JP2878841B2 - 熱可塑性ポリウレタン弾性体、その製造法およびそれからなる弾性繊維 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン弾性体、その製造法およびそれからなる弾性繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は熱可塑性ポリウレタン弾性体、その製造法お
よびそれからなる弾性繊維に関する。さらに詳しくは高
分子量で分子量分布が狭く且つポリウレタン基質に基づ
く小塊粒が非常に少ないポリウレタン弾性体、その製造
法およびそれからなる弾性繊維に関する。
背景技術 熱可塑性ポリウレタンの製造方法としては、溶媒を用
いる溶液重合法と溶媒を使用しない塊状溶融重合法が知
られている。
溶媒中でポリマーグリコール、ジイソシアネート化合
物および架橋剤を、回分式で、溶液重合反応させてポリ
ウレタン弾性体を製造する方法は比較的分子量分布の狭
いポリウレタン弾性体を与えるが、さほど高い重合度を
与えず、反応終了後溶媒を分離する工程を要し、しかも
回分式であるために極めて非能率的である。
特公昭39−17,093号公報には、溶媒を使用せずにポリ
マーグリコールとジイソシアネート化合物をニーダーの
ような混練機中で回分式に塊状重合反応させてポリウレ
タン弾性体を製造する方法が開示されている。
この方法では、重合度の大きいポリウレタン弾性体が
得られるが、このポリウレタン弾性体は分子量分布が大
きく、強い接着性を示し、回転羽根から引きはがす作業
が極めて困難である。一般に回分式で反応を行う場合に
は、各バッチ毎に仕込む原料の量比、処理温度、処理時
間、含水量、押出時間などを厳密に管理することは非常
に難しく、このために重合度、分子量分布を制御できず
製品の均一化を計ることが困難である。
一方、特公昭44−25,600号公報には、加熱融解した液
状のポリイソシアネート化合物と、イソシアネート機を
反応しうる活性水素を含む機を少なくとも2個含有する
化合物とを、多軸スクリュー押出機中で、滞留時間3〜
60分間、混練して重合させて、熱可塑性ポリウレタン樹
脂を連続的に製造する方法が開示されている。同公報に
は、重合温度として50〜200℃の温度が開示されてお
り、実施例では滞留時間7〜15分、重合温度(シリンダ
ー温度)140〜195℃が採用されている。
特公昭49−3,451号公報には、分子量500以上の高分子
ジヒドロキシ化合物と有機ジイソシアネートとを、該高
分子ジヒドロキシ化合物の最終必要量の70〜100%が実
質的にイソシアネート基となるように予め反応せしめる
工程を有する、ポリウレタン弾性糸を、連続的に無溶媒
下で合成し直接紡糸して製造する方法が開示されてい
る。同公報には、上記予反応工程で生成するプレポリマ
ーと、残りの高分子ジヒドロキシ化合物および低分子ジ
ヒドロキシ化合物との反応温度として150〜250℃が開示
されており、実施例では反応条件として180℃×15分お
よび160℃×20分が採用されている。
特公平3−54,963号公報には、平均分子量500〜3,000
の高分子ジオール、分子量500未満の低分子ジオールお
よび有機ジイソシアネートを、押出機中で反応せしめ
て、熱可塑性ポリウレタンを連続的に製造する際に、高
分子ジオールと低分子ジオールとの全水酸基に対するあ
る有機ジイソシアネートのイソシアネート基のモル比を
1±0.002の範囲に調整して、生成するポリウレタンの
溶融粘度の変動を制御する方法が開示されている。同公
報には、押出機中における反応(重合)温度に関し、温
度が高過ぎると反応温度が速くなり相対的に混合速度が
遅くなるので混合が不足し均質なポリウレタンが得られ
なかったりあるいは有機ジイソシアネートおよび反応生
成物などの分解反応が起こるので好ましくないことが記
載されている。同公報の実施例において採用された推奨
される重合温度(押出機内温度)は最高220℃であり、
同公報には220℃以上の温度の開示はない。
特開平2−20,514号公報には、高分子ジオールとし
て、2−メチル−1,8−オクタンジオールからの残基お
よび1,9−ノナンジオールからの残基を有するポリエス
テルジオールあるいはポリカーボネートジオールを用い
て溶融重合法により熱可塑性ポリウレタンを製造する方
法が開示されている。同公報には、重合温度として200
℃以上240℃以下が開示され、また240℃以下とすること
により得られる熱可塑性ポリウレタンの耐熱性が増大す
る旨記載されている。
また、特開平2−191,621号公報には、220℃における
MFR(溶融流動比)値MBが5〜50であり且つ200℃にお
けるMFR値MAとの比MB/MAが1〜5である熱可塑性ポリ
ウレタンが開示されている。同公報には、この熱可塑性
ポリウレタンは200℃付近において溶融流動性の温度依
存性が低く均一なものであり、従来の未溶解物やゲルの
多いポリウレタンではこの値は達成し得ない旨開示され
ている。なお、同公報では、未溶解物の判定はポリウレ
タンの一定量を室温でジメチルホルムアミドに溶解して
未溶解物の重量%によって行ったことが記載されてい
る。同公報の実施例には、高分子ジオールと有機ジイソ
シアネートからのプレポリマーと低分子ジオールとの反
応(重合)を、200℃の一定温度で行った例および逐次
高めて180〜200℃で行った例が開示されている。
しかしながら、上記の如き技術で得られたポリウレタ
ン弾性体は、本発明者の研究によれば、通常の溶融紡糸
を行った場合、紡糸温度の制御が困難となりまたフィル
ターの通過性を阻害するゲルが発生し紡糸糸切れ等の問
題が生じるため長時間の紡糸ができず、その歩留りは50
〜80%で変動し、また、ポリウレタン弾性体シートを製
造する際には、寸法安定性が悪くフィシュアイを生成す
るなど安定して品質良好なシートを与えず、成形加工性
を未だ不充分であることが明らかにされた。
発明の開示 本発明の目的は、高分子量で分子量分布が狭く且つポ
リウレタン基質に基づく小塊粒が非常に少ない熱可塑性
ポリウレタン弾性体を提供することにある。
本発明の他の目的は、溶融成形性に優れており、特に
小塊粒が原因となる。例えば紡糸等の糸切れ等のトラブ
ルを解決し得るポリウレタン弾性体を提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的は、比較的高温度で短時間
で、高分子ジオールと有機ジイソシアネートからのプレ
ポリマーと低分子ジオールとを塊状溶融重合せしめて、
本発明の熱可塑性ポリウレタン弾性体を連続的に製造す
る工業的に有利な方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明のポリウレタン弾
性体からなる品質の優れたポリウレタン弾性繊維を提供
することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から
明らかとなろう。
本発明者によれば、本発明の上記目的および利点は、
第1に、 (A)数平均分子量が160,000〜200,000の範囲にあり、
重量平均分子量が300,000〜450,000の範囲にあり、そし
て重量平均分子量/数平均分子量の比が1.8〜2.3の範囲
にあり、 (B)ポリウレタン基質に基づく小塊粒をポリウレタン
1kg当り200個以下でしか含有せず、そして (C)塊状溶融重合により得られた、下記式 −(CONH−R−NHCO−O−R′−O)−および −(CONH−R−NHCO−O−R″−O)− ここで、Rは有機ジイソシアネートから2つのイソシ
アネート基を除去した残基であり、R′は平均分子量50
0〜3,000の高分子量ジオールから2つの水酸基を除去し
た残基であり、そしてR″は平均分子量500未満の低分
子量ジオールから2つの水酸基を除去した残基である、 で表わされる繰返し単位よりなる、 ことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン弾性体によって
達成される。
本発明のポリウレタン弾性体は、上記のとおり、数平
均分子量が160,000〜200,000の範囲にあり、重量平均分
子量が300,000〜450,000の範囲にある。数平均分子量の
好ましい範囲は170,000〜200,000であり、また重量平均
分子量の好ましい範囲は350,000〜450,000である。
また、本発明のポリウレタン弾性体は重量平均分子量
/数平均分子量の比が1.8〜2.3の範囲にある。この比の
好ましい範囲は1.9〜2.1である。
本発明のポリウレタン弾性体は、さらにポリウレタン
基質に基づく小塊粒をポリウレタン1kg当り200個以下で
しか含有しない。ポリウレタン基質に基づく小塊粒と
は、ポリウレタンに添加する添加物、例えばフィラーや
酸化チタンの如き艶消剤あるいは意図せず含有される不
溶解物(塵埃)などを包含しない意味で用いられると理
解されるべきである。小塊粒の好ましい割合は、ポリウ
レタン1kg当り100個以下である。
ポリウレタン基質に基づく小塊粒は、本発明者等の研
究によれば、例えば小塊粒が(a)20℃において5〜50
μmの大きさを有し且つポリウレタン基質を構成するハ
ードセグメントのみからなるホモポリマーの溶融(Tm)
において溶融する結晶粒であるかあるいは(b)20℃に
おいて5〜50μmの大きさを有し且つ前記融点(Tm)に
おいて溶融しないゲル状物粒であることが明らかにされ
た。
本発明の熱可塑性ポリウレタン弾性体は、通常室温で
はゴム状の軟質体であり、偏光顕微鏡で観察するとポリ
ウレタン弾性体中でハードセグメントが結晶化した部分
は発色(複屈折)し、ハードセグメントよりなる重合体
の結晶融点に迄加熱すると消失することから確認でき
る。このハードセグメントの結晶化部分で大きさが5μ
m以上の塊(以下、ハードセグメントの結晶塊という)
は、例えば,14−ブタンジオールと4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネートの場合は245〜260℃の結晶融点を
有しているため、通常200〜240℃で溶融紡糸など溶融押
出成形しても繊維やフィルムなどにそのまま残存して小
塊粒あるいは小塊粒の核となり、紡糸糸切れ、著しい膠
着性による糸巻体の解舒不良、編物の穴あきや緯段ある
いはフィルムのフィシュアイなどのトラブル原因とな
り、またフィルターを通過しない大きな結晶塊、例えば
40μm程度以上のものは濾過圧上昇の原因となる。一
方、前記結晶融点においても消失しない大きさ5μm以
上のゲル状物は、結晶塊に比べて弱く発色し、無定形の
ものが多い。またゲル状物粒は、ポリウレタン弾性体の
溶剤で溶解したとき、不溶物として残存する。このゲル
状物粒は、フィルターの大きさ程度のものはフィルター
を通過するが、結晶塊と同様、繊維やフィルムなどの小
塊粒あるいはその核となりトラブル原因となる。他方、
大きさが5μm未満の発色部分は、上記の如きトラブル
をひき起すことはない。
本発明のポリウレタン弾性体は、好まくは塊状溶融重
合法によって製造される。
本発明方法によれば、第2に、本発明のポリウレタン
弾性体を製造する方法が提供される。
かかる本発明方法は、高分子ジオールと有機ジイソシ
アネートとをポリウレタンプレポリマーと所定量の低分
子ジオールとを、前記高分子ジオールと該低分子ジオー
ルの水酸基の合計量/前記ジイソシアネートのイソシネ
ート基の量のモル比が0.95〜1.05の範囲となる割合で、
スクリュー型押出機中で、1〜10分間十分に混合しつつ
240〜270℃、好ましくは245〜265℃の範囲の温度で塊状
溶融重合させてポリウレタンを生成せしめることを特徴
とするポリウレタン弾性体の製造法である。
本発明において原料として使用される有機ジイソシア
ネートは、一般にポリウレタン樹脂の製造に使用される
芳香族または脂肪族ジイソシアネートのいずれでもよ
い。例えば4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トルエンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジ
イソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネ
ート、キシレンジイソシアネート、2,2′−ジメチル−
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−また
は1,4−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン、1,3−
または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキ
サン、4,4′−メチレンビスシクロヘキシルメタジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネー
ト等の公知のジイソシアネート及びこれらのイソシアネ
ート類のイソシアヌレート化変性品、カルボジイミド化
変性品、ビュレット化変性品等である。これらの有機ジ
イソシアネートは単独で用いてもよいし、2種以上を混
合して用いてもよい。
高分子ジオールとしては、ポリエステルジオール、ポ
リエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
エステル・エーテルジオールから選ばれた1種または2
種以上の高分子ジオールが好ましく用いられる。ポリエ
ステルジオールとしては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、2−メチルプロパンジオール或はその他の低分
子ジオールとグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸な
どの低分子量ジカルボン酸との縮合重合物;、あるいは
ラクトンの開環重合で得たポリラクトンジオール、例え
ばポリカプロラクトングリコール、ポリプロピオラクト
ングリコール、ポリバレロラクトングリコールなどがあ
げられる。また、ポリエーテルジオールとしては、例え
ばポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエ
ーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどのポ
リアルキレンエーテルグリコールがあげられる。ポリカ
ーボネートジオールとしては低分子量ジオール、例えば
1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどの
脂肪族あるいは脂環族ジオールに炭酸ジフェニルあるい
はホスゲンを作用させて縮合したポリカーボネートジオ
ールが挙げられる。
また、ポリエーテルジオールとしては、例えばポリエ
チレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグ
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポ
リヘキサメチレンエーテルグリコールなどのポリアルキ
レンエーテルジオールが好ましく使用される。
これらの高分子量ジオールの平均分子量は、好ましく
は500〜3,000であり、より好ましくは500〜2,500の範囲
内にある。平均分子量が小さすぎると有機ジイソシアネ
ートとの相溶性が良すぎて生成ポリウレタンの弾性が乏
しくなり、一方平均分子量が大きすぎると有機ジイソシ
アネートとの相溶性が悪くなり重合工程での混合がうま
くゆかず、ゲル状物の塊が生じたり安定したポリウレタ
ンが得られ難くなる。
低分子ジオールとしては分子量が500未満のものであ
り、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタングリコール、3−メ
チルペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4
−ビスヒドロキシエチルベンゼンなどの脂肪族、芳香族
ジオールが好ましいものとして挙げられる。これらは単
独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
本発明方法では、上記原料のうち、高分子ジオールと
有機ジイソシアネートからのポリウレタンプレポリマー
を準備し、これを低分子ジオールと反応せしめる。
ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、 (1)所定量の高分子ジオールと有機ジイソシアネート
とを高速ミキサーに供給して十分に混合し、 (2)得られたモノマー混合物を、1枚以上の多孔板を
備えた反応筒にその上部から供給して流下させ、その間
に反応せしめてポリウレタンポリマーを生成せしめる ことによって製造される。
有機ジイソシアネート対高分子ジオールのモル比は、
好ましくは4:1〜2:1の範囲、より好ましくは3.5:1〜2.
5:1の範囲にある。これらの原料を所定のモル比で、例
えば定量ポンプを使用して高速ミキサーに供給する。す
なわち、これらの原料を、好ましくは回転数500〜4,000
rpm、より好ましくは1,000〜3,000rpmで高速回転するミ
キサーで混合する。高速ミキサーで均一に混合された原
料は、次いで、1枚以上の多孔板を備えた反応筒にその
上部から供給され、流下する間に反応してポリウレタン
プレポリマーを生成する。多孔板は、好ましくは開孔面
積率3〜60%、より好ましく5〜40%を有する。
反応筒のL/Dは、好ましくは2〜30の範囲、より好ま
しくは3〜20の範囲にある。
更に、反応筒内の多孔板群の下方にバッフルコーンを
配設してプラグフロー性(整流)を上げることが好まし
い。バッフルコーンの外径は取付け位置の反応筒内径の
1/10〜2/10、好ましくは1/3〜1/2とするのが好ましい。
反応筒での平均滞留時間は、好ましくは15〜120分で
あり、より好ましくは30〜80分である。反応温度は、好
ましくは50〜120℃であり、より好ましくは70〜90℃で
ある。反応筒への反応物の供給は、例えば最上部の多孔
板上のレベルが一定になる様に制御することが好まし
い。そして、反応筒内のモノマー混合物のこのレベルに
よって、所定量の高分子ジオールと有機ジイソシアナー
の高速ミキサーへの供給を制御するのが好ましい。
本発明方法は、上記の如くして得られるポリウレタン
プレポリマーと低分子ジオールとを塊状溶融重合せしめ
ることによって実施される。
ポリウレタンプレポリマーと低分子ジオールとは、高
分子ジオールと低分子ジオールの水酸基の合計量/有機
ジイソシアネートのイソシアネート基の量のモル比(R
比)が0.95〜1.05の範囲となる割合で用いられる。この
モル比の好ましい範囲は1.00〜1.05である。
前記R値がこの範囲からはずれると、生成ポリウレタ
ン弾性体は物性や溶融成形性の点で満足できるものでな
かったり、ゲル状物粒が多数含有するものとなる傾向が
大となり好ましくない。
ポリウレタンプレポリマーと低分子ジオールは、スク
リュー型押出機に供給される。尚、ポリウレタンプレポ
リマーと低分子ジオールは、高速ミキサーにより予め混
合して均一混合物とすることもできる。スクリュー型押
出機としては二軸スクリュー押出機が好適に使用でき
る。回転数は、好ましくは30〜300rpm、より好ましくは
60〜200rpmである。重合ゾーンのシリンダー温度は、24
0〜270℃の範囲、好ましくは245〜265℃の範囲にある。
また、シリンダーの少なくとも一部ゾーンを結晶塊の融
点程度に設定して生成した結晶塊を混練により分散させ
ることが好ましい。また、先端押出圧としては20〜45kg
/cm2が好ましい。分子量のバラツキが少なくかつ塊状物
が極めて少ない高品質のポリウレタン弾性体が得られ
る。平均滞留時間は、スクリューやL/Dにもよるが、好
ましくは1〜10分、より好ましくは2〜6分と短時間で
出口より連続的に押出す。塊状重合したポリウレタン弾
性体を、例えば水中に導びき急冷しペレットとするのが
有利である。
また、プレポリマーと低分子ジオールの反応には、例
えばジブチル錫ラウリレート、N−メチルモルホリン等
の公知の重合触媒を、例えば、低分子ジオール中に分散
させて用いることもできる。
ポリウレタン弾性糸の製造には一般に、湿式紡糸法或
いは乾式紡糸法が用いられ、溶融紡糸法が用いられる例
は比例的少ない。これは従来のポリウレタン弾性体が小
塊粒を生成し易いという問題点の他に、一般的に溶融時
の熱安定性に劣るため長期間の安定操業が困難であり、
また溶融紡糸により得られたポリウレタン弾性体は耐熱
性が悪く、高温に於ける変形からの回復が不充分である
などの問題点があるためと考えられる。
溶融紡糸法により得られるウレタン糸の熱的性質を改
良するために、ポリイソシアネート化合物を添加混合し
た後溶融紡糸する方法があり(特公昭58−46,573号公報
を参照)、本発明に於いては混練押出機から吐出される
ポリウレタンの活性イソシアネート基含有量を0.5重量
%以上、より好ましくは0.5〜1.1重量%とする。0.5重
量%未満では耐熱性の改良が充分でなく、一方1.1重量
%を超えると、紡糸性が低下し、捲き取ったウレタン糸
に膠着が生じ易くなり、好ましくない。ポリウレタン中
の活性イソシアネート基含有量は、ポリウレタンをジメ
チルスルホキシド(DMSO)に溶解し過剰のジブチルアミ
ンと反応させた後塩酸のエタノール溶液で残存ジブチル
アミドを逆滴定することにより測定し、[NCO]換算の
重量%で表わす。活性イソシアネート基含有量を高くす
る方法としては、重付加反応が完結してイソシアネート
基濃度が減少したポリウレタンに、直接或いは一旦ペレ
ット化した後再溶融して、ポリイソシアネート化合物を
添加混合した後紡糸する方法が好適である。こうして紡
糸されたウレタン糸は、室温で1日以上エイジングする
間にアロハネート架橋が生成し耐熱性が向上する。
本発明に適用されるポリイソシアネート化合物は、分
子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合
物で、例えばポリウレタンの合成に使用するポリオール
に2倍モル量以上の有機ジイソシアネートを添加、反応
させて合成することができる。また、3官能以上のポリ
オールも使用することができる。ポリイソシアネート化
合物の一分子内に含まれるイソシアネート基の数は2〜
4、特に2のジイソシアネート化合物が好ましい。イソ
シアネート基が多くなりすぎると、ポリイソシアネート
の粘度が高くなり取扱いが困難となる。
該ポリイソシアネート化合物は平均分子量が通常500
以上であり、特に1,000〜3,000が好ましい。平均分子量
がこれより小さい場合は、溶融ポリウレタンに添加混合
する際に、その温度で蒸気圧が大きく操業上不都合であ
り、また活性が大きすぎるため、貯蔵中変質しやすく、
紡糸中には不均一反応の原因となりやすい。一方、分子
量が大きくなりすぎると、添加すべきポリイソシアネー
ト化合物の量を多くする必要を生じ、混合後の紡糸が不
安定になりやすくなり、好ましくない。
本発明のポリイソシアネート化合物の添加量は、紡糸
に供する熱可塑性ポリウレタン弾性体と該ポリイソシア
ネート化合物との混合物に対して3〜20重量%が好適で
あり、特に好ましくは5〜15重量%である。ポリイソシ
アネート化合物を溶融状態のポリウレタンに添加、混合
する方法は、回転体混練機を用いて混合後紡糸する装置
を使用することもできるが、より好ましいのは静止系混
練素子を有する混合装置を用いることである。静止系混
練素子を有する混合装置としては、ケニクス社の「スタ
ティックミキサー」、桜製作所の「スケアミキサー」、
翼工業の「ハニカムミキサー」、特殊化工業の「T.K−P
OSSISGミキサー」など公知のものを用いることができ
る。これらの静止系混練素子の形状およびエレメント数
は使用する条件により異なるものであるが、ポリウレタ
ン弾性体とポリイソシアネート化合物とが紡糸口金から
吐出される前に、充分に混練が完了するように選定す
る。
かくして製造されるポリウレタン弾性糸は、耐熱性が
改良されており、後記190℃伸長回復率で評価して40%
前後から60〜90%のものに向上している。
本発明のポリウレタン弾性体は種々の成形品を成形す
ることができる。繊維やフィルムの如き成形品を製造す
る場合、ポリウレタン弾性体は、必要に応じて公知の着
色剤、酸化防止剤、滑り剤、耐候剤、耐熱剤等の添加剤
を含有することができる。かかる添加剤は、微粉化して
或いは溶融して微量定量ポンプでスクリュー型押出機の
ベント口に注入したり或いはプレポリマー中に分散させ
ることもできる。
重合されたポリウレタン弾性体は、スクリュー型押出
機の出口ダイスよりシート状に押出すことも出来るし、
或いはストランド状に押出しペレタイザーでペレット状
に成形出来る。特に水中ペレタイザーを使用すると球状
ペレットが安定して得られ、また紡糸工程での喰込みを
良好にすることができ好ましい。
更にエネルギー効率、水分やゴミ混入などの面から重
合したポリウレタン弾性体をそのまま溶融紡糸したり、
メルトブローにより不織布にすることがより好ましい。
本発明によれば、本発明の上記製造方法、とりわけ高
分子ジオールと有機ジイソシアネートからのポリウレタ
ンプレポリマーの製造工程をも包含する本発明方法を実
施するに好適なポリウレタン弾性体の製造装置が同様に
提供される。
すなわち、本発明のポリウレタン弾性体の製造装置
は、 (イ)高分子ジオールと有機ジイソシアネートと混合し
てモノマー混合物を生成するための高速ミキサー、 (ロ)モノマー混合物を反応させてポリウレタンプレポ
リマーを生成するための、1枚以上の多孔板を備えた反
応筒、 および (ハ)ポリウレタンプレポリマーと低分子ジオールとを
塊状溶融重合させてポリウレタンを生成せしめるための
スクリュー型押出機 からなる。
本発明の製造装置は、さらに、生成したポリウレタン
にポリイソシアネート化合物を添加し混合する装置、或
いは生成したポリウレタンを水中でペレット化するため
の水中ペレタイザーを備えることができる。
添付図面の第1図〜第3図に本発明の製造装置の具体
例をよりさらに説明する。
第1図において、1は高分子ジオールの貯槽であり、
2は有機ジイソシアネートの貯槽である。高分子ジオー
ルと有機ジイソシアネートとは高速ミキサー3に供給さ
れ、十分に混合される。生成したモノマー混合物は次い
で反応筒4に供給される。反応筒4は多孔板5を少なく
とも1枚(図では8枚)備えている。添付図面の第2図
には多孔板の1例を示した。好ましくは多孔板5の下方
にバッフルコーン7を備えている。貯槽1からの高分子
ジオールおよび貯槽2からの有機ジイソシアネートの反
応筒4への供給は、好ましくは反応筒4中の反応物レベ
ル6に基づいてレベル制御ゾーン8によって制御され
る。反応筒4からのポリウレタンプレポリマーと低分子
ジオール貯槽9からの低分子ジオールは、好ましくは高
速ミキサーで混合されたのち、二軸スクリュー押出機10
に導入される。二軸押出スクリュー内では上記の如く本
発明方法の塊状溶融重合が実施される。二軸押出スクリ
ューからのポリウレタン弾性体は、好ましくは水中ペレ
タイザーによりペレット化され、必要により、遠心脱水
器12に導かれて水と分離される。
第3図においては、二軸押出スクリュー22で生成され
たポリウレタン弾性体にポリイソシアネート24が添加さ
れた後、静止混練素子27により均一混合され、次いで溶
融紡糸装置によりフィラメント31として捲き取られる。
すなわち、二軸押出スクリュー22の供給口からプレポリ
マーと低分子ジオール21が供給されポリウレタン弾性体
が生成する。その一部は必要により23でペレット化され
る。ポリウレタン弾性体には、ポリイソシアネート24が
計量ポンプ25およびフィルター26を経て添加され、静止
混練素子27により均一に混合される。次いで得られる混
合物は紡糸ヘッド28、計量ポンプ29および紡糸ノズル30
からなる溶融紡糸装置によりポリウレタン弾性糸フィラ
メント31に変換され、ロール32で捲き取られる。
本発明のポリウレタン弾性体は、直接或いはペレット
にした後、上記の如く種々の成形品に成形される。特
に、本発明のポリウレタン弾性体からの繊維は、本発明
のポリウレタン弾性体が小塊粒の含有量が著しく少ない
ことに依存して極めて高品質である。また、本発明方法
によれば、かかる高品質のポリウレタン弾性体を連続的
に短時間で安定して製造することができ、且つ長時間
(20日間以上)の連続運転が可能である。更に、例えば
繊維の製造においても、小塊粒による紡糸糸切れが著し
く減少し、口金寿命も長時間となり、その歩留は85〜98
%と向上する。
それ故、本発明はかかるポリウレタン弾性体からの繊
維を提供するものである。本発明の繊維は他の繊維と組
み合わせて使用し、ストッキング、水着、インナーなど
の編物製品における穴あき、緯段などが大幅に改善され
た製品を与える。また、耐熱性を改良した繊維は、高温
染色や仮撚加工が可能となるためその用途も一層広が
る。
図面の簡単な装置 第1図は本発明のポリウレタン弾性体を製造するため
の製造装置の一例である。
第2図はその製造装置に用いられる多孔板の一例であ
る。
第3図は本発明のポリウレタン弾性体から耐熱性を改
良した繊維を直接製造するために好適な装置の一例であ
る。
実施例 以下、本発明により本発明をさらに詳述する。本発明
はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
なお、本発明において、小塊粒および粘度は下記のよ
うに測定され、定義される。
小塊粒: 小塊粒の径が100μm以上のもの。小塊粒の測定方法
は、繊維(通常、直径は20μm〜70μm程度)について
は1対のロールベアリング間を走行させその間隔の変動
をストレインゲージにより100μm以上の節部を検出
し、次いで偏光顕微鏡で確認することにより測定する。
シート、フィルム(通常、厚さは20μm〜600μm程
度)については100μm以上の小塊粒を顕微鏡でカウン
トする。
分子量: Waters社製710型全自動サンプルプロセッサー、Water
s社製590型多目的ポンプ、Waters社製481型波長可変紫
外部検出器、昭和電工製K−80M及びKD−802型充填カラ
ムを装備したゲルパーミネーションクロマトグラフィー
を用い、ジメチルホルムアミドを溶媒とし、0.35重量
%、カラム温度50℃、紫外280nmでの吸収強度を測定す
る。
標準試料にはポリスチレン(重量平均分子量=1,95
1、4,000、20,800、33,000、111,000、225,300、498,00
0、867、000、2,610、000)を用いた。測定された試料
の数平均分子量、重量平均分子量は標準ポリスチレン相
当である。
実施例1 アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールの縮合重合によ
り得られたポリエステルジオール(ポリヘキサンジオー
ルアジピン酸エステル:PHA、分子量2000)65.2重量部
と、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)
26.5重量部をそれぞれ80℃であらかじめ溶融した。これ
らの溶融物を高速ミキサーで混合した後80℃に保たれた
撹拌機付き調製槽で2時間反応させプレポリマーを調製
した。一方、低分子ジオールとして1,4−ブタンジオー
ル(1,4−BD)を80℃の貯槽に準備した。それぞれの槽
より計量ポンプによりプレポリマーを18.7kg/時で、低
分子ジオールを1.3kg/時で45φ二軸スクリュー型押出機
(同方向回転)に注入し重合した。二軸スクリュー型押
出機のシリンダー温度は原料供給口から順に、160℃、2
00℃、220℃、250℃、210℃であった。スクリュー回転
数150rpm、押出圧35kg/cm2(60μmのフィルター使
用)、平均滞留時間4分で2.4φの2ホール口金から吐
出し、水中ペレタイザーで安定にペレットを得ることが
出来た。
次ぎにこのペレットを脱水、乾燥して水分率80ppm以
下とした後25φ単軸押出機を使用し、ヘッド温度190
℃、紡糸フィルター40μmで30デニール1フィラメント
×8の溶融紡糸を行った。紡糸糸切れは極めて少なく得
られたポリウレタン弾性体モノフィラメントについて小
塊粒を測定したところ、極めて小塊粒の少ないポリウレ
タン弾性体であることが判った。結果を表1に示した。
実施例2 高分子ジオールをテトラヒドロフランの開環重合によ
り得られたポリエーテルジオール(ポリテトラメチレン
グリコール:PTMG、分子量1,000)に変更し、シリンダー
温度の全てのゾーンを10℃高温にする以外は実施例1と
同様にしてポリウレタン弾性体モノフィラメントを製造
した。結果を表1に示した。
実施例3 高分子ジオールをポリヘキサメチレン1,6カーボネー
トグリコール(分子量2,000)に変更し、シリンダー温
度の全てのゾーンを5℃高温にする以外、実施例1と同
様にしてポリウレタン弾性体フィラメントを製造した。
結果を表1に示した。
比較例1 実施例1の分子量2000のポリオール13.3kg/hr、MDI
5.4kg/hr及び1,4−BD 1.3kg/hrを連続的に二軸スクリュ
ー型押出機に供給し、シリンダー温度75℃、165℃、240
℃、240℃、210℃に設定して重合した(ワンショット
法)。得られたポリウレタン弾性体のペレットを使用し
て、実施例1と同様にしてモノフィラメントを製造し
た。結果を表1に示した。
比較例2 実施例1のプレポリマー18.7部、1,4−BD 1.3部を90
〜150℃に加熱したニーダーに供給し30分間撹拌しなが
ら反応させてポリウレタン粉末を得た(ニーダー法)。
このポリウレタン粉末を95℃で18時間熱処理した後、45
φ二軸スクリュー型押出機に供給しペレットとした。ス
クリューのシリンダー温度は供給口より160℃、190℃、
210℃、230℃、210℃であった。得られたポリウレタン
弾性体のペレットを使用して実施例1と同様にしてモノ
フィラメントを製造した。結果を表1に示した。
比較例3 R比を1.07に変更する以外、実施例1と同様にしてポ
リウレタン弾性体及びそのモノフィラメントを製造し
た。得られたモノフィラメントには多くのゲル状物を核
とする小塊粒が存在しており、紡糸糸切れもやや多かっ
た。結果を表1に示した。
実施例4 (1).アジピン酸と1,4−ブタンジオールのポリエス
テルジオール(ポリブタンジオールアジンピン酸エステ
ル:PBA)とアジピン酸と1,6−ヘキサンジオールのポリ
エステルジオール(ポリヘキサンジオールアジピン酸エ
ステル:PHA)の混合物((PBAとPHAの混合比がモル比で
1:1)で分子量2,000のポリオール70重量部と、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)30重量部を
準備した。80℃で溶融された貯槽より定量ポンプで上記
ポリオールを13.4kg/時で、MDIを5.4kg時で、3,000rpm
で回転している高速ミキサーに供給し、その中で混合し
た。次いで、混合物を連続的に内径150mm、高さ1,400mm
で開孔率10%の多孔板を5枚が設置された反応筒(内温
80℃)に供給し、下部より18.8kg/時でプレポリマー
(平均滞留時間60分)を排出した。レベル制御は高さ1,
100mmで一定になる様にポリオールとMDIの高速ミキサー
への供給により制御した。得られたプレポリマーのNCO
基は(147±3)×10-5モル/gであった。
(2).低分子ジオールとしては1,4−ブタンジオール
(1,4−BD)を用い、80℃に保温した。上記(1)のプ
レポリマーと1,4−BDをそれぞれ19kg/時間、1kg/時間の
供給量で定量ポンプより、2,000rpmで回転している高速
ミキサーに供給した。次いで、均一に混合した混合物を
45mmφの二軸スクリュー型押出機(同方向回転)に供給
し重合した。二軸スクリュー型押出機のシリンダー温度
は、原料供給口から順に200℃、230℃、260℃、260℃で
あった。スクリュー回転数10rpm、押出圧35kg/cm2で、
内部にヒーターを組込み表面がセラミックコーティング
された2.4mmφの2ホール口金から溶融状態のポリウレ
タン弾性体を水中に吐出すると同時に3枚ブレードの回
転カッタで切断する水中ペレタイザーで球状のペレット
を得ることができた。
次に、このペレットを遠心脱水、乾燥して水分率80rp
m以下とした後、25mmφの単軸押出機を使用し、ヘッド
温度190℃で30デニール1フィラメント×8の溶融紡糸
をした。得られたポリウレタン弾性体モノフィラメント
について小塊粒を測定したところ、極めて小塊粒の少な
いポリウレタン弾性体であることが判った。結果を表2
に示した。
比較例4 二軸スクリュー押出機のシリンダー温度を200℃、220
℃、230℃、230℃に変更する以外、実施例4と同様にし
てポリウレタン弾性体モノフィラメントを製造した。結
果を表2に示した。
実施例5 実施例4で重合したポリウレタン弾性体の溶融物をそ
のまま、一列に配列した直径0.8mmのノズルの両側に加
熱気体の噴射用スリットを有するメルトブロー紡糸装置
に導き、ヘッド温度240℃、ノズル当たり毎分0.5gの割
合で吐出し、200℃に加熱した空気を3.5kg/cm3の圧力で
スリットから噴射して細化した。細化したフィラメント
をノズル下方25cmに設置した30メッシュの金網からなる
コンベア上に捕集し、ローラーではさんで引取り、目付
50g/m2の不織布を得た(特公平1−30,945号の実施例2
を参照)。
この不織布は、ポリウレタン弾性繊維の単繊維が開繊
された状態で積層しており、単繊維間の交絡点は互いに
融着により接合されていた。また小塊粒を測定したとこ
ろ、1kgあたり約80個で極めて少なく、単繊維の直径も2
0μm程度と細くて均一なものから構成されていた。
実施例6 実施例4の乾燥ペレットを押出機にて溶融後、240℃
のスリットダイより急冷回転ドラム上に押出し、膜厚0.
6mmのシートを製造した。
得られたシートの塊状物を測定したところ、1kg当た
り約80個と極めて少ない良質なシートであった。
実施例7 水酸基価150のジヒドロキシポリεカプロラクトン1,5
00部とp,p−ジフェニルメタンジイソシアネート1,000部
を80℃で反応させ粘稠なポリイソシアネート化合物を得
た。このもののイソシアネート含有量は6.74%で分子量
は1,250であった。
実施例4において重合したポリウレタン弾性体を、第
3図の装置に導き、押出機先端で分割した一部は2.4φ
口金から水中に吐出してペレット化する。他の部分は、
上記ポリイソシアネート化合物を注入した後、静止混練
素子を有する混合装置を用いて混練し、ギアポンプで計
量し、直径1.0mmのノズルを用い、捲取速度500m/minで4
0デニールのモノフィラメントを紡糸した。ポリウレタ
ンに添加するポリイソシアネート化合物の量を変えて紡
糸した結果を表3に示す。
糸質はいずれも紡糸後、2日間室温で放置した後に測
定した。糸中の小塊粒は、いずれも1,000m中に1個以下
と良好であった。尚、ポリウレタン弾性糸の耐熱性を評
価する190℃伸長回復率は下記のようにして測定され
る。
(1)紡糸後、2日間室温でエイジングしたポリウレタ
ン弾性糸100mmを130mmに伸長した状態で190℃オーブン
中に1分間放置する。
(2)20℃に2分間130mmに伸長した状態のまま放置す
る。
(3)伸長を解除して2分後、その長さL(mm)を測定
する。
190℃伸長回復率(%)= (130−L)/(130−100)×100
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/70 D01F 6/70 B D04H 3/00 D04H 3/00 E // C08G 85/00 C08G 85/00 (72)発明者 山内 敏夫 大阪府大阪市都島区友渕町1丁目6番1 −103号 (56)参考文献 特開 平4−146915(JP,A) 特開 平4−277513(JP,A) 特開 昭49−109497(JP,A) 特開 昭62−15219(JP,A) 特開 昭61−28517(JP,A) 特開 平3−111419(JP,A) 特開 平2−628(JP,A) 特開 昭60−149623(JP,A) 特開 昭57−185313(JP,A) 特開 昭53−117098(JP,A) 特開 昭51−119094(JP,A) 特開 平2−80417(JP,A) 特公 昭49−12597(JP,B1) 特公 昭49−3451(JP,B1) 特公 昭44−25600(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08J 3/12 C08J 5/18 D01F 6/70 D04H 3/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)数平均分子量が160,000〜200,000の
    範囲にあり、重量平均分子量が300,000〜450,000の範囲
    にあり、そして重量平均分子量/数平均分子量の比が1.
    8〜2.3の範囲にあり、 (B)ポリウレタン基質に基づく小塊粒をポリウレタン
    1kg当り200個以下でしか含有せず、そして (C)塊状溶融重合により得られた、下記式 −(CONH−R−NHCO−O−R′−O)−および −(CONH−R−NHCO−O−R″−O)− ここで、Rは有機ジイソシアネートから2つのイソシア
    ネート基を除去した残基であり、R′は平均分子量500
    〜3,000の高分子量ジオールから2つの水酸基を除去し
    た残基であり、そしてR″は平均分子量500未満の低分
    子量ジオールから2つの水酸基を除去した残基である、 で表わされる繰返し単位よりなる、 ことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン弾性体。
  2. 【請求項2】小塊粒が(a)20℃において5〜50μmの
    大きさを有し且つポリウレタン基質を構成するハードセ
    グメントのみからなるホモポリマーの融点において溶融
    する結晶粒であるかあるいは(b)20℃において5〜50
    μmの大きさを有し且つポリウレタン基質を構成するハ
    ードセグメントのみからなるホモポリマーの融点におい
    て溶融しないゲル状物粒である、請求項1に記載のポリ
    ウレタン弾性体。
  3. 【請求項3】平均分子量500〜3,000の高分子ジオールと
    有機ジイソシアネートからのイソシアネート末端のポリ
    ウレタンプレポリマーと所定量の平均分子量500未満の
    低分子ジオールとを、前記高分子ジオールと該低分子ジ
    オールの水酸基の合計量/前記ジイソシアネートのイソ
    シアネート基のモル比が0.95〜1.05の範囲となる割合
    で、スクリュー型押出機中で、1〜10分間十分に混合し
    つつ240〜270℃の範囲の温度で塊状溶融重合させて請求
    項1に記載の熱可塑性ポリウレタン弾性体を生成せしめ
    る、ことを特徴とするポリウレタン弾性体の製造法。
  4. 【請求項4】(1)所定量の高分子ジオールと有機ジイ
    ソシアネートとを高速ミキサーに供給して十分に混合
    し、 (2)得られたモノマー混合物を、1枚以上の多孔板を
    備えた反応筒にその上部から供給して流下させ、その間
    に反応せしめてポリウレタンプレポリマーを生成せしめ
    る請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】工程(1)における所定量の高分子ジオー
    ルと有機ジイソシアネートの高速ミキサーへの供給を、
    工程(2)における反応筒内のモノマー混合物のレベル
    によって制御する請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】反応筒の多孔板の下方にバッフルコーンを
    さらに備えて工程(2)を実施する請求項4に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1のポリウレタン弾性体からなるポ
    リウレタン弾性繊維。
  8. 【請求項8】請求項1のポリウレタン弾性体からなり且
    つ190℃伸長回復率が60〜90%であることを特徴とする
    ポリウレタン弾性繊維。
  9. 【請求項9】請求項1のポリウレタン弾性体をメルトブ
    ロー紡糸して得られたポリウレタン弾性繊維不織布。
  10. 【請求項10】請求項1のポリウレタン弾性体を溶融押
    出して得られたポリウレタン弾性シート。
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