JPH04323362A - 多層膜の形成方法およびその形成装置 - Google Patents

多層膜の形成方法およびその形成装置

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JPH04323362A
JPH04323362A JP8836691A JP8836691A JPH04323362A JP H04323362 A JPH04323362 A JP H04323362A JP 8836691 A JP8836691 A JP 8836691A JP 8836691 A JP8836691 A JP 8836691A JP H04323362 A JPH04323362 A JP H04323362A
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substrate
film
mask
multilayer film
evaporation
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JP8836691A
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Yoshiyuki Ukishima
禎之 浮島
Shinichi Ono
信一 小野
Yukio Masuda
行男 増田
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Original Assignee
Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層膜の形成方法およ
びその形成装置に関し、更に詳しくは例えば半導体素子
或いは静電チャック等の絶縁膜、パッシベーション膜、
塩(えん)、有機用材、水素、He等の分離膜、コンデ
ンサーの誘電膜、有機焦電体、圧電体等に用いる多層膜
の形成方法およびその形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば図5ないし図7に示すよう
な金属膜から成る下部電極層(第1層)と、合成樹脂膜
から成る絶縁層(第2層)と、金属膜から成る上部電極
層(第3層)の積層された多層膜の形成方法としては、
図12に示すような、真空処理室a内を真空排気系bに
接続し、該真空処理室a内の下方に金属膜の原料xを蒸
発させる蒸発源cと、合成樹脂膜の形成原料yを蒸発さ
せるヒーターdを備える蒸発源eを配置し、真空処理室
a内の上方に各蒸発源c,eの対向する位置に蒸発源c
,eからの原料x,yの蒸着で膜が形成される基板fを
配置すると共に、該基板fを各蒸発源c,eの上方位置
に夫々移動可能に配置した装置を用いる。また、図13
(A),(B),(C)に示すような基板f上に所望形
状の膜を形成させるための、各層の膜形状に対応する開
口部g1,g2,g3を有するマスクh1,h2,h3
を用意する。尚、図中、iは基板fの基板保持装置、j
は各蒸発源c,eの上方に配置したシャッターを夫々示
す。 そして、前記装置およびマスクを用いて、図5および図
6に示すように基板上に多層膜を形成するには、排気系
bで真空処理室a内を所定圧に減圧し、先ず、図13(
A)に示すように基板fの前面にマスクh1を配置した
状態で真空処理室a内の第1層目となる下部電極の原料
xの蒸発源cの対向位置(図12の左側実線)に移動さ
せた後、かかる位置で蒸発源cより原料xを蒸発させて
基板f上に第1層目の下部電極層(図5、図6参照)を
形成する。次に図13(B)に示すように基板fの前面
にマスクh2を交換配置した状態で原料yの蒸発源eの
対向位置(図12の右側仮想線)に移動させ、かかる位
置で蒸発源eより原料yを蒸発させて第1層の上に蒸着
させ、それを重合させて合成樹脂膜から成る絶縁層の第
2層目(図5、図6参照)を形成する。更に図13(C
)に示すように基板fの前面にマスクh3を交換配置し
た状態で再び原料xの蒸発源cの対向位置(図12の左
側実線)に移動させ、かかる位置で蒸発源cより原料x
を蒸発させて第2層の上に蒸着させて上部電極層の第3
層目(図5、図6参照)を形成して基板f上に多層膜を
形成するものである。また、図7に示すような多層膜を
形成するには、前記操作の後、更に、図13(B)に示
すように基板fの前面にマスクh2を交換配置した状態
で原料yの蒸発源eの対向位置(図12の右側仮想線)
に移動させ、かかる位置で蒸発源eより原料yを蒸発さ
せて第3層の上に蒸着させ、それを重合させて合成樹脂
膜から成る絶縁層の第4層目を形成し、これら第1層目
から第4層目までの操作を順次、繰り返して形成するも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記多
層膜の形成方法では各層毎に開口部gの形状が異なった
マスクh(前記では3種類)を必要とし、また、各層の
形成毎にマスクhの交換の他に、基板fを形成すべき膜
の原料の蒸発源の対向位置まで移動させなければならず
、その結果多層膜の形成に時間がかかるばかりではなく
、該マスクhの基板fの前面からの着脱時にダストが発
生しやすく、また基板fとマスクhとの位置や間隔の調
整が煩雑となり、両者の間隔が大きいと基板f上に形成
される膜の端部がだれて所望形状の膜が得られない等の
問題がある。また各層の形成毎のマスクを多種必要とし
、更に基板fとマスクhとの位置や間隔を調整するため
の装置を必要とする等多層膜の形成装置の機構が複雑と
なる問題がある。本発明は、かかる問題点を解消した多
層膜の形成方法およびその形成方法を実施するに適した
形成装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する多層膜の形成方法を提案するもので、真空中で複
数の膜の原料を夫々の蒸発源から蒸発させ、これを基板
上でマスクを介して蒸着させて多層膜を形成させる方法
であって、基板上に膜の原料を蒸着させて膜を形成し、
該膜上に新たな膜の原料を蒸着させて新たな膜の形成を
基板に対して先の膜の原料の蒸発方向とは異なる方向で
新たな膜の原料を蒸発させて行うことを特徴とする。更
に本発明は、前記形成方法を実施するための形成装置を
提案するもので、真空室内に複数の原料を蒸発させる蒸
発源と、該蒸発源からの原料の蒸着で膜が形成される基
板とを互いに対向して配置した膜の形成装置であって、
複数の膜の原料を蒸発させる蒸発源を夫々基板に対して
異なる方向から蒸発させる位置に配設し、基板の前面に
基板上に所定形状の膜を形成させる開口部を穿設したマ
スクを配置したことを特徴とする。
【0005】
【作用】真空中で膜の原料は蒸発し、蒸発した該原料の
蒸気は基板に到達して基板上に蒸着し、膜が形成される
。更に該膜の上に新たな膜の原料を蒸着させると新たな
膜が形成され、これを繰り返すことによって基板上に積
層の多層膜が得られる。この場合、新たな膜の蒸着形成
を基板に対して先の膜の原料の蒸発方向とは異なる方向
から新たな膜の原料の蒸発を行うことにより基板上の任
意の位置に各膜を容易に形成させ得る。
【0006】
【実施例】本発明の実施の1例を添付図面に基づき説明
する。図1ないし図4は本発明を実施する多層膜の形成
装置の1例を示すもので、図中、1は真空室を示し、該
真空室1内を真空ポンプ等の真空排気系2に接続した。 そして真空室1の下方の左方部分であってかつ手前側に
金属膜の原料X(例えば金属膜がアルミニウムの場合は
アルミニウム粉末)を加熱し、蒸発させる金属製または
セラミック製から成る蒸発源3を設け、また真空室1の
下方の中央部分に合成樹脂膜の原料モノマーY,Z(例
えば合成樹脂膜がポリ尿素樹脂膜の場合はモノマーYが
ジアミン、モノマーZがジイソシアナート)を蒸発させ
るガラス製または金属製容器から成る蒸発源4,5を設
け、更に真空室1の下方の右方部分であってかつ後方側
に金属膜の原料X(例えば金属膜がアルミニウムの場合
はアルミニウム粉末)を加熱し、蒸発させる金属製また
はセラミック製から成る蒸発源6を設けた。また、前記
蒸発源3と6には例えば電子ビームから成る加熱装置7
で原料Xを所定温度に加熱し、蒸発させるようにし、ま
た蒸発源4,5にはその周囲に巻回したヒーター8で原
料モノマーY,Zを夫々所定温度に加熱し、蒸発させる
ようにした。また、真空室1内の上方の中央部分に前記
各蒸発源3,4,5,6に対向させて多層膜を形成せし
めるべき基板9を基板保持装置10によって下向きに保
持すると共に、該基板9の前面に基板9側に向かって拡
大する角度θ130〜90°の傾斜面11を備え、基板
上に形成すべき膜形状に対応する形状の開口部12を穿
設したマスク13を配置した。また、図3および図4に
示すように蒸発源3と蒸発源6とを一直線上に配置する
と共に、両蒸発源3,6を真空室1内の中央部分に配置
した蒸発源4,5に対して角度θ215〜60°で交差
させる共に、蒸発源3と蒸発源6とを真空室1内の中央
部分に配置した蒸発源4,5の垂直線上に配置した基板
9に対して角度θ310〜45°となるように配置した
。尚、蒸発源3,6を真空室1内の中央部分に配置した
蒸発源4,5に対して角度θ215〜60°で交差させ
る代わりに、マスク13を15〜60°回転させるよう
にしてもよい。このように各蒸発源を前記の如く配設す
ることによって、各蒸発源の位置を基板に対して夫々の
原料の蒸発方向を異なる方向とすることが出来て、基板
に対して各蒸発源からの原料の蒸気の入射角を夫々変え
ることが出来る。尚、多層膜の原料を蒸発源から蒸発さ
せて基板上に蒸着させる際の真空度としては形成する膜
の種類によって異なるが、一般には1×10− 4〜1
×10− 6Torr程度が好ましい。また、多層膜の
積層数は多層膜の用途に応じて適宜選択すればよい。ま
た、成膜中における基板9とマスク13の間隔は基板上
に形成する多層膜の厚さ、原料等に応じて適宜設定すれ
ばよく、基板9とマスク13の間隔は一般には密接状態
から10mm程度にする。そして基板9とマスク13の
間隔が1mm〜10mmの場合は開口部12の側縁に傾
斜面を設けていないマスク13を用いればよく、また基
板9とマスク13の間隔が1mm以下の場合には、開口
部12に図2に示すような基板方向に拡大する傾斜面1
1を設けたマスク13を用いればよい。尚、マスク13
に穿設した開口部12に設ける基板方向に拡大する傾斜
面11は開口部12の側縁全周囲ではなく膜をずらした
い方向の2辺のみに設けたものとしてもよい。尚、図中
、14は蒸発源3の上方に設けたシャッター、15は蒸
発源4,5の上方に設けたシャッター、16は蒸発源6
の上方に設けたシャッター、17は蒸発源3と、蒸発源
4,5と、蒸発源6を夫々隔離する隔壁を夫々示す。
【0007】次に、前記装置を用い、図5および図6に
示すような基板9上にアルミニウム膜製の下部電極18
と、ポリ尿素樹脂膜製の絶縁層19とアルミニウム膜製
の上部電極20とから成る3層構造の多層膜の作成例を
説明する。 実施例1 本実施例では基板9は縦75mm、横25mm、厚さ0
.5mmのスライドガラスを用い、またマスク13は縦
20mm、横25mm、厚さ1mmのステンレス板を用
い、マスク13の中央に基板9側に向かって角度θ1が
45°の傾斜面11を有する大きさが5mm角の開口部
12を穿設した。また、蒸発源3と蒸発源6の蒸発源4
,5に対する角度θ2を45°とし、基板9と蒸発源4
,5の間を350mmとすると共に、蒸発源3と蒸発源
6の基板9に対する角度θ3を30°とした。先ず、蒸
発源3と蒸発源6の夫々に上下電極(アルミニウム膜)
の原料としてアルミニウム(以下原料Xという)を充填
し、蒸発源4に絶縁層(ポリ尿素樹脂膜)の一方の原料
モノマーとして4,4′−ジアミノジフェニルメタン(
以下原料Yという)を、蒸発源5に絶縁層(ポリ尿素樹
脂膜)の他方の原料モノマーとして4,4′−ジイソシ
アン酸メチレンジフェニル(以下原料Zという)を夫々
充填し、シャッター14とシャッター15とシャッター
16を閉じた状態で真空室1内の圧力を真空排気系2を
介して1×10− 5Torrに設定する。次に、蒸発
源3および蒸発源6内の原料Xを電子ビーム加熱装置7
で加熱すると共に、蒸発源4内の原料Yを加熱装置8で
温度135±2℃に、また蒸発源5内の原料Zを加熱装
置8で温度75±2℃に夫々加熱する。
【0008】次いで、原料X,Y,Zが夫々所定の蒸発
量に達した時点でシャッター14のみを開き、真空室1
内に基板保持装置10で保持された基板9上に原料Xを
100Å/分の析出速度で厚さ1000Åに蒸着させて
下部電極としてのアルミニウム膜18を形成した後、シ
ャッター14を閉じると共に、シャッター15のみを開
き、該基板9上に形成されたアルミニウム膜17の上に
原料Y,Zを120Å/分の析出速度で厚さ4000Å
に蒸着させて後、シャッター15を閉じて基板9上で重
合反応を起こさせてポリ尿素樹脂膜19を形成させた後
、シャッター16のみを開き、該ポリ尿素樹脂膜19の
上に原料Xを100Å/分の析出速度で厚さ1000Å
に蒸着させて上部電極としてのアルミニウム膜20を形
成した。尚、原料Y,Zは化学量論的にポリ尿素樹脂膜
が形成されるように蒸発量の調整によって1:1のモル
比で蒸発するようにした。また、原料Y,Zの蒸発時に
おける真空室1内の圧力は3×10− 5Torrとし
た。 このようにしてアルミニウム膜から成る下部電極18お
よび上部電極20と両電極間のポリ尿素樹脂膜から成る
絶縁層19の多層膜が形成された基板9を取り出し温度
200℃に加熱し、下部電極と上部電極間の絶縁層(ポ
リ尿素樹脂膜)に100MV/mの電界を10分間印加
したまま加熱を停止し、絶縁層(ポリ尿素樹脂膜)の温
度を200℃から室温まで徐冷してポーリング処理を施
して焦電体を作成した。前記方法でポーリング処理され
た焦電体の絶縁層(ポリ尿素樹脂膜)を温度50℃から
170℃に加熱しながら焦電流を測定し、次式により焦
電率(C/m2K)を求めた。 得られた各温度毎の焦電率を図8に曲線Aとして示す。
【0009】実施例2 基板9上へのアルミニウム膜製の下部電極18の形成を
3回、該下部電極18上へのポリ尿素樹脂膜製の絶縁層
19の形成を4回、該絶縁層19上へのアルミニウム膜
製の上部電極20の形成を2回とした以外は前記実施例
1と同一方法で行って図7に示すような基板上に9層構
造の多層膜を形成し,これに前記実施例1と同一条件で
ポーリング処理を施して焦電体を作成した。作成された
焦電体に前記実施例1と同一条件で絶縁層の焦電流を測
定し、焦電率を求め、得られた各温度毎の焦電率を図8
に曲線Bとして示す。
【0010】比較例1 基板上に多層膜を形成する装置として図12および図1
3に示す従来の形成装置およびマスクを用いた以外は実
施例1と同様の方法で膜の蒸着形成を行って、基板上に
実施例1と同一の3層構造の多層膜を形成し、これに前
記実施例1と同一条件でポーリング処理を施して焦電体
を作成した。作成された焦電体に前記実施例1と同一条
件で絶縁層の焦電流を測定し、焦電率を求め、得られた
各温度毎の焦電率を図8に曲線Cとして示す。
【0011】比較例2 基板上に多層膜を形成する装置として図12および図1
3に示す従来の形成装置およびマスクを用いた以外は実
施例1と同様の方法で膜の蒸着形成を行って、基板上に
実施例2と同一の9層構造の多層膜を形成し、これに前
記実施例1と同一条件でポーリング処理を施して焦電体
を作成した。作成された焦電体に前記実施例1と同一条
件で絶縁層の焦電流を測定し、焦電率を求め、得られた
各温度毎の焦電率を図8に曲線Dとして示す。
【0012】図8から明らかなように本発明方法で得ら
れた多層膜の焦電体は従来方法で得られた焦電体と同等
の焦電率を有することが確認された。従って、電界が1
00MV/mであっても充分に耐えることが出来る絶縁
性を備えていることが分かる。
【0013】図9は本発明の形成装置の他の実施例であ
り、前記図1ないし図4で示す形成装置では基板を一定
の位置に保持した状態で多層膜を形成するようにしたが
、第1層目の膜が形成された基板を移動させた後に該膜
の上に新たな膜を蒸着形成するようにした装置である。 図9の形成装置について前記図1ないし図4に示す形成
装置との相違点について説明する。原料Xの蒸発源3、
原料Y,Zの蒸発源4,5、原料Xの蒸発源6を夫々の
間に隔壁21を配置し、各蒸発源を隔離して成膜領域2
2に構成すると共に、各成膜領域22の夫々を真空ポン
プ等の真空排気系2に接続した。また、基板保持装置1
0を回転自在な冷却型円筒体または多面体に構成すると
共に、該基板保持装置10の周壁23の夫々に図2に示
すようなマスク13をつけた複数個の基板9を保持出来
るようにした。そして基板9への蒸発源3からの原料X
の蒸発と膜の蒸着形成を、斜め入射出来るように蒸発源
3に対して基板9を傾斜状態に保持(図示例では基板の
移動方向「矢印方向」側が下向き)して行わせるように
し、また、蒸発源4,5からの原料Y,Zの蒸発と基板
9への膜の蒸着形成を、蒸発源4,5に対して基板9を
真上状態に保持して行わせるようにし、また、蒸発源6
からの原料Xの蒸発と基板9への膜の蒸着形成を、斜め
入射出来るように蒸発源6に対して基板9を傾斜状態に
保持(図示例では基板の移動方向「矢印方向」側が上向
き)して行うようにした。また、真空室1内に隔壁24
を配置して、前記成膜領域22とは隔離された別個の独
立した領域25を構成すると共に、該領域25を真空ポ
ンプ等の真空排気系2を接続し、また、該領域25内に
プラズマ処理機構26を配置した。図9に示す形成装置
を用いると、基板保持装置10に複数個の基板9を設置
することが出来るから、基板上への多層膜の形成を容易
に、かつ短時間に多量に作成することが出来、また、蒸
発源3または蒸発源6からの基板9に対する原料Xの蒸
発方向の設定調整が簡単である。また、形成装置内にプ
ラズマ処理機構26を配置することによって、真空室1
内から多層膜が形成された基板を取り出すことなくプラ
ズマ処理することが出来るから、基板上に形成された多
層膜へのプラズマ処理を必要とする場合には、該処理を
簡単に行うことが出来る。
【0014】図10および図11は本発明の形成装置の
もう一つの実施例であり、前記図1ないし図4で示す形
成装置では基板を一定の位置に保持した状態で多層膜を
形成するようにしたが、第1層目の膜が形成された基板
を移動させた後に該膜の上に新たな膜を蒸着形成するよ
うにした装置である。図10および図11の形成装置に
ついて前記図1ないし図4に示す形成装置との相違点に
ついて説明する。原料Xの蒸発源3、原料Y,Zの蒸発
源4,5、原料Xの蒸発源6を夫々の間に隔壁21を配
置し、各蒸発源を隔離して成膜領域22に構成すると共
に、各成膜領域22の夫々を真空ポンプ等の真空排気系
2に接続した。また、基板保持装置10を水平方向に回
転自在な円盤状に構成すると共に、該基板保持装置10
の下面28の夫々に図2に示すようなマスク13をつけ
た複数個の基板9を保持出来るようにした。そして基板
9への蒸発源3からの原料Xの蒸発と膜の蒸着形成を、
斜め入射出来るように基板9に対して蒸発源3を成膜領
域22の斜め前方位置に配置(図示例では基板の移動方
向「矢印方向」の最初側)して行わせるようにし、また
、基板9への蒸発源4,5からの原料Y,Zの蒸発と膜
の蒸着形成を、基板9に対して蒸発源4,5を成膜領域
22の中央部の真下に配置して行わせるようにし、また
、基板9への蒸発源6からの原料Xの蒸発と基板9への
膜の蒸着形成を、斜め入射出来るように基板9に対して
蒸発源6を成膜領域22の斜め後方位置に配置(図示例
では基板の移動方向「矢印方向」の最後側)して行うよ
うにした。また、真空室1内に隔壁24を配置して、前
記成膜領域22とは隔離された別個の独立した領域25
を構成すると共に、該領域25を真空ポンプ等の真空排
気系2を接続し、また、該領域25内にプラズマ処理機
構26を配置した。尚、図中、29は基板保持装置10
の回転軸、30は基板9の仕込・取出室を夫々示す。 図10および図11に示す形成装置を用いると、基板保
持装置10に複数個の基板9を設置することが出来るか
ら、基板上への多層膜の形成を容易に、かつ短時間に多
量に作成することが出来、また、蒸発源3または蒸発源
6からの基板9に対する原料Xの蒸発方向の設定調整が
簡単である。また、形成装置内にプラズマ処理機構26
を配置することによって、真空室1内から多層膜が形成
された基板を取り出すことなくプラズマ処理することが
出来るから、基板上に形成された多層膜へのプラズマ処
理を必要とする場合には、該処理を簡単に行うことが出
来る。
【0015】前記各実施例では、下部電極および上部電
極をアルミニウム膜で、また絶縁層をポリ尿素樹脂膜で
多層膜の形成方法について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、下部電極および上部電極はI
TO膜、Au膜等とし、また絶縁層はポリイミド膜、ポ
リアミド膜、ポリアミドイミド膜等とした多層膜の形成
にも利用出来る。
【0016】
【発明の効果】このように本発明の多層膜の形成方法に
よるときは、基板上に膜の原料を蒸着させて膜の形成と
、該膜上への新たな膜の蒸着形成を基板に対して先の膜
の蒸発方向とは異なる方向から新たな膜の原料の蒸発を
行って、基板への各原料の蒸着の入射角を各層毎に変え
ることが出来るので、焦電体のような下部電極と上部電
極とを絶縁層を介して容易にかつ確実に絶縁状態に基板
の任意の位置に多層膜を形成することが出来、また、膜
形状を形成するマスクを1個で済むから、従来法のよう
なマスクの交換を膜の形成毎に行わなくてもよいので、
ダストを発生させることなく基板上への多層膜の形成を
容易にかつ能率よく行うことが出来る等の効果がある。 また、多層膜の形成装置によるときは、複数の膜の原料
を蒸発させる蒸発源を夫々基板に対して異なる方向から
蒸発させる位置に配設し、基板の前面に基板上に所定形
状の膜を形成させる開口部を穿設したマスクを配置する
ようにしたので、従来装置のような複数個のマスクを必
要とせずに1個のマスクで基板の任意の位置に多層膜を
容易にかつ能率よく製造することが出来る装置を提供出
来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明装置の1実施例の説明線図。
【図2】  本発明装置に用いるマスクの1実施例の拡
大截断面図。
【図3】  基板と各蒸発源との位置関係を示す側面説
明図。
【図4】  基板と各蒸発源との位置関係を示す平面説
明図。
【図5】  本発明方法の1実施例で形成された多層膜
の位置関係を示す平面説明図。
【図6】  図5のVI−VI線截断面図。
【図7】  本発明方法の他の実施例で形成された多層
膜の位置関係を示す図6と同様の截断面図。
【図8】  本発明実施例と比較例における焦電体の焦
電率と温度変化との関係を示す特性線図。
【図9】  本発明装置の他の実施例の説明線図。
【図10】  本発明装置のもう一つの実施例の説明線
図。
【図11】  図10のXI−XI線截断説明線図。
【図12】  従来装置の説明線図。
【図13】  従来装置に用いるマスクと基板の位置関
係を示す説明図。
【符号の説明】
1    真空室、      3,4,5,6   
 蒸発源、9    基板、            
      10    基板保持装置、11    
傾斜面、                12   
 開口部、13    マスク、X,Y,Z    原
料。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  真空中で複数の膜の原料を夫々の蒸発
    源から蒸発させ、これを基板上でマスクを介して蒸着さ
    せて多層膜を形成させる方法であって、基板上に膜の原
    料を蒸着させて膜を形成し、該膜上に新たな膜の原料を
    蒸着させて新たな膜の形成を基板に対して先の膜の原料
    の蒸発方向とは異なる方向で新たな膜の原料を蒸発させ
    て行うことを特徴とする多層膜の形成方法。
  2. 【請求項2】  前記膜上で新たな膜の蒸着形成を基板
    の位置を移動させた後に行うことを特徴とする請求項1
    に記載の多層膜の形成方法。
  3. 【請求項3】  真空室内に複数の原料を蒸発させる蒸
    発源と、該蒸発源からの原料の蒸着で膜が形成される基
    板とを互いに対向して配置した膜の形成装置であって、
    複数の膜の原料を蒸発させる蒸発源を夫々基板に対して
    異なる方向から蒸発させる位置に配設し、基板の前面に
    基板上に所定形状の膜を形成させる開口部を穿設したマ
    スクを配置したことを特徴とする多層膜の形成装置。
  4. 【請求項4】  前記基板は移動自在の基板保持装置に
    保持されることを特徴とする請求項3に記載の多層膜の
    形成装置。
  5. 【請求項5】  前記マスクの開口部は少なくとも基板
    の移動方向側に基板側に向かって拡大した傾斜面を備え
    た開口部であることを特徴とする請求項4に記載の多層
    膜の形成装置。
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