JPH04316610A - 複合弾性糸 - Google Patents

複合弾性糸

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JPH04316610A
JPH04316610A JP10868491A JP10868491A JPH04316610A JP H04316610 A JPH04316610 A JP H04316610A JP 10868491 A JP10868491 A JP 10868491A JP 10868491 A JP10868491 A JP 10868491A JP H04316610 A JPH04316610 A JP H04316610A
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吉本 聖
Shozo Fujimoto
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレンとエチレン性
不飽和単量体とからなるポリマー(以下、エチレン共重
合体という)と架橋したポリウレタンとからなる複合弾
性糸に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性糸は、主として乾式紡
糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法で製造されている。この
うち溶融紡糸法は、溶媒の使用が不要で且つ紡糸速度が
大きく工業的製造法として有利である。
【0003】しかし、その反面この糸は、ゴム的な風合
いを有し、ブロッキングしやすいという欠点がある。こ
のため主として油剤、またポリマー中への離型剤の添加
などの改良が加えられている。
【0004】また、ポリオレフィンを鞘に、熱可塑性ポ
リウレタンを芯にした複合弾性糸が提案されている(例
えば、特開昭61−194221号公報)。別の膠着防
止法として、我々は特公昭61−14245号公報に鞘
にウレタン、芯に架橋したポリウレタンを配した芯鞘型
ポリウレタン系弾性糸の製造方法を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このうち、油剤からの
改善は、ある程度の効果は認められるものの完全ではな
く限度がある。すなわち、紡糸して捲き取る場合を考え
てみると、糸の膠着を減少させれば綾落ち、捲き崩れな
どによって長時間の捲き取りが不可能となり易い。この
傾向は捲き取り速度が大きくなるほど(例えば、500
m/分以上)、又捲き取る際のボビンの径が小さくなる
ほど(例えば、直径100mm以下)顕著となる。逆に
膠着を糸にもたせれば、長時間の捲き取り性は可能とな
るも、後工程で糸の解舒ができなくなるため重大なトラ
ブルが発生する。このように、油剤の微妙なコントロー
ルだけでは、対応がつかないことが多い。また、油剤の
多くはシリコン主体にしなければならず、後工程に問題
を残す恐れがある。
【0006】一方、ウレタン−ウレタン型の芯鞘複合弾
性糸で膠着をなくした場合には、紡糸時での高速でかつ
小径ボビンでの長時間捲き取り性に難があった。又、耐
熱性にもやや問題があった。
【0007】次にポリオレフィンを鞘に芯鞘複合紡糸し
た特開昭61−194221号公報に記載の糸は、耐熱
性が極端に劣りその用途は限定される。この耐熱性を上
げるために芯に融点の高いポリウレタンを用いた場合に
は、得られる複合糸の回復性が劣り問題となる。
【0008】一方、エチレン共重合体は耐寒性、耐光性
、耐薬品性、軽量性、無毒性など優れた性質を持ち、種
々の用途に用いられている。しかし、これ単独では機械
的性質、熱的性質が不良であるため繊維としての用途は
接着性を主としたものがほとんどである。
【0009】本発明の目的は、ポリウレタン弾性糸に特
有な膠着性を改善した新規な耐熱性複合弾性糸を提供す
るにある。他の目的は、溶融紡糸法で安定且つ工業的有
利に製造し得る複合弾性糸を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる現状
に鑑み上記の目的を達成せんと鋭意検討した結果、本発
明に到達した。
【0011】即ち、本発明の複合弾性糸は、ポリウレタ
ンを芯成分とし、エチレンとエチレン性不飽和単量体と
からなるポリマーを鞘成分としてなる芯鞘型複合弾性フ
ィラメントであって、芯/鞘の複合比(X)が3〜10
0であり、ポリウレタンが10(μmol/g)以上の
架橋密度(Y)を以て架橋しており、且つXとYとは下
記式、 Y≧−X+30 の関係を満足することを特徴とする。
【0012】上記ポリウレタンの架橋は、それに含有さ
れた主としてポリイソシアネートによるアロファネート
結合によって形成されている。又、ポリウレタンに含ま
れるポリイソシアネートは芯成分と鞘成分の相互接着性
を強化している。芯成分は鞘成分中に偏心的に配置され
ていても良いが、同心円的配置が最も好ましい。
【0013】以下、本発明を詳しく説明する。本発明を
構成する芯成分の架橋したポリウレタンとは、通常の熱
可塑性ポリウレタンではなく、これに主としてアロファ
ネート架橋構造を導入した架橋型ポリウレタンである。 このような架橋型ポリウレタンをつくる方法としては、
紡糸中にポリイソシアネートと溶融した熱可塑性ポリウ
レタンとを紡糸中あるいは紡糸後に反応せしめ、主とし
て分子中にアロファネート架橋構造を積極的につくる方
法、例えば我々の提案した方法(特公開58−4657
3号公報)に従えば良い。
【0014】ここで熱可塑性ポリウレタンとは、分子中
にウレタン結合、ウレア結合を有する広義のポリウレタ
ンをいい、熱可塑性であれば、綿状ウレタンでも一部架
橋結合を有するウレタンでも使用可能である。
【0015】この熱可塑性ポリウレタンの硬度としては
JIS−Aで60〜95の範囲が好ましい。硬度が60
未満になると得られる糸の回復力、又耐熱性が劣るなど
の問題が発生するため好ましくない。逆に硬度が95を
超えるとポリウレタンそのものの回復性が劣ること、ま
た、該硬度のポリウレタンの最適紡糸条件範囲が狭い等
の問題が生じるため好ましくない。従って、65〜92
の範囲が最も好ましい。
【0016】本発明で使用するポリイソシアネートとし
ては、通常分子量300以上、好ましくは400以上、
更に好ましくは800〜5000の2ないし3官能の水
酸基を持つ多官能ポリオールと、多官能イソシアネート
(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、3官能
イソシアネート、或いはこれらの混合物など)との反応
物を挙げることができる。このポリイソシアネートの官
能度は、ポリオール成分としては、平均官能度が2.0
5から2.8のものを、又多官能イソシアネート成分と
しては、2.0から2.8の範囲のものを使う事が好ま
しい。ポリオール成分の平均官能度が2.0のものから
のみなる場合には、ポリイソシアネートの中にフリーの
イソシアネート基を存在させることが望ましく、例えば
、イソシアネート基モル数/水酸基モル数の比Rが2.
0以上となるようにすれば良い。更に、このRが2.1
〜5であれば芯成分の耐熱性が向上し好都合である。R
が2.1未満であれば耐熱性の面から、一方5を超える
と操業性の点から好ましくない。
【0017】芯成分中のポリイソシアネートの添加量は
、紡糸に供する熱可塑性ポリウレタンと該ポリイソシア
ネートとの混合物に対して5〜40重量%であることが
望ましい。添加量は使用するポリイソシアネートの種類
により異なるものであるが、添加量が40重量%を越え
ると混合不均一で紡糸が不安定となったり、糸の機械的
性質も不満足なものしか得られないし、逆に5重量%未
満であると耐熱性が不足するので好ましくない。
【0018】以上のようにして、本発明の架橋密度(Y
)を持つ芯成分を得る事ができる。この架橋が主として
アロファネート架橋結合からなるものが好ましい。 即ち、この架橋結合がビューレット結合であると、紡糸
中に系の粘度が上昇し安定した操業が望めないからであ
る。
【0019】本発明で言う架橋密度(Y)とは、芯成分
中のウレタンの架橋密度であり、この測定方法としては
、まず鞘成分をキシレン、トルエンなどで溶解した後の
ウレタンを試料とする。ついで、横山らの方法(ジャー
ナル  オブ  ポリマーサイエンス:ポリマーレター
ズ  エディション  ;第17巻、175頁(197
9)参照)及び“日本ゴム協会誌”第61巻第6号P4
30(1988)の村上の方法を参考にして測定した。 即ち、このウレタン1gをまず、23℃のジメチルスル
フォキシド−メタノール混合溶液中に12時間入れ攪拌
し、次いでn−ブチルアミンを約200μmol/g含
むジメチルスルフォキシド溶液中で23℃*24時間溶
解したのち、1/50〜1/125Nの塩酸−メタノー
ル溶液でブロムフェノールブルーを指示薬として、反応
系中のn−ブチルアミンを逆滴定して、次式により密度
を求めた。
【0020】V01=V0 ×W2 /W1 W1  
 :試料分解における分解液重量(g)W2   :試
料分解の仕込分解液重量(g)V0   :空試験に要
した滴定量(ml)V01  :試料分解における空試
験滴定量(ml)VS   :試料分解における滴定量
(ml)fHC1 :力価(−) NHC1 :滴定液濃度(規定)
【0021】尚、このような方法では試料が溶解しない
ような高い架橋密度を持つ芯成分も当然考えられるが、
このような系も紡糸性が良ければ好適に用いることがで
きる。特に鞘成分の硬度が高く室温における伸長回復性
が劣る場合には、芯成分は鞘成分の剛性に打ち勝つ回復
力を発現する事が必要であり、例えば架橋密度は15μ
mol/g以上、好ましくは20μmol/g以上、更
に好ましくは25μmol/g以上とする事が望ましい
【0022】本発明で鞘成分に用いるエチレン共重合体
とは、エチレンとこれに付加重合し得るエチレン性不飽
和単量体との共重合によって得られる熱可塑性共重合体
を言う。そのエチレン性不飽和単量体の例としては酢酸
ビニル又はその完全又はその不完全ケン化物、もしくは
アクリル酸又はそのアルキルエステル、もしくはメタク
リル酸又はそのアルキルエステルが挙げられる。前者の
例としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢
酸ビニル共重合体のケン化物(例えば、完全ケン化物の
場合エチレンビニルアルコール共重合体等)、後者の例
としてはエチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリ
ル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、
エチレンメタクリル酸エチル共重合体が挙げられる。
【0023】上記エチレン性不飽和単量体のうち、分子
内にイソシアネート基と反応性をもつ水酸基、カルボキ
シル基などを有するビニルアルコールやアクリル酸など
が特に好ましい。以上のようなエチレン共重合体として
は、“エバフレックス”(三井・デュポンポリケミカル
株社製)、“スミテート”(住友化学工業株社製)、“
ウルトラセン”,“メルセン”(東洋曹達工業株社製)
、“デュミランDあるいはC”(武田薬品株社製)、“
NUCコポリマー”(日本ユニカー株社製)、“エバー
ル”(クラレ株社製)等市販のものを好適に使用する事
ができる。
【0024】以上、芯鞘両成分について説明したが、次
に芯鞘の複合比率について述べる。芯/鞘成分の複合比
は断面積比で3〜100の範囲にあり、好ましくは10
〜70、更に好ましくは20〜50である。鞘成分の比
率が3未満になると得られる糸の弾性回復性、高温での
回復性、耐熱性が不足するし、逆にこの比率が100を
超えると、鞘成分が破れたり、芯成分が糸表面に露出し
易くなり、紡糸性などに悪影響を及ぼすので好ましくな
い。
【0025】複合糸としての機能を充分に持たせるため
には、単に上記複合比だけではなく、芯成分中のポリウ
レタンの架橋密度も本発明には重要であり、芯/鞘比率
(X)とこの架橋密度Y(μmol/g)との間には、
Yの架橋密度が10以上であり、且つ Y≧−X+30 の関係式が常に成立するように構成されていなければな
らない。即ち、芯成分中のポリウレタンの架橋密度が少
ない場合には、複合比を上式にしたがって芯成分の比率
をあげる必要があり、逆に芯成分中のポリウレタンの架
橋密度が多い場合には複合比の適用範囲をひろげること
ができる。この式を満足しないように構成された糸は、
複合糸としての機能、例えば回復性、耐熱性などが劣る
ので好ましくない。
【0026】芯鞘の複合形態としては、芯鞘両成分の中
心が実質的に同一であることが紡糸安定性の面、得られ
る糸の均一性の面からも好ましい。また、該複合糸の断
面形状は円形でも、異形でも構わない。
【0027】本発明の芯成分や鞘成分に耐光剤、酸化防
止剤、酸化チタン等の染顔料、滑剤とか抗菌剤、導電剤
、制電剤、難燃剤等ポリウレタンやエチレン共重合体の
公知の改質剤を添加することも可能である。
【0028】次に、本発明糸の製造装置及び方法につい
て説明する。熱可塑性ポリウレタンを溶融押出しする部
分にポリイソシアネートを添加し、混合する部分、鞘成
分を溶融押し出しする部分及び公知の芯鞘型複合紡糸口
金を有する紡糸ヘッドを備えた溶融複合紡糸装置により
実施することが好適である。紡糸中にポリイソシアネー
トを添加するために用いられる装置としては公知の装置
を使用することができる。ポリイソシアネート物を溶融
状態のポリウレタンに添加・混合する部分には、回転部
を有する混練装置を使用する事も可能であるが、より好
ましいのは、静止型混練素子を有する混合装置を用いる
ことである。静止型混練素子を有する混合装置としては
公知のもの、例えばケニックス社製のスタティックミキ
サを用いることができる。静止型混練素子の形状及びエ
レメント数は、使用する条件により異なるものであるが
、熱可塑性ポリウレタン弾性体とポリイソシアネートと
が複合紡糸口金から吐出される前に充分に混合が完了し
ているように選定することが肝要であり、通常20〜9
0エレメント設ける。このようにしてポリイソシアネー
トが混合されたポリウレタンを芯成分とし、別の押出機
により鞘成分を溶融し、両者を芯鞘複合口金に導いて紡
糸すれば本発明の複合糸が得られる。
【0029】また芯/鞘の複合比Xを例えば15以上と
大きくする場合には、芯鞘複合口金の設計において芯成
分と鞘成分との会合部の構造を、(イ)鞘成分の導入溝
を例えば2.0mm以下と浅くする。(ロ)芯成分の導
入孔(内部オリフィス)の下部と芯鞘複合流の吐出孔(
最終オリフィス)の上部との間隔を例えば0.05〜1
.0mmと小さくするなどの工夫を施こすことが好まし
い。
【0030】ホッパーから熱可塑性ポリウレタンのペレ
ットを供給し、押出機で加熱溶融する。溶融温度は19
0〜230℃の範囲が好適である。一方、ポリイソシア
ネートは供給タンク内で100℃以下の温度で溶融し、
あらかじめ脱泡しておく。溶融温度が高すぎるとポリイ
ソシアネートの変質を生じ易いため、溶融可能な範囲で
低い方が望ましく室温から100℃の間の温度が適宜用
いられる。溶融したポリイソシアネートを計量ポンプに
より計量し、必要に応じてフィルターにより濾過し、押
出機先端に設けられた会合部で溶融したポリウレタンに
添加する。ポリイソシアネートとポリウレタンとは静止
型混練素子を有する混練装置によって混練される。この
混合物は計量ポンプにより計量され、紡糸ヘッドに導入
される。紡糸ヘッドは、できるだけ該混合物の滞留部の
少ない形状に設計することが好ましい。必要により紡糸
ヘッド内に設けられた濾過層で金網あるいはガラスビー
ズ等の濾材により異物を除去した後、該混合物は鞘成分
のエチレン共重合体と芯鞘型に複合され、ついで口金か
ら吐出され、空冷され、油剤付与された後捲き取られる
。捲き取り速度は、通常400〜1500m/分が用い
られる。
【0031】紡糸ボビンに捲き取られた複合弾性糸は、
紡糸直後には強度が劣る場合もあるが、室温に放置する
間(例えば2時間〜6日間)に強度が向上する。このよ
うに紡糸された複合弾性糸が、経時により糸質及び熱的
性能が変化するのは、紡糸原料として用いた熱可塑性ポ
リウレタンと混合されたポリイソシアネートとの反応が
紡糸中には完結せずに、紡糸後にも進行するためと推定
される。又、紡糸直後には、芯鞘の接着性が不良になる
こともあるが、経時的にこの接着性が向上するようにな
る。これは、エチレン共重合体中の水酸基、カルボキシ
ル基などとポリイソシアネートとの反応によるものと考
えられる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明の糸は、鞘成分がエ
チレン共重合体であり、芯成分が架橋したポリウレタン
であるため、熱的、機械的物性はもちろん糸の取扱い性
も非常に良好である。エチレン共重合体は、機械的性質
の温度依存性が大きく約50〜60℃で物性の急激な低
下が起こり、この現象が実用上で重大な障害となってい
るのが現状であるが、本発明糸は、驚くべきことに耐熱
性も非常に良好である。例えば、伸び−温度のクリープ
挙動をみると、昇温温度70℃/min、荷重12mg
/dの条件で糸のクリープ性を測定すると、本発明糸は
40%時の伸び量の温度が130℃以上であり、耐熱性
に優れる。又、エチレン共重合体単独ではその強度は極
めて弱いが、本発明のように複合することにより、例え
ば約0.1g/dから約1.5g/dと機械的性質も驚
くほど向上する。勿論、繊維同士の膠着もない。更に、
芯鞘両界面で積極的な反応が起こるため、これらの接着
性は良好である。又、生産性も溶融紡糸法であり、工業
生産上有利であるという特徴を有している。本発明の複
合弾性糸はソックス、水着、ファンデーション、ブラジ
ャー等の分野に適用することができる。又、鞘成分の無
毒性を利用して医用材料として用いる事も可能である。 次に、この糸だけでなく例えばナイロンなどでカバリン
グ或いは合糸して利用することもできる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0034】実施例1〜3、比較例1〜3・熱可塑性ポ
リウレタン 数平均分子量2000のポリブチレンアジペート17モ
ルとp,p′−ジフェニルメタンジイソシアネート50
モル及び、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール32
モルを用いて、常法に従い合成した。このものの相対粘
度は、2.15であった。
【0035】・ポリイソシアネート 数平均分子量850のポリカプロラクトンジオール24
.1モル、数平均分子量2000のポリカプロラクトン
トリオール6.0モル(ポリオール成分の平均官能度=
2.2)、p,p′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト69.9モルとを反応させこの化合物を得た。このも
ののNCO%は、6.2重量%であった。
【0036】・エチレン共重合体−エチレン酢酸ビニル
共重合体 ウルトラセン682(東ソー株社製:メルトフローレー
ト150g/min、酢酸ビニル含量15%;融点は8
3℃)を用いた。
【0037】上記熱可塑性ポリウレタンの溶融時に上記
ポリイソシアネートを供給装置で注入し、静止型混練素
子35エレメントを有するスタティックミキサ(ケニッ
クス社製)にて両成分を混練して芯成分とし、他方上記
エチレン酢酸ビニル共重合樹脂を別の押出機により溶融
し各々別々に計量して、同心円上の芯鞘複合口金(ノズ
ル径0.5mm)に導き、紡糸速度600m/分にて外
径85mmのボビンに繊度40デニールの複合モノフィ
ラメントを得た。この際、第1表に示す複合比、並びに
架橋密度となるように両成分の吐出量並びにポリイソシ
アネート量を変化させた。
【0038】又、鞘成分を上記熱可塑性ポリウレタンを
用いて同様に複合紡糸し、油剤として、イソシアネート
基失活剤アミノ変性シリコンを5重量%、又、0.3重
量%含むジメチルシリコン主体の油剤を付与して捲き取
った(比較例1,2)。
【0039】表1にその結果を示した。
【表1】
【0040】・SRII:室温下で100%伸長−緩和
を2回繰り返した後、次式で計算される値であり、この
値が大きいほど回復性に優れていることを表す。
【0041】・耐熱性:糸に12.5mgの荷重をかけ
、昇温速度70℃/minの条件下で測定した際、糸が
50%伸びたときの温度をあらわす。
【0042】・解舒係数:ボビン上に捲き取られたウレ
タン糸を50m/分の速度で解舒するとき、ボビン表面
の膠着のため糸の解除が不可能となったときのボビン表
面速度と捲取りローラの表面速度との比。
【0043】・紡糸捲取性:綾落ち、捲崩れをすること
なしに捲取れる時間。
【0044】表1より、ウレタン−ウレタン型の比較例
1のように膠着をなくすと紡糸捲取性は24分であるが
、逆に比較例2のように膠着させると、捲取性は良くな
るもののこの糸は捲返ししなければ使用不可であった。 又比較例3,4のように架橋密度Y(μmol/g)が
Y≧−X+30を満足しない場合には、回復性、耐熱性
が大幅に劣ることがわかる。
【0045】一方、この式を満足する実施例1,2は、
物性的にウレタン−ウレタン型の複合しに劣らないもの
となっており、且つ、膠着もなく紡糸捲取性に優れてい
ることがわかる。又、実施例3のように芯成分の架橋密
度を上げると非常に耐熱性が向上することがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポリウレタンを芯成分とし、エチレン
    とエチレン性不飽和単量体とからなるポリマーを鞘成分
    としてなる芯鞘型複合弾性フィラメントであって、芯/
    鞘の複合比(X)が3〜100であり、ポリウレタンが
    10(μmol/g)以上の架橋密度(Y)を以て架橋
    しており、且つXとYとは下記式、 Y≧−X+30 の関係を満足することを特徴とする複合弾性糸。
  2. 【請求項2】  上記架橋がポリイソシアネートによる
    アロファネート架橋である請求項1記載の複合弾性糸。
  3. 【請求項3】  エチレン性不飽和単量体が、酢酸ビニ
    ル又はその完全又はその部分ケン化物、もしくはアクリ
    ル酸又はそのアルキルエステル、もしくはメタクリル酸
    またはそのアルキルエステルである請求項1記載の複合
    弾性糸。
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