したもので、それら三者を圧延して板
状に成形したものである。そして、上記グラスウール層
１とアルミニウム系多孔質板２とを、接着剤により接着
して積層してある。

【０００８】前記グラスウール層１はそれ自身では剛性
が低く、吸音パネルとしての保形性に乏しいものである
が、アルミニウム系多孔質板２を付設することで、その
多孔質材２の備える剛性によって使用に耐えうる保形性
を持たせるとともに、アルミニウム系多孔質板２それ自
身の有する吸音性能が付加されることでより広い周波数
帯域に亘る優れた吸音特性を実現している。

【０００９】なお、前記アルミニウム系多孔質板２の不
織布２Ａを構成するアルミニウム繊維は、長さが５００
ｍｍ〜１０００ｍｍのものが大半を占めている。また、
この不織布２Ａとエキスパンドメタル２Ｂとは、多孔質
板生成前には、何れも空気と触れて表面にアルミナ層が
できているが、高圧を掛けることでそのアルミナ層の下
のアルミニウム地金が露出してアルミニウム同士で接着
し、一体化されて多孔質板２を構成している。なお、不
織布２Ａの面密度は適宜変更可能である。

【００１０】本発明による吸音パネルは、先に述べたよ
うに、グラスウール層１にも耐候性を持たせてあり、ア
ルミニウム系多孔質板２はそれ自体で耐候性があるもの
であるから、主として、屋外において、防音塀等を構成
するパネル材として用いられるのに適している。例えば
、鉄道線路や高速道路の側方に立設された防音壁におい
て、単に直接音を遮音するだけではなく、その防音塀か
らの一次反射を低減するための用途が考えられ、図示は
しないが、既設のコンクリート塀にグラスウール層１を
接着して設置したり、或いは、吸音パネルの全体を枠組
中に収めて支柱間に設置する等の設置形態を採用するこ
とができる。勿論、用途は屋外用に限られるものではな
く、建物内の壁材や天井材として用いても構わない。

【００１１】次に、本発明による吸音パネルの吸音特性
を説明する。図２のグラフのＡのラインが、本発明の吸
音パネルの垂直入射吸音率を示す。試料は、グラスウー
ル層とアルミニウム系多孔質板とを合わせた厚みが５０
ｍｍのものとし、管内法によって測定した。図２のグラ
フのＢのラインとＣのラインとは、比較のために挙げた
ものである。Ｂのラインは、グラスウール層に替えて、
アルミニウム系多孔質板の厚みと合わせて上記試料と同
じ５０ｍｍの厚みとなる空気層を設けたもので、吸音特
性が優れた周波数帯域が、本発明よる吸音パネルより狭
いことが分かる。また、Ｃのラインには、５０ｍｍの厚
みのグラスウール層のみによるもので、上記空気層付き
のアルミニウム系多孔質板によるものよりは広い帯域で
吸音特性が優れているが、未だ本発明による吸音パネル
は及ばないことが分かる。

【００１２】次に、本発明の別の実施例を列記する。

【００１３】〈１〉　　図３に示すものは、アルミニウ
ム系多孔質板２において、エキスパンドメタル２Ｂを、
グラスウール層１とは反対側となる片側にのみ設けると
ともに、アルミニウム繊維の不織布２Ａとエキスパンド
メタル２Ｂとの間に、数マイクロメートルないし２０マ
イクロメートルのアルミニウム箔２Ｃを介装したもので
ある。この構成により、撥水性が高められるとともに、
グラスウール層１が隠蔽されることでアルミニウム材に
よる一様な外観が得られる。さらに、吸音特性も改善さ
れる。この構成になる吸音パネルの吸音特性を図４のグ
ラフに示す。測定条件は図２に示すものと同じであって
、図４中のＤのラインが、この別実施例の吸音パネルの
垂直入射吸音率を示す。なお、図４中のＥのラインは、
比較のために挙げたもので、この別実施例の吸音パネル
において、グラスウール層１に替えて空気層を設けたも
のである。

【００１４】〈２〉　　先の実施例では、アルミニウム
系多孔質板２において、アルミニウム繊維の不織布２Ａ
の両側にエキスパンドメタル２Ｂを付設したものを説明
したが、それに替えて、上記〈１〉の別実施例のように
、不織布２Ａの片側のみにエキスパンドメタル２Ｂを付
設してもよい。この構成になる吸音パネルの吸音特性を
図５のグラフに示す。測定条件は図２に示すものと同じ
であって、図５中のＦのラインが、この別実施例の吸音
パネルの垂直入射吸音率を示す。なお、図５中のＧのラ
インは、比較のために挙げたもので、この別実施例の吸
音パネルにおいて、グラスウール層１に替えて空気層を
設けたものの吸音特性である。

【００１５】〈３〉　　先の実施例では、アルミニウム
系多孔質板２として、アルミニウム繊維の不織布２Ａと
エキスパンドメタル２Ｂとを圧着した構成のものを説明
したが、それに替えて、アルミニウム系多孔質板２とし
ては、アルミニウム粉末を板状に焼結したものや、アル
ミニウムを発泡させて成形したものを用いてもよい。な
お、前者のアルミニウム粉末焼結板を用いる場合には、
気孔率を５０％以下にすることが剛性維持のために必要
で、板厚は３ｍｍ以上にすることが好ましい。また、発
泡アルミニウム板を用いる場合は、アルミニウムの溶融
状態から発泡させるに際して連通気孔を形成するために
圧延が必要であることから、剛性はあるものの展延性に
乏しいので、板厚は３ｍｍ以上にすることが必要である
。なお、上述したアルミニウム粉末焼結板を用いた吸音
の吸音特性を図６のグラフに示す。測定条件は図２に示
すものと同じであって、図６中のＨのラインがこの別実
施例の吸音パネルの垂直入射吸音率を示す。なお、図５
中のＩのラインは、比較のために挙げたもので、この別
実施例の吸音パネルにおいて、グラスウール層１に替え
て空気層を設けたものの吸音特性である。

【００１６】〈４〉　　綿状繊維質吸音材１Ａとして、
グラスウールに替えて、ロックウールやカポック等を用
いてもよく、それらを層状に形成したものを、綿状繊維
質吸音材層１と総称する。また、この綿状繊維質吸音材
層の密度は適宜変更可能である。

【００１７】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】断面図

【図２】吸音特性のグラフ

【図３】別実施例の断面図

【図４】図３の別実施例の吸音特性のグラフ

【図５】さ
らに別の実施例の吸音特性のグラフ

【図６】さらに別の
実施例の吸音特性のグラフ

【符号の説明】

１　　　　綿状繊維質吸音材層 １Ａ　　グラスウール ２　　　　アルミニウム系多孔質板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　綿状繊維質吸音材層（１）とアルミニ
   ウム系多孔質板（２）とを積層させてある吸音パネル。
2. 【請求項２】　　前記綿状繊維質吸音材がグラスウール
   （１Ａ）である請求項１記載の吸音パネル。