JPH04317497A - ダイヤモンド薄膜の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド薄膜の製造方法

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JPH04317497A
JPH04317497A JP3087513A JP8751391A JPH04317497A JP H04317497 A JPH04317497 A JP H04317497A JP 3087513 A JP3087513 A JP 3087513A JP 8751391 A JP8751391 A JP 8751391A JP H04317497 A JPH04317497 A JP H04317497A
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Japan
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diamond
thin film
seed
pretreatment
raw material
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JP3087513A
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Ikuko Mita
三田 郁子
Yoichi Wakasa
若狭 洋一
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド薄膜の製
造方法に関する。詳しく述べると、ダイヤモンド薄膜と
して高硬度を有し、高音用スピーカーの振動板、耐磨耗
性軸受面の被覆材、IC基板の被覆材料あるいは切削用
工具等に使用する際に十分優れた性能有するダイヤモン
ド薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CVD法(気相成長法)により低
温低圧下でダイヤモンドを合成する方法が開発され、そ
の一部は高音用スピーカーの振動板、耐磨耗性軸受面の
被覆材、IC基板の被覆材料あるいは切削用工具等とし
て利用され始めている。
【0003】こうしたダイヤモンド薄膜の製造方法は、
特開昭61−151097号、特開昭63−28220
号または特開昭64−51396号に開示されている。 これらの方法によれば、プラズマCVD装置を用いて、
メタン等の原料ガスと水素ガスとをプラズマCVD装置
中に送り込み、プラズマCVD装置内に支持した基板表
面にダイヤモンド微粒子を析出させ、さらに反応を続け
ることにより、該微粒子を種核としてダイヤモンドを成
長させ、該基板表面にダイヤモンド薄膜を形成するもの
である。
【0004】しかしながら、前記ダイヤモンド薄膜を形
成する場合には、ダイヤモンドの他にグラファイトまた
はアモルファス状カーボンのような物質(以下、非ダイ
ヤモンドと称する。)が析出することは避けらず、高純
度のダイヤモンドを得ることができなかった。そしてこ
うした非ダイヤモンドは、ダイヤモンド粒子表面を覆い
、ダイヤモンド本来の形状を表す表面(自形面)を見ら
れなくすることにより、得られるダイヤモンド薄膜の物
性を低下させる。すなわち、高硬度のダイヤモンド中に
軟らかい非ダイヤモンドが混入することで、得られるダ
イヤモンド薄膜の硬度が低下し、前記製品に応用する際
には充分な性能向上が得られないものであった。
【0005】一方、特開昭62−98656号、特開昭
62−98657号、特開昭62−98658号または
特開昭64−24092号には、基板表面に金属(白金
、金、イットリウム、パラジウム、ニッケル、鉄、コバ
ルト、モリブデン、タングステン等)を蒸着し、その後
、メタンあるいはメタノール等の原料ガスと水素ガスを
CVD装置中に送り込み、CVD装置内に支持した基板
表面にダイヤモンド薄膜を形成させる方法が開示されて
いる。
【0006】前記金属蒸着による前処理を行うダイヤモ
ンド薄膜の製造方法では、予め金属を基板表面に蒸着す
ることにより、得られるダイヤモンド薄膜は再現性が良
く、該ダイヤモンド粒子径をコントロールすることがで
き、しかも高純度のダイヤモンド薄膜を形成することが
でき、さらに一層高い生成速度を有することができるも
のである。
【0007】しかしながら、高純度のダイヤモンド薄膜
を形成する場合、該ダイヤモンド薄膜の単位面積当たり
のダイヤモンド粒子の発生密度は低く、高密度化はなお
満足できるものではなかった。従って、得られたダイヤ
モンド薄膜は、個々のダイヤモンド粒子としての硬度は
改善されるけれども、ダイヤモンド薄膜全体としての硬
度は、高密度化したダイヤモンド薄膜に比較して不充分
である。高密度化したダイヤモンド薄膜を得るには長時
間かけて、ダイヤモンド粒子を増加、成長させて、単位
面積当たりのダイヤモンド粒子の発生密度を高める必要
があり、該ダイヤモンドの膜厚を相当に厚くしなければ
達成することができず、使用用途によっては好ましいも
のであるとは言えず、さらに多量の原料ガスと反応時間
も必要であり経済的にも好ましくないものとなる。従っ
て前記製品に応用するための性能向上は、なお完全とは
言えないものである。
【0008】すなわち、従来技術による製造方法により
ダイヤモンドを低温低圧下で合成する場合には、ダイヤ
モンドの生成速度をできるだけ遅くすることで、ダイヤ
モンド本来の自形面を有する高純度のダイヤモンドを合
成できる(高純度化)が、生成速度を遅くすることで、
種核であるダイヤモンド微粒子の発生数量が減少するた
め発生密度の低いダイヤモンドしか合成できない。逆に
生成速度を早くすれば、低純度のダイヤモンドしか合成
できないが、生成速度を早くすことで、種核であるダイ
ヤモンド微粒子の発生数量が増加し、発生密度の高いダ
イヤモンドが合成できる(高密度化)。
【0009】この様にダイヤモンド薄膜の性能向上ため
に必要な前記高純度化と前記高密度化は、その製法上相
反するものであった。そのため、ダイヤモンドの性能向
上ために必要な高密度化と高純度化の両方を達成しうる
製造方法の開発が求められているにもかかわらず、こう
したダイヤモンド薄膜の製造方法は今だ得られてないの
が現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので
あり、新規なダイヤモンド薄膜の製造方法を提供するも
のである。
【0011】本発明の他の目的は、高純度のダイヤモン
ド薄膜を形成すると共にダイヤモンドの発生、成長に必
要な種核を多数発生させ、種核の発生密度を高めること
により単位面積当たりのダイヤモンド粒子の発生密度が
高く成り得るダイヤモンド薄膜の製造方法を提供するも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の事情に鑑みて、本
発明者らは、ダイヤモンド薄膜としての硬度を高め、製
品に用いても充分な性能を有するダイヤモンド薄膜の製
造方法について鋭意、研究を重ねた結果、プラズマCV
D法により、予め基板表面にダイヤモンドの発生、成長
に必要な種核を多数発生しうる条件により、種核の発生
密度を高くさせておき、その後、高純度のダイヤモンド
を形成する条件により、ダイヤモンド薄膜を形成するこ
とであり、要するに、第1段階として高密度化し、第2
段階として高純度化を行うという、2段階に分ける方法
を用いて実施することにより、高密度化と高純度化の両
方を持ち得るダイヤモンド薄膜を形成することで、本発
明を完成するに至った。
【0013】すなわち、上記諸目的は、原料ガスと水素
ガスをプラズマCVD装置中に送り込み、プラズマCV
D装置内に支持した基板表面にダイヤモンド薄膜を製造
する方法において、前処理として、種核の直径が0.5
×10−2μm以上でかつ30×10−2μm未満の範
囲となるように多数の炭素結晶の種核を析出させたのち
、前記種核結晶の形成の条件よりも基板温度および/ま
たは水素ガスに対する原料ガスの濃度が低くなる条件下
でダイヤモンド合成を行うことを特徴とするダイヤモン
ド薄膜の製造方法により達成される。
【0014】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明に用いられる原料ガスは、前処理時
およびダイヤモンド合成時の双方に用いられるものであ
り、前処理時とダイヤモンド合成時に用いる原料ガスの
種類は同種または異種のいずれでも良いが、好ましくは
、同一条件で比較した場合に、前処理時に用いる原料ガ
スの方には種核の発生しやすい条件下に使用し、ダイヤ
モンド合成時に用いる原料ガスの方には生成速度の速い
条件下に使用することが望ましい。そして本発明に用い
られる原料ガスには、常温常圧下でガス状あるいは液状
で該ラズマCVD装置で反応する際の減圧条件下で気化
できる、有機化合物であれば特に限定されないが、こう
した有機化合物としては、例えばメタン、エタン、プロ
パン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、sec−ブ
タン、tert−ブタン、ペンタン、イソペンタンおよ
びヘキサンのようなアルカン類、エチレン、1−プロペ
ン、2−プロペン、1−ブテンおよび2−ブテンのよう
なアルケン類、アセチレンのようなアルキン類、シクロ
プロパン、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロヘキ
シル、シクロヘキセンおよび1,3−シクロヘキサジエ
ンのような単環式炭化水素類、ベンゼン、トルエンおよ
びスチレンのような芳香族炭化水素類、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノールおよ
びt−ブタノールのような低級アルコール類、アセトン
、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンの
ようなケトン類、ジメチルエーテル、メチルエチルエー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフランおよびジエチル
エーテルのようなエーテル類、フルオロメタン、クロロ
メタンのような有機ハロゲン化物等が挙げられる。前記
有機化合物の中で好ましくは、含酸素有機化合物または
炭素数が1〜6と比較的小さな有機化合物であり、こう
した有機化合物としては、例えばメタン、エタン、プロ
パンおよびイソプロパンのようなアルカン類、エチレン
、1−プロペンおよび2−プロペンのようなアルケン類
、シクロプロパンのような単環式炭化水素類、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノ
ールのような低級アルコール類、アセトンのようなケト
ン類、ジメチルエーテルおよびメチルエチルエーテルの
ようなエーテル類等が挙げられる。前記有機化合物の中
でより好ましくは、含酸素有機化合物または炭素数が1
〜2と小さな有機化合物の中で安価で周辺装置に対し悪
影響を及ぼさないものであり、こうした有機化合物とし
ては、例えばメタン、エタン、メタノールおよびエタノ
ール等が挙げられる。
【0016】さらに本発明に用いられる水素ガスは、前
処理時およびダイヤモンド合成時の双方に用いられるも
のであり、ダイヤモンド合成時に用いる場合の水素ガス
に対する原料ガスの濃度は前処理時に用いる場合の該濃
度と同等または前処理時に用いる場合の該濃度未満で用
いられる。従って前処理時に用いる場合には、水素ガス
に対する原料ガスの濃度は、用いる原料ガスの種類によ
り異なるが、水素ガスに対する原料ガスの濃度は4〜1
0容量%、好ましくは4〜8容量%であり、ダイヤモン
ド合成時に用いる場合には、水素ガスに対する原料ガス
の濃度は0.5〜8容量%、好ましくは1〜4容量%、
さらに好ましくは1〜2容量%である。
【0017】さらに該水素ガスは、原料ガスの反応によ
るダイヤモンド合成に於いてダイヤモンド粒子表面に析
出した非ダイヤモンドを励起された水素がエッチングす
ることにより除去することができ、高純度のダイヤモン
ド薄膜の形成に効果を有するものである。また、水素ガ
ス以外にもアルゴンガス等の不活性ガスを用いることも
出来ないわけではないが、これらのガスを用いた場合に
は、励起された該ガス原子がエッチングによりダイヤモ
ンド自身の一部をも破壊してしまうため好ましくない。
【0018】また本発明に用いられる基板の材質は、そ
の使用用途により異なることから、特に限定されるもの
ではなく金属類、セラミック等を用いることができる。 また金属類の内、直接炭素原子を吸収する金属類(例え
ば鉄等)を用いた基板の場合には、予め別の直接炭素原
子を吸収しない金属類(例えばモリブデン、タングステ
ン等)を蒸着等により該金属基板表面にコーティングし
たものを用いることもできる。また基板の厚さおよび形
状についても、その使用用途により異なることから、い
ずれも特に限定されるものではなく、必要に応じて任意
に選定することができる。
【0019】次に本発明によるダイヤモンド薄膜を製造
する方法において、前処理により基板表面に析出する、
多数の炭素結晶の微粒子よりなる種核の直径は0.5×
10−2μm以上でかつ30×10−2μm未満、好ま
しくは1×10−2μm〜25×10−2μm、より好
ましくは10×10−2μm〜20×10−2μmの範
囲である。
【0020】該種核の直径が、0.5×10−2μm未
満であれば、多数の炭素結晶の微粒子よりなる種核を基
板表面に析出することが出来ず、ダイヤモンド薄膜を高
純度化しようとする場合、単位面積当たりのダイヤモン
ド粒子の発生密度を高めること(高密度化)は極めて困
難なものとなる。
【0021】一方、該種核の直径が、30×10−2μ
m以上であれば、多数の炭素結晶の微粒子よりなる種核
を基板表面に析出することはできるが、該種核が大きく
成り過ぎるために、単位面積当たりのダイヤモンド粒子
の発生密度を高めること(高密度化)はできるが、ダイ
ヤモンド薄膜を高純度化しようとしても低純度のものし
か得ることができなくなってしまうものである。
【0022】上記理由としては、明確に解明されている
わけではないが、該種核は炭素結晶核(ダイヤモンド、
グラファイト、アモルファス状炭素あるいはそれらの混
合物)であると考えられ、前記種核の直径が30×10
−2μm未満であれば、こうした炭素結晶核であっても
、その後のダイヤモンド合成により、該種核がダイヤモ
ンド粒子に成長するに際し、該種核の形状を受け継がな
いため、高純度なダイヤモンド薄膜を形成することに対
し何ら影響しないものと考えられる。逆に種核の直径が
30×10−2μm以上となると、該種核は炭素結晶核
(ダイヤモンド、グラファイト、アモルファス状炭素あ
るいはそれらの混合物)であるため、その後のダイヤモ
ンド合成により、該種核がダイヤモンド粒子に成長する
に際し、該種核の形状が受け継がれることにより、得ら
れるダイヤモンド薄膜も非ダイヤモンドを混入してしま
い、高純度なダイヤモンド薄膜を形成するための製造方
法にも関わらず、低純度なものとなってしまい、ダイヤ
モンド合成に多大な影響を及ぼすと考えられる。
【0023】一方、前記種核の直径が0.5×10−2
μm未満となると、該種核は少量しか発生できず、該種
核の発生密度が極めて低くなり、該前処理による高密度
化の効果は表れず、高純度のダイヤモンド薄膜を形成し
ようとする場合、得られるダイヤモンド薄膜の単位面積
当たりのダイヤモンド粒子の発生密度も低くなる。逆に
前記種核の直径が0.5×10−2μm以上でかつ30
×10−2μm未満の範囲となると該種核は多数発生し
、該種核の発生密度が高くなり、該前処理による効果が
生じることにより、高純度のダイヤモンド薄膜を形成し
ようとする場合でも、何ら影響されることなく得られる
ダイヤモンド薄膜の単位面積当たりのダイヤモンド粒子
の発生密度も高くなる。
【0024】次に本発明に用いられるプラズマCVD装
置の使用は、前処理時およびダイヤモンド合成時の双方
に用いられるものであり、該装置の条件は下記に示すと
うりである。
【0025】(1)マイクロ波出力;前処理時およびダ
イヤモンド合成時共に、500〜1300ワット(W)
、好ましくは500〜900W、さらに好ましくは70
0〜900Wである。
【0026】(2)反応圧力;前処理時およびダイヤモ
ンド合成時共に、10〜50Torr、好ましくは30
〜45Torr、さらに好ましくは40Torrである
【0027】(3)基板温度;ダイヤモンド合成時に用
いる場合の基板温度は、前処理時に用いる場合の基板温
度と同等または該基板温度未満で用いられる。従って前
処理時に用いる場合の基板温度は、550〜700℃、
好ましくは550〜650℃、さらに好ましくは570
〜630℃であり、ダイヤモンド合成時に用いる場合の
基板温度は、500〜600℃、好ましくは550〜5
90℃、さらに好ましくは570〜590℃である。
【0028】(4)反応時間は、通常、時間が長くなれ
ば、ダイヤモンド粒子は増加、成長し膜厚の厚いものが
できる。従って、使用用途により異なり、特に限定され
るものでなく、必要に応じて任意に選定することができ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明の範囲がこれらの例
により限定されるものではない。
【0030】実施例1 前処理による多数の炭素結晶の種核の析出およびダイヤ
モンド薄膜の製造は、図1に示すように型造られたプラ
ズマCVD装置1を用いて行った。
【0031】プラズマCVD装置1は、側面部に開口面
を有する横型の円筒状のキャビティー2および該キャビ
ティー2の円筒部の側面外周部に磁場形成用のコイル3
が巻かれてなるものである。さらに該キャビティー2の
一方の側面中央部には、プラズマ波導波管4が取り付け
られており、同じく該キャビティー2の一方の側面中央
部のプラズマ波導波管4が取り付けられている周辺部に
は、ダイヤモンド合成時に用いる原料ガスを外部より送
り込むため、開閉並びに流量調製が可能な弁を担持して
なる原料ガス供給管5および前処理時に用いる原料ガス
と希釈用の水素ガスを混合しまたは希釈用の水素ガスの
単体を外部より送り込むため、開閉並びに流量調製が可
能な弁を担持してなる水素ガス供給管6がそれぞれ異な
る箇所に取り付けられている。さらに該キャビティー2
の他方の側面部の開口面側はチャンバー7に固定されて
いる。該チャンバー7の中央部には、基板8を加熱する
ためのヒータ9が備え付けられており、その周囲開口部
は外部の減圧装置につながれており、キャビティー2の
内部を任意の圧力に減圧できるようになっている。また
該ヒータ9の加熱面の近傍には、基板8が支持できるも
のである。
【0032】前記基板8には、Si(100)の単結晶
で、厚さが500μm、直径が2インチの円板状のもの
を使用した。また前処理時の原料ガスには、エタノール
を減圧かで気化して使用し、ダイヤモンド薄膜の形成時
の原料ガスには、メタンガスを使用した。
【0033】前記プラズマCVD装置の内部に基板を支
持した後、初めに前処理としての該装置の操作条件を(
1)マイクロ波出力;800ワット(W)、(2)反応
圧力;40Torr、(3)基板温度;580℃、(4
)反応時間;0.25時間とし、水素ガスおよびエタノ
ールガスをそれぞれ水素ガスに対するガス状エタノール
の比率が4容量%となるように調節して供給することに
より基板表面に多数の炭素結晶の微粒子よりなる種核を
、該種核の直径が1.0×10−2μmとなるように析
出させ、引き続きダイヤモンド薄膜の形成のために該装
置の操作条件を(1)マイクロ波出力;800ワット(
W)、(2)反応圧力;40Torr、(3)基板温度
;580℃、(4)反応時間;10時間とし、水素ガス
およびメタンガスをそれぞれ水素ガスに対するメタンガ
スの比率が2容量%となるように調節して供給すること
により基板表面にダイヤモンド薄膜の形成を行った。
【0034】実施例2 前処理としてのプラズマCVD装置の操作条件のうち(
4)反応時間;0.5時間とし基板表面に多数の炭素結
晶の微粒子よりなる種核を、該種核の直径が5×10−
2μmとなるように析出させる以外は実施例1と同様な
操作を繰り返しダイヤモンドの薄膜の形成を行った。
【0035】実施例3 前処理としてのプラズマCVD装置の操作条件のうち(
4)反応時間;1時間とし基板表面に多数の炭素結晶の
微粒子よりなる種核を、該種核の直径が10×10−2
μmとなるように析出させる以外は実施例1と同様な操
作を繰り返しダイヤモンドの薄膜の形成を行った。
【0036】実施例4 前処理としてのプラズマCVD装置の操作条件のうち(
4)反応時間;1.5時間とし基板表面に多数の炭素結
晶の微粒子よりなる種核を、該種核の直径が20×10
−2μmとなるように析出させる以外は実施例1と同様
な操作を繰り返しダイヤモンドの薄膜の形成を行った。
【0037】実施例5 前処理としてのプラズマCVD装置の操作条件のうち(
4)反応時間;2時間とし基板表面に多数の炭素結晶の
微粒子よりなる種核を、該種核の直径が25×10−2
μmとなるように析出させる以外は実施例1と同様な操
作を繰り返しダイヤモンドの薄膜の形成を行った。 得られたダイヤモンド薄膜の表面を走査型電子顕微鏡写
真(倍率:13000倍とした)により測定した結果、
ダイヤモンド本来の形状を表す表面(自形面)がみられ
ることから高純度のダイヤモンド薄膜を形成し、さらに
単位面積当たりのダイヤモンド粒子の発生密度が高密度
となり得たダイヤモンド薄膜が形成していることがわか
った(図2)。
【0038】比較例1 前処理としてのプラズマCVD装置の操作条件のうち(
4)反応時間;3時間とし基板表面に多数の炭素結晶の
微粒子よりなる種核を、該種核の直径が35×10−2
μmとなるように析出させる以外は実施例1と同様な操
作を繰り返しダイヤモンドの薄膜の形成を行った。 得られたダイヤモンド薄膜の表面を走査型電子顕微鏡写
真(倍率:13000倍とした)により測定した結果、
単位面積当たりのダイヤモンド粒子の発生密度が高密度
となり得たダイヤモンド薄膜が形成しているが、ダイヤ
モンド本来の形状を表す表面(自形面)がみられないこ
とから低純度のダイヤモンド薄膜しか形成していないこ
とがわかった(図3)。
【0039】比較例2 前処理としてのプラズマCVD装置の操作条件のうち(
4)反応時間;4時間とし基板表面に多数の炭素結晶の
微粒子よりなる種核を、該種核の直径が50×10−2
μmとなるように析出させる以外は実施例1と同様な操
作を繰り返しダイヤモンドの薄膜の形成を行った。
【0040】比較例3 前処理としてのプラズマCVD装置の操作条件のうち(
4)反応時間;6時間とし基板表面に多数の炭素結晶の
微粒子よりなる種核を、該種核の直径が65×10−2
μmとなるように析出させる以外は実施例1と同様な操
作を繰り返しダイヤモンドの薄膜の形成を行った。
【0041】上記実施例および比較例により得られたダ
イヤモンド薄膜をラマン分析法により測定した結果、実
施例では、1330cm−1のダイヤモンド固有のピー
クが鋭く出ており、高純度のダイヤモンドが合成れてい
ることがわかる(図4)。一方、比較例では、該ピーク
が広がって出ており、相対的に低純度のダイヤモンドし
か合成れていないことがわかる(図4)。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ダイ
ヤモンド薄膜を製造する方法において、前処理として、
基板表面に多数の炭素結晶の微粒子よりなる種核の直径
が0.5×10−2μm以上でかつ30×10−2μm
未満となるように析出することにより、従来技術では、
ダイヤモンド本来の形状を表す表面(自形面)が見られ
、さらに単位面積当たりのダイヤモンド粒子の発生密度
が高密度となり得るダイヤモンド薄膜を形成するために
は、生成速度を遅くして長時間かけてダイヤモンド粒子
を増加、成長させる必要があり、そのため大量の原料ガ
スと時間が必要であり経済的にも優れたものとはいえな
かったが、本発明では、これらに対し、短時間で目的と
するダイヤモンド薄膜を形成し得るため、膜厚の極めて
薄いものでも容易に形成でき、しかも所望の硬度を有し
、さらに経済的にも優れたものである。従って、本発明
により得られるダイヤモンド薄膜は高硬度を達成するこ
とができ、物性において優れたものとなるため、高音用
スピーカーの振動板、耐磨耗性軸受面の被覆材、IC基
板の被覆材料あるいは切削用工具等の幅広い製品に適用
するに充分な性能を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明に用いられたプラズマCVD装置の
概略断面図である。
【図2】  前処理による炭素結晶の種核の直径が25
×10−2μmとした場合に得られたダイタモンド薄膜
の表面の電子顕微鏡写真である。
【図3】  前処理による炭素結晶の種核の直径が35
×10−2μmとした場合に得られたダイタモンド薄膜
の表面の電子顕微鏡写真である。
【図4】  本発明の製造方法による実験結果を示すラ
マン分析による1330cm−1のダイヤモンドのピー
クの変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…プラズマCVD装置            2…
キャビティー3…コイル              
          4…プラズマ波導波管 5…ダイヤモンド合成用原料ガスの供給管6…前処理用
原料ガスおよび水素ガスの供給管7…チャンバー   
                 8…基板9…ヒー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  原料ガスと水素ガスをプラズマCVD
    装置中に送り込み、プラズマCVD装置内に支持した基
    板表面にダイヤモンド薄膜を製造する方法において、前
    処理として、種核の直径が0.5×10−2μm以上で
    かつ30×10−2μm未満の範囲となるように多数の
    炭素結晶の種核を析出させたのち、前記種核結晶の形成
    の条件よりも基板温度および/または水素ガスに対する
    原料ガスの濃度が低くなる条件下でダイヤモンド合成を
    行うことを特徴とするダイヤモンド薄膜の製造方法。
JP3087513A 1991-03-27 1991-03-27 ダイヤモンド薄膜の製造方法 Pending JPH04317497A (ja)

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