JPH043334Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (A) 産業上の利用分野 本考案は使用電力量の計量に使用される、高圧
変圧変流器（以下、単に変成器という）の端子箱
等の、封印金具に関するものである。

(B) 従来の技術 従来、使用電力量の計量に使用される変成器の
端子箱１９は第３図に示すように変成器本体側部
に設けられ、その端子箱蓋１０は、端子箱１９に
設けられた、ボルト１１と蝶捻子１２により端子
箱１９に捻子止めされている。

そして蝶捻子１２の封印孔１４と、端子箱蓋１
０の締付部１３の封印孔１５とは、封印ワイヤー
１６で縫つて、封印樹脂（または封印鉛）１７で
封印されていた。

ところが、封印を外せば、端子箱蓋１０は蝶捻
子１２を緩めて簡単に開くことができるため、こ
の封印を改ざんして端子箱蓋１０を開け、内部の
端子を操作して、電力の不正使用をされることが
あつた。

従つて封印を外しても、容易に端子箱１９の端
子箱蓋１０を、開けることのできない封印金具が
望まれていた。

(C) 考案が解決しようとする問題点 本考案は例え封印を改ざんしても、容易に端子
箱蓋１０を開けることが、できない封印金具を、
経済的に提供するものである。

(D) 問題を解決するための手段 第１図に示すように、コ形金具の外側上部中央
に、封印捻子螺孔１を円筒内底部中央に有し、封
印孔４を円筒部に有する円筒２を設けると共に、
その近側に封印環３を設けた蓋金具５と、 蓋金具５の外側に嵌合するコ形金具の、内側中
央に、封印捻子螺孔６を有するコ形金具７を設け
ると共に、その両側に小判形切込ボルト孔８をそ
れぞれ設けた座金９、 とからなる封印金具である。

なお、コ形金具の蓋金具５はコ形金具の座金９
の内側に嵌合し、封印捻子螺孔１に螺入遊嵌され
た、第７図に示す封印捻子１８を、座金９の封印
捻子螺孔６に螺入することにより、蓋金具５は座
金９に固定されるものである。

なお、封印捻子１８は、第７図、第８図に示す
ように、頭部２０の周辺に複数の掛止溝２１等を
設け、その数や形状大きさ等は特殊形状とし、こ
れの締付具２２も第９図に示すように、その先端
に設けられた捻子ボツクス部２３は、蓋金具５の
円筒２内に嵌合し、封印捻子１８の頭部２０の掛
止溝２１とは掛合して、封印捻子１８を螺入、螺
出できる構造とし、その掛合部の溝の数や形状大
きさ等は、第三者が容易にドライバーやラジペン
等の器具で操作することのできない、特殊形状と
したしたものを、選定して使用する。

なお、第１図の円筒２は、蓋金具５に溶着し、
円筒２の中心部の蓋金具５に、封印捻子螺孔を設
けた場合を示しているが、 蓋金具５には封印捻子孔のみ設けておき、円筒
２は別個に底部中央に封印捻子螺孔を有するもの
に、封印捻子１８を螺入遊嵌したものを、上記蓋
金具５の封印捻子孔に挿入して、上記同様に締付
具２２により、円筒２内の封印捻子１８の頭部２
０を回転して、座金９の封印捻子螺孔６に螺入固
定する構造とすることもできる。

この場合に於ては、円筒２の底部と蓋金具５と
の間に、互いに嵌合する凹凸部を封印捻子孔の他
に別途に設けておけば、封印捻子１８を螺入後、
円筒２をペンチ等により回転せしめて、円筒２と
共に封印捻子１８を緩めようとしても、円筒２の
底部と蓋金具５の凹凸部の嵌合により、円筒２は
蓋金具５に固定されているので、回転することな
く、封印捻子１８は緩むことはない。

(E) 作用 本考案の封印金具を使用するには、第４図に示
すように、端子箱１９のボルト１６の蝶捻子１２
を緩め、本考案の座金９を、第５図に示すよう
に、そのボルト孔８の切り込み部から、端子箱蓋
１０の締付部１３上に挿入し、蝶捻子１２を締め
付ける。

次に第６図に示すように、蓋金具５を座金９上
に嵌合し、円筒２内に予め螺入遊嵌されている封
印捻子１８を、座金９のコ形受金７の封印捻子螺
孔６に、締付具２２により螺入固定する。

この場合、締付具２２の先端の捻子ボツクス部
２３は円筒２内に挿入され、捻子ボツクス部２３
内の掛止部２４は、締付捻子１８の頭部２０の掛
止溝２１に掛止して、締付捻子１８を螺入せし
め、蓋金具５を座金９に固定する。

ついで円筒２の封印孔４と蓋金具５の封印環３
を、封印ワイヤー１６により縫つて、封印樹脂１
７により封印する。

同様にして第３図、第４図に示す端子箱１９の
他方の締付部１３にも、本考案の封印金具をセツ
ト封印する。

(F) 考案の効果 上記したように本考案の封印金具は、端子箱１
９と端子箱蓋１０の締付部１３とを、締め付けて
いるボルト１１と蝶捻子１２の螺合部分を、座金
９と蓋金具５により包み込み、しかも蓋金具５と
座金９は、円筒２内の封印捻子１８により螺着固
定されているので、封印捻子１８を螺出して、蓋
金具５を取り除かない限り、蝶捻子１２を緩め
て、蓋金具５を開けることはできない。

しかも封印捻子１８を、例えば、その頭部２０
の周囲は特定の形状で、特定数の掛止溝２１が設
けられたものとし、この特定の掛止溝２１に掛合
する掛止部２４を有する捻子ボツクス部２３を先
端に設けた締付具２２によらなければ、螺入螺出
することのできない構造のものを使用し、 更に封印捻子１８の頭部２０は、円筒２の内壁
との隙間の小さいものを使用すれば、 その頭部２０は円筒２の内奥部に、位置せしめ
るようにしてあるため、 円筒２内に挿入可能で、しかも上記したように
特定の掛止溝２１に掛止する特定の締付具２２を
使用しない限り、 例えば通常のドライバー等では、封印捻子１８
の頭部２０には、掛止できないため、封印捻子１
８を螺出することはできない。

また、ラジペン等によつても、頭部２０の外周
の円筒２が邪魔して、頭部２０を把持すること
が、できないため、封印捻子１８を回転螺出する
ことは不可能である。

従つて、例え封印ワイヤー１６や封印樹脂１７
等を改ざんしても、封印捻子１８に掛合する予め
設定された、特定の締付具２２によらないかぎ
り、封印捻子１８を螺出して、蓋金具５を開ける
ことはできない。

よつて第三者が変成器の端子箱蓋１０を開け
て、内部を操作し不正をすることを、防止できる
ものである。

以上にように、本考案の封印金具は、簡単な構
造で、経済的に、高圧受電用の変成器等の、端子
箱の封印を、第三者が容易に操作することができ
ない構造のもので、封印の確実を期するものであ
る。

（Ｇ）その他の実施例 なお、本考案の封印金具は、高圧受電用の変成
器の端子箱の封印のみならず、ボルトナツトによ
り封じ込む、一般の収納箱や操作箱等に於ても、
特定の者以外の開閉を禁止する箇所の封印等に広
く使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の蓋金具の説明用斜視図、第２
図は同座金の説明用斜視図、第３図は変成器の説
明用斜視図、第４図は変成器の端子箱の説明用斜
視図、第５図・第６図は本考案の使用状態説明用
部分斜視図、第７図・第８図は封印捻子の説明
図、第９図は封印捻子締付具の説明図。 １は蓋金具５の封印捻子螺孔、２は同円筒、３
は同封印環、４は円筒２の封印孔、５は蓋金具、
６はコ形受金７の封印捻子螺孔、７は座金９のコ
形受金、８は同切欠きボルト孔、９は座金、１０
は端子箱１９の端子箱蓋、１１は同ボルト、１２
は同蝶捻子、１３は端子箱蓋の締付部、１４は蝶
捻子１２の封印孔、１５は締付部１３の封印孔、
１６は封印ワイヤー、１７は封印樹脂、１８は封
印捻子、１９は端子箱、２０は封印捻子の頭部、
２１は頭部２０の掛止溝、２２は締付具、２３は
締付具２２の捻子ボツクス部、２４は捻子ボツク
ス部２３の掛止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コ形金具の外側上部中央に、封印捻子螺孔１を
   円筒内底部中央に有し、封印孔４を円筒部に有す
   る円筒２を設けると共に、その近側に封印環３を
   設けた蓋金具５と、 蓋金具５の外側に嵌合するコ形金具の、内側中
   央に、封印捻子螺孔６を有するコ形受金７を設け
   ると共に、その両側に小判形切込ボルト孔８をそ
   れぞれ設けた座金９、 とからなる封印金具。