JPH04325584A - 封緘用感熱型接着テープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カートン、段ボール箱
を封緘するのに好適な感熱型接着テープに関し、さらに
詳しくは、紙、不織布等の多孔質基材への感熱型接着剤
成分の含浸による外観変化、品質低下などが防止された
封緘用感熱型接着テープに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カートン、段ボール箱の封緘用接
着テープとして、クラフト紙等のシート状基材の片面に
、感圧型接着剤を塗工した粘着テープ類、あるいはクラ
フト紙の片面に、再湿型接着剤を塗工したガムテープ類
が使用されてきた。ところが、粘着テープ類は、感圧型
接着剤を用いているため、接着強度が低く、耐クリープ
性に劣り、コストも高い。ガムテープ類は、貼付時に、
水による活性化や適当なオープンタイム、セットタイム
が必要である。

【０００３】そこで、本発明者らは、低コストで、接着
強度が強く、重ね貼り性を有し、しかも封緘作業性に優
れたカートン、段ボール箱の封緘用接着テープとして、
シート状基材に常温では非粘着の感熱型接着剤を塗布し
て成る封緘用感熱型接着テープを提案した（特願平１−
３３３４９１号）。

【０００４】ところが、この感熱型接着テープは、基材
として紙や不織布などの多孔質基材を用いた場合、塗工
時や加熱時、あるいは長期の経時において接着剤中の低
沸点物質や低融点物質（特にワックス類）および接着剤
自体の基材への含浸を防ぐことができず、外観や保存性
、品質に悪影響を与えるという問題点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決することにより、外観（色）の変化や品質
の経時変化を防止したカートン、段ボール箱を封緘する
のに好適な感熱型接着テープを提供することにある。

【０００６】本発明者らは、鋭意研究した結果、多孔質
基材の片面に下層として、上層組成物のワックス、固体
可塑剤等の基材含浸防止層を設けることにより上記目的
を達成できることを見いだした。下層を形成する材質と
しては、ワックス、固体可塑剤等の低融点物質よりも高
融点の物質、例えば、熱可塑性樹脂やエストラマーなど
が用いられる。本発明は、これらの知見に基づいて完成
するに至ったものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、シート状多孔質基材（Ａ）と低融点物質を含有する
常温非粘着性の感熱型接着剤層（Ｂ）を有する感熱型接
着テープであって、該基材（Ａ）の片面に、前記低融点
物質の基材への含浸防止層（Ｃ）として該低融点物質よ
りも高融点の物質を主成分とする下層が設けられ、感熱
型接着剤層（Ｂ）が上層として積層されていることを特
徴とするカートン、段ボール箱封緘用感熱型接着テープ
が提供される。

【０００８】以下、本発明について詳述する。本発明で
用いるシート状多孔質基材としては、例えば、クラフト
紙、糸入り補強紙、上質紙、アート紙等の紙類、布、不
織布等が挙げられる。感熱型接着剤は、熱可塑性ポリマ
ー、粘着付与樹脂、ワックス、軟化剤、充填剤、酸化防
止剤等からなるものである。

【０００９】熱可塑性ポリマーとしては、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂（ＥＶＡ）、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−アクリレート共
重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロ
ース誘導体、ポリメチルメタクリレート、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロックコポリマー（ＳＩＳ）、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー（Ｓ
ＢＳ）、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロ
ックコポリマー（ＳＥＢＳ）、ポリビニルエーテル、ポ
リウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹
脂等が挙げられる。包装用途としては、これらの中でも
特にＥＶＡがコスト、性能面でバランスが良く賞用され
る。

【００１０】粘着付与樹脂としては、上記熱可塑性ポリ
マーに相溶するものが用いられ、具体例としては、ロジ
ンおよびその誘導体、石油樹脂、ポリテルペン、クマロ
ン・インデン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、ジ
シクロペンタジエン系石油樹脂等がある。また、それら
の軟化点は、熱活性化温度、接着強度、耐熱性、熱安定
性の点から６０〜１５０℃の範囲にあるものが好ましい
。配合割合は、熱可塑性ポリマー１００重量部に対し５
０〜１５０重量部程度が好ましい。５０重量部未満では
、溶融粘度の増大、接着強度低下の点から好ましくない
。逆に、１５０重量部を越えると、耐熱性、柔軟性が悪
くなり、オープンタイムも短かくなるので好ましくない
。

【００１１】ワックスとしては、例えば、パラフィンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリ
エチレン、塩素化パラフィン、アタクチックポリプロピ
レン等がある。ワックス類は、溶融粘度の低下、テープ
のブロッキング防止等の効果があり、熱可塑性ポリマー
１００重量部に対し、好ましくは１０〜６０重量部、さ
らに好ましくは３０〜５０重量部程度配合する。

【００１２】軟化剤としては、ポリブテン、ジオクチル
フタレート（ＤＯＰ）、ジブチルフタレート（ＤＢＰ）
、液状ロジンエステル、低分子スチレン樹脂、塩素化パ
ラフィン等がある。充填剤としては、炭酸カルシウム、
クレー、タルク等が用いられ、酸化防止剤としては、フ
ェノール系、アミン系、硫黄系の酸化防止剤が用いられ
る。軟化剤、充填剤、酸化防止剤等は、必要に応じ、適
量用いられる。

【００１３】この感熱型接着剤は、通常、２０〜６０ｇ
／ｍ２の割合で塗布された後、ロール状に捲回されて捲
重体となるため、基材背面へのブロッキング、紙ムシリ
防止のために、常温付近で非粘着であることが必要であ
る。

【００１４】ところで、これらの配合剤の中でも、特に
、ワックスや固体可塑剤などには低融点物質が多く、接
着剤の熱活性時や長期経時において、多孔質基材に含浸
するという問題があった。本発明における含浸防止層は
、感熱型接着剤組成中のワックス、固体可塑剤等の比較
的低温で低粘度化する物質が、塗工時、熱活性時、ある
いは長期経時中に基材に含浸するのを防止するために設
けられる下層である。

【００１５】含浸防止層を形成する物質は、ワックスや
固体可塑剤などの低融点物質よりも高融点のものが用い
られる。例えば、ポリエチレン、高分子量エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、
ポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポ
リウレタン、天然ゴム、合成ゴム、等であり、単独また
は２種以上の混合物、あるいは粘着付与樹脂、充填剤等
との併用で用いられる。

【００１６】含浸防止層を形成する物質は、その融点が
８０℃以上の熱可塑性樹脂を主成分とするものが好まし
い。上記物質のなかで特にポリエチレンは低コストであ
り、感熱型接着剤のＥＶＡとの接着性も比較的良好であ
る。したがって、含浸防止層を形成する物質は、密度０
．９１０〜０．９３０ｇ／ｃｍ３、メルトインデックス
２〜１０ｇ／１０分のポリエチレンを主成分をするもの
であり、かつ、感熱型接着剤層がＥＶＡ系感熱型接着剤
であることが特に望ましい。

【００１７】含浸防止層の形成方法としては、熱溶融ラ
ミネート法、溶液塗布法、エマルジョン塗布法、カレン
ダー法等があるが、上層の感熱型接着剤と共押出しが出
来るという点では熱溶融ラミネート法が好適である。含
浸防止層にポリエチレンを使用する場合は、基材との接
着性を向上させるため、あらかじめ基材にコロナ放電処
理等を行なうことが好ましい。

【００１８】本発明の感熱型接着テープを用いてカート
ン、段ボール箱を封緘するには、該接着テープを、熱風
、遠赤外線ヒーター等の加熱手段を有する自動貼付機に
て、感熱型接着剤層を熱活性化させ、封緘部位に貼付す
ればよい。

【００１９】

【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。

【００２０】［実施例］ 〈感熱型接着剤の基材への含浸テスト〉基材として、次
の■〜■のものを使用した。 ■７５ｇ／ｍ２（坪量）の未晒クラフト紙■７５ｇ／ｍ
２（坪量）の未晒クラフト紙に１３μｍ厚のポリエチレ
ン層をラミネートしたもの〔ポリエチレン；密度０．９
２０（ｇ／ｃｍ３）、メルトインデックス４（ｇ／１０
分）〕 ■７５ｇ／ｍ２（坪量）の未晒クラフト紙に酢酸ビニル
エマルジョン系接着剤〔積水化学（株）、エスダイン＃
５１００〕を約１５ｇ／ｍ２（固型）塗布したもの

【０
０２１】感熱型接着剤は、下記の組成のものを使用した
。 エチレン−酢酸ビニルポリマー　　１００重量部〔三井
ポリケミカル（株）、エバフレックス＃１５０〕粘着付
与樹脂　　　　　　　　　　　　　　　　　　１００重
量部〔荒川化学（株）、アルコンＰ−１２５〕パラフィ
ンワックス　　　　　　　　　　　　　　６０重量部〔
日本精蝋（株）、＃１３０〕 酸化防止剤　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　１重量部

【００２２】前記基材■〜■に上記組
成の接着剤を、溶融温度１８０℃のホットメルトコータ
ーを使用して塗布した〔塗布量４０ｇ／ｍ２（固形分）
〕。得られた各接着テープを所定の温度の加熱オーブン
中に放置し、接着剤層の厚み減少割合を測定した。その
結果を表１に示す。

【００２３】

【表１】

【００２４】〈ダンボール箱封緘テスト〉前記各接着テ
ープを用い、下記の方法で段ボール箱封緘テストを行な
った。 粘着テープ試料 ■未晒クラフト紙基材使用接着テープ ブランク品および１００℃で６０分間放置品■ポリエチ
レンコートクラフト紙基材使用接着テープブランク品お
よび１００℃で６０分間放置品■酢酸ビニルコートクラ
フト紙基材使用接着テープブランク品および１００℃で
６０分間放置品

【００２５】前記各接着テープを、既存
のカートンシーラーに熱風加熱装置を取り付けたもので
８０℃に加熱後、段ボール箱を貼り合わせた。段ボール
箱としては、複両面段ボール箱（３００×６００×４０
０ｍｍ）を用いた。段ボール箱封緘性を評価結果を表２
に示す。

【００２６】

【表２】

【００２７】表１および表２から明らかなように、本発
明品は、加熱時において、接着剤層からの基材への含浸
が抑制され、かつ、良好な段ボール箱封緘性を有してい
る。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、テープ状多孔質基材と
感熱型接着剤層との間に、含浸防止層を設けることによ
り、塗工時や熱活性時、あるいは経時による低融点物質
の基材への含浸が抑制され、外観および接着性能に優れ
たカートン、段ボール箱封緘用感熱型接着テープが提供
される。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　シート状多孔質基材（Ａ）と低融点物
   質を含有する常温非粘着性の感熱型接着剤層（Ｂ）を有
   する感熱型接着テープであって、該基材（Ａ）の片面に
   、前記低融点物質の基材への含浸防止層（Ｃ）として該
   低融点物質よりも高融点の物質を主成分とする下層が設
   けられ、感熱型接着剤層（Ｂ）が上層として積層されて
   いることを特徴とするカートン、段ボール箱封緘用感熱
   型接着テープ。