JPH04323560A - レーザ磁気免疫測定に用いられる磁性微粒子標識材料並びに検体調整方法 - Google Patents

レーザ磁気免疫測定に用いられる磁性微粒子標識材料並びに検体調整方法

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JPH04323560A
JPH04323560A JP9085291A JP9085291A JPH04323560A JP H04323560 A JPH04323560 A JP H04323560A JP 9085291 A JP9085291 A JP 9085291A JP 9085291 A JP9085291 A JP 9085291A JP H04323560 A JPH04323560 A JP H04323560A
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JP9085291A
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Shuichi Shibata
修一 柴田
Koichi Fujiwara
幸一 藤原
Koichi Arishima
功一 有島
Mitsutoshi Hoshino
星野 光利
Hiroko Mizutani
弘子 水谷
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗原抗体反応を利用し
た免疫検査法に関するものである。更に詳しくは、先に
本発明者らが発明したレーザ磁気免疫測定法に用いられ
る標識材料及び検体調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】後天性免疫不全症候群、成人T細胞白血
病等のような新型ウイルス性疾病、あるいは各種ガンの
早期検査法として、抗原抗体反応を利用した免疫測定法
の開発が、現在、世界的規模で推進されている。
【0003】従来から知られる微量免疫測定法としては
、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセ
イ(EIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)法等が既
に実用化されている。これらの方法は、それぞれアイソ
トープ、酵素、蛍光物質を標識として付加した抗原また
は抗体を用い、これと特異的に反応する抗体または抗原
の有無を検出する方法である。
【0004】本発明者らは先に特願昭61−22456
7号、61−252427号、61−254164号、
62−22062号、62−22063号、62−15
2791号、62−152792号、62−18490
2号としてレーザ磁気免疫測定法及び測定装置について
の発明を特許出願している。これらの新しい免疫測定法
は標識材料として磁性微粒子を用いて、例えば磁気標識
された検体の有無を干渉縞から検出する点に特徴があり
、アイソトープを用いないでピコグラム以下の超微量検
出が可能である。本発明者らは上述の特許に基づき、磁
性微粒子を抗原あるいは抗体に標識し、初めて、ウイル
スの検出等を行なった。
【0005】本発明に関わる、デキストラン被覆マグネ
タイト粒子に関しては、米国特許第4452773号“
Magnetic  iron−dextran  m
icrospheres”として、Moldayの発明
がある。この発明はマグネタイト微粒子を核として、そ
の周りにデキストランを被覆し、このデキストランに、
プロテインA、抗体あるいは酵素等を結合したものであ
る。本発明者らはMoldayの特許で開示されたデキ
ストラン被覆マグネタイト粒子の製造方法を改良し、任
意の粒径の磁性微粒子が製造できる方法を発明し、先に
特願平1−278221号「磁性微粒子の製造方法」、
特願平2−35925号「磁性微粒子の製造方法」とし
て特許出願した。
【0006】さて、本発明者らは先に、Moldayあ
るいは本発明者らの方法で作製したデキストラン被覆マ
グネタイト粒子に、Moldayの開示した方法でプロ
テインAを結合し、該プロテインAに更にエイズウイル
ス(HIV)抗原、例えばP24に対するモノクローナ
ル抗体を結合して、微量なHIV抗原の検出実験を実施
し、その成果を第37回日本ウイルス学会(1989年
11月)で発表した。この結果、精製したHIV抗原の
場合は、0.1ピコグラム/mlの微量ウイルス抗原の
検出に成功した。しかし、Moldayが開示した方法
で人血清中からHIV抗原を検出する場合、プロテイン
Aに結合した抗体が解離しやすく、デキストラン被覆マ
グネタイト粒子が直接マイクロビーズに結合することが
生じるため、コントロール値が異常に高くなる現象が生
じた。なお、コントロール値とは検体を加えない場合に
検出される信号値で、いわゆる雑音である。
【0007】本発明に関わる、アビジン−ビオチン反応
は公知であり、従来は核酸の非放射性標識に用いられて
いた。また、酵素免疫法(EIA)、蛍光標識免疫法(
FIA)でも用いられていたが、本発明者らが開発して
きた、磁性微粒子を標識に用いる新しい免疫測定方法で
は新規である。即ち、EIA法等では、ABC法として
知られているように、予めビオチン化した酵素とアビジ
ンを、酵素標識時に同時に加えることが行なわれている
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は前記事情に
鑑みてなされたもので、実際に患者血清に適用する際に
問題となる、コントロール値の低減と、安定化を図るた
めに、非特異反応の少ない磁性微粒子標識材料及び検体
調整方法を提供することを目的とする。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明のレーザ磁気免
疫測定用磁性微粒子標識材料は、デキストランが被覆さ
れたマグネタイト微粒子であって、該デキストランの表
面に、複数個のアビジン(請求項1に対応)または複数
個のビオチン(請求項2に対応)を結合せしめたことを
前記課題の解決手段とした。また、ビオチン結合デキス
トランマグネタイト粒子は、更にアビジンを該ビオチン
に結合させることもできる(請求項3に対応)。この場
合、アビジン−ビオチン−デキストラン−マグネタイト
から磁性微粒子標識材料が構成される。該磁性微粒子標
識材料は、自己凝集防止のため適当な緩衝液中に分散浮
遊した状態で使用される。緩衝液としては、例えば、B
SA(牛アルブミン)が1%添加されたHEPES溶液
が好ましい。また、該磁性微粒子標識材料は、凍結乾燥
して長期保存することができる。なお、該磁性微粒子標
識材料は、デキストラン被覆マグネタイト粒子と結合し
ていない、アビジンあるいはビオチンを完全に除去して
おくことが望ましい。未反応のアビジンあるいはビオチ
ンが残存していると、検体を該磁性微粒子標識材料で磁
気標識する際に妨害するためである。
【0010】本発明の磁性微粒子標識材料の性能を発揮
させるためには、以下のような検体調整方法が好ましい
【0011】この検体調整方法は請求項4に記載のよう
に、検出すべき抗原に対する第一の特異抗体が予め結合
されたマイクロビーズ浮遊液と、検体とを反応させ、該
マイクロビーズ表面に検体を捕捉せしめる第一工程と、
捕捉された該検体と、予めビオチンを結合した該検体に
対する第二の特異抗体とを更に反応させ、該検体を第一
と第二の特異抗体とでサンドイッチする第二工程と、該
第二工程後に、上記レーザ磁気免疫測定用磁性微粒子標
識材料の分散浮遊液を加え、前記第二の特異抗体中のビ
オチンと、該磁性微粒子標識材料中のアビジンとを反応
させ、該マイクロビーズに捕捉された該検体のみを磁気
標識する第三工程と、該第三工程において反応しなかっ
た該磁性微粒子標識材料を分離・除去する第四工程とを
少なくとも含むものである。
【0012】あるいは請求項5に記載のように、上記検
体調整方法において、第二工程後に、アビジンを単独で
加え、第二の特異抗体に結合しているビオチンにアビジ
ンを結合させ、さらにこの第二の特異抗体中のビオチン
に結合したアビジンと、請求項2に記載の磁性微粒子標
識材料中のビオチンとを反応させ、該マイクロビーズに
捕捉された該検体のみを磁気標識する第三工程と、該第
三工程において反応しなかった該磁性微粒子標識材料を
分離・除去する第四工程を少なくとも含むこともできる
【0013】
【実施例】以下、実施例に基づき、磁性微粒子標識材料
及び検体調整方法を詳しく説明する。
【0014】(実施例1)デキストラン被覆マグネタイ
ト微粒子を以下の方法で作製した。デキストラン125
g、尿素50gを11の純水に溶解し、FeCl3 6
H2 Oを0.5g、FeCl2 4H2 Oを0.7
3g添加(Fe3+:Fe2+=1:2(モル比)に相
当する)して、出発溶液とし、これを密閉が可能な容器
、例えば、テフロン製容器にいれ、オイルバスに漬けて
、100〜110℃で約2時間加熱した。加熱により、
尿素が分解して、アンモニアが発生し、溶液中にデキス
トランで被覆されたマグネタイト(Fe3 O4 )が
、作製された。 後の操作に適するように、この溶液を、限外濾過(フィ
ルター:10万分子量分画用)を適用して、約8〜10
倍濃縮し、デキストラン被覆微粒子を含有する水溶液を
得た。X線によるマグネタイト微粒子の粒径測定により
、これら微粒子は、100オングストロームであること
が確認された。また、動的光散乱測定法を適用すること
によって、デキストラン被覆層を含む微粒子の平均粒子
径は、100nm(1000オングストローム)であり
、単分散に近い粒度分布を有することも併せて、確認さ
れた。
【0015】次に、これら微粒子に、アビジンやビオチ
ンを結合させるため、その前段階として、以下の操作を
行った。上記濃縮水溶液100mlに、pH6.5に調
整した酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を100ml添加し
、その後、4℃まで冷却して、超音波振動を加えながら
、酸化剤(NaIO4 )2gを添加し、1時間反応さ
せた。この操作により、デキストランは、結合が一部開
裂する。以下、この溶液を、酸化デキストラン被覆マグ
ネタイト微粒子含有溶液と称する。前述した、X線や、
動的散乱測定法によって、マグネタイトおよび酸化デキ
ストラン被覆微粒子の粒径を測定したところ、マグネタ
イトそのものの粒径には、変化はみられなかった。また
、被覆微粒子の粒径も、多少減少傾向を示すものの、(
例えば、平均粒径100nmが、95nmに変化)概ね
同様の値に留まっていた。酸化処理後、余分のNaIO
4 等を除去し、同時にさらに濃縮するため、再度、限
外濾過を適用し、4倍〜5倍に濃縮した。このため最初
微粒子を作製した時と比較すると約20〜30倍濃縮さ
れたことになる。このように高い濃度は、次にアビジン
や、ビオチンを付加する時、その付加できる割合を高め
るため必要とされるものである。
【0016】このようにして作製した酸化デキストラン
被覆マグネタイト微粒子を原料として、以下で説明する
3種類の本発明のレーザ磁気免疫測定用磁性微粒子標識
材料を得た。
【0017】(1)アビジン結合デキストラン被覆マグ
ネタイト微粒子の作製法。(請求項1に対応)
【001
8】酸化デキストラン被覆微粒子溶液1mlに、ほう酸
−ほう砂緩衝液(pH7.5〜8.5の間の値を選択し
てよい。)1mlを添加後、アビジン数mgを加えて1
〜2時間振とうさせながら付加反応を進行させた。これ
を1晩4℃で保存し、その後、数mgのNaBH4 を
4℃で添加して還元処理を行った。HEPES緩衝液で
、さらに1晩透析をおこなって余分な還元試薬を除去し
た。付加反応に関与しなかったアビジン(フリーのアビ
ジンと呼ぶ)は、この後遠心またはゲル濾過によって除
き、アビジン結合デキストラン被覆マグネタイト微粒子
を作製した。
【0019】(2)ビオチン結合デキストランマグネタ
イト微粒子の作製法。(請求項2に対応)
【0020】
酸化デキストラン被覆微粒子溶液1mlに、バイカルボ
ネート緩衝液(NaHCO3 +Na2 CO3 )(
pH8.5)1mlを添加してpH調整を行った後、こ
れにDMF(ジメチルフォルムアミド)に溶解したビオ
チンヒドラジドを添加(例えば、10mg/mlビオチ
ンヒドラジドを0.1ml添加)し、室温で1時間振と
うして1晩4℃に保存した。これに4℃でNaBH4 
を添加して還元処理を行い安定させ、HEPESで1晩
透析してフリーなビオチンを除去した。このようにして
ビオチン結合デキストランマグネタイト微粒子を作製し
た。
【0021】(3)アビジン−ビオチン結合デキストラ
ン被覆マグネタイト微粒子の作製法。(請求項3に対応
【0022】上述の方法で作製したビオチン結合デキス
トランマグネタイト微粒子溶液にアビジン試薬を添加し
、アビジン−ビオチン反応を起こさせ、フリーのアビジ
ンを遠心またはゲル濾過で除去することにより、アビジ
ン−ビオチン結合デキストラン被覆微粒子を作製した。
【0023】(実施例2)アビジンやビオチンをデキス
トラン被覆マグネタイト微粒子に付加した後、必ずフリ
ーのアビジンや、フリーのビオチンを、なんらかの方法
で除去することが、これらアビジン(または、ビオチン
)結合マグネタイトを、検出に用いる際重要となる。 一方、発明者らの実験によって遠心やゲル濾過の処理を
施す事により、結合したアビジンやビオチンとデキスト
ランの一部が剥離することが明らかになった。このため
剥離しづらい結合形態を採用する必要が生じた。これら
のことを実施例2として以下に示す。
【0024】図1はアビジン結合デキストラン被覆マグ
ネタイト微粒子(アビジン−マグネタイトと略記する)
及びビオチン結合デキストラン被覆マグネタイト微粒子
(ビオチン−マグネタイトと略記する)を遠心処理した
時、付与した遠心力に対して、最初に結合していたアビ
ジン(またはビオチン)の何%が遠心後、残存している
かを示したものである。具体的には、遠心処理後上清液
に含有されているアビジン(またはビオチンの)濃度を
測定して最初の値から差し引いて残存量とした。アビジ
ンの濃度は、280nmのタンパク質の吸収から、また
、ビオチンの濃度はHABA−アビジン複合体を用いる
ビオチン分析法によって分析したものである。この結果
から、ビオチン−マグネタイトはアビジン−マグネタイ
トに比べて著しく剥離が進行することがわかる。アビジ
ン−マグネタイトでは、この程度の剥離は後の使用に対
しては実際上問題とはならない(通常フリーのアビジン
を除去する際の回転数は15000rpmである)。 ビオチン−マグネタイトでは、この微粒子そのものの不
安定を反映しているものと考えられ、使用に際して注意
が必要になる。
【0025】遠心よりはマイルドな分画と考えられるゲ
ル濾過法(ゲル:ファルマシア社セファクリルS−10
00使用)によって、フリーのアビジンやビオチンを除
去した時の結果を図2に示す。図2のマグネタイトの曲
線は、鉄の化学分析によって測定した値を溶出量に対し
てプロットしたものである。また、図中グリセロールと
して矢印で示したのは、比較的分子量の小さなもの(M
W:92)として、その溶出の位置を明かにするために
添加した試薬である。図中にアビジンの例を示してある
が、きれいにフリーのアビジンが除かれていることがわ
かる。一方、ビオチンはフリーのビオチン溶出のピーク
の後も延々と溶出が続き、グリセロールの位置よりさら
に低分子量域にも溶出を示している。この現象は通常起
こらないことである。考えられるのは、ゲルを通過する
間にもビオチンまたはデキストランの一部が剥離してい
るということである。
【0026】次に、ビオチン−マグネタイトにアビジン
を反応させ、そのあとでフリーのアビジンを除去した時
の結果を図3に示す。この場合は、一応フリーのアビジ
ンが除去され、ビオチンの剥離はさらに付加したアビジ
ンによって防止されていることがわかった。
【0027】さらに図4に、投入したアビジン量に対し
て結合したアビジン量を示した。これは、ゲル濾過(ゲ
ル:ファルマシア社セファクリルS−300)を行いフ
リーのアビジン量を測定し、投入量から差し引いて求め
たものである。アビジン−マグネタイトに比較して、ア
ビジン−ビオチン−マグネタイトの場合は有効に結合す
るアビジンの量が著しく少ないことが認められる。
【0028】本発明者らの引続き行った実験によって、
これら3種類のマグネタイト、すなわちアビジン結合デ
キストラン被覆マグネタイト、及びアビジン−ビオチン
結合デキストラン被覆マグネタイト、及びビオチン結合
デキストラン被覆マグネタイトは、すべて後の検出実験
で成功理に用いることができた。しかし、試薬の有効利
用や微粒子の安定性を考えるとき、最も望ましいのはア
ビジン結合デキストラン被覆マグネタイトであると言う
ことができる。
【0029】本発明者らによる、上述した遠心法とゲル
濾過法を用いたフリーなビオチン、アビジンの除去方法
の研究から得られた知見を基にすると、ビオチン結合デ
キストラン被覆マグネタイトの場合は、フリーなビオチ
ンを除去する際遠心やゲル濾過のような外力をかける方
法ではなく、実施例1で述べた透析法で行なうことが望
ましい。また、ビオチン結合デキストラン被覆マグネタ
イトをアビジン−ビオチン結合デキストラン被覆マグネ
タイトとして用いる場合は、フリーなビオチンを予め除
去する工程は省略し、アビジン添加後フリーなビオチン
とアビジンを同時に除去する方法を取ることもできる。
【0030】(実施例3)実施例1の方法で作製した本
発明の磁性微粒子標識材料をインフルエンザウイルスの
抗原検出に適用した。詳細は以下の通りである。
【0031】検体調整方法(請求項4に対応):ショ糖
密度勾配遠心法により精製した、既知濃度のB型インフ
ルエンザウイルス(B/Chaing  Rai/3/
85)を正常人血清で希釈し、ウイルス濃度100個/
mlに調整した。
【0032】粒径2μmのアクリル樹脂製マイクロビー
ズ(トレスフェア、東レ株式会社)を活性化した後、抗
インフルエンザウサギ血清と35℃で30分反応させ、
PBSで洗浄後、1%BSA−PBSの0.2%マイク
ロビーズ浮遊液を調整した。この調整によりマイクロビ
ーズ表面にはインフルエンザ抗体(第一の特異抗体)が
固定化される。
【0033】前記インフルエンザウイルス浮遊液25μ
lと前記マイクロビーズ浮遊液25μlを35℃で2時
間反応させ、インフルエンザウイルスをマイクロビーズ
表面に捕捉する。
【0034】予めビオチンを結合した、ビオチン化抗体
(第二の特異抗体)0.1mg/mlを10μl加え、
35℃で1時間反応させる。この後、未反応のビオチン
化抗体を遠心法でB/F分離する。
【0035】更に、本発明の磁性微粒子標識材料0.1
mg/mlを10μl加え、35℃で30分反応させる
。反応後、未反応の磁性微粒子標識材料を遠心法でB/
F分離する。沈澱したマイクロビーズを25μlのHE
PES緩衝液で再浮遊させた後、測定に用いる。
【0036】以上の検体調整工程でウイルスが磁気標識
される模式図を図5に示す。(a)は抗原捕捉工程、(
b)はビオチン化抗体反応工程、(c)は磁性微粒子標
識材料反応工程における結合状態を示す。この図5では
、磁性微粒子標識材料としてアビジン結合デキストラン
被覆マグネタイト微粒子の例を示しているが、アビジン
−ビオチン結合デキストラン被覆マグネタイト微粒子で
も全く同様である。即ち、いずれの場合でも磁性微粒子
標識材料は表面にアビジンが結合しているから、公知の
アビジン−ビオチン反応でウイルスと結合したビオチン
化抗体と特異的に結合することができる。このようにし
てマイクロビーズに捕捉されたウイルスが磁気標識され
る。
【0037】一方、磁性微粒子標識材料としてビオチン
結合デキストラン被覆マグネタイト微粒子用いる場合は
(請求項5に対応)、上記検体処理法において、予めビ
オチンを結合した、ビオチン化抗体(第二の特異抗体)
を加えて反応させ、未反応のビオチン化抗体を遠心法で
B/F分離した後に、アビジンを単独に加え、ウイルス
と結合したビオチン化抗体にアビジンを結合させた後ビ
オチン結合デキストラン被覆マクネタイト微粒子を反応
させればよい。
【0038】検体測定法:特願昭62−184902号
「レーザ磁気免疫測定方法及び装置」で発明した干渉法
による測定で実施した。
【0039】純水350μlが注入された検査容器のウ
エルに、検体調整の終った検体25μl全量を入れる。
【0040】傾斜磁界発生装置の中に検査容器を挿入し
、約8kガウスの磁界をかけウエル水面の1点に検体を
磁気濃縮する。
【0041】この濃縮点に5mWのHe−Neレーザを
入射角30度で斜めから照射し、反射光束中の干渉縞を
白色スクリーンで受け、CCDカメラ、画像処理装置に
より干渉縞の中心光強度を測定する。
【0042】結果:下記、表1に3種類の磁性微粒子標
識材料を用いた本発明の方法における、ウイルス100
個/mlと陰性コントロールの干渉縞中心光強度の値を
示した。
【0043】なお、陰性コントロールとは免疫検査の分
野で必ず実施されるものであって、検体を加えない対照
試料に対するネーミングである。この対照試料には検体
と同様な操作が同時期に施されている。陰性コントロー
ル値は低いほど好ましい。
【0044】
【表1】
【0045】比較例は、本発明者らが以前に実施し、例
えば第37回日本ウイルス学会総会(1989年11月
大阪、講演番号439)で発表した方法によって、イン
フルエンザ抗体−プロテインA結合デキストラン被覆マ
グネタイト微粒子を用いた場合の結果である。この表1
より、本発明の方が比較例と比べ陰性コントロール値が
低く、ウイルス濃度100個/mlが確実に検出できる
ことが認められた。
【0046】
【発明の効果】以上詳述のように、本発明のレーザ磁気
免疫測定に用いられる磁性微粒子標識材料を用いればマ
イクロビーズへの非特異吸着が生じにくいため、人血清
中でも陰性コントロールが低く安定である。この理由は
、本発明者らが先に発明したデキストラン被覆マグネタ
イトに直接抗体を結合する方法と比較すると、本発明の
場合アビジン−ビオチン反応で検体が磁気標識されるか
ら、従来の抗原抗体反応で磁気標識される場合よりも反
応時間が大幅に短縮できる。前記実施例3では磁気標識
反応時間を30分としたが15分でも充分である。非特
異反応は、一般に時間が長いほど生じ易いから、本発明
のアビジン−ビオチン反応を利用するのが非特異反応を
抑制するのに有利である。
【0047】更に、本発明の材料は対象とするウイルス
が変わっても、同一の材料が使用できるから汎用性があ
る。即ち、従来のデキストラン被覆マグネタイトに直接
抗体を結合する方法の場合、ウイルス毎に磁性微粒子標
識材料を用意する必要があった。しかしながら本発明の
場合においては、ビオチン化抗体をウイルス毎に用意す
るだけでよい。この相違点は、診断薬として実用化する
際に極めて効果が著しいものである。また、実際に診断
薬を製造する際にも極めて効果がある。なぜならば、本
発明者らの経験によればデキストラン被覆マグネタイト
に直接抗体を結合する場合、抗体の種類、性質が変われ
ば出来上がった磁性微粒子標識材料(磁気標識試薬と称
する)の抗体価、凝集性が変わり、試薬としての経時安
定性、特に凝集性が非常に変化する。そのため、多種類
の磁気標識試薬を製造するためには長い開発期間と費用
を要する。この点が従来の酵素免疫測定法における酵素
標識試薬に比べ磁気標識試薬の特有の問題点であった。 一方、ビオチン化抗体の場合は、磁気標識試薬と比べ多
種類のものを作製することは非常に簡単であって、実際
に種々のビオチン化抗体が市販されている。
【0048】以上のように、本発明の方法を用いれば汎
用性の高い試薬が提供できる。
【0049】ところで、アビジン−ビオチン反応を用い
たEIA法の場合、酵素にはビオチン(分子量=244
)が結合されている。この理由は、これら標識材料の分
子量が小さいため、分子量が大きいアビジン(分子量=
66000)の結合が不利なためである。本発明の磁気
標識試薬の場合、実施例2で述べたように分子量の大き
なアビジンをデキストランに結合させる方が、ビオチン
を結合させるよりも磁気標識試薬が安定になり有利であ
る。このように、アビジン−ビオチン反応そのものは公
知であったが、これを磁気標識試薬に適用した場合、検
出感度の向上のみならず試薬の安定性の向上も併せて図
れることが本発明者らの研究から初めて明らかになった
【0050】さて、インフルエンザウイルスの場合従来
の血球凝集法ではウイルス濃度が1千万個/ml以上な
ければ検出できなかったが、本発明の材料を用いて本発
明の方法によれば、従来の10万倍の高感度でウイルス
の検出が可能になった。現在、本発明者らはHIV(エ
イズウイルス)抗原の高感度検出の研究を進めていると
ころであるが、エイズ患者の血清から0.1ピコg/m
lの極微量のp24コア抗原の検出にも成功している。 従って、ウイルス培養せずに患者から直接ウイルスの検
出が出来るから各種感染症の早期診断にきわめて有効で
ある。なお、本発明の方法は実施例で述べたウイルス抗
原検出に限られるものではなく、現在広く実施されてい
る抗体検査にも適用できる。抗体検査に適用した場合、
検出感度が高い特徴を活かして、例えば血液中で抗体量
の少ないIgE抗体の検出が短時間で可能になるからア
レルギー診断に適用できる。
【0051】さらに抗原抗体反応のみに止まらず、従来
RIA法が適用されていたペプチドホルモン等の種々の
ホルモンあるいは種々の酵素、ビタミン、薬剤などの測
定にも応用することが可能である。従って、従来は限定
された施設でRIA法によらなければ実施できなかった
精密な測定を、一般的な環境で広く迅速に実施すること
が可能となる。集団検診等のような一般的な状況で、各
種のウイルス、癌等のスクリーニング検査等の精密な測
定が広く実施できれば、癌あるいはウイルス性疾患等の
早期診断が可能となり、有効な早期治療を的確に実施す
ることが可能となる。このように、本発明が医薬・医療
の分野で果たす効果は計り知れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】アビジン−マグネタイト及びビオチン−マグネ
タイトを遠心処理した時、付与した遠心力に対するアビ
ジン(またはビオチン)の残存%を示すグラフである。
【図2】ゲル濾過法によるアビジン−マグネタイト及び
ビオチン−マグネタイトの溶出曲線である。
【図3】ビオチン−マグネタイトにアビジンを反応させ
た後の、フリーのアビジン及びマグネタイトの溶出曲線
である。
【図4】アビジン−マグネタイト及びアビジン−ビオチ
ン−マグネタイト作製時の投入アビジン量と結合アビジ
ンの関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第3の実施例において、検体調整工程
でウイルスが磁気標識される結合状態の模式図であり、
(a)は抗原捕捉工程、(b)はビオチン化抗体反応工
程、(c)は磁性微粒子標識材料反応工程における結合
状態を示すものである

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  デキストランが被覆されたマグネタイ
    ト微粒子であって、複数個のアビジンが該デキストラン
    の表面に結合していることを特徴とするレーザ磁気免疫
    測定用磁性微粒子標識材料。
  2. 【請求項2】  デキストランが被覆されたマグネタイ
    ト微粒子であって、複数個のビオチンが該デキストラン
    の表面に結合していることを特徴とするレーザ磁気免疫
    測定用磁性微粒子標識材料。
  3. 【請求項3】  請求項2に記載の磁性微粒子標識材料
    であって、該ビオチンにアビジンが結合されていること
    を特徴とするレーザ磁気免疫測定用磁性微粒子標識材料
  4. 【請求項4】  検出すべき抗原に対する第一の特異抗
    体が予め結合されたマイクロビーズ浮遊液と、検体とを
    反応させ、該マイクロビーズ表面に検体を捕捉せしめる
    第一工程と、捕捉された該検体と、予めビオチンを結合
    した該検体に対する第二の特異抗体とを更に反応させ、
    該検体を第一と第二の特異抗体とでサンドイッチする第
    二工程と、該第二工程後に、前記請求項1,2,3のい
    ずれかに記載の磁性微粒子標識材料の分散浮遊液を加え
    、前記第二の特異抗体中のビオチンと、該磁性微粒子標
    識材料中のアビジンとを反応させ、該マイクロビーズに
    捕捉された該検体のみを磁気標識する第三工程と、該第
    三工程において反応しなかった該磁性微粒子標識材料を
    分離・除去する第四工程とを少なくとも含むことを特徴
    とする検体調整方法。
  5. 【請求項5】  検出すべき抗原に対する第一の特異抗
    体が予め結合されたマイクロビーズ浮遊液と、検体とを
    反応させ、該マイクロビーズ表面に検体を捕捉せしめる
    第一工程と、捕捉された該検体と、予めビオチンを結合
    した該検体に対する第二の特異抗体とを更に反応させ、
    該検体を第一と第二の特異抗体とでサンドイッチする第
    二工程と、該第二工程後に、アビジンを単独で加え、第
    二の特異抗体に結合しているビオチンにアビジンを結合
    させ、さらにこの第二の特異抗体中のビオチンに結合し
    たアビジンと、前記請求項2に記載の磁性微粒子標識材
    料中のビオチンとを反応させ、該マイクロビーズに捕捉
    された該検体のみを磁気標識する第三工程と、該第三工
    程において反応しなかった該磁性微粒子標識材料を分離
    ・除去する第四工程とを少なくとも含むことを特徴とす
    る検体調整方法。
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