JPH0433323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンクリート型枠を組み立てる際に
型枠を一定間隔に保持するに用いるセパレーター
の型枠受片構造に関する。特に表面の模様が複雑
な凹凸からなる化粧型枠を組み立てる場合に使用
しても好適なるものであつて、弾性材料を用いて
成形した型枠受片を提供するにある。上記のよう
な化粧型枠は、表面に網目、縄目、簾、花など
種々の複雑な凹凸模様が一体的に成形されてお
り、コンクリートの打込みと同時に前記凹凸模様
をコンクリート表面に形成させるようになつてい
る。しかも、化粧型枠は剛性が小さいので、外側
に補強用型枠を接着又は釘止めしてから型枠を組
み立てる。

このような化粧型枠を使用する場合における従
来手法の基本は、第１図に例示するように組み立
てる。すなわち、コーン状主体２が普通のものに
比べて長く、かつ径大側直径の大きい特殊な型枠
受片１を使用し、一方、化粧型枠３の表面には複
雑な凹凸４の模様があつて型枠受片１との密着が
難しいことから、該化粧型枠３にコーン状主体２
が貫通するに充分な大きい穴５（約45mm／mm〜50
mm／mm）を明けておく。そして、セパレーター７
の端部に装着した型枠受片１を穴５に嵌挿させて
補強用型枠６に当接させ、化粧型枠３を補強する
状態になして型枠３，６を組み立てる。８は締付
金具を示す。

しかし、上記のような特殊な型枠受片１を用い
ると、型枠受片１のコストが普通のものに比べて
高くつくばかりでなく、化粧型枠３に大きな穴５
を明ける必要がある。そして、この大きな穴５が
あるためその加工に手間を要し、しかも型枠受片
１の取付け位置が異なる場合は、化粧型枠３の再
使用ができなくなることも多々あつた。

また、コンクリートの打設時にコンクリート９
のノロが穴５に侵入して固化するため、該穴部分
の補修に余分な手間と費用がかかる難点もあつ
た。

本考案はかかる現状に鑑みてなされたものであ
り、本考案は弾性材料からなる截頭円錐形の型枠
受片１１が、ねじ体１６を被覆する径小側部位と
径大側部位とから形成されるコーン状主体１２及
び前記径大側部位の端部周縁へ一体に形成される
薄肉の裾縁１２ａを備える弾性スカート部１４と
から構成されてなると共に、前記弾性スカート部
１４の裾縁１４ａの肉厚が径大側に至るほど薄く
なる先細に形成され、且つ該裾縁１４ａが波形の
形状に形成されてなるコンクリート型枠用セパレ
ーターの型枠受片構造。を提供するものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。なお、従来の構成と同一部分には同一符号を
付して詳述する。

第２図は、本考案に係る型枠受片１１の主要部
をなすコーン状主体１２が示されており、該コー
ン状主体１２は従来の型枠受片と同様にプラスチ
ツク材料により截頭円錐形に成形され、中心部に
セパレーター７及び締付金具８を連結する軸杆１
５の嵌着孔１３が設けられた径小側部位を備えて
いる。そして、コーン状主体１２の型枠に当接す
る径大側には截頭円錐形の筒状部位が一体に形成
されている。

そしてさらに、当該筒状部位における径大側端
部周縁に薄肉の弾性スカート部１４が一体に連設
されている。弾性スカート部１４は容易に弾性変
形し得るように先端に至るほど肉厚を薄くして先
細に形成されている。なお、上記コーン状主体１
２はゴム材料その他の弾性材料で構成してもよ
い。

而して、第３図，第４図に示すように、上記コ
ーン状主体１２の嵌着孔１３に軸杆１５を嵌着し
て型枠受片１１が完成される。軸杆１５は従来品
と同様、第３図のように、セパレーター７を連結
するための鍔付雌ねじ体１６と締付金具８を連結
するねじ軸１７を一体構造に構成したもの、ある
いは第４図のように、鍔付雌ねじ体１６′とねじ
軸１７′を別体に構成して両者を螺着したものを
用いる。

第５図は上記構成の型枠受片１１を用いて化粧
型枠３を組み立てた使用例を示しており、コーン
状主体１２が直接化粧型枠３に当接して組み立て
られている。軸杆１５のねじ軸１７に螺着した締
付金具８を締付けると、先ず弾性スカート部１４
の裾縁１４ａが先行して化粧型枠３表面の凸部に
接触し、後行して截頭円錐形の筒状部位の端面が
化粧型枠３表面の凸部に接触する。さらに締付金
具８を締付けると、弾性スカート部１４の裾縁１
４ａがより弾性変形しながら押潰されて凹部深く
へ侵入し、かくして型枠３表面にある模様の複雑
な凹凸面４に沿つて前記筒状部位の端面が型枠表
面の凸部に、さらに前記弾性スカート部の裾縁１
４ａが型枠表面の凹部に夫々接触加圧されて完全
な密着状態となり、最早やコーン状主体１２の内
側にコンクリート９のノロが侵入することはなく
なる。

なお、第７図に示すように、弾性スカート部１
４の裾縁１４ａを波形に形成しておくと、スカー
ト部１４の弾性変形が一層良好となり、小さな凹
凸面４に対しても確実に密着させ得る効果があ
る。

第６図は、上記型枠受片１１を傾斜角度αが比
較的小さい勾配用型枠２０の組み立てに使用した
例を示している。この場合、型枠２０の内側方に
傾斜している部分に当接した箇所で弾性スカート
部１４がさらに大きく弾性変化して、スカート部
１４の全周が型枠２０に密着する。また、上述の
説明から容易に分かるように、上記型枠受片１１
は普通の型枠を組み立てる場合にも当然に使用で
きるものである。

本考案の型枠受片１１は上述のように構成され
ているから、化粧型枠３にある模様の複雑な凹凸
面４に対しても確実に密着させることができ、こ
れによつてコンクリートのノロがコーン状主体１
２の内側に侵入するのを確実に防ぐことができ
る。従つてコーン状主体１２の内側におけるノロ
の固化は全く発生せず、コンクリート９からの離
脱を極めて容易にする著効を奏するものである。

また、従来の化粧型枠３の組み立てに使用され
ていた特殊な型枠受片１（第１図参照）に比べて
コストが安いばかりでなく、組み立てに際して化
粧型枠３に明ける穴１８の大きさも特別なもので
はなく型枠３の再使用が極めて容易である。しか
も、本考案の型枠受片は化粧型枠３の組み立ての
みに限定されず、勾配用型枠あるいは普通の型枠
の組み立てにも使用できることから、その実用上
の効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来品の使用状態を示す一部縦断正面
図、第２図は本考案に係る型枠受片の主要部をな
すコーン状主体の斜視図、第３図及び第４図は本
考案の型枠受片の縦断正面図、第５図は同使用状
態を示す一部縦断正面図、第６図は別の使用例を
示す一部縦断正面図、第７図はコーン状主体の別
の実施例を示す斜視図である。 １１……型枠受片、１２……コーン状主体、１
３……嵌着孔、１４……弾性スカート部、１５…
…軸杆、２０……勾配用型枠、３……化粧型枠、
４……凹凸面、６……補強用型枠、７……セパレ
ーター、８……締付金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性材料からなる截頭円錐形の型枠受片１１
   が、ねじ体１６を被覆する径小側部位と径大側部
   位とから形成されるコーン状主体１２及び前記径
   大側部位の端部周縁へ一体に形成される薄肉の裾
   縁１２ａを備える弾性スカート部１４とから構成
   されてなると共に、前記弾性スカート部１４の裾
   縁１４ａの肉厚が径大側に至るほど薄くなる先細
   に形成され、且つ該裾縁１４ａが波形の形状に形
   成されてなるコンクリート型枠用セパレーターの
   型枠受片構造。